肥料はどこで売ってる?ホームセンターから100均・ネット通販まで完全網羅!
「そろそろお花や野菜に栄養をあげたいけど、どこで肥料を買えばいいの?」
そう悩んでこのページにたどり着いたあなたは、きっと植物を愛する素敵な方ですね!
実は、肥料は専門的なお店だけでなく、意外な場所でも手軽に手に入るんです。
この記事では、ホームセンターやドラッグストア、100円ショップなど、身近な販売場所を徹底的に解説します。
さらに、種類が多くて迷いがちな肥料の選び方や、初心者でも失敗しない使い方も、モモストアが分かりやすくご紹介しますね!
一緒にあなたの植物を元気にする「最高の肥料」を探しに行きましょう!
・ドラッグストアやスーパーでも肥料は買える?
・ダイソーやセリアなど100均の肥料は使える?種類と注意点
・プロ仕様の肥料が揃う!JA(農協)や園芸専門店を活用しよう
・重い肥料も楽々!Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングでの選び方
- 身近な場所!ホームセンターではどんな肥料が売ってる?
- ドラッグストアやスーパーでも肥料は買える?
- ダイソーやセリアなど100均の肥料は使える?種類と注意点
- プロ仕様の肥料が揃う!JA(農協)や園芸専門店を活用しよう
- 重い肥料も楽々!Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングでの選び方
- 失敗しない!肥料の「有機質」と「化成」の違いと使い分け
- チッソ・リン酸・カリの「肥料の三要素」とは?役割を解説
- 元肥と追肥はどう違う?液体肥料と固形肥料の最適な使い方
- 季節で変わる!春の植え付け、夏の生長期に必要な肥料の選び方
- 野菜・花・観葉植物で肥料は変えるべき?最適な専用肥料の選び方
- 肥料のやりすぎはNG!肥料焼けのサインと緊急時の対処法
- 「米ぬか」「卵の殻」も肥料になる?手作り肥料のメリット・デメリット
- 失敗を避けたい初心者必見!家庭菜園でよくある肥料の疑問Q&A
- 家庭菜園の成功を左右する!肥料と「pH(ペーハー)」の関係性
- 季節の変わり目は特に注意!肥料を与えるべきではないタイミング
- 育てたい植物別!初心者でも使いやすい「専用肥料」おすすめ3選
- 「米ぬか」「卵の殻」も肥料になる?手作り肥料のメリット・デメリット
- 育てたい植物別!初心者でも使いやすい「専用肥料」おすすめ3選
身近な場所!ホームセンターではどんな肥料が売ってる?

「肥料を買う」と聞いて、まず思い浮かべるのがホームセンターではないでしょうか。
コーナン、コメリ、カインズといった大手ホームセンターは、園芸用品の品揃えが非常に豊富で、肥料に関しても初心者向けの少量のものから、プロ農家が使うような業務用サイズまで、まさに「肥料のデパート」と言える充実ぶりなんです。
特に大型店舗の場合、園芸コーナーが独立した建物になっていることも多く、専門知識を持ったスタッフさんが常駐していることもありますから、わからないことがあればすぐに相談できるのが心強いですよね。
ホームセンターで見つかる主要な肥料カテゴリー
ホームセンターに足を運んだら、棚の多さに圧倒されるかもしれません。でもご安心ください。取り扱われている肥料は、大きく分けて以下のカテゴリーに分類できます。
- 化成肥料(カセイヒリョウ):窒素・リン酸・カリウムの三大要素を化学的に合成したもの。臭いが少なく、扱いやすいのが特徴です。特に「8-8-8」のような数字が書いてあるものは、三大要素が均等に入ったバランス型で、初心者の方には特におすすめですよ。コメリやコーナンのオリジナルブランド品もこのタイプが多いです。
- 有機質肥料(ユウキシツヒリョウ):油かす、鶏ふん、骨粉など、動物性・植物性の天然素材が原料です。土壌の微生物によってゆっくり分解されるため、効果が長く持続するのが魅力です。ただし、分解される際に特有の臭いが出ることがあるため、ベランダや室内で使う場合は注意が必要です。
- 液体肥料(エキタイヒリョウ):水に薄めて使うタイプで、即効性が抜群です。「最近、植物が元気がないな」と感じたときに、すぐに栄養を補給してあげたい場合に最適です。ハイポネックス原液のような定番商品から、活力剤として知られるメネデールのような商品まで、多岐にわたります。
- 土壌改良材(ドジョウカイリョウザイ):これは厳密には肥料ではないのですが、肥料の効果を高めたり、土の状態を良くしたりするために欠かせないアイテムです。苦土石灰や牛ふん堆肥、腐葉土などがこれにあたります。良い土壌あってこそ、肥料がしっかりと植物に吸収されるので、土作りから始める場合はぜひチェックしてくださいね。
このように、ホームセンターでは様々なニーズに対応できる商品が揃っていますが、特に重い土や大容量の肥料を購入する際は、店舗からの無料配達サービスや、車への積み込みサービスを利用すると、持ち帰りの負担がグッと減らせます。店舗によっては、一定額以上の購入で自宅まで配達してくれるサービスもあるので、購入前に確認してみると良いでしょう。
迷ったら、まずは店員さんに「何を育てたいか」「どんな環境(ベランダ、庭など)で育てるか」を伝えてみるのが一番の近道ですよ!
ドラッグストアやスーパーでも肥料は買える?
「ちょっとだけ液肥が欲しいだけなのに、わざわざホームセンターに行くのは面倒だな」と感じることもありますよね。
実は、ドラッグストアや一部のスーパーマーケットでも、園芸用品や肥料が販売されていることをご存知ですか?
