アバフェルディ12年は本当に終売?現在の入手方法と代替品を徹底解説!

アバフェルディ12年は本当に終売?現在の入手方法と代替品を徹底解説!

ウイスキー好きの皆さん、ショックなニュースが飛び込んできましたね。
あの「ハニーモルト」として愛されてきたスコッチウイスキー、アバフェルディ12年が日本国内の正規ルートでの販売を終了してしまいました。突然の終売発表に、SNSでは「買いだめしなきゃ」「もう手に入らないの?」と大きな話題になっています。
この記事では、ウイスキー愛好家のモモストアが、終売の真相から、今からでも手に入れる方法、そしてアバフェルディの代わりに楽しめるおすすめの代替品まで、詳しく解説していきます!

・アバフェルディ12年は本当に終売?日本の正規流通の現状
・なぜアバフェルディ12年は終売になったのか?その理由を深掘り
・「幻の銘柄」に?終売後のアバフェルディ12年の市場価格はどう変化したか
・アバフェルディ12年を入手する最後のチャンス!今すぐ探すべき場所
・正規ルートが絶たれても諦めない!並行輸入品を探すメリットと注意点
  1. アバフェルディ12年は本当に終売?日本の正規流通の現状
    1. 「終売」と「休売」の違いを理解しよう
      1. 日本のウイスキー市場における終売の連鎖
  2. なぜアバフェルディ12年は終売になったのか?その理由を深掘り
    1. 輸入元サッポロビールが果たした役割
      1. 終売の背景にある「デュワーズ」との関係
  3. 「幻の銘柄」に?終売後のアバフェルディ12年の市場価格はどう変化したか
    1. 高騰するアバフェルディ12年を買うべきか?
      1. オークションやフリマアプリでの取引の注意点
  4. アバフェルディ12年を入手する最後のチャンス!今すぐ探すべき場所
    1. ECサイトでの在庫争奪戦を勝ち抜く戦略
      1. 飲食店やバーでの最後の出会いを求めて
  5. 正規ルートが絶たれても諦めない!並行輸入品を探すメリットと注意点
    1. 並行輸入品を選ぶ際の重要な注意点
      1. 正規輸入品と並行輸入品の見分け方
  6. アバフェルディ12年の特徴をおさらい!「ハニーモルト」と呼ばれる所以
    1. アバフェルディ12年のテイスティングノート
      1. 熟成における「エンジェルズシェア」の物語
  7. アバフェルディの代わりになるのはどれ?ハニーフレーバー系ウイスキー3選
    1. 代替品ウイスキーの詳細レビュー
      1. グレンフィディック 12年:世界で最も愛されるシングルモルト
      2. ダルウィニー 15年:上品なハチミツと繊細なフローラル
      3. トマーティン 12年:隠れた実力派のバランスモルト
  8. ブレンデッドの核!「デュワーズ」からアバフェルディの個性を感じる
    1. デュワーズの種類とアバフェルディの風味の繋がり
      1. ハイボールで楽しむデュワーズとアバフェルディの共通点
  9. 【長期熟成】16年や21年も終売?その他のアバフェルディ銘柄の状況
    1. アバフェルディ16年の持つ複雑な魅力
      1. アバフェルディ21年:究極のエレガンスと希少性
  10. アバフェルディ12年の定価はいくらだった?高騰前の適正価格
    1. 価格が高騰した本当の理由
      1. 価格が高騰しても手に入れたいボトルの価値
  11. アバフェルディを愛するモモストアが選ぶ!飲んでおくべき代替ウイスキー
    1. 「ハチミツ感」を追求した代替品:グレンモーレンジィ オリジナル
      1. 「フルーティーさ」を追求した代替品:オールド・プルトニー 12年
  12. アバフェルディ12年をより美味しく楽しむ!おすすめの飲み方アレンジ
    1. ストレート:ハニーモルトの真髄を味わう
      1. 「ゴールデンハイボール」:蜂蜜と炭酸の黄金比
  13. アバフェルディの歴史と蒸留所:ウイスキーの聖地ハイランドの魅力
    1. ウイスキー造りの生命線:メンザイクの泉
      1. 蒸留所の訪問と「デュワーズ・ワールド・オブ・ウイスキー」
  14. 終売を乗り越えて、アバフェルディの「魂」を探求しよう

アバフェルディ12年は本当に終売?日本の正規流通の現状

momo-store.jp

結論からお伝えしますと、アバフェルディ12年は、日本国内のウイスキー市場において、正規輸入代理店を経由した流通は「終売」となりました。これは、ウイスキー愛飲家にとっては非常に大きなニュースであり、市場に与える影響も甚大です。
「終売」という言葉を聞くと、「二度と手に入らない」と完全に生産が停止したように感じてしまうかもしれませんが、厳密には少し状況が異なります。製造元のバカルディ社自体がアバフェルディの生産を止めたわけではありません。蒸留所はスコットランドのハイランド地方で引き続き稼働しており、原酒も熟成され続けています。しかし、日本の正規輸入元であるサッポロビールを通じた販売がストップした、というのが正確な表現です。
この影響はすでに出ており、大手酒販店やスーパー、デパートなどの正規ルートでは、在庫限りで販売が終了となり、店頭から姿を消しつつあります。特に、アバフェルディ12年は、そのバランスの取れた味わいとコストパフォーマンスの高さから、一時期「山崎の代替品」として注目を浴びるほど人気が急上昇していました。それだけに、今回の終売は非常に残念な出来事と言えます。
現在の市場では、まだ在庫を持っている店舗や、ECサイト、並行輸入品を扱う業者などがわずかに販売を続けていますが、その供給量は限られており、価格は日に日に高騰しています。この状況は、アバフェルディを愛する私たちにとって、非常に厳しい現実を突きつけています。今後、国内のウイスキーファンがこの銘柄を手に入れるためには、最新の流通情報を細かくチェックする必要が出てきました。終売が正式に発表された後も、流通経路や在庫状況は常に変動していますので、諦めずに探すことが大切です。

