溶連菌の検査キットは薬局で買えない?正しい対処法と受診の目安

溶連菌の検査キットは薬局で買えない?正しい対処法と受診の目安

喉の激しい痛みや高熱が出ると、「もしかして溶連菌かも?」と心配になりますよね。
インフルエンザや新型コロナのように、薬局で検査キットを買って自分で調べたいと思う方も多いはず。
この記事では、溶連菌の検査キットが市販されていない理由と、疑わしい時に「何をすべきか」をモモストアが詳しく解説します!

この記事でわかること(目次代わり)
・溶連菌の検査キットが薬局・ドラッグストアで売ってない理由
・市販されているインフルエンザやコロナの検査キットとの違いは?
・溶連菌の自己判断が危険な理由!重い合併症のリスク
・【結論】溶連菌が疑わしい場合に取るべき「最速の行動」
・病院での溶連菌検査の流れと費用(保険適用について)

この記事を読んでいただければ、焦らずに適切な対応が取れるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

  1. 溶連菌の検査キットが薬局・ドラッグストアで売ってない理由
    1. 溶連菌検査キットは「医療機関向け」の体外診断用医薬品
      1. なぜ市販化されていないのか?専門家による正確な検体採取が不可欠
    2. ネットで売られている「研究用」キットに注意!
  2. 市販されているインフルエンザやコロナの検査キットとの違いは?
    1. 感染症の特性の違いと検査の必要性
    2. 「指定体外診断用医薬品」の分類の壁
      1. 主な検査キットの分類比較
  3. 溶連菌の自己判断が危険な理由!重い合併症のリスク
    1. 最大の危険性:「リウマチ熱」と「急性糸球体腎炎」
      1. 急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)
      2. リウマチ熱
    2. 抗生物質による早期の「除菌」がすべて
  4. 【結論】溶連菌が疑わしい場合に取るべき「最速の行動」
    1. 特に子供の場合は、迷わず小児科へ
      1. 受診する際の準備と注意点
    2. 耳鼻咽喉科も受診可能!混雑状況で選ぶ
  5. 病院での溶連菌検査の流れと費用(保険適用について)
    1. 検査はわずか数分!迅速抗原検査が一般的
      1. 結果が陰性でも「培養検査」を行う場合がある
    2. 検査費用は保険適用で自己負担額は安い
  6. オンライン診療や往診サービスで自宅で検査を受ける方法
    1. オンライン診療(遠隔診療)の利用
    2. 往診・訪問診療サービスで「自宅で迅速検査」
  7. 溶連菌感染症の治療に使う薬の種類と注意点
    1. 治療の主役はペニシリン系抗生物質
      1. 【最大の注意点】症状が消えても飲み切る!
    2. 対症療法として使われる薬
  8. 市販薬で喉の痛みや熱を一時的に緩和する方法
    1. 喉の痛みに効く市販薬
      1. 【重要】抗生物質の代わりにはならない
    2. 発熱時の水分補給と栄養補給
  9. 検査キットを使わずに溶連菌感染症を疑うチェックポイント
    1. 溶連菌感染症の特徴的な症状リスト
    2. 「風邪と溶連菌の違い」を見分けるポイント
  10. 家族が溶連菌に感染した際の適切な対応と予防策
    1. 感染を広げないための具体的な対策
      1. 感染者の療養と隔離(登校・登園の目安)
      2. 消毒と清掃
  11. 溶連菌は大人も感染する?子供との症状の違い
    1. 大人の溶連菌感染症の特徴
    2. 子供の溶連菌感染症の特徴
  12. 治ったと思っても油断禁物!再検査が必要な理由
    1. 合併症予防のための「除菌確認」
      1. 再検査はいつ行うべき?
    2. 再発を防ぐための注意点
  13. 溶連菌に感染しないための日頃からの予防習慣
    1. 効果的な予防法は「手洗い」と「うがい」が基本
    2. 免疫力を高める生活習慣

溶連菌の検査キットが薬局・ドラッグストアで売ってない理由

momo-store.jp

結論からお伝えすると、現時点(2025年12月)で、溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)の迅速検査キットは、日本の薬局やドラッグストアでは市販されていません。
これは、法律や医療上の必要性から、一般の方が手軽に購入できる「一般用検査薬(OTC)」として承認されていないためです。

