スケッチブックはどこに売ってる？主要な販売店から種類・価格帯まで徹底調査！

スケッチブックが急に必要になった時、「あれ、どこに売ってるんだろう？」と迷った経験はありませんか？
子供の宿題で必要になったり、趣味で絵を描きたくなったり、ビジネスのアイデア出しに使ったりと、実は様々なシーンで大活躍するアイテムですよね。

この記事では、「今すぐ欲しい！」を叶える最寄りの販売店から、画材にこだわった専門店、さらにはオンラインでの賢い選び方まで、モモストアが詳しく解説していきます。
この記事を読めば、もうスケッチブック探しに困ることはありませんよ！

スケッチブックが売っている主要な販売店【すぐに買える場所】

スケッチブックを探すとき、まずは身近で手軽に立ち寄れる場所をチェックしたいですよね。急いでいる時や、とりあえず手頃なものが欲しいという場合に頼りになる主要な販売ルートを、品揃えの傾向と一緒にご紹介します。

最も一般的な販売場所：文房具店と大型雑貨店

私たちが「文房具」と聞いて真っ先に思い浮かべるお店は、やはり最も確実な購入先です。

文房具専門店（例：KDM、専門文具店）

全国展開している大型文房具店はもちろん、地域に根ざした小さな文具店でも、基本的なスケッチブックは必ず取り扱っています。
特に専門店の強みは、定番のマルマンの図案シリーズ（通称：クロッキー帳）から、少し専門的な水彩紙、デザインに特化したブランドのものまで、幅広い選択肢があることです。
お店によっては、実際に紙質を試せるサンプルが置いてある場合もあるので、こだわりたい人には最適ですよ。

大型雑貨店（例：LOFT、東急ハンズ/ハンズ）

LOFTやハンズのような大型雑貨店は、文具コーナーが非常に充実しています。ここでは、一般的な画材としてのスケッチブックだけでなく、「おしゃれなノート」や「アイデアブック」としてデザイン性の高い商品も多く見つかるのが特徴です。
例えば、表紙の色や素材にこだわったもの、リング部分が特殊な仕様になっているものなど、描く楽しさを高めてくれるようなアイテムに出会える可能性が高いです。また、他の画材や筆記具と一緒に見比べながら選べるのも便利ですね。

このように、文房具店と大型雑貨店は、スケッチブック探しの「本命ルート」と言えます。急ぎでなければ、まずはこれらの店舗を覗いてみるのがおすすめです。

主要販売店の品揃え傾向

店舗カテゴリ	品揃え	価格帯	おすすめポイント
文房具専門店	定番からプロ向けまで幅広く網羅	中〜高価格帯	紙質の専門的な相談が可能
大型雑貨店（LOFT・ハンズなど）	デザイン性の高い商品、定番品	中価格帯	他の雑貨と一緒に見れる利便性

100均（ダイソー・セリア・キャンドゥ）のスケッチブックのラインナップと特徴

「とりあえず、安くて手軽なスケッチブックが欲しい！」という時、私たちの強い味方になってくれるのが100円ショップですよね。昔に比べて、今の100均のスケッチブックは本当に進化していて驚かされます。

ダイソーのスケッチブック：サイズ展開が豊富でコスパ最強

ダイソーの強みは、なんといってもそのサイズ展開の豊富さです。A4やB5といった一般的なサイズはもちろん、持ち運びに便利なミニサイズや、時には大きな作品に挑戦できる大判サイズまで見つかることがあります。
紙質は基本的に「画用紙」ですが、子供のお絵かきや、大量のアイデアを書き出す際の「使い捨てノート」として使うには十分すぎるクオリティです。

【注意点】ダイソーで見かける特殊なスケッチブック

最近では、水彩画専用ではないものの、水に強い紙質のスケッチブックや、色つきの紙を使ったクロッキー帳風のものも見かけます。ただし、専門の画材店にあるような「水彩紙」ほどの耐水性や発色は期待できないため、本格的な水彩画に使う場合は、あくまで「試し書き」や「練習用」として使うのが賢明です。

また、店舗や時期によって商品の入れ替わりが激しいので、「これだ！」と思う商品を見つけたら、まとめて購入しておくのがおすすめですよ（Google検索で開きます）。

セリア・キャンドゥのスケッチブック：デザイン性と紙質にこだわり

セリアやキャンドゥは、ダイソーに比べると商品の数が絞られている傾向がありますが、その分、デザインや紙質に一工夫ある商品が多いのが特徴です。

セリアは「おしゃれさ」を重視

セリアでは、特に表紙がおしゃれで、文房具として持ち運びたくなるようなデザインのスケッチブックが見つかりやすいです。スクエア型や、アンティーク調の表紙など、雑貨感覚で楽しめる商品が多いので、見た目にもこだわりたい方はセリアをチェックしてみてください。

キャンドゥは「使いやすさ」を重視

キャンドゥでは、一般的な画用紙の他に、少し厚手のケント紙に近いものや、裏写りしにくい紙を採用したものなど、実用性を高めたスケッチブックを時折見かけます。特に、筆記具との相性を重視する方は、キャンドゥで掘り出し物が見つかるかもしれません。

結論として、100均のスケッチブックは、「高品質な画材」というより「手軽なアイデア帳や練習帳」として非常に優秀です。用途に応じて、ダイソーのサイズ、セリアのデザイン、キャンドゥの紙質といった特徴を使い分けるのが賢い買い方ですよ。

文房具専門店（伊東屋・LOFTなど）で買える高品質なスケッチブック

ここからは、本格的な趣味や仕事でスケッチブックを使いたいという方のために、文房具専門店や大型雑貨店の中でも、特に品質にこだわった商品が手に入る場所を深掘りします。やはり、良い紙に描くのは気持ちが良いものですよね。