「終売」と「休売」の違いを理解しよう

ウイスキーの世界では、「終売(販売終了)」と「休売(販売休止)」という言葉がよく使われますが、この違いを正確に理解しておくことは、今後のウイスキー選びにおいて非常に重要になります。
終売は、文字通り「販売を完全に終了する」ことを意味し、多くの場合、ブランド戦略の転換、原酒の枯渇、あるいは今回のように輸入元の方針変更など、恒久的な理由に基づいています。アバフェルディ12年の場合は、日本の正規輸入元が販売枠を失ったため、事実上の終売となりました。再販の可能性は極めて低いと言えます。
一方で、休売は「一時的に販売をストップする」ことです。これは、多くの場合、原酒の熟成が追い付かない、生産ラインの調整、あるいは一時的な需要超過など、供給側の問題に起因します。原酒が整い次第、再販される可能性が残されているため、ファンとしては希望が持てる状態です。
アバフェルディ12年のケースでは、日本市場においては休売を経た後の終売発表だったため、事態はより深刻です。一度終売となった銘柄が再販されることは稀であり、特にシングルモルトの熟成年数表記があるものは、同じ熟成期間を持つ原酒の確保が難しいため、事実上、日本国内で正規価格で購入できる機会は失われたと考えるべきでしょう。

日本のウイスキー市場における終売の連鎖

近年、ジャパニーズウイスキーの品薄と価格高騰が続いていますが、それに伴い、スコッチウイスキーにも終売の波が押し寄せています。アバフェルディ12年だけでなく、他の人気銘柄でも熟成年数表記のあるものが相次いで終売・休売となっています。この背景には、世界的なウイスキー需要の急増があります。特にアジア市場や新興国での需要が爆発的に伸びており、蒸留所の生産が追い付いていないのが現状です。
ウイスキーは時間という要素が不可欠なため、すぐに増産して市場の需要を満たすことができません。結果として、各メーカーはグローバルな販売戦略を見直し、供給を絞ったり、熟成年数表記のないNAS(Non-Age Statement)製品に切り替えたりする傾向にあります。アバフェルディ12年の終売は、この世界的なウイスキーブームの余波であり、今後もこうした動きは続く可能性が高いとモモストアは見ています。

なぜアバフェルディ12年は終売になったのか?その理由を深掘り

アバフェルディ12年の日本国内での終売は、単なる人気による品薄ではなく、より複雑な背景があります。公式な発表や関係者筋の情報によると、その最大の理由は「バカルディ社のグローバル戦略の変更」にあります。アバフェルディのブランドを保有しているバカルディ社が、全世界での販売方針を見直し、結果として「日本への販売枠が無くなった」ため、正規輸入元を通じての販売が打ち切られたというのが真相です。
これは非常に残念な理由ですが、企業のグローバルな戦略というのは、時に一国の市場の状況よりも優先されることがあります。特にウイスキーのような需要が世界中で高まっている商品は、供給をどの地域にどれだけ割り当てるかという判断が非常にシビアになります。日本市場での人気は高かったものの、他の成長市場への供給を優先した、あるいはブランドのポジショニングを再定義した、といった可能性が考えられます。
また、ウイスキー業界全体のトレンドとして、原酒の長期的な安定供給が難しくなっていることも無視できません。12年という熟成期間を持つウイスキーは、最低でも12年前に仕込まれた原酒が必要です。近年の需要急増を考えると、メーカーとしては、熟成年数表記のないNAS製品を増やしたり、特定の市場への供給を制限したりすることで、ブランド全体のサステナビリティ(持続可能性)を確保しようとしているのかもしれません。

輸入元サッポロビールが果たした役割

アバフェルディの日本市場における認知度向上には、正規輸入元であるサッポロビールの功績が大きいです。サッポロビールは、アバフェルディの魅力を日本のウイスキーファンに伝え、特に「ハニーモルト」としての特徴を広くアピールしました。その結果、アバフェルディ12年は、ブレンデッドウイスキー「デュワーズ」の核となるモルトとしてだけでなく、シングルモルトとしても確固たる地位を築くに至りました。
しかし、今回の終売は、サッポロビール側の意向というよりも、ブランドオーナーであるバカルディ社の意向が強く働いた結果です。正規輸入元が、いくら国内で売れ行きが良くても、ブランド戦略の上層部の決定には逆らえないという、グローバル企業の厳しい現実を突きつけられた形となりました。サッポロビールにとっても、人気銘柄を失うことは大きな痛手であり、この終売は、グローバル企業の販売戦略の厳しさを物語っています。

終売の背景にある「デュワーズ」との関係

アバフェルディ蒸留所は、世界的に有名なブレンデッドスコッチウイスキー「デュワーズ」の主要なキーモルト(核となる原酒)を提供しています。デュワーズのあの甘くて丸みのある特徴的な味わいは、アバフェルディが持つ「ハニーモルト」の風味に大きく依存していると言われています。
シングルモルトとしてのアバフェルディ12年が日本で終売になった背景には、このデュワーズの安定供給を優先したいというバカルディ社の思惑があるのかもしれません。シングルモルトの需要が爆発的に伸びることで、デュワーズ用の原酒が不足してしまう事態を避けるため、戦略的にシングルモルトの販売量を調整している可能性は十分に考えられます。ブレンデッドウイスキーは、シングルモルトよりも圧倒的に販売量が多く、ブランド全体としての収益の柱です。その核となる原酒を守るための判断であれば、企業戦略としては理解できる側面もあります。