溶連菌検査キットは「医療機関向け」の体外診断用医薬品

今、医療機関で使われている溶連菌の検査キットは、正式には「体外診断用医薬品」に分類されます。
これは、医師や看護師などの専門家が、正しい手順と知識のもとで使うことを前提として承認されている製品なのです。

具体的には、大塚製薬の「クイックナビ™-Strep A」や、その他のメーカーが提供する迅速キットが該当しますが、これらはすべて医療機関を通してのみ提供されています。

なぜ市販化されていないのか?専門家による正確な検体採取が不可欠

インフルエンザや新型コロナのキットと違って、溶連菌の検査は「のど(咽頭や扁桃腺)の奥」を専用の綿棒でしっかり拭い取る「検体採取」の正確性が極めて重要になります。

もし、自分で検体をうまく採取できなかった場合、本当は感染しているのに「陰性」と出てしまう(偽陰性)リスクが高まります。
溶連菌は、ただの風邪と違って抗生物質での治療が必須であり、自己判断で治療を遅らせると後述する重い合併症につながる可能性があるため、国は専門家による正確な診断を重視しているのです。

ネットで売られている「研究用」キットに注意!

インターネットで「溶連菌 検査キット」と検索すると、「研究用」として売られている商品を見かけることがあります。
しかし、これらの製品は国から「体外診断用医薬品」として承認を受けていないものがほとんどです。

分類 販売場所 信頼性
体外診断用医薬品 医療機関のみ 国が承認。医師の診断に役立つ
研究用試薬 ネット、一部の店舗 診断目的で使用不可。結果の信頼性が保証されない

「研究用」キットで陽性が出たとしても、それは正式な診断にはなりませんし、陰性だったとしても安心はできません。
必ず、医療機関を受診して正しい検査を受けてくださいね。

市販されているインフルエンザやコロナの検査キットとの違いは?

「インフルエンザや新型コロナのキットは市販されているのに、なぜ溶連菌だけはダメなの?」という疑問は当然ですよね。
ここには、感染症の特性と、検査結果の「重み」の違いが大きく関わっています。

感染症の特性の違いと検査の必要性

インフルエンザや新型コロナの場合、診断がつかなくても「対症療法(症状を和らげる治療)」を行いながら、自宅で療養することも一つの選択肢になります(もちろん、重症化リスクがある場合は別ですが)。

一方、溶連菌感染症は、細菌による病気であり、放置すると後遺症の危険性があるため、必ず抗生物質による治療が必要となります。
治療の必要性が非常に高いため、「正確な診断」が何よりも求められるのです。

「指定体外診断用医薬品」の分類の壁

薬事法(現在の薬機法)では、診断薬を一般に販売できるかどうかを厳しく定めています。
インフルエンザや新型コロナの抗原検査キットの中には、「体外診断用医薬品」の中でも、さらに厳格な基準を満たした「一般用検査薬(OTC)」として承認されたものがあります。
これは、専門知識がない人が自宅で使っても、比較的正確な結果が得られると判断されたためです。

しかし、溶連菌は前述したとおり、検体採取の難しさや、診断後の治療の重要性から、現時点ではOTCとしての承認が得られていません。
溶連菌の検査は、ただ「菌がいるかいないか」だけでなく、治療開始の判断に直結する重要なステップだと理解しておきましょう。

主な検査キットの分類比較

病名 病原体 市販の有無(OTC)
溶連菌感染症 細菌(A群溶連菌) なし(医療機関専用)
インフルエンザ ウイルス あり(一部OTC承認済)
新型コロナウイルス ウイルス あり(一部OTC承認済)

溶連菌の自己判断が危険な理由!重い合併症のリスク

「熱も下がったし、喉の痛みも治まったから、ただの風邪だったかな」と自己判断してしまうのは、溶連菌感染症においては非常に危険です。
なぜなら、溶連菌が引き起こす合併症は、命に関わるほど重篤な場合があるからです。