伊東屋など老舗文具店の「専門的な品揃え」

伊東屋のような老舗の文房具店、または美術大学近くの画材店などでは、世界中から集められた「紙」の専門的な知識と商品が手に入ります。

プロ御用達の海外ブランド

ここでは、マルマンの国産定番品だけでなく、フランスの「キャンソン（Canson）」やイタリアの「ファブリアーノ（Fabriano）」など、海外の有名ブランドのスケッチブックが並びます。これらのブランドは、水彩画、油絵、パステル、デッサンなど、特定の画材に最適化された専用紙を使っているのが特徴です。

例えば、水彩紙なら、紙の表面の凹凸（シボ）の細かさによって「荒目」「中目」「細目」と分かれており、表現したいタッチに合わせて選ぶことができます。価格は高めですが、作品の仕上がりに大きく影響するため、「本気の作品」を作るなら、こうした専門店で購入する価値はあります。

LOFT・ハンズで見つける「デザインと実用性の融合」

LOFTやハンズは、専門性よりも「ライフスタイル」の中に溶け込む文具を提案しているため、デザイン性と機能性を両立させた商品が充実しています。

アート＆クラフトに特化したラインナップ

これらの店舗では、アート＆クラフトコーナーに、描画だけでなく、コラージュやスクラップブッキングにも使えるような特殊な紙質のスケッチブックが置かれています。
例えば、黒い紙を使ったスケッチブックは、色の濃い鉛筆やパステル、蛍光ペンなどで描くと非常に映えるため、デザインのアイデア出しや、少し変わった表現に挑戦したい時にぴったりです。

また、画材関連のイベントやワークショップ（Google検索で開きます）を定期的に開催していることもあり、新しいスケッチブックの使い方を提案してくれる場所でもあります。

高品質なスケッチブックを選ぶ際は、その紙が「何を目的として作られたか」を知ることが重要です。少しでも迷ったら、お店のスタッフさんに「水彩画を描きたいのですが、おすすめはありますか？」と尋ねてみるのが一番の近道ですよ。

高品質スケッチブックの選び方（専門店向け）

紙質の要素	重視すべきポイント	適した画材
厚さ（g/㎡）	厚いほど水の滲みに強く、裏写りしにくい	水彩、マーカー、インク
シボ（表面の凹凸）	荒目は力強い表現、細目は繊細な表現向き	水彩、デッサン（鉛筆）
中性紙	長期保存に適している	すべて（作品用）

ホームセンターや家電量販店の画材コーナーの穴場情報

スケッチブックを探す場所として、意外な「穴場」となるのが、ホームセンターや一部の家電量販店です。これらの店舗は、専門性というよりは「生活用品」や「学習用品」の一部として、実用的な商品を置いていることが多いため、特定の商品を探している場合には非常に便利です。

ホームセンター（コーナン・カインズ・DCMなど）の隠れた品揃え

ホームセンターは、DIY用品や工具、園芸用品などがメインですが、オフィス用品や学童用品のコーナーにスケッチブックが置かれていることがほとんどです。

ホームセンターのスケッチブックの傾向

主に家庭や学校で使われることを想定した、オーソドックスな商品が多いのが特徴です。具体的には、マルマンの定番「図案シリーズ」のB4・A4サイズや、リング綴じのスタンダードな画用紙が主流です。
価格は文房具店とほぼ同等か、場合によってはプライベートブランドとして格安のスケッチブックが販売されていることもあります。大量に消費するお子様の学習用や、仕事でガシガシとアイデアを書き出す用途には、ホームセンターのPB商品を探してみるのも手ですよ。

また、ホームセンターにはポスターカラーや油性マジック、工作用の木材や工具など、他の画材や工作材料（Google検索で開きます）も豊富にあるため、スケッチブックと一緒に必要なものを揃えられる利便性もあります。

家電量販店（ヨドバシカメラ・ビックカメラなど）の「アート＆ホビー」部門

「家電量販店でスケッチブック？」と疑問に思うかもしれませんが、大型の家電量販店には「ホビー・おもちゃ」や「カメラ・写真用品」に関連して画材を扱うコーナーがあることが多いです。

デジタルとアナログが融合した画材

特にヨドバシカメラやビックカメラのような店舗では、プロッターやプリンター用紙の延長で、高品質なインクジェット対応の紙や、コピックなどのマーカーに適した専用紙を置いていることがあります。
また、デジタルイラストを描く人がアナログでの練習用に購入したり、写真を撮った後に手書きで加工するための素材を探したりと、デジタル時代のアートに対応したラインナップになっているのが面白いところです。

家電量販店独自のポイント還元システムを使えば、実質的に安く購入できる場合もあるため、ポイントが貯まっている方はチェックしてみる価値大ですよ！

ホームセンター vs 家電量販店

店舗	主な客層	スケッチブックの傾向	特筆すべき点
ホームセンター	ファミリー層、DIY愛好家	学童用、定番の画用紙、PB商品	工作材料とまとめて購入可能
家電量販店	デジタルクリエイター、ホビー層	マーカー用、インクジェット対応紙	ポイント利用でお得になる場合あり

コンビニやスーパーで「急ぎで欲しい」場合のスケッチブックの有無

「もう夜遅い」「家の近くに文具店がない」「今すぐ子供に持たせたい」など、緊急事態でスケッチブックが必要になった場合、頼りになるのがコンビニやスーパーです。ただし、これらの店舗では、品揃えに大きな特徴と限界があります。

コンビニ（セブンイレブン・ローソン・ファミマ）での取り扱い状況

結論から言うと、コンビニで「スケッチブック」という名称の商品を見つけるのは、少し難しいかもしれません。

コンビニで見つかる代替品

コンビニの文具コーナーは、ボールペンやノート、ホチキスなど、本当に最低限の緊急時に必要なものに絞られています。スケッチブックのようなかさばる商品は、通常、レギュラーのラインナップには含まれていません。
しかし、代替品として「クロッキー帳に近い役割を果たすもの」が見つかることがあります。