特にウエルシアやマツモトキヨシなどのドラッグストアは、日用品や食品と合わせて、観葉植物向けの小さな活力剤や、簡単な鉢底石、培養土などを取り扱う店舗が増えてきています。これは、近年、都市部でガーデニングや家庭菜園を楽しむ人が増えている背景があるからなんです。
ドラッグストア・スーパーで手に入る肥料の特徴
ドラッグストアやスーパーで販売されている肥料は、ホームセンターのものと比べると、「少量で手軽」「即効性がある」「室内利用向け」という特徴があります。
| 販売場所 | 主な取り扱い商品 | おすすめの利用シーン |
|---|---|---|
| ドラッグストア (ウエルシアなど) | 活力アンプル、観葉植物用の液肥、小さな固形肥料、切り花延命剤 | 急な肥料切れの応急処置、室内観葉植物の手入れ、一人暮らしの方の少量購入 |
| スーパー (特に生鮮食品が充実している店舗) | 野菜の種、簡単な培養土、有機石灰(たまに)、鉢底石、簡単な液肥 | 買い物のついで、プランターでの簡単な家庭菜園を始める時 |
特に、アンプル型の活力剤は、ドラッグストアでよく見かける定番商品です。これは土に挿すだけで、植物が必要な栄養や水分をゆっくりと供給してくれる優れもので、旅行などで数日家を空ける際にも重宝します。
注意!大容量や専門的な肥料は期待薄
ただし、ドラッグストアやスーパーは、あくまで「ついで買い」を意識した品揃えです。そのため、以下のような商品はほとんど見つからないことが多いです。
- 米ぬかや鶏ふんといった、大容量の有機質肥料(臭いが問題になるため)
- 特定の成分に特化した単一肥料(例: 高濃度のリン酸肥料)
- プロ向けの業務用サイズ(20kgなどの大袋)
もしあなたが本格的な家庭菜園や、庭木の手入れに必要な大量の肥料を探しているなら、やはりホームセンターか専門店を利用するのが確実です。ですが、ちょっとした観葉植物の管理や、旅行前の栄養補給用としてなら、いつものドラッグストアを覗いてみる価値は十分にありますよ!
ダイソーやセリアなど100均の肥料は使える?種類と注意点
「100円で肥料が買えるなんて、本当に大丈夫なの?」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。ダイソーやセリア、キャンドゥなどの100円ショップの園芸コーナーは年々進化しており、土や鉢だけでなく、もちろん肥料も種類豊富に取り揃えられています。
結論から言うと、100均の肥料は、使い方を理解していれば「大いに使える」アイテムです!
100均で見つかる!コスパ最強の肥料ラインナップ
100円ショップで特に優秀なのは、その「少量パック」の利便性です。家庭菜園初心者の方や、一人暮らしでベランダで少しだけ植物を育てている方にとって、大容量の肥料は使いきれずに困ることもありますよね。100均なら、必要な分だけを無駄なく購入できるのが最大のメリットです。
- 錠剤肥料・固形肥料:鉢のフチに置くだけで、水やりごとに少しずつ溶けて効くタイプ。観葉植物や花鉢の手軽な追肥として人気です。
- 液体肥料(希釈タイプ・アンプルタイプ):小さなボトルやアンプルに入った液体肥料。こちらも即効性があり、特に100均の観葉植物コーナーに置いてある「観葉植物の土」とセットで使うのに最適です。
- 土壌改良材の少量パック:腐葉土、赤玉土、バーミキュライト、くん炭などの土壌改良材も、少量ずつパックになって売られています。これは、特定の土をブレンドして使いたいときや、古くなった土を少量だけ再生したいときに大変便利です。
- 種まき・育苗用の土とセットになった肥料:種まきから始めたい方向けに、最初から肥料分が配合された育苗ポットセットなども販売されています。すぐにガーデニングを始めたい方にはうってつけですね。
100均肥料を使う上での注意点
安くて便利な100均肥料ですが、一点だけ注意が必要です。それは、「成分表示をしっかり確認すること」です。
もちろん、日本の100円ショップで販売されている肥料は、肥料取締法に基づいて成分が表示されているため安全です。しかし、商品によってはホームセンターで売られているものよりも、肥料の三大要素(N-P-K)の濃度が薄めに作られていることがあります。
そのため、「なかなか効果が出ないな」と感じる場合は、使用頻度や量を少し増やす必要があるかもしれません。また、大容量が必要な大規模な菜園には不向きです。あくまで「お手軽な趣味の園芸」「室内で楽しむ小さな植物」向けとして活用するのが、賢い使い方と言えるでしょう。
特に、100均で購入した観葉植物や多肉植物には、専用の100均肥料で十分な栄養を供給できますので、まずは試してみることをおすすめします。
プロ仕様の肥料が揃う!JA(農協)や園芸専門店を活用しよう
「家庭菜園レベルを卒業して、もっと本格的な野菜を育てたい!」「肥料の効果を最大限に引き出す、プロが使うような商品が欲しい!」
そんなワンランク上のニーズに応えてくれるのが、JA(農協)のグリーンセンターや、地域に根差した園芸専門店です。
これらの場所は、一般のホームセンターとは少し異なる品揃えと、深い専門知識が魅力なんです。特に、土壌診断に基づく適切な肥料選びをしたい方には最適の場所ですよ。
JAグリーンセンターの圧倒的な品揃えと強み
JA(農協)の店舗は、地域のプロ農家さんたちが日常的に利用する場所です。そのため、取り扱っている肥料も、家庭菜園コーナーでは見かけないような「農業資材」としての顔ぶれが中心になります。
- 業務用大袋のラインナップ:20kgやそれ以上の大容量の肥料が豊富に揃っています。価格も大量仕入れのため、ホームセンターの小分けパックよりお得になることが多いです。ご近所さんと共同で購入するのも一つの手ですね。
- 特殊肥料・土壌改良材:石灰窒素、硫安、リン酸過石など、単一成分に特化した肥料(単肥)や、特定の微生物を含んだ土壌活性剤など、細かな土壌管理に必要な特殊な商品が手に入ります。これらの単肥を組み合わせて、自分の畑に最適なブレンドを作るのは、まさにプロの技です。
- 専門知識を持ったスタッフ:店舗のスタッフさんは、農業や園芸に関する知識が非常に豊富です。ご自身の畑やプランターの土を持ち込んで「この土に合う肥料は?」と相談すれば、科学的な見地に基づいた的確なアドバイスをもらえることもあります。この「人的資源」が、JAや専門店を利用する最大のメリットかもしれません。
園芸専門店ならではの「こだわり」肥料
一方、街の園芸専門店やナーセリーは、特定の植物(バラ、洋ラン、多肉植物など)に特化した、オーナーのこだわりが詰まったオリジナルブレンドの肥料や培養土を取り扱っていることが多いです。
