ブラントンゴールドはもう終売? 在庫情報と次に飲むべきおすすめウイスキーを徹底解説
バーボンファンにとって、ブラントンゴールド(Blanton’s Gold Edition)は特別な存在ですよね。
あのエレガントで力強い味わい、そして棚に並べたときの圧倒的な存在感は、他の追随を許しません。
しかし、ここ数年、市場から姿を消しつつあることで、「ブラントンゴールドは本当に終売したのか?」という不安の声が絶えません。
結論から言うと、公式な生産終了の発表はありませんが、事実上の終売に近い状態、つまり「極めて限定された地域、もしくは極めて限られた量しか生産・流通されていない」というのが現状です。
特に日本市場においては、流通量が激減し、定価での入手はほぼ不可能となっています。
モモストアでは、このブラントンゴールドの終売の真実に迫りつつ、今あなたが取るべき行動や、次に楽しむべき素晴らしいバーボンウイスキーの選択肢を徹底的に深掘りしていきますね。
・終売の真相に迫る!背景にある事情と公式発表
・ブラントンゴールドの現在の在庫状況と入手難易度
・実店舗とオンラインショップでの在庫チェックポイント<br> ・ブラントンゴールドの現在の価格相場と転売状況
- ブラントンゴールドは本当に終売したのか?
- 終売の真相に迫る!背景にある事情と公式発表
- ブラントンゴールドの現在の在庫状況と入手難易度
- 実店舗とオンラインショップでの在庫チェックポイント
- ブラントンゴールドの現在の価格相場と転売状況
- そもそもブラントンゴールドが熱狂的に愛された理由
- ブラントンゴールドの味の特徴とテイスティングノート
- 【代替銘柄の本命】次に飲むべきブラントンシリーズはどれ?
- ブラントンゴールドに味が似ているおすすめバーボン3選
- プレミアムバーボン市場の現状と価格高騰の波
- 終売品を「資産」として持つべきか?賢い保管方法
- 飲めなくなっても大丈夫!ブラントンゴールドの楽しみ方を考える
- まとめ:ブラントンゴールドは終売ではないが「幻」の存在へ
ブラントンゴールドは本当に終売したのか?

ブラントンゴールドが終売したかどうか、これは多くのバーボン愛飲家にとって最も気になるポイントでしょう。
インターネット上では「終売した」という情報と、「限定的に継続している」という情報が混在しており、非常に混乱しやすい状況です。
モモストアの調査結果からお伝えすると、「世界的に見ると完全に終売したわけではないが、日本の正規輸入ルートからの供給は事実上ストップしており、非常に手に入りにくい状況」というのが正確な表現です。
なぜこのような曖昧な表現になるのかというと、ブラントンゴールドの販売戦略と、製造元であるバッファロー・トレース蒸留所の事情が大きく関わっているからです。
ブラントンゴールドは、元々日本市場向けのエクスポート専用品として1993年に誕生しました。当時は日本がプレミアムバーボンの一大市場だったためです。その後、ヨーロッパやその他の国にも輸出されるようになりましたが、アメリカ本国では長らく非販売の「幻のボトル」でした。
その「幻のボトル」が、現在では世界的なバーボンブームと原酒不足の波に飲まれ、供給が非常に不安定になっています。
特に、日本の正規輸入代理店を経由して定価で手に入れることは、現在では奇跡に近いと言えます。
もし酒販店やデパートの抽選販売などで見かけたとしても、その倍率は非常に高いため、終売と同じくらいの入手難易度だと認識しておいた方が精神衛生上良いかもしれませんね。
では、なぜ終売の噂が絶えないのか、具体的な状況をいくつかの視点から見ていきましょう。
日本国内の供給体制と「幻の銘柄」化
日本国内におけるブラントンゴールドの供給は、過去数年で劇的に減少しました。
これは、輸入元である宝酒造(日本国内の正規代理店)が、安定供給が難しいと判断したためと推測されます。供給が途絶えると、「終売」と認識されてしまうのは自然な流れです。
特に、コロナ禍以降、世界中でウイスキーの需要が爆発的に増加しました。
供給が安定しているアメリカ国内ですら、ブラントンシリーズは「アロケーテッドアイテム」(配分制限品)として扱われ、棚に並ぶことは稀です。
海外市場、特に日本向けのゴールドエディションに回せる原酒が、相対的に少なくなっていると考えられますね。
| 時期 | 流通状況 | 価格相場(定価比) |
| ~2015年頃 | 特約店で比較的容易に入手可能 | 定価±10%程度 |
| 2016年~2019年頃 | 店頭から消え始め、抽選販売が増加 | 定価の1.5倍~2倍 |
| 2020年~現在 | 正規ルートはほぼ途絶。並行輸入品や二次流通が中心 | 定価の3倍以上 |
この表からもわかる通り、ブラントンゴールドは、もはや日常的に楽しめるバーボンではなく、希少価値の高いコレクターズアイテムへと変貌を遂げてしまったのです。