• レポート用紙：裏写りしやすいですが、アイデアのメモや下書きには十分使えます。
• 無地の自由帳・ノート：特に学童用品が充実している店舗（郊外のファミリー向け店舗など）で、無地のノートが置かれていることがあります。
• 小さなメモパッド：ポケットサイズのメモ帳は、アイデアスケッチや構図検討には使えます。

もしコンビニで探す場合は、文具コーナーだけでなく、おもちゃ・ホビーの棚もチェックしてみてください。時折、子供向けの塗り絵セットなどに簡易な画用紙が含まれていることもあります。

スーパー（イオン・イトーヨーカドーなど）での購入確率は高い！

大型スーパーマーケットや総合スーパーの場合、取り扱いがある確率は格段に上がります。

学童・文具コーナーを狙う

特にイオンやイトーヨーカドーのような店舗では、必ずと言っていいほど学童用品・文具コーナーが設けられています。ここでは、学校でよく使われる定番のスケッチブック（マルマンのB4など）が陳列されていることが多いです。価格も安定しており、特売品として安くなっている場合もあります。

スーパーのスケッチブックは、「失敗がない、標準的な品質」が求められるため、プロ仕様のような特殊なものは少ないですが、一般用途としては申し分ありません。緊急時だけでなく、普段使いの消耗品として購入するのもおすすめです。

緊急で必要な場合は、まずはスーパーへ行き、見つからなかったらコンビニでレポート用紙などの代替品を探す、という流れで探してみるのが最も効率的ですよ。

プロも愛用！オンラインで買うべきスケッチブックブランドと選び方

店舗で実物を見るのも楽しいですが、品揃えの豊富さや価格の面で圧倒的に有利なのがオンライン購入です。特に特定のブランドや紙質にこだわりたい場合、オンラインはプロやヘビーユーザーにとって欠かせない購入ルートとなっています。

オンラインショッピングのメリット【なぜプロはオンラインを選ぶのか】

オンライン、特にAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングのような大手通販サイトを利用するメリットは計り知れません。

どこでも手に入らない専門ブランドが買える

地方の文具店では手に入らない、イギリスの「ウォーターフォード」やオランダの「レンブラント」など、海外の超専門的な水彩紙メーカーのスケッチブックも、オンラインなら簡単に見つけられます。
また、セット販売や大容量パックが用意されていることが多く、単価を抑えてお得に購入できるのも大きな魅力です。例えば、水彩紙を「10冊セット」で購入すれば、実店舗で1冊ずつ買うよりも遥かに安く済むことがほとんどです。

詳細なレビューや情報が豊富

オンラインショップの商品ページには、そのスケッチブックを実際に使った人のレビューが豊富に掲載されています。
「この紙は水に強いけど、鉛筆のノリが悪い」「このサイズは持ち運びに最高」など、実際に使う上でのリアルな情報が得られるため、失敗しにくいという利点もあります。これは、店頭で数分見ただけでは分からない、オンラインならではの大きなメリットですよね。

オンラインで購入すべきおすすめブランド

オンラインで特に人気が高く、プロから初心者まで幅広く愛用されているブランドをいくつかご紹介します。

オンライン購入で人気のスケッチブックブランド

ブランド名	特徴	おすすめの用途
マルマン（Maruman）	国産の定番中の定番。コスパと品質のバランスが最高。	アイデアスケッチ、デッサン、一般のお絵かき
キャンソン（Canson）	フランスの老舗。水彩画用紙の「モンバルキャンソン」が有名。	本格的な水彩画、色鉛筆画
ホルベイン	日本の画材メーカー。スケッチブックの種類も専門的。	油絵、アクリル画の下準備、専門性の高いデッサン

オンラインで購入する際は、「紙の厚さ（g/㎡）」「シボ（紙の表面の凹凸）」「綴じ方（リング・天のり）」の3点を必ずチェックして、自分の描きたい画材と用途に合っているかを確認しましょう。

【徹底比較】マルマン図案シリーズとクロッキー帳の違いは？

スケッチブックの代表格といえば、マルマンの製品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。特に「図案シリーズ」と「クロッキー帳」は、見た目も似ていて混同されがちですが、実はその用途と紙質には大きな違いがあります。この二つの違いを理解すれば、あなたの描画スタイルに合った一冊を迷わず選べるようになりますよ。

定番中の定番！「図案シリーズ」の強み

マルマンの「図案シリーズ」は、黄色と緑のチェック柄の表紙が特徴で、一度は目にしたことがあるはずです。正式名称は「マルマン スケッチブック 図案シリーズ」といいます。

紙質と用途：万能な画用紙

図案シリーズに使われている紙は、一般的に「画用紙」と呼ばれる、表面が少しザラザラしていて鉛筆のノリが良い紙です。紙自体が比較的厚く、耐久性があり、消しゴムをかけても毛羽立ちにくいのが特徴です。

• 主な用途：色鉛筆、クレヨン、マーカー（軽め）、簡単な水彩（水の量は控えめに）。
• 描画：しっかりと色を乗せたり、線を描いたりするのに向いています。完成度の高い「作品」を残すのにも適しています。
• 綴じ方：リング綴じで、描いた紙をきれいに切り離しやすいものが主流です。

図案シリーズは、「様々な画材を試してみたい」「作品として保存したい」という方にとって、最も万能で信頼できる選択肢です。

アイデアと練習に最適！「クロッキー帳」の強み

クロッキー帳は、デッサンやクロッキー（速写）のために作られた、図案シリーズとは全く異なるコンセプトのスケッチブックです。

紙質と用途：薄くてデリケートな速写紙

クロッキー帳の紙は、図案シリーズよりも格段に薄く、表面はツルツルしているか、もしくは非常に細かな凹凸（シボ）があるのが特徴です。紙の色は白だけでなく、クリーム色がかったものが多いです。