例えば、有機栽培に力を入れている専門店なら、自家製のボカシ肥料や、自然素材にこだわった堆肥など、他では手に入らない高品質な有機肥料が見つかります。価格はホームセンターより高めの傾向にありますが、その分、植物への効果や安全性に配慮された商品が多いので、大切な植物には奮発して使ってみたいですね。
本格的な園芸を楽しみたいなら、ぜひ一度、お近くのJAや専門店に足を運んでみてください。新しい発見と、レベルアップのヒントが必ず見つかるはずですよ。
重い肥料も楽々!Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングでの選び方
肥料や土は、その性質上どうしても重くなりがちです。特に大規模な家庭菜園をされている方や、マンションにお住まいで荷物の運び込みが大変な方にとって、重い肥料の購入は大きな負担ですよね。
そんな悩みを一気に解決してくれるのが、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったネット通販の活用です。自宅まで重い荷物を運んでもらえるのは、本当に助かります。
ネット通販のメリット・デメリットと選び方のコツ
ネット通販は利便性が高い一方で、実際に商品を見て触ることができないというデメリットもあります。ここでは、ネットで肥料を購入する際のポイントをまとめました。
| メリット | デメリット | 選び方のコツ |
|---|---|---|
| 重い荷物でも玄関まで届く | 実物を見て、粒の大きさや臭いを確認できない | レビューで「粒の大きさ」や「臭い」に関する言及をチェック |
| 大容量パックが豊富で価格が安いことが多い | 送料がかかる場合があり、小口購入では割高になることも | 送料無料ラインを狙うか、他の園芸用品とまとめて購入する |
| 人気メーカーの商品が簡単に比較できる(ハイポネックス、マグァンプKなど) | 在庫切れや発送遅延が発生することがある | 余裕を持って注文する。特に季節の変わり目は注意 |
ネット通販で特に探すべき「人気&定番」肥料
ネット通販は、全国の園芸店が参加しているため、定番中の定番商品から、地方の知る人ぞ知るブランドまで、幅広い選択肢があります。
特にネットで人気が高いのは、以下のような商品です。
【定番の緩効性(ゆっくり効く)肥料】
- マグァンプK(ハイポネックス): 植え付け時に土に混ぜるだけで、長期間(数ヶ月〜1年)効果が持続するベストセラーです。粒のサイズが「小粒」「中粒」「大粒」と選べるので、植える植物や鉢の大きさに合わせて購入できます。ネットでは、大容量の業務用サイズも手に入りやすいですよ。
- プロミック(ハイポネックス): 置肥(おきごえ)として使う、カラフルな粒状の固形肥料。こちらも緩効性で、見た目が可愛いので観葉植物の鉢にも使いやすいと評判です。
【人気の液体肥料】
- ハイポネックス原液: 液体肥料といえばこれ!というほどの代名詞。水に薄めて使うタイプで、効き目が早く、様々な植物に使えます。ネットならまとめ買いがお得な場合が多いです。
また、最近はメルカリやラクマなどのフリマアプリでも、使い切れなかった肥料や、個人でブレンドしたオリジナルの土などが取引されることもあります。もちろん、公式な通販サイトで購入する方が安心感はありますが、掘り出し物が見つかるかもしれませんので、探してみるのも楽しいですよ!
(ネット通販の最新肥料ランキングを見てみる)
失敗しない!肥料の「有機質」と「化成」の違いと使い分け
いざ肥料を買いに行くと、「有機」とか「化成」といった言葉が並んでいて、「一体何が違うの?」と戸惑ってしまいますよね。実は、この「有機質肥料」と「化成肥料(無機質肥料)」の違いを理解することが、肥料選びの第一歩であり、植物を元気に育てるための重要な鍵なんです。
有機質肥料とは?「土を育てる」天然の力
有機質肥料は、その名の通り、動物や植物に由来する天然の素材を原料としています。
- 主な原料: 油かす(菜種油の搾りかす)、魚かす、骨粉、鶏ふん、牛ふん堆肥、米ぬかなど。
- 特徴:
- 効果がゆっくりと長く持続する(緩効性): 土の中の微生物がこれらの有機物を分解してから、ようやく植物が吸収できる形になるため、効果が出るまでに時間がかかりますが、持続性が高いです。
- 土壌改良効果がある: 有機物を分解する過程で、土の通気性や保水性が良くなり、ふかふかの良い土を作ってくれます。
- 欠点: 分解時に特有の臭いが発生することが多く、虫が寄ってくる可能性もゼロではありません。即効性がないため、急いで栄養を与えたい時には不向きです。
- 使い分け: 植え付け前の「元肥」として、じっくりと土壌を育てたいときや、長期にわたって収穫する野菜(トマト、ナスなど)の栽培に向いています。
化成肥料とは?「植物に直接栄養を届ける」速効性
化成肥料(無機質肥料)は、天然の鉱物資源などを原料に、化学的に合成して作られた肥料です。一般的には「化学肥料」と呼ばれることも多いですが、植物が吸収する栄養素の形は天然のものと全く同じなので、安心して使ってくださいね。
- 主な原料: 窒素・リン酸・カリウムなどの無機化合物。
- 特徴:
- 効果が早く出る(速効性): 水に溶けやすく、植物の根がすぐに吸収できる形になっているため、即効性があります。
- 臭いがなく清潔: 室内やベランダでも使いやすいのが大きなメリットです。
- 成分の調整が容易: 窒素・リン酸・カリの割合が明確に決められているので、「この野菜にはリン酸を多めに」といった目的別の施肥がしやすいです。
- 欠点: 土壌改良効果はほとんどなく、多量に与えすぎると「肥料焼け」を起こしやすいです。
- 使い分け: 生育途中の「追肥」として、すぐに植物を元気にしたいときや、特定の栄養素を補給したいときに最適です。
賢い使い方は、「有機質肥料で土の土台を作り、化成肥料で足りない栄養をスポット的に補う」ことです。
この二つの肥料をバランス良く組み合わせることで、あなたの植物は根っこから葉っぱまで、最高の状態を保てますよ!
チッソ・リン酸・カリの「肥料の三要素」とは?役割を解説
肥料のパッケージを見ると、「N-P-K」というアルファベットと数字が並んでいますよね。これは、植物の生育に欠かせない「肥料の三要素」、つまりチッソ(窒素)・リン酸・カリ(カリウム)の配合割合を示しているんです。
この三要素が、植物のどの部分を育てるか、その役割を知っておくと、肥料選びがグッと楽しくなり、植物のサインに合わせて適切な栄養を補給できるようになりますよ!