最大の危険性:「リウマチ熱」と「急性糸球体腎炎」

溶連菌感染症の真の怖さは、初期症状ではなく、感染から数週間後に起こりうる「非化膿性合併症」にあります。
これは、溶連菌に対する抗体が、なぜか自分の体の一部(腎臓や心臓の弁)を攻撃してしまうことで起こります。

急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)

感染から1〜3週間後に発症することが多く、腎臓に炎症が起こる病気です。
主な症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • むくみ(特にまぶたや顔)
  • 血尿、または尿量が減る
  • 高血圧

腎臓の機能が低下すると、長期間の治療が必要になることがあります。腎臓は体の老廃物をろ過する重要な臓器ですから、影響は甚大です。

リウマチ熱

感染から2〜4週間後に発症し、心臓、関節、皮膚、神経に炎症を起こします。
特に心臓に炎症が起こると(リウマチ性心炎)、心臓の弁が損傷し、重度の心臓病(弁膜症)として後々まで影響を残してしまう可能性があります。

これらの合併症を避けるためには、溶連菌と診断された場合、症状が改善しても処方された抗生物質を医師の指示通りに最後まで飲みきることが絶対に必要です。
自己判断で薬を途中でやめてしまうと、体内に残った溶連菌が原因で合併症を引き起こすリスクが高まるのです。

抗生物質による早期の「除菌」がすべて

溶連菌の治療は、これらの合併症を防ぐための「菌の除菌」が最も重要です。
そのため、検査キットを使って自己診断をするよりも、一刻も早く医療機関を受診し、適切な抗生物質の服用を開始することが、ご自身やご家族の健康を守る上で最も重要な行動となります。
溶連菌感染症の主な症状について、詳しくはこちらのリンクから確認できます。溶連菌感染症の主な症状

【結論】溶連菌が疑わしい場合に取るべき「最速の行動」

溶連菌の検査キットが市販されていない以上、「あれ?もしかして」と思った時に取るべき行動は一つに絞られます。それは、「すぐに医療機関を受診する」ことです。

特に子供の場合は、迷わず小児科へ

溶連菌感染症は、特に3歳〜12歳くらいの学童期のお子さんに多い病気です。
急な高熱、のどの激しい痛み、体や手足にできる小さな赤い発疹(猩紅熱)、舌がイチゴのようになる症状(イチゴ舌)などが見られたら、すぐに小児科を受診してください。

大人よりも、子供の方が合併症のリスクが高い傾向にありますので、「様子を見る」という判断は避けましょう。

受診する際の準備と注意点

受診する際は、以下の情報をまとめておくと、診察がスムーズに進みます。

  • いつから、どのような症状(発熱、喉の痛み、発疹など)が出たか
  • 家族や周囲で同じような症状の人がいないか(集団感染の可能性)
  • 過去に溶連菌にかかったことがあるか
  • 飲んでいる薬があれば、その情報

特に、のどの痛み以外に「腹痛」や「嘔吐」を訴えるお子さんもいますので、些細な症状でも見逃さずに伝えるようにしてください。

耳鼻咽喉科も受診可能!混雑状況で選ぶ

溶連菌は喉の病気なので、内科や小児科だけでなく、耳鼻咽喉科でも検査・診断・治療が受けられます。
小児科や内科が混んでいる場合は、耳鼻咽喉科の受診も検討してみましょう。
耳鼻咽喉科は喉を専門的に診ているため、より詳しく喉の状態を確認してもらえるメリットもありますよ。

病院での溶連菌検査の流れと費用(保険適用について)

病院へ行くと、具体的にどのような検査が行われ、どれくらいの費用がかかるのか、事前に知っておくと安心ですよね。
溶連菌の検査は非常にシンプルで、すぐに結果が出ます。

検査はわずか数分!迅速抗原検査が一般的

病院で行われる溶連菌の検査は、「迅速抗原検査(じんそくこうげんけんさ)」という方法が一般的です。

  1. 医師または看護師が、細い綿棒でのどの奥(扁桃腺や咽頭後壁)を軽くこすって、検体を採取します。
  2. 採取した検体を試薬と混ぜ、検査キット(テストプレート)に滴下します。
  3. 約5分〜10分程度で結果が判明します。