• 主な用途：鉛筆、木炭、コンテ、パステル。
• 描画：「サッと描いて、どんどん次に進む」、という速写やアイデアスケッチに最適化されています。紙が薄いので、消しゴムを強くかけると破れやすい点には注意が必要です。
• 綴じ方：コイル式のリング綴じで、紙を360度折り返して使えるものが多く、場所を選ばずに描画しやすいです。

クロッキー帳は、「量をこなしたい」「紙質に邪魔されず、線そのものを重視したい」という方に最適です。値段も図案シリーズより安価な場合が多く、気兼ねなくどんどん使えるのが魅力ですね。

図案シリーズ vs クロッキー帳 比較表

	図案シリーズ	クロッキー帳
紙の厚さ	厚め（しっかりしている）	薄め（裏写りに注意）
紙の質感	画用紙（ザラザラ）	クロッキー紙（ツルツル or 細かい凹凸）
描画の目的	作品、色塗り、万能	速写、アイデアスケッチ、デッサン
価格帯	中〜高	低〜中

スケッチブックの「紙質」の選び方：水彩画・色鉛筆・デッサン別

スケッチブックを選ぶ上で、「何を、どんな画材で描きたいか」が最も重要なポイントになります。画材と紙質の相性が悪いと、せっかくの絵も台無しになりかねません。ここでは、主要な画材ごとの最適な紙質について、モモストアが詳しく解説します。

水彩画・インク（ウェットな画材）に最適な紙

水彩絵の具やインク、コピックなどの液体を使う画材では、「水の量」に耐えられる紙を選ぶことが絶対条件です。

水彩紙（Watercolor Paper）

水彩紙は、紙が水を吸っても波打ったり、破れたりしにくいように特殊な加工（サイジング）が施されています。主なポイントは以下の通りです。

• 厚さ：最低でも200g/㎡以上（300g/㎡あれば安心）のものを選びましょう。厚ければ厚いほど、水を多く使っても紙がヨレにくいです。
• シボ（目）：
  • 荒目（Coarse）：表面の凹凸が強く、水を多く使った力強い表現や、紙の質感を活かしたい時に使います。
  • 中目（Medium）：最も標準的で、初心者からプロまで幅広く使われます。
  • 細目（Fine）：凹凸が少なく、繊細な線や細部の描き込み、滑らかな表現に向いています。
• 例：キャンソン「モンバル」、マルマン「ヴィフアール」など。

これらの水彩紙を選ぶ際は、「コールドプレス（中目・荒目）」と「ホットプレス（細目）」の違い（Google検索で開きます）にも注目してみてください。描画のタッチが大きく変わってきますよ。

色鉛筆・パステル（ドライな画材）に最適な紙

色鉛筆やパステル、クレヨンのような粉状の画材を使う場合、紙の表面が「色材を掴んでくれる」ことが重要です。

画用紙・ケント紙（中程度のシボ）

ツルツルしすぎている紙（例：コピー用紙）では、色鉛筆の色が何層にも重ならず、すぐに滑ってしまいます。適度な凹凸（シボ）がある紙が必要です。

• 画用紙：マルマンの図案シリーズのように、適度なザラつきがあり、色鉛筆の粉（顔料）が乗りやすいです。
• パステル専用紙：非常に細かい砂状の粒子が表面に施されており、パステルの粉をがっちりホールドしてくれます。
• 色：色鉛筆やパステルは紙の色を活かすため、白だけでなく、グレーや茶色など、色つきの紙を選ぶと表現の幅が広がります。

鉛筆・木炭（デッサン）に最適な紙

デッサンは、鉛筆の濃淡やタッチを正確に表現できる紙が必要です。消しゴムでの修正にも耐えられる耐久性も求められます。

デッサン用クロッキー紙・画用紙

前述のクロッキー帳の紙や、目の細かい画用紙が適しています。鉛筆の線が滑らかに乗る、適度なザラつきが理想です。また、デッサンは長期保存を前提としない場合もあるため、安価で大容量のものが好まれます。

このように、描きたいものに合わせて紙質を選び分けるだけで、あなたの作品は格段に魅力的になりますよ。

用途別おすすめスケッチブックのサイズ（Fサイズ・A4・ポケットサイズ）

スケッチブックを選ぶ際、紙質と並んで重要なのが「サイズ」です。サイズは、「どこで描くか」「何を描くか」「どうやって保存するか」という用途に直結します。日本のスケッチブックでよく見かけるサイズの種類と、それぞれの用途をご紹介します。

最もポピュラーな国際規格：A判とB判

最も馴染み深く、書店やオフィス用品店でも見かけるのがA判とB判です。これらは、ノートや書類のサイズと同じため、ファイリングや保管がしやすいという大きなメリットがあります。

• A4（210 x 297 mm）：
  • 用途：学校の提出物、ビジネスの企画書、デジタルスキャンのしやすさ。
  • 特徴：コピー機やプリンターの規格と同じなので、デジタル化する際に非常に便利です。
• B4（257 x 364 mm）：
  • 用途：デッサンや、もう少し大きな絵を描きたい時。
  • 特徴：A4よりも一回り大きく、広々と描けますが、A4ファイルには入らないため、保管方法を工夫する必要があります。
• A5・A6（ポケットサイズ）：
  • 用途：外出先でのメモ、アイデアの記録、旅行記。
  • 特徴：カバンやポケットにすっぽり収まるサイズで、常に持ち歩いて「描きたい時にすぐ描ける」という機動性の高さが魅力です。

画家のために作られた規格：Fサイズ（号数）

本格的な画材店に行くと、A4やB5といった表示ではなく、「F4号」「F6号」といった表記を見かけます。これは「キャンバスサイズ」を基にした規格で、「Figure（人物）」のFを意味し、人物画に適した比率とされています。