三要素それぞれの役割と不足した時のサイン
それぞれの要素には、植物の体の中で特別な役割があります。例えるなら、チッソは「筋肉」、リン酸は「エネルギー源」、カリは「骨格」のようなもの。どれが欠けても健康にはなれません。
| 要素 | 役割 | 不足した時のサイン | 多く含む肥料の例 |
|---|---|---|---|
| チッソ(N) | 葉肥(はごえ): 葉や茎を大きく茂らせる、主に成長を促す役割。 | 葉の色が薄くなる(黄化)、茎が細くヒョロヒョロになる。 | 油かす、尿素、硫安 |
| リン酸(P) | 実肥(みごえ)・花肥(はなごえ): 花つき・実つきを良くし、根の発育を助ける役割。 | 葉の裏が紫色になる、花が咲かない、実が大きくならない。 | 骨粉、過リン酸石灰、鶏ふん |
| カリ(K) | 根肥(ねごえ): 根や茎を丈夫にする、病害虫や寒さへの抵抗力を高める役割。 | 葉の縁が黄色くなったり茶色くなったりする、根張りが悪くなる。 | 草木灰、塩化カリ、硫酸カリ |
家庭菜園用の複合肥料では、三要素が均等に配合された「8-8-8」などが万能で使いやすいですが、植物の目的や状態に合わせて調整するのがプロのテクニックです。
目的に合わせたN-P-K比率の選び方
例えば、あなたが育てている植物の「目的」によって、必要な栄養素のバランスは変わってきます。
- 葉物野菜(ホウレンソウ、キャベツなど): 葉を茂らせたいので、チッソ(N)を多めに。「N:P:K = 10:5:5」のようなチッソ特化型を選びましょう。
- 花や実を楽しむ植物(トマト、バラなど): 花や実をつけたいので、リン酸(P)を多めに。「N:P:K = 6:10:5」のようなリン酸特化型がおすすめです。リン酸は特に効果が出にくい成分なので、追肥でもしっかり与えることが大切です。
- 観葉植物: 根っこを丈夫にして、葉の健康を保ちたいので、チッソとカリを重視しつつ、バランス型で十分です。
肥料選びは、植物へのラブレターのようなもの。「今、君にはこれが足りないよ!」という植物からのサインを読み取って、適切な栄養を与えてあげましょう。パッケージに書かれた数字を意識するだけで、あなたのガーデニングレベルは格段にアップしますよ!
(肥料の三要素についてもっと詳しく知る)
元肥と追肥はどう違う?液体肥料と固形肥料の最適な使い方
肥料を購入したら、次は「いつ、どうやって」あげるか、が重要になります。肥料の使い方は大きく分けて「元肥(もとごえ)」と「追肥(ついひ)」の2種類があり、これを間違えると、せっかくの肥料も効果を発揮しきれなかったり、最悪の場合は植物を傷めてしまったりすることもあるんです。
ここでは、それぞれの肥料の役割と、形状(液体・固形)による使い方の違いを、初心者の方にも分かりやすく解説しますね。
「元肥」と「追肥」の明確な役割分担
元肥(もとごえ)の役割:土台作り
元肥は、植物を植え付ける際や種をまく前に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことです。植物がこれから長く育っていくための、基礎体力となる栄養を補給する役割があります。
- 適した肥料: 緩効性(ゆっくり効く)の有機質肥料や、効果が長続きするタイプの化成肥料(マグァンプKなど)が適しています。
- 与え方: 植え付けの約1週間前までに、培養土全体に均一に混ぜ込むのが基本です。元肥を入れすぎると、植え付けた後の根が傷む「肥料焼け」の原因になるため、パッケージの用量を守ることが大切です。
追肥(ついひ)の役割:エネルギー補給
追肥は、植物が成長している途中で、足りなくなった栄養を補うために追加で施す肥料のことです。特に花を咲かせたり、実をつけたりする活動量の多い時期に必要になります。
- 適した肥料: 即効性のある液体肥料、または効果が比較的早く出る固形肥料が適しています。
- 与え方: 成長に合わせて、数週間~1ヶ月に1回程度の頻度で施します。固形の場合は鉢のフチに置くか、株元から少し離れた土に混ぜ込み、液体の場合は水やりの代わりに与えます。
液体肥料と固形肥料の最適な使い方
肥料の形状にも、それぞれ適した使い方があります。
【液体肥料(液肥)】
- 特徴: 水に溶けているため、根からすぐに吸収されます。即効性がある反面、効果の持続性は短いです。
- 使い方: 基本的に「水やり」の要領で与えます。ただし、必ず規定の倍率に希釈して使うこと。原液をそのまま与えると、高濃度すぎて肥料焼けを起こします。頻度は、通常7日〜10日に1回程度が目安です。
【固形肥料】
- 特徴: 粒状や錠剤になっており、水や土の微生物の働きでゆっくりと溶け出します。緩効性が高く、効果が長持ちします。
- 使い方: 植え付け時に土に混ぜ込むか(元肥)、植物の生育期間中に鉢の土の上に置きます(置肥)。液肥と違い、頻繁に施す必要はありませんが、効果が切れる前に新しいものに交換する必要があります。
植物が元気なときは固形肥料でじっくり、元気がない時や急に花を咲かせたいときは液体肥料で素早く、といった使い分けをマスターしましょう。
季節で変わる!春の植え付け、夏の生長期に必要な肥料の選び方
植物は、私たち人間と同じように、季節によって活動量や必要な栄養素が大きく変わります。肥料選びも、その季節に植物が「何を求めているか」を知ることが、成功の秘訣になりますよ。ここでは、特に重要な春と夏の肥料戦略について解説します。
春(3月〜5月):活動開始!「元肥」と「成長促進」の季節
春は、植物が冬の休眠から目覚め、本格的に活動を始める時期です。種まきや植え付けを行うことが多いため、最も重要なのは「土台作り」と「初期の成長を支える栄養」です。