「幻の銘柄」に?終売後のアバフェルディ12年の市場価格はどう変化したか

終売のニュースが流れると、ウイスキーは一気に「投機対象」としての側面が強くなります。アバフェルディ12年も例外ではありませんでした。終売発表後、市場価格は劇的に変化し、まさに「幻の銘柄」としての地位を確立しつつあります。
数年前、まだ終売の噂もなかった頃のアバフェルディ12年は、非常に良心的な価格で手に入りました。参考小売価格は5,500円(税抜き)でしたが、実売価格は3,000円台後半から4,000円台前半が一般的で、そのコストパフォーマンスの高さが多くのファンを生み出しました。ところが、終売の噂が立ち始め、そして正式に終売が発表された後、状況は一変しました。
現在の市場価格は、多くのECサイトや並行輸入品を扱う店舗で、定価の2倍から3倍に高騰しています。具体的には、9,000円から15,000円程度の価格帯で取引されるケースが増えており、これはもはや日常的に気軽に楽しめるウイスキーの価格帯ではありません。この価格高騰の主な要因は、以下の表にまとめることができます。

価格高騰の主な要因 詳細
需要の急増 「もう飲めなくなる」という心理から、愛飲家が一斉にストック目的で購入。
投機的な動き ウイスキー投資家や転売ヤーが市場の在庫を買い占め、高値で再販。
供給の途絶 正規輸入ルートが閉ざされたため、流通量が激減し、希少性が向上。
並行輸入のコスト 為替の円安進行や物流コストの上昇が、並行輸入品の価格に上乗せ。

このように、複数の要因が絡み合い、アバフェルディ12年の価格は天井知らずで上がっています。もし、現在自宅にストックがある方は、非常に貴重なボトルを持っていることになります。今後は、さらに価格が上昇する可能性も否定できませんが、モモストアとしては、やはりお酒は「飲むためにある」と考えています。大切に、しかし臆せず、特別な時にその味わいを堪能していただきたいと願っています。

高騰するアバフェルディ12年を買うべきか?

現在、高騰した価格でアバフェルディ12年を購入するかどうかは、非常に悩ましい問題です。モモストアからのアドバイスとしては、以下の3つのポイントを考慮して判断することをおすすめします。

  1. 純粋な味わいを求めるなら: 高騰した価格に見合うだけの「絶対的な美味しさ」があるかというと、それは個人の感覚によります。アバフェルディ12年は「名酒」ですが、数万円の価値があるかどうかは別問題です。同じ価格帯であれば、他により熟成年数が長く、複雑な風味を持つウイスキーを選ぶことができます。
  2. 記念品・ストック目的なら: 「もう二度と正規で手に入らない思い出の味」として、高値でも数本ストックしておきたいという方は、納得できる範囲の価格であれば購入を検討しても良いでしょう。ただし、高騰している分、購入は慎重に行い、信頼できる販売元を選ぶことが重要です。
  3. 代替品を探すなら: もし、アバフェルディの「ハニーモルト」の風味や、飲みやすさを日常的に楽しみたいのであれば、高騰したボトルに手を出すよりも、この後に紹介するような、特徴が似た別のウイスキーを探す方が賢明です。

いずれにしても、現在の価格は「希少価値」が上乗せされた結果であり、適正なウイスキーの価格ではないことを理解しておく必要があります。市場価格に惑わされず、ご自身の予算とウイスキーに対する情熱を天秤にかけて、冷静に判断してくださいね。

オークションやフリマアプリでの取引の注意点

価格が高騰すると、オークションサイトやフリマアプリでの取引も活発になります。個人間で取引されるこれらの場所では、比較的安価でボトルを見つけられる可能性もありますが、注意が必要です。
最も怖いのが、偽造品や品質劣化のリスクです。ウイスキーは温度や光に非常に敏感なお酒です。個人保管の場合、適切な環境で保管されていなかったり、中身が詰め替えられていたりする可能性もゼロではありません。特に、未開封であっても液面低下(エンジェルズシェア)が異常に激しいボトルや、ラベルの傷みが激しいボトルには注意が必要です。オークションなどで購入する際は、出品者の評価や、ボトルの状態を写した写真を隅々までチェックし、少しでも不審な点があれば手を出さない勇気も必要です。

アバフェルディ12年を入手する最後のチャンス!今すぐ探すべき場所

終売はしましたが、まだアバフェルディ12年を手に入れるチャンスは残されています。「もう飲めない」と諦めるのはまだ早いです!ここでは、現在モモストアが推奨する、最後のボトルを探すための具体的な場所と戦略をご紹介します。

1. 地方の酒屋・個人経営の酒販店
大手チェーン店は終売情報が入るとすぐに在庫を売り切ってしまうか、棚から撤去してしまいますが、地方や個人経営の酒販店では、終売の情報をキャッチしておらず、棚の奥に眠っているケースが意外とあります。特に、昔ながらの酒屋さんでは、数年前に仕入れたままのボトルが、当時の良心的な価格で残っている可能性もあります。旅行先や出張先で、ふらっと立ち寄ってみる価値は十分にあります。「アバフェルディ12年はありますか?」と直接尋ねてみましょう。思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。

ECサイトでの在庫争奪戦を勝ち抜く戦略

インターネット上のECサイト、特にAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどは、現在最もアバフェルディ12年が多く出品されている場所です。しかし、前述の通り、価格は高騰しており、在庫も非常に流動的です。ここでは、効率的に探すための戦略をお教えします。