Fサイズの特徴

Fサイズの比率は、人間の視覚に馴染みやすいように設計されており、作品として仕上げることを前提としたサイズ選びに最適です。

• F0号（約180 x 140 mm）：
  • 用途：手のひらサイズの小さな作品、スケッチ旅行の記録。
• F4号（約333 x 242 mm）：
  • 用途：自宅で描く作品の標準サイズ、飾りやすい大きさ。
• F10号以上：
  • 用途：本格的な展示作品、アトリエでのデッサン。

特に水彩紙や油絵用のスケッチブックはFサイズが多く、「絵画の比率」にこだわりたい方は、Fサイズから選ぶのがおすすめです。用途に合わせて、サイズを使い分け、描画生活を楽しんでくださいね。

スケッチブックの価格帯と賢く購入するためのポイント

スケッチブックは、100円ショップで買えるものから、数千円、場合によっては数万円する高級品まで、非常に幅広い価格帯が存在します。この価格の違いは、主に「紙質の専門性」「耐久性」「ブランドの付加価値」によって決まってきます。

価格帯別：スケッチブックの特徴

価格帯を知ることで、自分の用途に合ったスケッチブックを無駄なく選ぶことができます。

100円〜500円：アイデア出しと練習用

この価格帯は、主に100円ショップやホームセンターのプライベートブランド品が中心です。

• 特徴：紙が薄め、水の耐性は低い、枚数が多い。
• 用途：アイデアを素早く書き留める、子供の大量消費用、画材の試し書き。
• 賢い使い方：プロでも、この価格帯のものは「ラフスケッチ」や「下書き」専用として常備していることが多いです。気兼ねなく失敗できるのが最大のメリットです。

500円〜2,000円：定番と一般向け作品用

マルマンの図案シリーズや、一般的な文具店で扱われるスタンダードな水彩紙（中目・細目）の小型〜中型サイズが該当します。

• 特徴：紙が中程度に厚い（150g/㎡〜300g/㎡）、中性紙が多く長期保存も可能。
• 用途：趣味の本格的な作品、学校の美術の授業、プレゼントにも使える品質。
• 賢い使い方：最もコスパが良く、多くの画材に対応できる万能な価格帯です。まずはこの価格帯で自分に合う紙質を見つけるのがおすすめです。

2,000円以上：プロ仕様と専門的な紙

海外の高級水彩紙（コットン100%など）、非常に厚いデッサン紙、特殊な製本方法を用いたスケッチブックが該当します。

• 特徴：紙の繊維が非常に強く、水に濡れてもヨレにくい。発色性や耐久性が段違い。
• 用途：個展に出すような本格的な水彩作品、油絵の下塗り、プロのデッサン。
• 賢い使い方：紙が高価なので、このスケッチブックを使うのは「本番」の時だけ。下書きは安価なものや、前述のクロッキー帳で済ませるのが一般的です。

賢く購入するためのポイント

少しでもお得に、そして最適なスケッチブックを手に入れるためには、以下のポイントを意識しましょう。

• ①大容量パックの利用：オンラインでは、10冊セットなどの「まとめ買い」パックが実店舗よりも大幅に安くなることがあります。大量に使う予定があるなら、ぜひ検索してみてください（Google検索で開きます）。
• ②セール時期の活用：新学期前や年末年始など、文具店や大型スーパーではセールが実施されることが多いです。この時期を狙うと、人気の定番品がお得に手に入ります。
• ③バラ売りを試す：高価なスケッチブックに挑戦したい場合、専門店ではその紙の「バラ売り」をしていることがあります。まずは1枚〜数枚買って、自分の画材との相性を試してから、スケッチブック本体を購入するのが賢明です。

スケッチブックを買う時のチェックリスト【失敗しないための3つの視点】

お店に行って、たくさんのスケッチブックを前にして迷ってしまう…という経験、ありますよね。そんな時に備えて、購入時にチェックすべき「失敗しないための3つの視点」をまとめました。これを意識するだけで、満足度の高い一冊に出会えるはずです。

視点１：画材との相性を徹底的に確認する

これが最も重要です。あなたが「何を」描きたいのか、その画材に紙が耐えられるのかをチェックしましょう。

画材別：紙質チェックリスト

画材	紙質のチェック項目	不向きな紙のサイン
水彩絵の具	厚さ（200g/㎡以上）、水彩紙の表記、シボ（中目以上か）	「薄手の画用紙」「クロッキー紙」と書かれている
油性マーカー	厚さ、裏抜け防止加工の有無	裏面が透けて見えるほど薄い
色鉛筆・鉛筆	適度なザラつき（シボ）があるか	表面がツルツル（光沢）している

パッケージに「水彩用」「デッサン用」といった具体的な記載があるかどうかを、まずは確認しましょう。迷ったら「画用紙」と書かれた定番品を選ぶのが無難ですが、水彩画には必ず「水彩紙」を選んでくださいね。

視点２：持ち運び・保管方法をシミュレーションする

買った後のことを考えるのも、長く愛用するためには大切です。サイズと綴じ方で、使い勝手は大きく変わります。

サイズと重さの確認

頻繁に外に持ち出すなら、A5やA6、F0号といったポケットに入るサイズが最適です。逆に、自宅のデスクでじっくり描くなら、大きなF8号やB4サイズを選びましょう。重さも重要です。厚い水彩紙は重くなるため、カバンに入れて持ち運ぶ際は、全体の重さを確認しておきましょう。

綴じ方（リング・天のり・糸綴じ）

• リング綴じ（スパイラル）：360度折り返せるので、狭い場所での描画に最適。紙をきれいに切り離しやすい。
• 天のり（ブロック）：水彩紙に多い。四隅が糊で固められており、水を多く使っても紙が波打ちにくい。作品完成後にカッターで剥がして使います。
• 糸綴じ（ノート型）：一般的なノートと同じ。耐久性は高いが、真ん中を開くと少し描きにくい。