もちろん、海外のオークションサイトや一部の専門サイトでは購入できますが、その価格は高騰の一途を辿っています。
次のセクションでは、終売の背景にある、さらに深い事情と、バッファロー・トレース蒸留所のウイスキー戦略について解説します。
終売の真相に迫る!背景にある事情と公式発表
ブラントンゴールドが市場から消えた背景には、単なる人気や需要増だけではない、バーボン業界全体が直面している構造的な問題があります。
バッファロー・トレース蒸留所の「アロケーション戦略」
ブラントンを製造しているバッファロー・トレース蒸留所は、世界でも有数のプレミアムバーボンを数多く製造しています。
代表的な銘柄には、「イーグルレア」「サゼラック・ライ」「ウィリアム・ローレル・ウェラー」、そしてもちろん「ブラントン」シリーズなどがあります。
これらのプレミアム銘柄は、全て原酒の供給が限られているため、蒸留所は「アロケーション(配分)」という販売戦略をとっています。
これは、小売店や輸入業者に対して、欲しい量ではなく、蒸留所が決められた量しか供給しないという仕組みです。
特に熟成年数の長いウイスキーや、ブラントンゴールドのように特定の製法や樽から選ばれるシングルバレルは、急激な増産ができません。
ブラントンゴールドは、ブラントンの中でも特に品質の高い原酒を選び、アルコール度数51.5度(103プルーフ)でボトリングされます。
この「最高品質の原酒」の絶対量が限られているため、生産量を増やせないどころか、世界的な需要増に対して相対的に供給が減ってしまっているのです。
結果として、日本市場への配分が極端に少なくなり、それが「終売」という噂に繋がったと考えられます。
公式に「ブラントンゴールドは生産を完全に終了しました」という発表は、バッファロー・トレース蒸留所からも宝酒造からもされていません。
しかし、事実上、手に入らない状況が続いているため、愛好家の間では「終売」と認識されているわけです。
バーボン市場のグローバル化と原酒の争奪戦
ブラントンゴールドが日本専用の輸出モデルだった時代は終わり、現在ではヨーロッパやアジア各国でも高い人気を誇っています。
特に2020年以降、アメリカ国内でも限定的に販売されるようになり、その人気はさらに加熱しました。
つまり、一つの樽を巡って、世界中のバーボンファンが争奪戦を繰り広げている状態なのです。
このグローバルな需要の高まりは、原酒の確保をさらに困難にしています。
ウイスキーは製造から販売までに数年〜十数年の歳月を要するため、今日の需要増に対応できるのは、数年後に熟成を迎える原酒だけです。
蒸留所側も必死に増産していますが、ブラントンゴールドの品質を維持するためには、「急いで増産することはできない」というジレンマに陥っています。
| 項目 | 2010年頃 | 2020年頃~ |
| ブラントンゴールドの位置付け | 上級者向けの隠れた銘酒 | 世界的なプレミアムバーボン |
| 主な市場 | 日本、ヨーロッパの一部 | 世界中(特にアメリカ国内の需要増) |
| 入手難易度 | 高めだが定価購入可能 | 極めて困難(プレミアム価格) |
私たちが愛するブラントンゴールドは、このような世界のウイスキー市場の渦中で、非常に貴重なボトルになってしまったということを理解しておく必要があります。
だからこそ、もし運良く手に入ることがあれば、それは本当に奇跡的な出会いだと感じられるでしょう。
次に、その奇跡的な出会いを果たすために、現在の在庫状況と入手難易度について深掘りしていきましょう。
ブラントンゴールドの現在の在庫状況と入手難易度
「ブラントンゴールドが終売ではない」と聞いても、肝心なのは「今、どこで買えるのか」という点ですよね。
現在のブラントンゴールドの在庫状況は、一言で言うと「非常に厳しい」です。
正規ルートからの入荷はほとんど見込めないため、現在の流通は主に以下の3つのルートに限られています。
現在の主要な流通ルート3つ
ブラントンゴールドの現在の流通ルートは、それぞれにメリット・デメリットがあり、価格や信頼性が大きく異なります。
- 並行輸入品を取り扱う酒販店・ECサイト
海外の正規ルートやディストリビューターから、日本の正規代理店を通さずに輸入されたボトルです。
比較的入手しやすいですが、価格は定価の3倍から5倍程度になることが多く、価格変動も激しいです。
ボトルの種類(700mlか750mlかなど)やキャップの仕様が日本正規のものと異なる場合があります。 - 二次流通市場(オークション、フリマアプリ)
個人や業者が過去に購入したものを再販する市場です。
価格は市場の需給によって決まるため、時価で非常に高額になる傾向があります。
未開封品であることが多いですが、偽造品や保管状態の悪いものに当たるリスクもあるため、信頼できる出品者を見極める必要があります。 - 在庫を持つ実店舗の老舗酒販店