この検査は痛みを伴うものではありませんが、綿棒を奥に入れる際に「オエッ」となることがあるため、特にお子さんの場合は、親御さんがしっかり支えてあげてください。

結果が陰性でも「培養検査」を行う場合がある

迅速検査で陽性が出れば、ほぼ確実に溶連菌感染症と診断されますが、陰性が出た場合は少し注意が必要です。
迅速検査は感度が100%ではないため、「偽陰性」の可能性があります。

そのため、医師の判断により、迅速検査で陰性でも症状が強く溶連菌を強く疑う場合は、「培養検査」に追加で検体を提出する場合があります。
培養検査は結果が出るまでに数日かかりますが、より確実な診断が得られます。

検査費用は保険適用で自己負担額は安い

溶連菌の検査は、医師が必要と判断した場合はすべて健康保険が適用されます。
診察料を含めた自己負担額の目安は以下の通りです。

(注:あくまで目安であり、医療機関や処方薬によって変動します。3割負担の場合の概算です。)

項目 費用目安(3割負担)
初診料・再診料 約700円〜1,500円
迅速抗原検査 約400円〜600円
処方箋代・薬剤費 約1,000円〜3,000円(薬の種類や日数による)
合計の目安 2,000円〜5,000円程度

検査自体はそれほど高額ではありませんので、費用の心配よりも、早期に診断と治療を受けることを優先してくださいね。

オンライン診療や往診サービスで自宅で検査を受ける方法

「高熱で動けない」「子供を病院に連れて行くのが大変」といった理由で、自宅にいながら検査を受けたいと考える方もいるでしょう。
実は、近年普及している「オンライン診療」「往診サービス」を利用すれば、溶連菌の検査・診断・薬の処方まで自宅で完結できる場合があります。

オンライン診療(遠隔診療)の利用

オンライン診療は、スマートフォンやパソコンを使ってビデオ通話で診察を受ける方法です。
ただし、溶連菌の診断には「のどの奥の検体採取」が必須です。

  • 診察:ビデオ通話で行い、症状を伝え、医師が視診(カメラ越しにのどを見ること)を行います。
  • 検査:オンライン診療で検査キットを郵送し、自分で採取して返送する方法は、溶連菌ではほとんど実施されていません。(前述の通り、正確な採取が難しいため)。
  • 処方:医師の判断で溶連菌が強く疑われる場合、検査結果を待たずに、経験的治療(推定での治療)として抗生物質が処方される場合があります。

オンライン診療は、症状が比較的軽く、医師との相談を通じて薬の処方を受けたい場合に有効ですが、確実な診断には向かないことが多いので、事前に医療機関に確認が必要です。

往診・訪問診療サービスで「自宅で迅速検査」

最も確実に自宅で検査を受けられるのが、「夜間や休日の往診サービス」を利用する方法です。
これらのサービスは、自宅まで医師や看護師が訪問し、医療機関と同じ迅速抗原検査を実施してくれます。

往診サービスのメリットは以下の通りです。

メリット 注意点
・高熱で動けない時でも安心 ・通常の診察料に加え、往診料が加算される
・医療機関と同等の正確な検査が可能 ・サービス提供エリアが限られている
・その場で薬を処方してもらえる場合がある ・時間帯によっては待ち時間が長い

特に小さなお子さんがいるご家庭では、非常に便利なサービスですが、費用は通常の病院受診よりも高くなる傾向がありますので、事前にサービス提供会社に確認しましょう。

溶連菌感染症の治療に使う薬の種類と注意点

溶連菌感染症と診断された場合、治療は必ず「抗生物質」で行われます。
これは、細菌である溶連菌を徹底的に退治し、前述したリウマチ熱や腎炎などの合併症を予防するためです。

治療の主役はペニシリン系抗生物質

溶連菌に最も効果があり、広く使われているのは「ペニシリン系」の抗生物質です。
一般的には、以下の薬が処方されることが多いです。

  • アモキシシリン(ワイドシリンなど):子供にもよく使われる薬です。
  • セファレキシン(ケフレックスなど):ペニシリンアレルギーがないか確認してから使用します。

これらの薬は、飲みやすくするために、シロップや粉薬として処方されることも多く、味を工夫しているものもあります。

【最大の注意点】症状が消えても飲み切る!