視点３：表紙と価格のバランスを考慮する

最後に、機能性以外の部分もチェックしておきましょう。

• 表紙のデザイン：毎日使うものなので、自分のモチベーションが上がるデザインを選びましょう。汚れにくい素材かどうかもチェックポイントです。
• 価格と枚数：「1枚あたりの単価」で比較しましょう。例えば、500円で20枚のスケッチブックと、1000円で50枚のスケッチブックなら、後者の方が1枚あたりのコスパが良いことになります。たくさん描きたい方はこの計算をしてみてくださいね（Google検索で開きます）。

これらの3つの視点を持てば、失敗知らずのスケッチブック選びができるはずですよ。

中古・フリマアプリ（メルカリ・ラクマ）でスケッチブックを買うのはアリ？

最近はフリマアプリの普及により、画材を中古で買う選択肢も増えてきました。「未使用のスケッチブックが定価より安く買えるなら…」と考える方もいるでしょう。ここでは、中古のスケッチブックを購入する際のメリットと、絶対に注意すべきデメリットを解説します。

中古購入のメリット：廃盤品や高級品がお得に

フリマアプリでスケッチブックを探す最大のメリットは、「掘り出し物」に出会える可能性があることです。

• 大幅な割引価格：特に、プロ用の高級な水彩紙などは定価が高いため、数枚使っただけのほぼ新品が半額以下で出品されていることもあります。
• 廃盤になったブランド：特定の紙質やサイズが廃盤になってしまったスケッチブックを、フリマアプリで見つけることができるかもしれません。長年愛用していた紙が手に入らなくなった人にとっては、貴重な購入ルートです。
• 大量セット：まとめ売りで大量のスケッチブックを格安で手に入れられることもあります。

中古購入のデメリット：品質劣化と衛生面のリスク

メリットがある一方で、紙というデリケートな商品を中古で買うことには、大きなリスクが伴います。特に以下の3点には注意が必要です。

①湿気による劣化・カビ

紙の最大の敵は「湿気」です。長期間、湿度の高い場所（押し入れの奥など）に保管されていたスケッチブックは、紙が湿気を吸って波打っていたり、最悪の場合、カビが生えていたりすることがあります。
特に水彩紙は、一度湿気を吸うと水を弾く性質（サイジング）が弱くなってしまう可能性があり、本来の性能を発揮できなくなることがあります。出品者に保管状況を尋ねるなど、慎重な確認が必要です。

②日焼け・変色

表紙や一部のページが日光や蛍光灯に長時間当たっていた場合、紙が黄色く変色（日焼け）していることがあります。変色した紙は、絵の具や色の発色が大きく変わってしまうため、作品用としては使えません。

③残りの枚数と綴じ方の状態

「数枚使用済み」の場合、残りの枚数が正確に記載されているか確認しましょう。また、リング綴じのスケッチブックは、リングが歪んでいたり、紙を切り離した際に破れが残っていたりすることがあります。

中古で購入する際は、「あくまで練習用」「失敗しても後悔しない価格」で購入することをおすすめします。本気の作品用は、新品の専門店で買うのが最も確実ですよ。

まとめ：あなたが探しているスケッチブックが必ず見つかる！

この記事では、「スケッチブックがどこに売っているか」という疑問から始まり、購入場所、種類、そして賢い選び方までを徹底的に解説してきました。最後に、あなたの用途に合わせた最適ルートをもう一度確認しておきましょう。

目的別：スケッチブック購入の最適ルート

目的別：購入先早見表

目的	最適購入先	選ぶべきポイント
すぐに欲しい・安価に済ませたい	100均、大型スーパー	サイズ、枚数、価格
趣味で本格的な作品を描きたい	文房具専門店、LOFT・ハンズ	画材との相性（水彩紙など）、ブランド
専門的な紙、お得なセットを探したい	Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング	レビュー、紙のg/㎡、綴じ方
大量消費・学校の課題用	ホームセンター、大型スーパー	PB商品、まとめ買い価格

スケッチブックは、ただの「紙の束」ではありません。あなたのアイデアや感動、創造性を記録するための大切なパートナーです。この情報が、あなたが最高のパートナーを見つける手助けになれば、モモストアとしてこれほど嬉しいことはありません！
ぜひ、この記事を参考に、あなたらしい描画ライフを楽しんでくださいね！

スケッチブックの「綴じ方」の種類とそれぞれのメリット・デメリット

スケッチブックの見た目や使い勝手を大きく左右するのが「綴じ方」です。主な綴じ方には、リング綴じ、天のり綴じ、そして本綴じ（糸綴じ）の3種類があります。それぞれの特徴を理解して、描画スタイルに合ったものを選びましょう。

リング綴じ（スパイラル綴じ）：自由度が高く使いやすい

最も一般的なのが、金属またはプラスチックのリング（ワイヤー）で紙が綴じられているタイプです。マルマンのクロッキー帳や図案シリーズの多くがこの形式を採用しています。

メリット

• 360度折り返し可能：紙を後ろに折り返すことができるため、狭い場所や立って描く時でも、コンパクトに使えるのが最大の利点です。
• 紙の切り離しが容易：リングから紙をちぎるだけで、比較的簡単にきれいに切り離すことができます。
• 平らに開ける：紙を完全に開くことができるため、見開きいっぱいに描く際にも、中心の凹みを気にせず描けます。

デメリット

• 描画時にリングが邪魔になる：特に右利きの場合、右側のページを描く際に、リングが手首に当たって描きにくいと感じることがあります。
• かさばる：リングがある分、厚みが出て、カバンの中でスペースを取りがちです。
• リングの歪み：持ち運び方によっては、リングが歪んでしまい、紙をめくりにくくなることがあります。

天のり綴じ（ブロック綴じ）：水彩画に最適のプロ仕様

スケッチブックの四辺（または一辺）が、特殊な糊で台紙に固定されているタイプです。水彩画用の高級なスケッチブックに多く見られます。

メリット

• 水に強く紙が波打ちにくい：糊でしっかりと固定されているため、水彩絵の具をたっぷり使っても、紙の「ヨレ」や「波打ち」を最小限に抑えられます。描画後に紙が乾いてから、カッターなどで台紙から切り離して使います。
• 平らな表面：リングがないため、描画中に邪魔になるものが一切ありません。
• 作品の保護：一枚の作品が完成するまで、他の紙に触れることなく、汚れるのを防げます。