昔からウイスキーを扱っている老舗の酒販店や、高級デパートの一部店舗が、過去の在庫を極少数持っている場合があります。
これらの店舗では、常連客や予約客への販売が優先されることが多く、一見さんには入手が難しいです。
運が良ければ定価に近い価格で販売されていることもありますが、非常に稀なケースです。
これらの状況を踏まえると、現在の入手難易度は最高ランクの「SSランク」と評価せざるを得ません。
入手のヒント:狙うべきタイミングと行動指針
諦めるのはまだ早いです。戦略的に行動すれば、わずかながらも入手できる可能性は残されています。
大規模ECサイトの入荷情報をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大規模ECサイトの並行輸入品は、不定期に入荷する可能性があります。
これらのサイトでは、業者が海外から仕入れた在庫を放出するため、在庫があるときは短期間で売り切れます。
入荷通知メールを設定したり、複数のサイトを定期的にチェックすることが重要です。
もちろん、価格は高くなりますが、最も手っ取り早い入手方法の一つです。
こちらのリンクから、現在の在庫状況をチェックできますよ。
ブラントンゴールドの楽天市場の在庫をチェック
ウイスキー専門のバーや酒店を巡る
ブラントンゴールドを大切に扱っているウイスキー専門のバーや、高級ホテル内のバーでは、グラスで提供している場合があります。
まずはグラスで味わい、その感動を再認識してから、改めてボトルを探すというのも一つの手です。
また、そういったバーの店主に、仕入れルートや終売に関する最新情報を尋ねてみるのも良いでしょう。
知識豊富なプロの意見は非常に参考になります。
地域の高級デパートの抽選販売を狙う
年に数回、高級デパートや大手酒販チェーンが、入手困難なウイスキーの抽選販売を行うことがあります。
ブラントンゴールドがラインナップされることは稀ですが、もし出た場合は定価に近い価格で手に入る最大のチャンスです。
デパートの会員情報や、酒販店のメルマガなどをこまめにチェックしてください。
入手は困難ですが、探す過程もまたバーボン探しの醍醐味の一つです。楽しんで探してみてくださいね。
実店舗とオンラインショップでの在庫チェックポイント
ブラントンゴールドを探す際、実店舗とオンラインショップでは、それぞれチェックすべきポイントが異なります。
効率よく、そして安全にボトルを見つけるための具体的な戦略を見ていきましょう。
実店舗(酒販店・デパート)を巡る際の心得
実店舗でのブラントンゴールド探しは、店員さんとのコミュニケーションが鍵を握ります。
大型チェーン店と地域密着型店舗の違い
| 店舗タイプ | メリット | デメリット・注意点 | 狙い目 |
| 大型チェーン(ヤマヤ、ビッグカメラなど) | 入荷があれば、一時的に定価で販売される可能性がある。 | 競争率が非常に高い。入荷情報がすぐにSNSで拡散される。 | 開店直後の棚出し、抽選販売 |
| 地域密着型の老舗酒販店 | 過去の在庫が残っている可能性。店主との信頼関係構築が重要。 | 在庫数が極めて少ない。常連客優先で店頭に出ないことが多い。 | 店主との会話から情報を得る |
| 高級デパート・百貨店 | 定価販売の機会があるが、購入制限が厳しい。 | 外商顧客や会員限定の販売が多い。 | 特選酒売り場の定期的なチェック |
老舗の酒販店を訪れる際は、ただ「ブラントンゴールドはありますか?」と聞くだけでなく、「ブラントンゴールドが好きで、普段はどんなバーボンを飲んでいるか」といった会話から入ると、店員さんも親身になってくれることが多いです。
ブラントンゴールドの魅力やテイスティングノートについて語り合ってみるのも、新しい発見に繋がるかもしれません。
ディスプレイ棚の奥をチェックする裏技
人気銘柄は、盗難防止や問い合わせ殺到を防ぐため、店頭の棚には並べず、あえてバックヤードや鍵付きの棚の奥に保管していることがあります。
店頭に商品がなくても、諦めずに店員さんに声をかけてみる価値は十分にありますよ。
特に「ブラントンが好きで、ゴールドエディションを探しています」と具体的に伝えることで、「実は在庫がある」という答えが返ってくるかもしれません。
また、実店舗では現物のボトルを手に取って、ボトリングされた日付や馬のキャップの種類(ブラントンの馬キャップの種類を検索)を確認できるという大きなメリットがあります。
オンラインショップ(ECサイト)での安全な購入方法
オンラインショップは、自宅にいながらにして世界中の在庫を探せる便利なツールですが、価格や信頼性には最も注意が必要です。
「並行輸入品」と「正規品」の見分け方
ブラントンゴールドの場合、現在日本国内で流通しているもののほとんどは「並行輸入品」です。
「並行輸入品」とは、日本の正規輸入代理店(宝酒造)を通さず、海外のディストリビューターや小売店から仕入れられた商品です。
「正規品」と比べて、以下のような違いがあります。