溶連菌治療の最大のポイントは、「症状が改善しても、医師から指示された日数は必ず薬を飲み切る」ことです。
通常、抗生物質を飲み始めてから1~2日で熱が下がり、喉の痛みもかなり楽になります。しかし、体内に溶連菌が残っていると、合併症を引き起こす可能性があるため、最低でも10日間は飲み続けることが一般的です。

自己判断で薬を中断してしまうと、菌が完全に除去されずに再燃したり、合併症のリスクが高まるだけでなく、「薬剤耐性菌」を生み出す原因にもなりかねません。
「もう元気だから大丈夫」ではなく、「合併症予防のために飲む」と理解し、最後まで服用を続けましょう。溶連菌治療に使われる抗生物質について、さらに詳しく知りたい方はこちら。溶連菌治療に使われる抗生物質

対症療法として使われる薬

抗生物質とは別に、辛い症状を和らげるための「対症療法薬」も処方されます。

  • 解熱剤(アセトアミノフェンなど):高熱や頭痛で体力を消耗させないために使用します。
  • 鎮痛・消炎剤:喉の激しい痛みを和らげます。

これらは抗生物質とは異なり、症状が辛い時にだけ飲む薬です。医師の指示に従って服用してくださいね。

市販薬で喉の痛みや熱を一時的に緩和する方法

病院を受診するまでの間や、診断後に抗生物質が効き始めるまでの間、辛い症状を少しでも和らげたいですよね。
溶連菌を治すことはできませんが、市販薬(OTC)で一時的に症状を緩和することは可能です。

喉の痛みに効く市販薬

溶連菌の症状で一番辛いのは、飲食物を飲み込むのも困難になるほどの激しい喉の痛みです。
以下の成分を含む市販薬で、炎症を抑えましょう。

対処法 おすすめの成分や製品(例)
内服薬(錠剤・カプセル) イブプロフェン、ロキソプロフェン、トラネキサム酸などの抗炎症成分が喉の腫れを鎮めます。
スプレー・うがい薬 アズレンスルホン酸ナトリウム(抗炎症作用)やポビドンヨード(殺菌消毒作用)を含むスプレーやうがい薬で、直接喉にアプローチします。
トローチ・ドロップ 殺菌成分やメントールなどが含まれており、飲み込む動作で痛みが和らぎます。

【重要】抗生物質の代わりにはならない

これらの市販薬はあくまで「対症療法」であり、溶連菌そのものを殺菌する効果はありません。
痛みが和らいだからといって「治った」と判断せず、必ず病院で処方された抗生物質による治療を最優先してください。

発熱時の水分補給と栄養補給

高熱や喉の痛みで食欲がないときは、脱水症状を防ぐことが最優先です。
無理に固形物を食べる必要はありませんが、以下のものを少しずつでも摂取しましょう。

  • 経口補水液(OS-1など):水分と電解質をバランス良く補給できます。
  • ゼリー状の飲料:飲み込みやすく、カロリーやビタミンも補給できます。
  • 冷たい飲み物:喉の痛みを一時的に麻痺させてくれるため、冷たい牛乳やアイスクリームなども有効な場合があります。

特に小さなお子さんの場合は、脱水になりやすいので、おしっこの回数や唇の乾燥具合をよくチェックしてあげてくださいね。

検査キットを使わずに溶連菌感染症を疑うチェックポイント

薬局で検査キットが買えない以上、ご自身の症状が「ただの風邪」なのか、「溶連菌」の可能性があるのか、見分けるためのチェックポイントを知っておくことは非常に役立ちます。

溶連菌感染症の特徴的な症状リスト

溶連菌感染症には、普通の風邪とは異なる、いくつかの「特徴的な症状」があります。特に以下の症状が急に出た場合は、溶連菌を強く疑いましょう。

  • 急な発熱:多くの場合、突然38℃以上の高熱が出ます。
  • 喉の激しい痛み:つばを飲み込むのも辛くなるほどの強い痛みがあります。
  • 扁桃腺の腫れと白い膿:のどちんこの周り(扁桃腺)が赤く腫れ上がり、白い斑点や膿が付着しているのが見えます。
  • 体や手足の発疹:特にお腹や胸、手足に小さな赤い発疹が出ることがあります(猩紅熱)。
  • イチゴ舌:舌の表面に赤いブツブツができ、イチゴのような見た目になります。
  • 嘔吐・腹痛:特に子供の場合、喉の痛みよりも先に吐き気や腹痛を訴えることがあります。