デメリット

• 切り離しに手間がかかる：完成後にカッターや定規を使って慎重に切り離す必要があり、手間がかかります。
• 折り返し不可：紙を折り返すことができないため、描画中は開いた状態のスペースが必要です。

本綴じ（糸綴じ）：ノート感覚で長期保存に

一般的なノートや書籍と同じように、紙が糸や糊で綴じられているタイプです。旅行記や日記として使うスケッチブックに採用されています。

メリット

• 耐久性が高い：リングのように歪む心配がなく、長期の保存に非常に強いです。
• コンパクト：リングがないため、カバンの中でかさばりにくいです。
• 見た目が美しい：製本された本のような見た目で、所有欲を満たしてくれます。

デメリット

• 完全に平らに開かない：綴じ目の中心部分が凹んでしまい、見開きいっぱいに描くのが難しい場合があります。
• 切り離しにくい：紙を切り離すと綴じ全体がバラけてしまうため、基本的に切り離しには向きません。

スケッチブックをより楽しむための周辺アイテムと活用術

スケッチブック本体だけでなく、いくつかの周辺アイテムを揃えることで、描画体験はさらに豊かになります。モモストアがおすすめするアイテムと、スケッチブックの活用術をご紹介します。

スケッチブックと一緒に揃えたい便利アイテム

描画を快適にし、作品の保存にも役立つアイテムです。

①スケッチケース・バッグ

スケッチブックを保護し、画材をまとめて持ち運ぶためのケースです。特にFサイズなどの大型のスケッチブックは、カバンの中で角が折れたり、表紙が汚れたりしやすいため、専用のケースに入れるのがおすすめです。撥水加工がされているものを選べば、急な雨からも大切なスケッチブックを守れます。

②フィキサチーフ（定着液）

パステル、木炭、鉛筆などで描いたデッサンは、描画面が摩擦によって簡単に擦れてしまいます。フィキサチーフは、描画材を紙に定着させるスプレーで、これを吹き付けておくことで、作品の劣化を防ぎ、他のページへの色移りを防ぐことができます。デッサンやクロッキー帳を使う方には必須のアイテムです。

③製図用ブラシ・ハケ

デッサン中に消しゴムのカスや鉛筆の粉を払う際、手で払うと描画面が汚れてしまいます。製図用ブラシやハケを使えば、紙に触れることなく、優しく粉を払うことができます。一つ持っておくと、描画のクリーンさが格段に上がりますよ。

スケッチブックのクリエイティブな活用術

お絵かきやデッサンだけでなく、スケッチブックは様々な用途に活用できます。

アイデア・デザインの「種」をストックする

ビジネスのアイデア、ウェブサイトのデザイン、ファッションのスケッチなど、頭の中に浮かんだ断片的な「種」を、とにかく書き留めるためのノートとして使います。文字だけでなく、図や記号、簡単なイラストを交えることで、思考を整理しやすくなります。この用途には、安価なクロッキー帳が最適です。

旅の「コラージュ＆スクラップブッキング」ブック

旅行先でチケットの半券、カフェのコースター、拾った落ち葉などを、スケッチブックに貼り付けてみましょう。写真だけでなく、その時の気分を簡単な絵や色鉛筆で添えることで、世界に一つだけの思い出の記録が完成します。厚手の画用紙や、少しデザイン性のあるスケッチブックが向いています。

レシピ・料理の盛り付け研究ノート

料理の盛り付けや、試作中のレシピを記録するノートとして使うのも面白いです。写真ではなく、手書きで「皿のどこに何を配置するか」を立体的に描くことで、より具体的にイメージが湧きます。絵心がないと思っている方も、簡単な図で試してみてください。意外な発見がありますよ。

スケッチブックは、あなたの創造性を形にするための自由なキャンバスです。ぜひ様々な使い方を試して、その魅力を最大限に引き出してくださいね！

メーカー別に見るスケッチブックの個性【マルマン・キャンソン・ミューズ】

スケッチブックの世界には、それぞれ独自の哲学を持つ様々なメーカーが存在します。主要な3つのメーカーに焦点を当て、それぞれの「個性」と「得意なこと」を深掘りします。自分の描きたいものに合ったメーカーを見つけるヒントにしてください。

マルマン：日本の「描く」を支える定番中の定番

マルマンは、日本のスケッチブック市場で圧倒的なシェアを持つ、非常に信頼性の高いメーカーです。その魅力は「高品質と適正価格のバランス」にあります。

マルマンの強み

• 高い耐久性：図案シリーズに代表されるように、紙がしっかりしていて消しゴムに強く、長期保存にも耐えうる品質です。
• 手に入りやすさ：全国どこでも、100均以外のほぼ全ての文具店やスーパーで手に入ります。急に必要になっても困りません。
• 豊富なラインナップ：クロッキー帳、図案シリーズの他に、本格水彩紙の「ヴィフアール」、プロ向けの「キャンソン ミタント」と提携した商品など、初心者からプロまで対応できる幅広い商品群を持っています。

特に「ヴィフアール水彩紙」は、適度な厚みとシボがあり、初めて水彩画に挑戦する方には最もおすすめできるスケッチブックの一つです。

キャンソン（Canson）：フランスの伝統と最高品質の水彩紙

キャンソンは、1557年創業という長い歴史を持つ、フランスの老舗紙メーカーです。特に水彩画用紙や版画用紙といった専門的な紙では、世界最高峰の評価を受けています。

キャンソンの強み

• 水彩紙の品質：「モンバルキャンソン」や「アルシュ」といった水彩紙は、水のにじみや発色の良さが段違いです。特に「アルシュ」は、コットン100%の最高級紙で、プロの画家が作品の発表に使うことで知られています。
• 紙へのこだわり：紙の製造方法や、繊維の配合に徹底的にこだわっており、描画材のノリや紙の耐久性が非常に高いです。
• 多様な紙質：水彩紙以外にも、色鉛筆やパステルに最適な「ミタント」など、特定の画材に最適化された紙を多数販売しています。