- ボトル容量: 正規品は700mlが多いですが、並行輸入品は700mlと750mlが混在します。
- 価格: 並行輸入品は高騰していることがほとんどです。
- 日本語のラベル: 正規品には必ず、裏面に日本語の「宝酒造」のラベルが貼られています。並行輸入品にはありません。
ECサイトで購入する際は、商品名や説明文に「並行輸入品」と記載されているか、そして日本語ラベルの有無をチェックしましょう。
高額な商品であるため、返品・交換のポリシーが明確である信頼できるショップを選ぶことが極めて重要です。
価格高騰の「限界ライン」を見極める
ブラントンゴールドの市場価格は常に変動していますが、あまりにも高すぎる価格で購入するのは避けたいですよね。
現在の市場価格の目安を把握するために、複数のECサイトやオークションの落札履歴を比較し、「適正なプレミアム価格」を見極める必要があります。
次に解説する価格相場の情報を参考に、ご自身の予算と照らし合わせてみてください。
ブラントンゴールドは、その希少性ゆえに、購入の判断が非常に難しいボトルです。しかし、これらのポイントを押さえておくことで、後悔のない賢い購入ができるはずですよ。
ブラントンゴールドの現在の価格相場と転売状況
ブラントンゴールドの魅力に取り憑かれたファンが増えるにつれ、その価格はうなぎ登りです。
ここでは、現在の価格相場がどうなっているのか、そしてなぜこれほどまでに高騰しているのか、その背景にある「転売」の状況についても詳しく見ていきましょう。
驚愕!現在の小売価格と定価との乖離
まず、ブラントンゴールドの価格について、定価と現在の市場価格を比較してみましょう。(※価格は変動しますので、あくまで目安です。)
| 区分 | 容量 | 定価(過去) | 現在の市場価格(並行輸入品・二次流通) | 定価比 |
| ブラントンゴールド | 700ml/750ml | 約25,000円~27,000円 | 約70,000円~150,000円以上 | 3倍~5倍以上 |
| ブラントンオリジナル | 750ml | 約18,000円 | 約25,000円~35,000円 | 1.5倍~2倍 |
この数字を見ても分かる通り、ブラントンゴールドは定価の最低でも3倍以上の価格で取引されています。
特に、保存状態が良い古いロットや、特定の馬のキャップ(8種類あるためコンプリートを狙うコレクターが多い)が付いているボトルは、さらに高値になる傾向があります。
この価格高騰の最大の原因は、先述した「供給の不安定化と需要の爆発的な増加」です。
しかし、これをさらに加速させているのが、「転売(二次流通)」の存在です。
バーボン版「投機商品」化する終売・限定品
ブラントンゴールドは、その希少性とブランド力から、完全に「投機商品」の側面を持つようになりました。
定価で手に入れることができれば、すぐに利益を出せるため、純粋な飲用目的ではなく、転売目的で購入する人が後を絶ちません。
転売ヤーの行動パターン
- 抽選販売の総当たり: 大手酒販店やデパートの抽選販売に、家族や知人の名義を使って大量に応募します。
- 海外ルートの確保: 海外のディストリビューターや酒屋から、並行輸入品を大量に仕入れます。
- 価格操作: オークションやフリマアプリで、意図的に高値で出品し、市場価格を吊り上げようとします。
このような転売行為が横行することで、本当にブラントンゴールドを愛し、飲みたいと思っている人たちの手元に、ボトルが届きにくくなっています。
もちろん、二次流通市場がなければ、過去のボトルを探す手段がなくなってしまうため、一概に転売を否定することはできませんが、現在の過度な価格高騰は純粋なファンにとっては痛手ですよね。
転売品購入時の注意点
価格が高騰している今、転売品や並行輸入品を購入する際には、以下の点に特に注意が必要です。
- 液面の低下(エンジェルズシェア): 長期保管されているボトルは、コルク栓の隙間からアルコールが蒸発し、液面が低下している場合があります。購入前に必ず写真で確認しましょう。
- 偽造品の可能性: 特にオークションサイトなどでは、偽造品が出回るリスクがゼロではありません。キャップの形状、ラベルの印刷品質、そして何より価格が安すぎる場合は要注意です。
- 保管状態: 高温多湿の場所や直射日光の当たる場所で保管されていたボトルは、風味が劣化している可能性があります。出品者に保管環境を尋ねてみるのも良いでしょう。
ブラントンゴールドは、もはや「高級品」ではなく「希少品」です。
購入する際は、単なる価格だけでなく、ブラントンゴールドの真贋の見分け方などもしっかりチェックして、その価値に見合ったボトルを手に入れてくださいね。
そもそもブラントンゴールドが熱狂的に愛された理由
なぜブラントンゴールドは、これほどまでに多くのファンを惹きつけ、終売の危機に瀕してもその価格が高騰し続けるのでしょうか?