「風邪と溶連菌の違い」を見分けるポイント

一般的なウイルス性の風邪(ライノウイルス、アデノウイルスなど)と溶連菌感染症を区別する上で、特に注目すべきなのは「鼻水・咳」の有無です。

症状 溶連菌感染症 一般的な風邪
咳・鼻水 ほとんど出ない
(あっても軽度)
よく出る
喉の痛み 非常に強い、急激 比較的緩やか
発熱 急な高熱(38℃以上) 微熱〜高熱まで様々
治療薬 抗生物質が必須 対症療法薬のみ

咳や鼻水がなく、急に高熱と激しい喉の痛みが始まった場合は、溶連菌の可能性が非常に高いと判断し、すぐに受診の準備を始めましょう。もちろん自己判断は禁物ですが、受診の目安としては十分役立ちます。

家族が溶連菌に感染した際の適切な対応と予防策

お子さんやご家族の誰かが溶連菌と診断された場合、次に心配になるのは「他の家族にうつさないか」ということですよね。
溶連菌は飛沫感染や接触感染で広がるため、家庭内での対策が非常に重要になります。

感染を広げないための具体的な対策

溶連菌の菌は、主に患者さんの咳やくしゃみ、鼻水に含まれています。感染拡大を防ぐためには、以下の対策を徹底しましょう。

感染者の療養と隔離(登校・登園の目安)

  • 抗生物質の服用開始:抗生物質を飲み始めてから24時間以内に、ほとんどの場合、感染力はなくなります。
  • 登校・登園の再開:熱が下がり、症状が改善し、かつ抗生物質を服用開始後24時間以上経過していれば、登校・登園が許可されます。ただし、最終的な判断は医師や学校・園の指示に従ってください。
  • タオルの共用禁止:タオルや食器、コップなどは必ず個別のものを使用し、共用は避けてください。

消毒と清掃

溶連菌は、アルコール消毒では死滅しにくい菌種が多いとされています。
そのため、手洗いを徹底することが最も重要です。

家庭内で実践すべき予防習慣

  1. こまめな手洗い・うがい:外出後、食事前、トイレ後などは必ず、石鹸を使った丁寧な手洗いとうがいをしましょう。
  2. 加湿:冬場など空気が乾燥している時期は、加湿器を使い、喉の粘膜を乾燥から守りましょう。
  3. マスクの着用:患者さんはもちろん、看病する方もマスクを着用することで、飛沫感染を防げます。
  4. 歯磨き:溶連菌は、感染後に歯磨きを怠ると、再び口の中に定着してしまうことがあります。抗生物質を服用中も、いつも通り丁寧に歯磨きを続けることが大切です。

溶連菌の感染経路と予防法について、さらに詳しい情報を知りたい方はこちら。溶連菌の感染経路と予防法

溶連菌は大人も感染する?子供との症状の違い

溶連菌感染症は「子供の病気」というイメージが強いかもしれませんが、大人も感染します。
ただし、大人と子供では症状の出方に違いがあるため、「ただの風邪」と勘違いして治療が遅れるケースも少なくありません。

大人の溶連菌感染症の特徴

大人が溶連菌に感染した場合、以下のような傾向があります。

  1. 喉の痛みがメイン:子供のように発熱や発疹、イチゴ舌といった全身症状が目立たず、「喉の激しい痛み」だけで済むことがあります。
  2. 熱が出ないこともある:微熱で終わったり、熱が全く出ないこともあります。
  3. 症状が軽視されがち:「疲労によるものだろう」「少し無理をしたからだ」と自己判断し、市販の風邪薬で済ませてしまいがちです。