  1. 価格帯を絞り込む: 検索時に「価格帯」を絞り込む機能を活用しましょう。極端に高い転売価格を避け、良心的な価格(現在の相場であれば、1万円前後)の出品だけを表示させることで、狙い目のボトルを見つけやすくなります。
  2. ショップ評価を確認: 初めて利用するショップの場合は、必ずレビューや評価を確認してください。ウイスキーの梱包・発送に慣れているか、信頼できるショップかどうかの判断は非常に重要です。
  3. 並行輸入品を積極的に探す: 「アバフェルディ12年 並行」や「アバフェルディ 12年 700ml」といったキーワードで検索し、並行輸入品を扱う店舗を積極的に探しましょう。並行輸入品については、次のセクションで詳しく解説しますが、終売後の今、最も頼りになる供給源の一つです。

また、Amazonの「入荷お知らせ機能」や、楽天市場、Yahoo!ショッピングの「お気に入り登録」を活用し、在庫が復活した際にすぐに通知を受け取れるように設定しておくのも有効な手段です。これは、ウイスキーに限らず、人気商品の争奪戦では欠かせないテクニックです。

飲食店やバーでの最後の出会いを求めて

ボトルで購入するのは難しいかもしれませんが、アバフェルディ12年との「最後の出会い」は、行きつけのバーやウイスキーに力を入れている飲食店かもしれません。多くのバーでは、終売になる前から仕入れを行っているため、まだストックが残っている可能性があります。
特に、ウイスキーを専門とするバーテンダーに尋ねてみれば、そのバーがストックしているだけでなく、「実はあの酒屋にまだ残っているらしい」といった、裏の流通情報を知っていることもあります。一杯だけでもアバフェルディ12年を味わい、その別れを惜しむのも、ウイスキーファンとしての美しい作法と言えるでしょう。もし、ボトルが残っていれば、バーテンダーにお願いして、そのボトルを譲ってもらえるか交渉してみるのも一つの手です。ただし、バーにとっても貴重な財産ですから、失礼のないように丁寧にお願いすることが大前提です。

正規ルートが絶たれても諦めない!並行輸入品を探すメリットと注意点

アバフェルディ12年が日本国内で終売となった今、最も現実的な入手手段となるのが「並行輸入品」です。並行輸入品とは、正規輸入代理店(サッポロビール)とは異なるルート、つまり海外の酒販店やディストリビューターから、日本の業者が独自に輸入した商品のことを指します。生産自体は続いていますから、海外の市場には流通しており、それを日本に持ち込むという形です。
並行輸入品を探すメリットは、ズバリ「終売後も手に入れられる可能性が残る」という一点に尽きます。終売によって正規ルートの在庫がゼロになっても、並行輸入品の供給が続く限り、アバフェルディ12年を飲み続けることができます。これは、ファンにとっては最後の砦とも言える重要な選択肢です。
また、並行輸入品の中には、日本国内の正規流通品とは異なる容量(例:750mlボトル)や、免税店限定のエディションなど、バラエティ豊かなボトルが含まれていることもあり、思わぬ掘り出し物に出会える可能性があります。価格については、前述の通り円安や物流コストの影響で高騰していますが、それでも正規の終売価格よりはるかに高い転売価格よりは、良心的な場合もあります。

並行輸入品を選ぶ際の重要な注意点

並行輸入品は終売後のファンにとって救世主のような存在ですが、いくつか注意すべき点があります。これを知らずに購入すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もありますので、モモストアが特に重要なポイントを解説します。

注意点 解説
価格の確認 高値で掴まされないよう、必ず複数のサイトで価格を比較し、現在の市場相場を把握しておくことが重要です。
品質の保証 正規輸入品ではないため、品質管理や保管状況が正規輸入元ほど厳格でない場合があります。信頼できる販売店の選択が命です。
ラベルや表記 海外の現地仕様のラベルであるため、日本語での成分表示や注意書きがないことが一般的です。
ボトルの状態 輸入ルートが複雑な分、輸送中に箱やラベルにダメージを受けている可能性があります。美品を求める方は特に、事前に確認が必要です。

特に重要なのは、「信頼できる販売店を選ぶ」ということです。大手ECサイト内であっても、聞いたことのない業者や評価の低い店舗からの購入は避けるべきです。できれば、長年ウイスキーの並行輸入を行っている実績のある専門業者や、評価の高い酒販店を選ぶようにしましょう。

正規輸入品と並行輸入品の見分け方

手元にあるボトルが正規輸入品か並行輸入品かを見分けるには、いくつかのポイントがあります。最もわかりやすいのは、「裏ラベル」です。

正規輸入品:
ボトル裏側に、輸入元である「サッポロビール株式会社」の名称や所在地、アルコール度数、容量、原材料などが記載された日本語のラベルが貼られています。このラベルが、正規ルートを通った何よりの証拠となります。
並行輸入品:
裏ラベルが輸入国の言語(英語など)のままで、日本語のラベルが貼られていないか、あるいは輸入業者が独自に作成した簡素な日本語のシール(住所などが記載されていることが多い)が貼られていることが多いです。

終売後の今、もし正規輸入品を見つけたら、それは非常に貴重なデッドストックである可能性が高いです。一方で、並行輸入品であっても、中身のウイスキーはスコットランドのアバフェルディ蒸留所で造られた正真正銘のものですので、品質自体に大きな違いはありません。安心して購入してください。

アバフェルディ12年の特徴をおさらい!「ハニーモルト」と呼ばれる所以

終売を惜しむ前に、アバフェルディ12年がなぜこれほどまでに愛されてきたのか、その魅力的な特徴を改めておさらいしておきましょう。このウイスキーは、数あるスコッチウイスキーの中でも、特に「ハニーモルト」という愛称で親しまれています。その名の通り、芳醇で自然な蜂蜜のような甘さが、このモルトの最大のアイデンティティです。
アバフェルディ蒸留所は、ウイスキー造りに使われる水に強いこだわりを持っています。その源は、蒸留所近くを流れる「メンザイクの泉」の水で、金を含むことで知られています。この清らかな水が、アバフェルディのクリーンでなめらかな酒質を形成する基礎となっています。
さらに、特筆すべきはその熟成過程です。アバフェルディ12年は、主にバーボン樽で熟成されますが、熟成の途中で特別な工程を経ることで、あの特徴的な甘さとフルーティーさが引き出されます。