それは単に「珍しいから」という理由だけでなく、その製法と味わいに圧倒的な魅力があるからです。
世界初の「シングルバレル」という革命
ブラントン(オリジナル)は、1984年にマスターディスティラーのエルマー・T・リー氏によって生み出されました。
彼は、当時の蒸留所社長であったアルバート・B・ブラントン大佐が、特別に選び抜いた「ハニーバレル」のバーボンを愉しんでいたという逸話から着想を得て、「世界初のシングルバレルバーボン」としてブラントンを世に送り出しました。
シングルバレルとは、複数の樽の原酒を混ぜ合わせる(ヴァッティングする)ことなく、一つの樽からそのままボトリングする製法のことです。
これにより、樽ごとに異なる個性や繊細な風味を、そのまま楽しむことができます。
ブラントンゴールドは、このシングルバレルの中でも、特に最高の熟成と個性を兼ね備えた樽だけが選ばれてボトリングされます。
この「シングルバレル」という製法は、まさにバーボンの歴史を塗り替える革命でした。
それまで大量生産が主流だったバーボンにおいて、個性を追求したブラントンの登場は、ウイスキー愛好家に新たな価値観をもたらしたのです。
バッファロー・トレース蒸留所の秘密の倉庫「H」
ブラントンシリーズの原酒は、バッファロー・トレース蒸留所にある「ウェアハウスH(Warehouse H)」でのみ熟成されます。
このウェアハウスHは、ブラントン大佐自身が1930年代に設計した、他の倉庫とは一線を画す特別な倉庫です。
その最大の特徴は、金属製(トタン張り)であることです。
通常、バーボンの熟成庫はレンガ造りや木造が多い中、金属製の倉庫は熱伝導率が高く、ケンタッキーの厳しい気候の影響を強く受けます。
夏は非常に高温になり、冬は極端に寒くなるこの倉庫では、原酒と樽材との収縮・膨張が激しく繰り返されます。
これにより、原酒は樽材からより多くのタンニンやバニラ、カラメルといった香味成分を抽出し、短期間で濃厚かつ複雑な風味を身につけます。
ブラントンゴールドは、この「H」倉庫の中心部に近い、特に熟成が良好な場所で寝かされた樽から選ばれます。
この特別な環境と厳選された樽の組み合わせこそが、ブラントンゴールドが持つ唯一無二の、芳醇で力強いのにエレガントという矛盾したような味わいを生み出す秘密なのです。
| 要素 | 内容 | 味わいへの影響 |
| 製法 | シングルバレル | 樽ごとの個性が際立ち、複雑で繊細な味わい |
| アルコール度数 | 51.5度(103プルーフ) | 原酒の力強さを保ちつつ、飲みやすさも両立 |
| 熟成庫 | ウェアハウスH(金属製) | 極端な温度変化により、濃厚なバニラ・スパイスが抽出 |
| 選定基準 | 最高の熟成の「ハニーバレル」 | エレガントさと力強さの完璧なバランス |
このように、ブラントンゴールドは単なるバーボンではなく、歴史的な背景、革新的な製法、そして類稀なる熟成環境がすべて組み合わさって生まれた芸術品なのです。
この背景を知ると、ますます愛着が湧き、終売の噂に一喜一憂してしまう気持ちも理解できますよね。
ブラントンゴールドの味の特徴とテイスティングノート
ブラントンゴールドを語る上で欠かせないのが、その圧倒的なテイスティングプロフィールです。
オリジナル(スタンダード)のブラントンとは一線を画す、より洗練され、複雑で、そして力強いその味わいを、詳細に分析してみましょう。
香りの特徴:熟した果実とダークチョコレート
ブラントンゴールドをグラスに注ぎ、最初に感じるのは、アルコール度数51.5度から来る力強いアロマです。
しかし、その強さの中には、驚くほどのエレガンスと繊細さが隠されています。
- トップノート: 濃厚なバニラ、キャラメル、メイプルシロップといった甘い香りがまず飛び込んできます。これは熟成に使われたオーク樽由来のものです。
- ミドルノート: 時間が経つと、熟したアプリコットや洋梨、オレンジピールのようなフルーティーな香りが現れます。特にシトラス系の香りは、ゴールドエディションの洗練された特徴の一つです。
- ベースノート: 奥深くには、ダークチョコレートやココア、そしてわずかなライ麦由来のスパイシーなアロマが潜んでいます。この複雑さが、飽きのこない深みを与えています。
オリジナルブラントンに比べ、ゴールドエディションはより香りの層が厚く、複雑性があります。まるで熟成されたコニャックのような、華やかでありながら重厚感のある香りが特徴です。
味わいの特徴:シャープでリッチな口当たり
口に含むと、その印象はさらに深まります。アルコール度数が高いため、口当たりはシャープですが、すぐに滑らかでリッチな感覚に包まれます。
- 口当たり: 非常に滑らかでありながら、バニラとオークの風味が舌全体を覆います。
- 中心となる風味: ダークファッジ(濃厚なチョコレート菓子)、カスタードクリーム、そしてシナモンやナツメグといった温かいスパイスのノートが強く感じられます。
- フルーティーさ: ライ麦(ライ)比率が高いマッシュビル(原料の配合)の影響で、リンゴやドライフルーツのような心地よい酸味と甘みが後押しします。
多くのファンがブラントンゴールドを愛する理由は、この「力強さとエレガンスの完璧な融合」にあります。
ハイプルーフでありながら、ストレートでもロックでも、その繊細なテクスチャーが失われることがありません。
フィニッシュ:長く続く甘い余韻
飲み込んだ後の余韻(フィニッシュ)もまた、ブラントンゴールドの真骨頂です。
フィニッシュは非常に長く、温かみがあります。