大人の場合も、溶連菌だと診断されれば抗生物質による治療が必須です。特に家族内にお子さんがいて、その方が溶連菌にかかっている場合は、大人の喉の痛みも溶連菌によるものだと疑って受診することが大切です。

子供の溶連菌感染症の特徴

一方、子供の溶連菌感染症は、非常に分かりやすい症状が出ることが多いです。

  • 突然の高熱(38〜39℃)と、それに伴う悪寒。
  • 典型的な「イチゴ舌」や「発疹(猩紅熱)」といった全身症状。
  • 腹痛や嘔吐を訴えることがある。

これらの典型的な症状は、医師の診断の助けになりますが、大人は症状が非典型的なケースが多いため、少しでも怪しいと思ったら病院で検査をしてもらいましょう。

治ったと思っても油断禁物!再検査が必要な理由

抗生物質を飲み始めて数日経つと、熱が下がり、喉の痛みも嘘のように消えるため、「もう治った!」と感じる方がほとんどでしょう。
しかし、溶連菌の治療には「治癒の確認」が非常に重要です。

合併症予防のための「除菌確認」

なぜ再検査が必要なのでしょうか?
それは、体内の溶連菌を「完全に」除去できたかどうかを確認し、合併症のリスクをゼロにするためです。

抗生物質を飲みきった直後でも、ごく稀に菌が体内に残っていることがあります。この「残りかす」のような菌が、数週間後に重篤な合併症(急性糸球体腎炎やリウマチ熱)を引き起こす原因となるのです。

再検査はいつ行うべき?

再検査のタイミングは医師によって異なりますが、一般的には以下の時期に行われます。

  • 抗生物質を飲み終えてから数日〜1週間後

この再検査でも、前回と同じ迅速抗原検査や、より確実な培養検査が行われます。
もしこの時点でまだ陽性反応が出た場合は、抗生物質の種類を変更したり、治療期間を延長したりする可能性があります。

リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった溶連菌感染後の合併症について、詳しくはこちらのリンクから確認できます。溶連菌感染後の合併症について

再発を防ぐための注意点

溶連菌は、一度かかっても免疫がつきにくい病気です。
そのため、「再感染」を繰り返すことがあります。特に以下の状況では、再発リスクが高まります。

  • 家族内での感染者がいる(ピンポン感染)
  • 抗生物質を途中でやめてしまった

再検査をクリアしたとしても、ご家族全員でこまめな手洗いやうがいといった基本的な感染予防を続けることが大切です。

溶連菌に感染しないための日頃からの予防習慣

溶連菌は治療すれば治る病気ですが、できることならかかりたくないですよね。
溶連菌の感染ルートは主に「飛沫感染」と「接触感染」です。日頃からできる予防習慣を身につけて、感染リスクを下げましょう。

効果的な予防法は「手洗い」と「うがい」が基本

特別なことは必要ありません。風邪やインフルエンザと同じく、基本的な感染対策を丁寧に行うことが、溶連菌予防にもっとも有効です。

  • 帰宅後の手洗い:石鹸を使って指の間、手首まで丁寧に洗いましょう。
  • うがい:喉に菌が付着するのを防ぐため、うがい薬よりも水道水で構いませんので、ガラガラうがいを徹底しましょう。
  • マスクの活用:流行期や、人混みに行く際はマスクを着用し、飛沫感染のリスクを減らしましょう。

免疫力を高める生活習慣

体の免疫力が落ちていると、菌に負けやすくなってしまいます。
日頃から免疫力を高める生活を意識しましょう。

免疫力アップのための習慣

  1. 質の高い睡眠:睡眠不足は免疫力を低下させる最大の原因です。十分な睡眠時間を確保しましょう。
  2. 栄養バランスの取れた食事:特にビタミンAやC、亜鉛など、粘膜を強くし、免疫細胞の働きを助ける栄養素を意識して摂取しましょう。
  3. 適度な運動:体を動かすことで血流が良くなり、免疫細胞が体内を巡りやすくなります。
  4. ストレスを溜めない:慢性的なストレスは免疫力を低下させます。リラックスできる時間を作りましょう。

「なんだか体がだるいな」と感じたときは、無理をせず、早めに休養を取ることが何よりの予防になりますよ。

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