アバフェルディ12年のテイスティングノート

モモストアが個人的に感じている、アバフェルディ12年の具体的なテイスティングノートを詳しくご紹介します。これを読んで、アバフェルディを飲んだことのない方はその魅力に触れ、愛飲家の方は記憶を呼び覚ましてみてください。

アロマ(香り) フレッシュな蜂蜜、焼きリンゴ、トフィ、バニラカスタード。微かにヘザーの花のようなフローラルで上品な香りが感じられます。
テイスト(味わい) 口に含むと、シロップのような滑らかさとともに、濃厚な蜂蜜の甘さが広がります。その後に、オレンジピールのような柑橘系の爽やかさ、ナッツやオーク樽由来の微かなスパイシーさがバランス良く現れます。
フィニッシュ(余韻) 長く、ドライでエレガントな余韻が続きます。口の中に残る甘さとスパイシーさが心地よく、ついつい次の一口を誘います。

この蜂蜜のような甘さは、ウイスキー初心者から上級者まで、誰もが楽しめる普遍的な魅力を持っています。ロックでもハイボールでも、ストレートでも、どんな飲み方でもその個性を発揮してくれるのが、アバフェルディ12年の真骨頂でした。まさに「オールラウンダー」なシングルモルトとして、世界中で愛されてきたのです。
アバフェルディ12年が受賞してきた数々の賞(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションなど)も、その品質の高さを証明しています。もし、専門家による詳細な評価を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

熟成における「エンジェルズシェア」の物語

アバフェルディ蒸留所の情報によると、12年という長い熟成期間の間に、原酒のおよそ3分の1が「エンジェルズシェア(天使の分け前)」として失われるそうです。エンジェルズシェアとは、熟成中に樽から蒸発していくアルコールのことで、これが失われることでウイスキーの風味が凝縮され、複雑な味わいが生まれます。
アバフェルディ12年の一本には、12年間の時の流れと、天使たちに捧げられた分の魂が詰まっている、と考えると、その貴重さがいっそう増します。終売によって手に入りにくくなった今、ボトルに残されたこの貴重な液体は、12年の歳月と自然の恵みの結晶であるという認識を新たにするべきでしょう。

アバフェルディの代わりになるのはどれ?ハニーフレーバー系ウイスキー3選

アバフェルディ12年の終売は悲しいですが、「ハニーモルト」の魅力を知ってしまった私たちウイスキーファンは、その代わりとなる銘柄を見つけなければなりません。アバフェルディが持つ「ハチミツのような甘さ」「フルーティーで飲みやすい」「ハイランドモルトらしいエレガントさ」という特徴を兼ね備えた、モモストアおすすめの代替ウイスキーを3つご紹介します。

銘柄 特徴とアバフェルディとの類似点 価格帯(終売後相場比較)
グレンフィディック 12年 青リンゴのようなフルーティーさと、柔らかな甘さが特徴。ハイランドモルトではありませんが、飲みやすさとバランスの良さが類似しています。ウイスキーの入門編としても最適。 比較的安定(4,000円台〜)
ダルウィニー 15年 ハイランドモルトらしい、フローラルで繊細な蜂蜜の風味。アバフェルディよりも若干ドライで、よりエレガントな印象ですが、共通する優しさがあります。 やや高めだが安定(8,000円台〜)
トマーティン 12年 「水と自然」にこだわったハイランドモルト。柑橘系のフレッシュさと、クリーミーでマイルドな甘さが魅力。シェリー樽熟成の原酒も一部使用されており、複雑さも楽しめます。 比較的安定(5,000円台〜)

代替品ウイスキーの詳細レビュー

グレンフィディック 12年:世界で最も愛されるシングルモルト

グレンフィディックは、世界で最も売れているシングルモルトとして知られており、その地位は伊達ではありません。アバフェルディ12年と同様に、非常に飲みやすく、バランスの取れた味わいが特徴です。特に、青リンゴや洋ナシのようなフレッシュなフルーティーさと、微かなオーク樽のバニラ香が、アバフェルディの甘さと通じる部分があります。
アバフェルディのような濃厚なハチミツ感というよりは、より軽やかでクリアな甘さですが、「万人受けする飲みやすいシングルモルト」という点で、最も代替品として優秀だと言えるでしょう。価格も比較的安定しており、終売の心配も少ないため、日常的にシングルモルトを楽しみたい方には、グレンフィディック12年を強くおすすめします。ハイボールにしても、そのフルーティーさが際立ち、非常に爽快です。

ダルウィニー 15年:上品なハチミツと繊細なフローラル

ダルウィニーは、ハイランド地方でも特に標高の高い場所にある蒸留所で造られており、その味わいは非常にクリーンで繊細です。アバフェルディの「ハニーモルト」の表現がストレートな甘さだとすれば、ダルウィニー15年のハチミツ感は、より上品で、フローラルなニュアンスを伴ったエレガントな甘さです。口当たりは非常に滑らかで、アバフェルディが持っていた「優しさ」をさらに高めたような印象を受けます。
熟成年数が15年と長い分、価格はアバフェルディ12年よりも高くなりますが、終売後の高騰したアバフェルディの価格を考えると、十分に検討の余地があります。ストレートやトワイスアップで、その繊細な香りをじっくりと楽しむのがおすすめです。