- 余韻の長さ: 口の中にバニラとオークの甘みが長く留まります。
- 後味の変化: 甘さが徐々にトフィー(キャラメル)やピーカンナッツのような香ばしさに変化し、最後に微かなホワイトペッパーのような刺激が残ります。
この長く続く複雑なフィニッシュこそが、ブラントンゴールドが世界中のウイスキー通を唸らせる証拠です。
まるでシングルモルトウイスキーのような複雑さと、バーボンらしい甘く力強い特徴を兼ね備えた、唯一無二のボトルと言えるでしょう。
| 項目 | 評価 | 具体的なノート |
| 香り(Nose) | 華やかで複雑 | バニラ、カスタード、アプリコット、ダークチョコレート、シトラス |
| 味わい(Palate) | シャープかつリッチ | ダークファッジ、シナモン、オーク、キャラメル、ライのスパイシーさ |
| 余韻(Finish) | 非常に長く温かい | トフィー、ピーカンナッツ、ホワイトペッパー、濃厚なオーク |
もしあなたがまだブラントンゴールドを味わったことがなければ、このテイスティングノートを参考に、ぜひ一度その「幻の味」を体験してみてくださいね。
バーやテイスティングイベントなどで見かけたら、迷わずオーダーすることをおすすめします。
【代替銘柄の本命】次に飲むべきブラントンシリーズはどれ?
ブラントンゴールドの入手が絶望的な今、多くのファンが次に求めるのは、やはりブラントンシリーズの中からの代替品でしょう。
同じ蒸留所、同じ製法を踏襲しているため、ブラントンゴールドのDNAを最も色濃く受け継いでいるのは、他のブラントン銘柄に他なりません。
ここでは、ゴールドエディションに最も近い味わいを持つボトルから、比較的入手しやすいボトルまで、シリーズ内の代替銘柄を徹底比較します。
ゴールドに最も近い「ストレート・フロム・ザ・バレル」
ブラントンゴールドの次に飲むべきボトルとして、モモストアが最も強く推奨するのが、「ブラントン・ストレート・フロム・ザ・バレル(Blanton’s Straight from the Barrel)」です。
なぜゴールドに近いのか?
- 非加水(バレルプルーフ): このボトルは、樽から出した原酒をそのままボトリングする「カスクストレングス(樽出し原酒)」です。
ブラントンゴールド(51.5度)よりもさらにアルコール度数が高く(60度台前半〜70度近く)、原酒の持つ爆発的なパワーと複雑性をそのまま楽しめます。 - 最高の原酒: ゴールドエディションと同様に、ウェアハウスHの最高品質の樽から選ばれます。
ゴールドエディションが「エレガントな力強さ」だとすれば、ストレート・フロム・ザ・バレルは「野性味あふれる圧倒的なパワー」です。
水を一切加えていないため、バニラ、オーク、スパイスの風味が極限まで濃縮されており、飲みごたえはシリーズ最強です。
ただし、このボトルもまた入手難易度は非常に高く、ゴールドエディションに匹敵するプレミアム価格で取引されています。見かけたら迷わず購入をおすすめします。
入手難易度と価格で選ぶブラントン3選
ストレート・フロム・ザ・バレルも難しい場合は、以下の銘柄を検討しましょう。それぞれにゴールドとは異なる魅力があります。
ブラントン オリジナル(シングルバレル)
シリーズの基盤となるスタンダードボトルです。アルコール度数46.5度。
ゴールドに比べて飲みやすく、バニラやキャラメルの優しい甘さが特徴です。ゴールドのような爆発的な複雑性はありませんが、シングルバレルの個性を十分に楽しめます。
入荷頻度は比較的高いですが、こちらも品薄が続いており、定価での入手は困難です。
ブラントン ブラック(スペシャルリザーブ)
アルコール度数40度の、非常にスムースで飲みやすいボトルです。主に日本市場向けに作られたため、「ジャパンリザーブ」とも呼ばれます。
ゴールドやオリジナルよりも熟成期間が短い原酒が使われていると言われていますが、その分、雑味が少なく、ウイスキー初心者やライトな飲み口を好む方におすすめです。
ブラントン グリーン(フロム・ザ・ウッド)
こちらは主にヨーロッパ向けに流通しているボトルで、アルコール度数40度です。
ブラックラベルと並行して販売されていた時期もありますが、現在では日本での正規流通は非常に稀です。
非常にライトで穏やかな味わいで、ブラントンシリーズの中でも最も優しい飲み口です。
| 銘柄 | 度数 | 特徴 | ゴールドからの距離 | 入手難易度 |
| ストレート・フロム・ザ・バレル | 樽出し(60%台) | 圧倒的なパワー、濃縮された風味 | ★★★★★(最も近い) | SS(極めて困難) |
| ゴールドエディション | 51.5% | 力強さとエレガンスのバランス | – | SS(極めて困難) |
| オリジナル | 46.5% | バランスの取れた優しい甘さ、スタンダード | ★★★☆☆ | S(困難) |
| ブラック | 40.0% | スムースで飲みやすい、ライトな口当たり | ★★☆☆☆ | A(やや困難) |
あなたの現在の気分や予算に合わせて、次のブラントンを選んでみてください。
どのボトルも、ブラントン大佐の情熱とエルマー・T・リー氏の哲学が詰まった、素晴らしいシングルバレルバーボンであることに違いはありません。
ブラントンゴールドに味が似ているおすすめバーボン3選
ブラントンシリーズ以外にも、ブラントンゴールドが持つ「濃厚な甘さ」「高いアルコール度数」「複雑なスパイス感」といった要素を共有する、素晴らしい代替バーボンは存在します。
終売のショックを乗り越えるために、新しいお気に入りを見つける旅に出ましょう!