- メインの肥料: 元肥(緩効性肥料)土にマグァンプKや油かすなどの緩効性肥料を混ぜ込み、長期的な栄養源を確保します。特にリン酸を意識して、根っこをしっかり張らせる準備をしましょう。
- 追肥のスタート: チッソ多めの液肥植え付けから少し経ち、根が落ち着いた頃(新芽が出始めた頃)から、成長を促すためにチッソ(N)が多めの液体肥料をスタートさせます。この時期にチッソをしっかり与えることで、葉や茎が大きく丈夫に育ちます。
- 注意点: 早く大きくしたいからといって、植え付け直後に液肥を濃く与えすぎると、デリケートな根が傷んでしまう「肥料焼け」を起こしやすいので注意が必要です。
夏(6月〜8月):スタミナ勝負!「追肥」と「疲労回復」の季節
夏は植物にとって最も過酷な季節です。水やりや光合成が活発になるため、栄養の吸収スピードも速く、肥料切れを起こしやすい時期です。特にトマトやナスなどの果菜類は、実を次々とつけるため、大量のスタミナ(栄養)を消耗します。
夏場の肥料戦略のポイント
- 追肥を欠かさない:固形肥料の効き目が切れていないか確認し、液肥の追肥を頻繁に行います。水やりを兼ねて、7日〜10日に一度のペースで与えるのが理想的です。
- リン酸・カリウムを意識:暑さに負けない丈夫な体と、次々と実をつけるためのエネルギーとして、リン酸(P)とカリウム(K)を多く含む肥料を意識して与えましょう。夏バテ防止にもつながります。
- 活力剤の活用:猛暑で生育が鈍ったときには、肥料成分だけでなく、ビタミンやミネラルなどを含む「活力剤」(メネデール、リキダスなど)を併用すると、疲労回復を助けてくれます。
このように、季節に合わせて肥料の「種類」と「頻度」を変えることが、ガーデニング上級者への第一歩です。パッケージに書かれた「使用時期」も参考にしながら、植物が今求めている栄養を見極めてあげてくださいね。
野菜・花・観葉植物で肥料は変えるべき?最適な専用肥料の選び方
ホームセンターに行くと、「野菜専用」「花の肥料」「観葉植物の土」など、特定の植物に特化した専用肥料がたくさん並んでいます。「これって、本当に使い分ける必要があるの?」と疑問に感じますよね。結論から言うと、「目的の達成」と「失敗の回避」のためには、専用肥料を使うのが最も安全で確実です。
植物の目的で変わる!肥料のゴール
なぜ植物によって肥料を変える必要があるのか?それは、植物が育つ「ゴール」がそれぞれ違うからです。
| 植物のグループ | 育成のゴール(目的) | 必要な肥料の傾向(N-P-K) |
|---|---|---|
| 果菜類・花(トマト、バラなど) | 花や実を多くつけること | P(リン酸)を重視(花肥・実肥) |
| 葉物野菜・芝生(ホウレンソウ、芝生など) | 葉や茎を大きく、青々と茂らせること | N(チッソ)を重視(葉肥) |
| 観葉植物・多肉植物 | 葉の健康維持と根張りの強化 | NとKのバランス型(Pは控えめ) |
特に違いが大きいのが、「果菜類」と「観葉植物」です。
観葉植物に野菜の肥料はNG?
観葉植物は、葉の美しさを楽しむものですが、実はリン酸(P)をそれほど多く必要としません。むしろ、野菜用の肥料のようにリン酸が多すぎると、土の中でリン酸が過剰になり、他の栄養素の吸収を妨げてしまう(特に微量要素)という問題が発生することがあります。
そのため、観葉植物には、葉の成長を助けるチッソ(N)と、根や茎を丈夫にするカリ(K)がバランス良く入った「観葉植物専用」の肥料を使うのがベストです。多くの場合、臭いが少なく、室内の利用に適した液肥や、おしゃれな置き肥タイプが主流です。
専用肥料の最大のメリット
専用肥料は、その植物が必要とする栄養素だけでなく、水やりの回数や生育スピードに合わせた「効き方」になるよう設計されています。たとえば、「トマト専用肥料」は、長い期間にわたって実をつけ続けるトマトのために、緩効性の肥料成分が多めに配合されていることが多いです。
あなたが育てている植物の種類が明確なら、迷わずその植物専用の肥料を選ぶことを、モモストアは強くおすすめします!
(トマト専用肥料の成分を調べる)
肥料のやりすぎはNG!肥料焼けのサインと緊急時の対処法
「たくさん栄養をあげた方が、元気に育つだろう!」
そう思って、ついつい肥料を多めに与えてしまう気持ち、とてもよく分かります。でも、残念ながら、肥料は多ければ多いほど良い、というわけではないんです。人間が食事をしすぎるのと同じで、植物も肥料を与えすぎると、かえって体調を崩してしまいます。
この状態を「肥料焼け(ひりょうやけ)」と呼びます。ここでは、肥料焼けのサインと、もし起こしてしまった場合の緊急対処法を解説しますね。
肥料焼けとは?なぜ起こるのか
肥料焼けとは、土の中の肥料濃度が高くなりすぎた結果、植物の根の細胞が水分を奪われて脱水症状を起こしてしまう現象です。
植物の根は、土の中の水分を吸い上げていますが、肥料の濃度が高くなると、浸透圧の関係で、逆に根の中の水分が土の方に吸い出されてしまいます。その結果、根が水分や栄養を吸収できなくなり、やがて枯れてしまうのです。
肥料焼けの主なサイン
- 葉のフチや先端が茶色く、カラカラに乾燥する:これが最も典型的なサインです。特に葉の先端から症状が出ることが多いです。まるで火で炙られたように見えることから「焼け」と呼ばれます。
- 葉全体が黄色く変色する(葉焼けと似ている):葉焼け(強い日差しによるダメージ)と似ていますが、肥料焼けの場合は、根の吸収能力が落ちているため、葉全体に栄養が行き届かなくなって黄色くなります。
- 成長が完全に止まる:新しい芽や葉が出るはずの時期なのに、全く変化が見られない場合、根がダメージを受けている可能性があります。
肥料焼けを起こしてしまった時の緊急対処法
もしあなたの植物に肥料焼けのサインが見られたら、時間との勝負です!すぐに以下の対処法を行ってください。