キャンソンのスケッチブックは、「自分の描画スキルを最大限に引き出したい」という、中級者以上の本格派におすすめです。価格は高めですが、その価値は十分にありますよ。

ミューズ（Muse）：日本のデザイン・イラストレーションを支える

ミューズは、主にデザインやイラストレーションの分野で非常に人気が高い日本のメーカーです。紙の白さや、マーカーとの相性に定評があります。

ミューズの強み

• デッサン・イラストに特化：ケント紙をベースにした「ランプライト」や、マーカーの裏抜けが少ない「コミックケント」など、デザイナーや漫画家、イラストレーターに愛用される紙を多く製造しています。
• 紙の白さへのこだわり：特にケント紙のラインナップは、白が非常に鮮やかで、色の再現性が高いのが特徴です。
• 高い平滑性：表面が非常に滑らかな紙が多く、細密な線を描くペン画や、薄い色を重ねていくマーカー画に適しています。

あなたがデジタルイラストを描く前のラフスケッチや、建築や工業デザインのアイデアスケッチに使うなら、ミューズのケント紙が非常におすすめです。

スケッチブックを長期間きれいに保存するためのテクニック

せっかく描いた大切な作品やアイデアを、いつまでもきれいな状態で残しておきたいですよね。スケッチブックは紙製品であるため、適切な方法で保管しないと、あっという間に劣化してしまいます。ここでは、モモストアが実践している長期保存のためのテクニックをご紹介します。

①湿気・カビ対策：保管場所が命！

カビや紙の波打ちの最大の原因は湿気です。日本の夏は特に湿度が高いため、以下の点に注意しましょう。

• 高い場所に保管：湿気は下に溜まりやすいので、床の上ではなく、棚の上段など、できるだけ高い場所に保管しましょう。
• 通気性の確保：本棚にギュウギュウに詰め込むのはNGです。紙と紙の間や、本棚と壁の間に少し隙間を作り、空気の通り道を作ってあげてください。
• 乾燥剤の利用：スケッチブックを箱やケースに入れて保管する場合、一緒にシリカゲルなどの乾燥剤を入れておくと、より効果的に湿気を防げます。

②光対策：日焼けと変色を防ぐ

日光や蛍光灯の紫外線は、紙を黄色く変色させ、色褪せの原因となります。描いた絵の具やパステルの色も劣化させてしまうため、光対策は必須です。

• 直射日光を避ける：窓際や明るい場所に放置するのは絶対に避けましょう。
• 箱やファイルに入れる：描いた作品は、光の当たらない蓋付きの箱や、厚手のファイルに入れて保管しましょう。
• 中性紙を選ぶ：そもそも、酸性の紙は時間経過と共に黄ばみやすい性質を持っています。長期保存したい作品を描く際は、中性紙（pH値が中性の紙）と明記されているスケッチブックを選ぶようにしましょう。

③描画面の保護：作品を汚さない工夫

特に鉛筆やパステル、木炭で描いた作品は、ちょっとした摩擦で簡単に擦れてしまいます。

• トレーシングペーパーを挟む：描いたページの上に、薄いトレーシングペーパーやグラシン紙などを挟んでおくと、次のページへの色移りや擦れを防げます。画材店で「インターリーフ（合紙）」として売られています。
• フィキサチーフを使う：前述したように、定着液（フィキサチーフ）をスプレーして、描画材をしっかり固定しましょう。

少し手間かもしれませんが、これらのテクニックを実践することで、あなたのスケッチブックは何十年も美しい状態を保ってくれますよ。

【応用編】スケッチブックの製本方法を自分で変えてみる

市販のスケッチブックの綴じ方やサイズでは満足できない！という方のために、自分で製本方法を変える応用テクニックをご紹介します。少し手間はかかりますが、自分だけの「完璧な一冊」を作ることができます。

製本方法の変更：リング綴じの紙をバラす

リング綴じのスケッチブックは、実は比較的簡単に紙をバラすことができます。

リングを切り、必要な枚数だけを再構成

市販のリング綴じのスケッチブックのリングをニッパーなどで切断し、中身の紙を取り出します。そして、あなたが使いたい枚数だけを抜き出し、新しいリングや紐で綴じ直すのです。

• 新しいリング：文具店で売っているルーズリーフ用のリングや、クラフト用の金属リングを使えば、オリジナルのスケッチブックが作れます。
• メリット：水彩画で使う時など、「この紙質は好きだけど、リングが邪魔」という悩みを解決できます。また、描いた作品だけを順番を入れ替えて綴じ直す、といった使い方も可能です。

ただし、リングを切る際は、紙や手を傷つけないように十分注意してくださいね。

オリジナル・スクエアサイズの作成

風景画なら横長、ポートレートなら縦長など、特定のモチーフに最適な比率のスケッチブックを求めている方もいるでしょう。市販のA判やF判のスケッチブックの紙をカットして、オリジナルの比率のスクエア（正方形）サイズなどを作ることができます。

• カットの技術：カッターマットと定規を使い、慎重に紙をカットします。一度に大量の紙を切ると断面が荒れるため、数枚ずつ切るのがコツです。
• 再製本：カットした紙を、前述の天のり綴じの糊（製本用の特殊な糊）で台紙に固定すれば、自作のブロック型スケッチブックが完成します。

自分で製本を行うことで、紙質、サイズ、綴じ方の全てを自分の理想に近づけることができます。これは、「描く」という行為そのものへのモチベーションを格段に高めてくれる、非常に楽しい挑戦ですよ！