【味の系統が近い】ワイルドターキー レアブリード
ブラントンゴールドの「ハイプルーフでありながら複雑で飲みごたえがある」という特徴に最も近いのが、「ワイルドターキー レアブリード(Wild Turkey Rare Breed)」です。
- カスクストレングス: レアブリードもまた、樽から出した原酒をそのまま瓶詰めするカスクストレングス(バッチごとに度数が異なり、56~58度程度)です。
- 濃厚な味わい: ワイルドターキー特有のライ麦のスパイス感と、高い度数から来る濃厚なバニラ、キャラメルの風味が特徴です。
ブラントンゴールドのエレガンスさに比べると、こちらはより「骨太で力強い」印象ですが、複雑な層になった味わいは共通しています。 - 入手難易度: ブラントンゴールドと比べると、はるかに安定して入手でき、価格も比較的定価に近いため、コストパフォーマンスに優れています。
ブラントンゴールドの持つフルーティーさよりも、ライのスパイシーさやオークの強さを求める方には、このレアブリードが最高の代替品となるでしょう。
【同蒸留所・ハイクオリティ】イーグルレア シングルバレル
ブラントンと同じバッファロー・トレース蒸留所が製造している「イーグルレア シングルバレル(Eagle Rare Single Barrel)」も、見逃せない選択肢です。
- 同じ蒸留所: 同じ蒸留所の原酒を使っているため、ベースとなるマッシュビルや酵母由来の共通した風味があります。
- 熟成感: イーグルレアは10年熟成という長期熟成が特徴で、ブラントンゴールドが持つオークの深みや複雑性がより強調されています。
- 優雅な飲み口: 度数は45度とブラントンゴールドより低いですが、熟成による滑らかさ、ドライフルーツやチョコレートのような甘く優雅な風味があり、ゴールドエディションの「エレガントさ」に通じる部分があります。
こちらはブラントンゴールドのようにシングルバレル(単一の樽)でボトリングされており、一本一本の個性を楽しむという点でも共通しています。
ただし、こちらも人気が高く、定価での入手は容易ではありません。
【プレミアムバーボン】ノブクリーク シングルバレル
ジムビーム系列のプレミアムバーボンである「ノブクリーク シングルバレル(Knob Creek Single Barrel)」も、ブラントンゴールドの代替としておすすめです。
- 高い度数と熟成: 度数は60度(120プルーフ)前後と非常に高く、9年以上の熟成を経ています。
- 濃厚な風味: 非常にパンチがあり、キャラメル、ナッツ、濃いオークの風味が特徴的です。
ブラントンゴールドが持つ甘さとスパイシーさ、そして高い度数からくる飲みごたえを求める方にはぴったりです。 - 安定供給: 比較的、他のプレミアムバーボンに比べて流通が安定しており、価格も市場価格で手に入れやすいのが大きなメリットです。
価格と品質、そして入手難易度のバランスが取れた、非常に優れた代替銘柄と言えるでしょう。
| 銘柄 | 度数 | 熟成 | ブラントンゴールドとの共通点 |
| ワイルドターキー レアブリード | 56~58% | NAS(熟成表示なし) | ハイプルーフ、濃厚なバニラとスパイスの複雑性 |
| イーグルレア シングルバレル | 45% | 10年 | 同蒸留所、シングルバレル、長期熟成によるエレガントさ |
| ノブクリーク シングルバレル | 60%前後 | 9年~ | ハイプルーフ、キャラメルとナッツ、高い飲みごたえ |
ぜひ、これらの銘柄を試して、ブラントンゴールドとはまた違ったバーボンの魅力に触れてみてくださいね。
新しいお気に入りのボトルが見つかるかもしれませんよ。
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プレミアムバーボン市場の現状と価格高騰の波
ブラントンゴールドの終売騒動は、単なる一つの銘柄の問題ではなく、現在のプレミアムバーボン市場全体の動向を映し出しています。
なぜ、これほどまでにバーボンが高騰し、入手困難な状況が生まれてしまったのか、その構造的な背景を理解しておきましょう。
「バーボンルネサンス」がもたらした光と影