・すぐに新しい土に植え替える(植え替え)
・ダメージを受けた葉や根を切り取る(剪定)
【大量の水で肥料を洗い流す(水やり)】
これが最も手軽で効果的な対処法です。鉢底から水が大量に流れ出るまで、普段の水やりの倍以上の水を与え続けてください。これにより、土の中の過剰な肥料成分が水と一緒に洗い流されます(これを「水通し」や「リーク」と呼びます)。何度か繰り返し、土の濃度を薄めましょう。
【すぐに新しい土に植え替える(植え替え)】
水通しで改善しない場合や、根がかなり傷んでいる場合は、すぐに新しい土に植え替えるしかありません。植え替えの際は、古い土を優しく落とし、茶色く変色したり、ドロドロになったりしている根(傷んだ根)をハサミで切り取ってから、肥料分が入っていない新しい培養土に植え付けます。
肥料焼けは、特に即効性のある液体肥料を濃く与えすぎた場合に起こりやすいです。必ずパッケージの希釈倍率を守り、心配な場合は「薄めかな?」と思うくらいで与えるのが、安全に植物を育てるコツですよ。
「米ぬか」「卵の殻」も肥料になる?手作り肥料のメリット・デメリット
「家庭から出る生ごみや残り物を、そのまま植物の栄養にできたらエコなのに!」
そう考える方は多く、昔から様々な家庭の素材が肥料として活用されてきました。特に米ぬかや卵の殻、コーヒーかすなどは、身近な手作り肥料の代表格です。
ここでは、これらの手作り肥料が本当に使えるのかどうか、そのメリットとデメリット、そして注意点について詳しく見ていきましょう。
米ぬか、卵の殻、コーヒーかすの「隠れた栄養素」
これらの家庭の残り物には、植物にとって有益な栄養素が含まれています。
| 素材 | 主な栄養素と役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 米ぬか | チッソ(N)やリン酸(P)を多く含む。微生物の餌となり、土壌改良効果も高い。 | 生でそのまま土に混ぜると、発酵時に熱を出し根を傷める(ボカシ肥にする必要あり)。 |
| 卵の殻 | カルシウム(石灰)が主成分。土を中和させ、根張りを促進する。 | そのままでは分解されないため、細かく砕くか、焼いてから使用する。 |
| コーヒーかす・茶殻 | 土の通気性を高める効果。わずかにチッソやカリウムを含む。 | 大量に与えると、土が酸性に傾いたり、カビが生えたりする原因になる。 |
手作り肥料の最大のデメリット:分解と腐敗のリスク
手作り肥料の最大の課題は、その「分解」です。市販の有機肥料は、あらかじめ発酵・分解処理がされているため、そのまま土に混ぜても安全です。
しかし、米ぬかなどの有機物をそのまま土に混ぜてしまうと、土の中で急激に発酵が始まり、以下のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
- 発熱: 発酵熱で根が「煮えて」しまい、枯れる(これも一種の肥料焼け)。
- 異臭・害虫: 腐敗やカビが発生し、コバエなどの害虫を呼び寄せる。
- ガス発生: 有機物が分解される際に有毒ガス(メタンガスなど)が発生し、植物の生育を阻害する。
これらのリスクを避けるためにも、手作り肥料を本格的に活用したい場合は、「ボカシ肥」と呼ばれる、あらかじめ米ぬかや油かすなどを微生物の力で発酵させてから使う方法をとるのが安全です。ボカシ肥は、手間はかかりますが、臭いも少なく、植物に優しい良質な有機肥料になりますよ。まずは安全な市販品から試すことをおすすめします!
(ボカシ肥の作り方)
失敗を避けたい初心者必見!家庭菜園でよくある肥料の疑問Q&A
肥料について様々な知識を学んできましたが、実際に家庭菜園やガーデニングを始めるにあたって、いくつか疑問が残ることがあるかと思います。ここでは、モモストアに寄せられることの多い、肥料に関する「よくある疑問」をQ&A形式でまとめてみました。
Q1: 室内で使う観葉植物の肥料、臭いが気になるけどどうすればいい?
A: 固形肥料なら「化成」、液体肥料なら「無臭」を選びましょう。
有機質肥料は、どうしても分解の過程で特有の臭い(特に魚かすや油かす系)が発生しやすいです。室内で使う場合は、臭いのない化成肥料の「置き肥」タイプを選ぶのが一番です。最近は、ハイポネックスのプロミックなど、色が付いていて見た目もおしゃれな置き肥がたくさん出ています。液体肥料も「室内用」「無臭タイプ」と書かれた商品を選べば、安心して使えますよ。
Q2: 緩効性肥料って、どのくらいの期間効き目が続くの?
A: 商品や粒の大きさによって、数ヶ月〜1年程度と幅があります。
緩効性肥料の中でも、特に代表的なマグァンプKは、粒の大きさによって効き目が違います。例えば、「小粒」は約1年、「中粒」は約1年〜1年半、「大粒」は2年近く効果が持続するとされています(ただし、土壌環境や水やりの頻度で前後します)。必ずパッケージに記載されている「持続期間」を確認してから、次の施肥計画を立ててくださいね。
Q3: 鉢の表面に白いカビのようなものが出てきたけど、これは肥料ですか?
A: それはカビか、水が蒸発した後の「塩類集積(えんるいしゅうせき)」の可能性があります。
白いものがモフモフしたカビのようなものなら、水やりのしすぎや通気性の悪さが原因です。少し土を乾燥させて、風通しを良くしましょう。一方、サラサラとした結晶のようなものが鉢のフチや土の表面に付いている場合は、肥料の成分や水道水のミネラル分が水分の蒸発で濃縮されたもの、つまり「塩類集積」です。これは肥料が多すぎたり、水やりが少ないサインです。H2「肥料のやりすぎはNG!」で解説したように、鉢底から大量の水で洗い流す(水通しをする)ことで改善しますよ。
Q4: 固形肥料を土に埋めるのはなぜですか?置くのとどう違うの?