トマーティン 12年:隠れた実力派のバランスモルト

トマーティンは、スコットランドのインヴァネス近郊に位置する蒸留所で、日本ではまだそれほどメジャーではないかもしれませんが、その品質は折り紙付きです。トマーティン12年は、バーボン樽とシェリー樽で熟成された原酒をブレンドしており、複雑さと飲みやすさを両立させています。柑橘系のフレッシュさ、クリーミーなバニラ、そしてかすかなスパイスが、アバフェルディ12年の持つ丸みのある味わいと共通しています。
この銘柄の最大の魅力は、そのバランスの良さです。個性が強すぎず、食事とも合わせやすいので、アバフェルディのように「どんな時でも飲めるオールラウンダー」を求めている方には、ぜひ試していただきたい一本です。価格も手頃で、非常に安定して市場に供給されている点も、代替品として高評価のポイントです。

ブレンデッドの核!「デュワーズ」からアバフェルディの個性を感じる

アバフェルディ蒸留所が、世界的に知られるブレンデッドウイスキー「デュワーズ(Dewar’s)」のキーモルト(核となる原酒)であることは、ウイスキーファンにとって常識かもしれません。アバフェルディ12年が終売となった今、その片鱗を感じるために、改めてデュワーズに注目してみるのはいかがでしょうか。
デュワーズは、ジョン・デュワー&サンズ社が製造するブレンデッドスコッチウイスキーで、特にアメリカ市場で絶大な人気を誇っています。デュワーズのあのスムーズで、わずかに甘く、バランスの取れた味わいは、アバフェルディの持つ「ハニーモルト」のキャラクターが大きな役割を果たしているからに他なりません。

デュワーズの種類とアバフェルディの風味の繋がり

デュワーズには、スタンダードな「ホワイトラベル」から、熟成年数表記のある「12年」「15年」「18年」など、様々なラインナップがあります。それぞれのボトルで、アバフェルディの個性を感じることができます。

  • デュワーズ ホワイトラベル: デュワーズの基本となるボトルで、アバフェルディのフレッシュなハチミツ感とバニラ香がブレンド全体に軽やかさを与えています。ハイボールにすると、アバフェルディの持つ柑橘系のニュアンスも感じやすくなります。
  • デュワーズ 12年: 熟成年数表記があることで、アバフェルディの原酒の比率が高まっている可能性があり、より深く、複雑な甘さを感じることができます。アバフェルディ12年が終売となり、寂しさを感じている方は、このデュワーズ12年を試してみると、少し寂しさが和らぐかもしれません。

ブレンデッドウイスキーは、複数の蒸留所のモルト原酒とグレーンウイスキーをブレンドして造られますが、その「核」となるモルトの個性が、全体の味わいを決定づけます。アバフェルディが持つ「甘く、まろやかで、親しみやすい」という特徴が、デュワーズのスムーズで飲みやすいという評価に直結しているのです。

ハイボールで楽しむデュワーズとアバフェルディの共通点

アバフェルディ12年は、ハイボールにするとその真価を発揮するウイスキーの一つでした。炭酸で割ることで、ハチミツのような甘さが引き立ち、爽快感が増します。実は、キーモルトであるアバフェルディのおかげで、デュワーズもまた、非常にハイボールに適したブレンデッドウイスキーとして知られています。
デュワーズのハイボールは、アバフェルディのハイボールの優しさを受け継いでいると言っても過言ではありません。特に、ウイスキーを炭酸で割って飲むのが好きな方は、終売でアバフェルディが手に入らなくなった代わりに、デュワーズの各銘柄を試して、そのルーツに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
デュワーズの公式HPや、デュワーズのハイボールレシピなどを参考に、自分だけの黄金比を見つけてみるのも楽しいかもしれません。

【長期熟成】16年や21年も終売?その他のアバフェルディ銘柄の状況

今回の終売の波は、アバフェルディ12年だけに留まらず、コアレンジとして長年愛されてきた「16年」と「21年」にも及んでいます。こちらも、日本国内の正規ルートからの販売が終了となりました。これは、アバフェルディファンにとって、12年の終売以上にショッキングな出来事かもしれません。長期熟成のボトルは、原酒の確保がより困難であり、一度終売となると再販はほぼ絶望的だからです。
アバフェルディ16年と21年は、12年が持つ「ハニーモルト」の個性をさらに深め、複雑にした、非常に高品質なシングルモルトです。

アバフェルディ16年の持つ複雑な魅力

アバフェルディ16年は、12年よりも熟成期間が長いため、オーク樽の影響がより色濃く出ており、味わいに深みと複雑さが加わっています。

主な特徴:
シェリー樽熟成の影響が加わり、ドライフルーツ、ダークチョコレート、ジンジャーのようなスパイシーさが蜂蜜の甘さと絶妙に調和しています。口当たりは12年以上に滑らかで、非常に長い余韻を楽しむことができます。特別な日のアペリティフ(食前酒)やディジェスティフ(食後酒)として、最高の一本でした。

終売後の市場価格は、12年以上に高騰しており、現在では数万円での取引が一般的になっています。もし、16年をまだ味わったことがない方は、「ハニーモルトの最高峰」とも言えるその味わいを、最後のチャンスとしてバーなどで試してみることを強くおすすめします。

アバフェルディ21年:究極のエレガンスと希少性

アバフェルディ21年は、文字通り「究極のエレガンス」を体現したシングルモルトです。20年以上の歳月をかけて熟成された原酒は、角が取れて丸みを帯び、シルクのような滑らかさを実現しています。

主な特徴:
蜂蜜、ワックス、熟したトロピカルフルーツ、そして微かなタバコの葉のような複雑な香りが層を成します。味わいは濃厚でありながら軽やかで、21年という熟成を感じさせないほどバランスが取れています。ウイスキーを極めた人が最後に辿り着くような、瞑想的な一本と言えるでしょう。