A: 埋めるのは「分解を促進」するため、置くのは「臭いを防ぐ」ためです。
有機質肥料のような「土の微生物の力で分解される肥料」は、土に軽く埋め込むことで、微生物が活発な環境(湿気があり、日光が当たらない)で分解が進み、効果が早く安定します。一方、化成肥料の置き肥タイプは、埋めなくても雨や水やりで成分が溶け出す設計になっていますし、臭いがないため、土の上に置く方が手軽で、見た目もきれいです。
用途や肥料の種類によって、埋めるか置くかを使い分けてくださいね。
家庭菜園の成功を左右する!肥料と「pH(ペーハー)」の関係性
肥料を適切に与えても、「なぜか野菜が元気に育たない…」という経験はありませんか?実は、肥料の効き目を左右する非常に重要な要素が、土の酸性度を示す「pH(ペーハー)」なんです。
土のpHが植物に合っていないと、せっかく与えた肥料の栄養素が、根から吸収されにくい形に変化してしまい、植物は「栄養失調」のような状態になってしまいます。ここでは、pHの重要性と、それを調整するために必要な資材について解説します。
ほとんどの野菜が好むのは「弱酸性」
土壌のpHは、酸性(pHが低い)からアルカリ性(pHが高い)まであり、植物の種類によって好みが分かれますが、ほとんどの野菜や花は「弱酸性(pH 6.0~6.5程度)」の土壌を最も好みます。この範囲だと、肥料の三要素(N・P・K)や微量要素(鉄、マグネシウムなど)が、植物の根が吸収しやすい形で土の中に存在してくれるからです。
日本は雨が多く、土壌が自然と酸性に傾きやすい性質を持っています。そのため、肥料を与える前に、酸性に傾きすぎた土を中和させてあげる作業が必要になることが多いんです。
pH調整に欠かせない「石灰資材」の種類
土をアルカリ性に傾け、酸性度を調整するために使われるのが、主に「石灰資材」です。
| 石灰資材の種類 | 特徴と効果 | 使い方の注意点 |
|---|---|---|
| 苦土石灰(くどせっかい) | 最も一般的。石灰(カルシウム)と苦土(マグネシウム)を補給。pH調整効果もマイルドで使いやすい。 | 元肥(肥料)と同時に施すと、チッソ成分が揮発しやすい。必ず1週間以上あけて施肥する。 |
| 消石灰(しょうせっかい) | アルカリ性が強く、即効性がある。 | アルカリ性が強すぎるため、使いすぎると土がアルカリ性になりすぎる。取り扱いに注意が必要。 |
| 有機石灰(ゆうきせっかい) | カキ殻などの天然素材が原料。pH調整効果が最も穏やかで、肥料との同時施肥が可能。 | 効き目が遅いため、即効性は期待できない。価格は高め。 |
もし、あなたの植物の生育が悪いと感じたら、まずは土壌診断キットやpHメーターで土のpHを測ってみることをおすすめします。pHを適切に調整してあげるだけで、肥料の吸収効率が劇的に上がり、植物が本来持っている力を最大限に引き出せるようになりますよ!
季節の変わり目は特に注意!肥料を与えるべきではないタイミング
ここまで、肥料を「いつ、どうやって」与えるかについて解説してきましたが、実はそれと同じくらい重要なのが、「肥料を絶対にあげてはいけないタイミング」を知っておくことです。間違ったタイミングで施肥してしまうと、植物が大きなダメージを受けてしまう可能性があります。
肥料をストップすべき3つのタイミング
植え付け・植え替えの直後(特にデリケートな根)
植え付けや植え替えの際、植物の根は必ず少なからず傷ついています。この傷ついたデリケートな状態の根に、濃い肥料を与えてしまうと、前述の「肥料焼け」を非常に起こしやすくなります。
元肥を規定量混ぜ込んだ土に植え付けた後は、最低でも1週間から10日間は肥料(特に液肥)を避け、水と活力剤(肥料成分を含まないもの)のみで様子を見てあげましょう。根が土に馴染み、新しい葉が動き始めたら、追肥をスタートするサインです。
真夏や真冬の「休眠期」や「生育停滞期」
多くの植物は、極端な暑さ(真夏)や寒さ(真冬)の期間は、生育活動をストップし、エネルギーを温存する「休眠」状態に入ります。この期間は、水を吸い上げる力も、肥料の栄養を消化する力も極端に弱まっています。
- 夏: 35℃を超えるような猛暑日は、植物も夏バテしています。液体肥料はストップし、水だけで乗り切らせましょう。
- 冬: 多くの花や観葉植物(特に熱帯性)は、冬場は成長を止めます。肥料を与えても吸収されずに土の中に残り、土の濃度を高めて根を傷める原因になります。冬越し中は、ほとんどの肥料をストップするか、ごく薄い液肥をごく少量にするのが鉄則です。
病害虫の被害を受けている時
病気(カビなど)や害虫(アブラムシ、ハダニなど)の被害に遭っている植物は、人間が病気の時に食欲がないのと同じで、栄養を吸収・消化する力が落ちています。
このような状態で肥料を与えても、逆効果になることがほとんどです。まずは病害虫の駆除や治療を最優先し、病気が治ってから、活力剤やごく薄い液肥で体力を回復させてあげるのが正しい手順です。健康な状態でなければ、肥料は「毒」になりかねませんので、植物の状態をよく観察してあげてくださいね。
育てたい植物別!初心者でも使いやすい「専用肥料」おすすめ3選
最後に、モモストアの筆者である私が、初心者の方にぜひおすすめしたい、使いやすさと効果を兼ね備えた「専用肥料」を3種類ご紹介します。どれもホームセンターやネット通販で簡単に手に入る定番商品ばかりですよ。
おすすめ1:迷ったらこれ!【野菜・ハーブ専用】
花ごころ 花ちゃん野菜の有機肥料
家庭菜園を始めたばかりの方に特におすすめなのが、この「花ちゃん」シリーズです。この肥料は、有機質肥料でありながら、臭いが控えめに作られている点が最大の魅力です。また、チッソ・リン酸・カリの三大要素に加えて、野菜の生育に欠かせない微量要素もバランス良く含まれています。
- おすすめポイント:土に混ぜるだけでよく、有機肥料ならではの深い味わいの野菜が育てられます。また、粒状で扱いやすく、初心者でも肥料焼けのリスクが少ない配合になっています。
- どこで買える?:ホームセンターのカインズ、コメリ、コーナンなどで定番商品として広く取り扱われています。もちろん、Amazonや楽天市場でも人気が高く、まとめ買いも可能です。
おすすめ2:室内園芸の絶対定番!【観葉植物専用】
ハイポネックス原液(観葉植物の活力剤入り)
液体肥料の代名詞とも言えるハイポネックス原液ですが、観葉植物専用の配合もあります。水に薄めて与えるだけなので、即効性があり、葉の色艶を良くする効果がすぐに実感できます。
- おすすめポイント:何よりも手軽で、水やりのついでに栄養補給ができます。また、液体なので土に残りにくく、土の表面にカビが生える心配も少ないため、室内の利用に最適です。特に葉の黄ばみが気になる時に使うと、効果てきめんです。
- どこで買える?:ドラッグストアやスーパーの園芸コーナーにも小さなボトルが置いてあることが多いです。まずは一番小さなサイズから試してみて、効果を実感してから大きなボトルに切り替えるのがおすすめです。(ハイポネックス原液の口コミをチェック)
おすすめ3:植え付け時の一発OK!【長期持続型】
ハイポネックス マグァンプK(中粒)
「肥料やりを忘れがち…」という方や、「最初の土作りで完璧にしたい!」という方にイチオシなのが、このマグァンプKです。植え付け時に土に混ぜ込むだけで、約1年間にわたってゆっくりと安定した栄養を供給し続けます。
- おすすめポイント:肥料のやり忘れを防げるだけでなく、リン酸成分が多く、根張りを良くする効果に優れているため、特に鉢植えやプランター栽培の土台作りに欠かせません。粒が崩れにくいので、追肥として土の上に置いても使いやすいですよ。
- どこで買える?:ホームセンターはもちろん、園芸専門店でも必ず置いてある超定番商品です。ネット通販では、大容量サイズが非常にお得に購入できます。
この3つの中から、あなたの育てたい植物や栽培スタイルに合った肥料を選んで、ガーデニングライフをもっと楽しんでくださいね!
「米ぬか」「卵の殻」も肥料になる?手作り肥料のメリット・デメリット
「家庭から出る生ごみや残り物を、そのまま植物の栄養にできたらエコなのに!」
そう考える方は多く、昔から様々な家庭の素材が肥料として活用されてきました。特に米ぬかや卵の殻、コーヒーかすなどは、身近な手作り肥料の代表格です。
ここでは、これらの手作り肥料が本当に使えるのかどうか、そのメリットとデメリット、そして注意点について詳しく見ていきましょう。
米ぬか、卵の殻、コーヒーかすの「隠れた栄養素」
これらの家庭の残り物には、植物にとって有益な栄養素が含まれています。
| 素材 | 主な栄養素と役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 米ぬか | チッソ(N)やリン酸(P)を多く含む。微生物の餌となり、土壌改良効果も高い。 | 生でそのまま土に混ぜると、発酵時に熱を出し根を傷める(ボカシ肥にする必要あり)。 |
| 卵の殻 | カルシウム(石灰)が主成分。土を中和させ、根張りを促進する。 | そのままでは分解されないため、細かく砕くか、焼いてから使用する。 |
| コーヒーかす・茶殻 | 土の通気性を高める効果。わずかにチッソやカリウムを含む。 | 大量に与えると、土が酸性に傾いたり、カビが生えたりする原因になる。 |
手作り肥料の最大のデメリット:分解と腐敗のリスク
手作り肥料の最大の課題は、その「分解」です。市販の有機肥料は、あらかじめ発酵・分解処理がされているため、そのまま土に混ぜても安全です。
しかし、米ぬかなどの有機物をそのまま土に混ぜてしまうと、土の中で急激に発酵が始まり、以下のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
- 発熱: 発酵熱で根が「煮えて」しまい、枯れる(これも一種の肥料焼け)。
- 異臭・害虫: 腐敗やカビが発生し、コバエなどの害虫を呼び寄せる。
- ガス発生: 有機物が分解される際に有毒ガス(メタンガスなど)が発生し、植物の生育を阻害する。
これらのリスクを避けるためにも、手作り肥料を本格的に活用したい場合は、「ボカシ肥」と呼ばれる、あらかじめ米ぬかや油かすなどを微生物の力で発酵させてから使う方法をとるのが安全です。ボカシ肥は、手間はかかりますが、臭いも少なく、植物に優しい良質な有機肥料になりますよ。まずは安全な市販品から試すことをおすすめします!
(ボカシ肥の作り方)
育てたい植物別!初心者でも使いやすい「専用肥料」おすすめ3選
最後に、モモストアの筆者である私が、初心者の方にぜひおすすめしたい、使いやすさと効果を兼ね備えた「専用肥料」を3種類ご紹介します。どれもホームセンターやネット通販で簡単に手に入る定番商品ばかりですよ。
おすすめ1:迷ったらこれ!【野菜・ハーブ専用】
花ごころ 花ちゃん野菜の有機肥料
家庭菜園を始めたばかりの方に特におすすめなのが、この「花ちゃん」シリーズです。この肥料は、有機質肥料でありながら、臭いが控えめに作られている点が最大の魅力です。また、チッソ・リン酸・カリの三大要素に加えて、野菜の生育に欠かせない微量要素もバランス良く含まれています。
- おすすめポイント:土に混ぜるだけでよく、有機肥料ならではの深い味わいの野菜が育てられます。また、粒状で扱いやすく、初心者でも肥料焼けのリスクが少ない配合になっています。
- どこで買える?:ホームセンターのカインズ、コメリ、コーナンなどで定番商品として広く取り扱われています。もちろん、Amazonや楽天市場でも人気が高く、まとめ買いも可能です。
おすすめ2:室内園芸の絶対定番!【観葉植物専用】
ハイポネックス原液(観葉植物の活力剤入り)
液体肥料の代名詞とも言えるハイポネックス原液ですが、観葉植物専用の配合もあります。水に薄めて与えるだけなので、即効性があり、葉の色艶を良くする効果がすぐに実感できます。
- おすすめポイント:何よりも手軽で、水やりのついでに栄養補給ができます。また、液体なので土に残りにくく、土の表面にカビが生える心配も少ないため、室内の利用に最適です。特に葉の黄ばみが気になる時に使うと、効果てきめんです。(液体肥料の正しい希釈方法)
- どこで買える?:ドラッグストアやスーパーの園芸コーナーにも小さなボトルが置いてあることが多いです。まずは一番小さなサイズから試してみて、効果を実感してから大きなボトルに切り替えるのがおすすめです。
おすすめ3:植え付け時の一発OK!【長期持続型】
ハイポネックス マグァンプK(中粒)
「肥料やりを忘れがち…」という方や、「最初の土作りで完璧にしたい!」という方にイチオシなのが、このマグァンプKです。植え付け時に土に混ぜ込むだけで、約1年間にわたってゆっくりと安定した栄養を供給し続けます。
- おすすめポイント:肥料のやり忘れを防げるだけでなく、リン酸成分が多く、根張りを良くする効果に優れているため、特に鉢植えやプランター栽培の土台作りに欠かせません。粒が崩れにくいので、追肥として土の上に置いても使いやすいですよ。
- どこで買える?:ホームセンターはもちろん、園芸専門店でも必ず置いてある超定番商品です。ネット通販では、大容量サイズが非常にお得に購入できます。(マグァンプKの粒のサイズの違い)