この21年も終売となったため、市場での希少価値は非常に高く、投資の対象にもなっています。もし、自宅に未開栓のボトルがある方は、非常に幸運です。開栓する際は、その日のコンディションを整え、最高のグラスを用意して、ゆっくりと時間をかけて向き合うことをお勧めします。

アバフェルディ12年の定価はいくらだった?高騰前の適正価格

現在の高騰した市場価格を見ていると、「そもそもアバフェルディ12年の定価はいくらだったのだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。この定価を知ることは、今、並行輸入品やデッドストックを購入する際に、「適正な価格」を見極めるための重要な基準となります。
アバフェルディ12年の定価(参考小売価格)は、近年の値上げを経て、最終的に5,500円(税抜き)でした。しかし、多くのファンが「アバフェルディは安くて美味い」と感じていた時代は、さらに遡ります。数年前までは、実売価格が3,000円台後半から4,000円台前半で推移しており、この価格帯でこの品質のシングルモルトが手に入ることは、まさに「奇跡」と言える状況でした。

価格が高騰した本当の理由

なぜ、わずか数年でアバフェルディ12年の価格は2倍、3倍にも跳ね上がってしまったのでしょうか。終売という決定的な要因はもちろんありますが、その根底には、いくつかの複合的な理由が存在します。

  1. インフルエンサー効果: ある有名ウイスキーYouTuberやインフルエンサーが、アバフェルディ12年を「隠れた名酒」「山崎の代替品」として紹介したことで、認知度が爆発的に向上し、一気に市場在庫が枯渇しました。
  2. 世界的なウイスキー需要の急増: アジア圏を中心とした新興国でのウイスキー消費の増加により、世界的に原酒の奪い合いが起こり、供給が逼迫しました。
  3. 円安の進行と物流コストの上昇: 日本で輸入ウイスキーを購入する場合、為替レートの影響を強く受けます。円安が進行したことで、輸入業者の仕入れ価格が上昇し、それが末端価格に反映されました。

これらの要因が終売と重なり合うことで、現在の異常な価格高騰を招きました。終売がなければ、もう少し緩やかに価格が上昇していたかもしれませんが、「終売」というプレミアムがつくことで、価格は一気に跳ね上がってしまったのです。

価格が高騰しても手に入れたいボトルの価値

ウイスキーの価値は、単なる原価や定価だけで決まるものではありません。そこには「物語」や「思い出」といった、数値化できない価値が加わります。

アバフェルディ12年の隠された価値
デュワーズの核として知る人ぞ知る存在だった「秘密の銘柄」としての物語。
初めてウイスキーの美味しさに目覚めた「思い出のボトル」としての価値。
家族や友人と一緒に飲んだ「大切な時間」の記憶。

これらの価値は、価格が高騰しても失われることはありません。もし、あなたにとってアバフェルディ12年が単なるお酒以上の存在であるならば、多少高値でも手に入れる価値はあるとモモストアは考えます。ただし、家計を圧迫しない範囲で、無理のない購入を心がけてくださいね。

アバフェルディを愛するモモストアが選ぶ!飲んでおくべき代替ウイスキー

アバフェルディ12年の終売は確定しましたが、モモストアとしては、ウイスキー探求の旅は終わらないと考えています。アバフェルディの「ハニーモルト」の哲学を受け継ぎつつ、新しい感動を与えてくれるような、選りすぐりの代替ウイスキーを、ウイスキー愛好家としての視点でさらに詳しくご紹介します。

「ハチミツ感」を追求した代替品:グレンモーレンジィ オリジナル

アバフェルディの「ハチミツ感」に最も近いウイスキーの一つが、ハイランドモルトの雄、グレンモーレンジィの「オリジナル」です。グレンモーレンジィは、スコットランドで最も背の高いポットスチル(蒸留器)を使用しており、その結果、非常に軽やかで洗練された酒質が生まれます。

  • 類似点: クリーミーな口当たりと、バニラや柑橘系に混ざり合う、上品で柔らかな蜂蜜のような甘さ。アバフェルディが持つ「優しさ」と「飲みやすさ」を完璧に受け継いでいます。
  • 独自性: グレンモーレンジィの象徴とも言える、繊細なフローラルさとミントのような爽やかさが加わり、よりエレガントな印象です。

このオリジナルは、終売の心配も少なく、価格も安定しており、アバフェルディの「日常的に楽しめるシングルモルト」というポジションを十分に埋めてくれる逸品です。ぜひ、ストレートでその繊細な味わいを楽しんでみてください。

「フルーティーさ」を追求した代替品:オールド・プルトニー 12年

アバフェルディ12年のもう一つの魅力は、蜂蜜の甘さに隠された、焼きリンゴのようなフルーティーさです。このフルーティーさに注目した代替品として、モモストアが推すのが、北ハイランドの「オールド・プルトニー 12年」です。
このウイスキーは「海のモルト」とも呼ばれ、潮風の影響を受けた複雑な風味が特徴ですが、一方で、熟したリンゴやトフィのような甘さも持ち合わせています。

テイスティング要素 オールド・プルトニー 12年 アバフェルディ12年(比較)
甘さの種類 トフィ、バニラ、ドライフルーツ 蜂蜜、カスタード、焼きリンゴ
風味の個性 微かな塩気、潮風、スパイス フローラル、オレンジピール
総合評価 力強く、複雑だが飲みやすい スムーズで、甘く、親しみやすい

アバフェルディよりも少し骨太な印象ですが、ハイランドモルトらしい堂々とした味わいと、甘さのバランスが秀逸です。アバフェルディからのステップアップとしてもおすすめできる、飲み応えのある一本です。

アバフェルディ12年をより美味しく楽しむ!おすすめの飲み方アレンジ

もし、まだアバフェルディ12年のボトルをお持ちの方がいらっしゃれば、その最後の貴重な一杯を、最高に美味しく楽しむための飲み方アレンジをモモストアから提案させてください。アバフェルディの個性を最大限に引き出し、その終売を惜しむにふさわしい飲み方をマスターしましょう。

ストレート:ハニーモルトの真髄を味わう

まずは基本中の基本、ストレートです。ウイスキーが持つ全ての香り、風味、舌触りを最もダイレクトに感じられる飲み方です。

楽しみ方:
室温で飲むのが一般的ですが、少し冷やしたグラスに注ぐことで、アバフェルディ特有の蜂蜜のような甘さが凝縮され、より際立ちます。グラスを鼻に近づけ、ヘザーハニーの香りをじっくりと堪能してから、ゆっくりと一口含んでください。口の中で転がすように味わうことで、バニラや柑橘系の複雑な要素が舌の上に広がり、長い余韻へと繋がります。

「ゴールデンハイボール」:蜂蜜と炭酸の黄金比

アバフェルディ12年の終売を最も惜しまれる理由の一つが、このウイスキーで作るハイボールの美味しさです。モモストアは、これを「ゴールデンハイボール」と名付けたいと思います。

材料 比率(目安) ポイント
アバフェルディ12年 1 贅沢に30ml〜45ml使用
高品質な炭酸水 3〜4 無味無臭で炭酸が強いものがベスト
たっぷりと 硬水の丸氷を使うと溶けにくい
ガーニッシュ オレンジピール 軽く絞ってオイルを飛ばすと、ウイスキーの柑橘系の香りが引き立つ

作り方のコツは、氷をグラスいっぱいに詰めて、ウイスキーを注いだ後、炭酸水を優しく注ぎ、一度だけ軽く混ぜることです。炭酸を飛ばさないようにすることが、爽快なゴールデンハイボールを作る秘訣です。この飲み方で、アバフェルディの最後のボトルを最高の形で堪能してください。

アバフェルディの歴史と蒸留所:ウイスキーの聖地ハイランドの魅力

アバフェルディ12年という素晴らしいウイスキーの背後には、スコットランドのハイランド地方に根差した、深い歴史と伝統があります。アバフェルディ蒸留所は、単なるウイスキー工場ではなく、スコッチウイスキーの歴史を語る上で欠かせない、非常に重要な場所です。
この蒸留所は、1896年にジョン・デュワー&サンズ社によって設立されました。デュワーズ一族は、ブレンデッドウイスキー「デュワーズ」の安定供給を目指し、その核となるシングルモルトを自社で賄うために、この蒸留所を建設しました。そのため、アバフェルディの歴史は、デュワーズという世界的ブランドの歴史と密接に結びついています。

ウイスキー造りの生命線:メンザイクの泉

アバフェルディ蒸留所が立地する場所は、ウイスキー造りにおいて最も重要な要素の一つである「水」に恵まれています。蒸留所で使用される水は、「メンザイクの泉」から引かれており、この水は非常に清らかで軟水でありながら、地層に含まれる金の影響をわずかに受けていると言われています。

この特別な水が、アバフェルディのクリーンでスムーズな酒質、そして蜂蜜のような独特な甘さの源泉となっています。ウイスキーは、原料、蒸留器の形状、熟成樽、そして水という四つの要素でその個性が決まりますが、アバフェルディにおいては、この水の要素が特に大きな役割を果たしているのです。ハイランド地方の豊かな自然と清流が、この素晴らしいモルトウイスキーを育んでいると考えると、終売のニュースもまた、自然の恵みの尊さを再認識させてくれます。

蒸留所の訪問と「デュワーズ・ワールド・オブ・ウイスキー」

アバフェルディ蒸留所は、現在も「デュワーズ・ワールド・オブ・ウイスキー(Dewar’s World of Whisky)」として、ビジターセンターを併設しており、観光客を受け入れています。ここでは、アバフェルディのウイスキー造りの工程を見学できるだけでなく、デュワーズの歴史や、テイスティングを楽しむことができます。
もし、スコットランドを訪れる機会があれば、ぜひこの蒸留所に足を運び、アバフェルディのウイスキーが生まれる聖地を肌で感じてみてください。蒸留所の建物は歴史を感じさせる重厚な造りであり、その環境の素晴らしさに感動するはずです。終売後、日本の市場で手に入りにくくなったとしても、蒸留所を訪れることで、このウイスキーとの繋がりを再確認できます。
蒸留所のツアー情報や詳細については、公式のビジターセンター情報を参考にしてみてください。

終売を乗り越えて、アバフェルディの「魂」を探求しよう

アバフェルディ12年の日本国内での正規終売は、私たちウイスキーファンにとって大きな損失であることは間違いありません。しかし、ウイスキー探求の旅は、一つの銘柄が手に入らなくなったからといって終わるものではありません。
アバフェルディが私たちに教えてくれたのは、「ハチミツのような甘さを持つ、優しく飲みやすいシングルモルトの魅力」です。この「ハニーモルト」の魂は、デュワーズの中で生き続けていますし、グレンモーレンジィやダルウィニーといった他のハイランドモルトにも、形を変えて受け継がれています。
モモストアとしては、終売によって高騰したボトルを無理に追いかけるよりも、その味わいの特徴を深く理解し、その「魂」を受け継ぐ新しい代替品を探すことを強くお勧めします。世界には、まだ私たちが知らない素晴らしいウイスキーがたくさんあります。今回の終売をきっかけに、新たなウイスキーとの出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
もちろん、もし奇跡的に良心的な価格のアバフェルディ12年を見つけたら、それは運命の出会いです。大切に、そして美味しく、その一杯を堪能してくださいね。ウイスキーの旅は、これからも続きます!

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