2000年代初頭まで、バーボンはスコッチウイスキーや日本ウイスキーに比べて、比較的安価で大衆的なイメージがありました。
しかし、2010年代に入ると、アメリカ国内でクラフトバーボンやプレミアムバーボンの人気が爆発的に高まり、このムーブメントは「バーボンルネサンス(バーボンの復興)」と呼ばれました。
このブームは、バーボンの品質向上と多様化に貢献しましたが、同時に大きな影を落としました。
供給が追いつかないという構造的問題
バーボンは、法律により「焦がした新しいオーク樽」で熟成しなければなりません。
ブラントンゴールドのような高品質なバーボンは、最低でも6~8年、長いものでは10年以上の熟成が必要です。
ブームが起こったからといって、すぐに製造量を増やすことができないのです。
特に、バッファロー・トレース蒸留所のように、特定の熟成庫(ウェアハウスH)や厳選された樽にこだわる銘柄は、増産が極めて困難です。
ブームが始まってから数年後に、「需要>>供給」という構造的なボトルネックが発生してしまいました。
コレクター文化の加熱
ウイスキーのボトルを「飲むもの」としてだけでなく、「コレクション」「投資対象」として捉える人が増えました。
特に、終売品や限定品は、価値が下がるリスクが低く、将来的な値上がりが見込めるため、純粋な飲用家ではなく、コレクターや投資家が買い占める傾向が強まりました。
このコレクター文化の加熱が、ブラントンゴールドのような希少な銘柄の価格高騰をさらに加速させている要因の一つです。
今後のバーボン市場の展望と対策
では、この価格高騰の波はいつまで続くのでしょうか?
長期的な供給増は見込まれるが…
バッファロー・トレース蒸留所を含む多くの蒸留所は、過去数年間で莫大な設備投資を行い、製造量を大幅に増やしています。
今後数年〜10年後には、原酒の供給量は増加し、全体的な品薄感は緩和されると予想されています。
しかし、ブラントンゴールドのような「最高品質のシングルバレル」という特殊なカテゴリーは、その選定基準が厳しいため、以前のような安定供給に戻るのは難しいと考えるべきでしょう。
賢くバーボンを楽しむための3つの方法
ブラントンゴールドを追い求めることに疲れてしまったら、以下の方法でバーボンライフを楽しみましょう。
- (1)「ノン・プレミアム」を探す: まだ価格が高騰していない、比較的安価で美味しいバーボンはたくさんあります。
例:エライジャ・クレイグ スモールバッチ、フォアローゼズ シングルバレルなど。 - (2)ライ・ウイスキーに手を出す: ブラントンゴールドが持つスパイシーさは、ライ・ウイスキーの領域で強く感じられます。ライ・ウイスキーは、バーボンよりもまだ手に入りやすい銘柄が多いです。
- (3)バーで楽しむ: ボトルで購入するのが難しいなら、バーに行ってグラスで楽しむのが最も確実で安全です。
バーのマスターと、ブラントンゴールドの思い出を語り合うのも素敵な時間になりますよ。
バーボン市場の波は荒いですが、この情報があなたのバーボン選びの一助となれば幸いです。
バーボンルネサンスの歴史をもっと知る
終売品を「資産」として持つべきか?賢い保管方法
運良くブラントンゴールドを入手できたとして、「飲むべきか、それとも保管すべきか」という究極の選択に迫られるかもしれません。
終売品であるブラントンゴールドは、今後も価値が上昇する可能性が高く、「資産」としての側面も持っています。賢く保管するためのポイントを見ていきましょう。
飲用か、保管か?判断するためのチェックリスト
モモストアが考える、ボトルを飲むか保管するかを判断するためのチェックリストです。
| 項目 | 飲むべき | 保管すべき(資産価値あり) |
| 購入価格 | 定価、または定価に比較的近い価格 | 市場価格(プレミアム価格)で購入した |
| ボトルの状態 | 箱なし、ラベルに汚れや傷がある | 未開封、液面低下なし、元箱や冊子が揃っている |
| ロット/キャップ | 特に珍しいロットやキャップではない | 特定の年号のヴィンテージ、希少な馬のキャップ(例:全種コンプリートの1つ) |
| 目的 | 味が恋しくなり、今すぐ飲みたい | コレクション、将来的な売却・交換の可能性 |
もしあなたがプレミアム価格で購入したのであれば、それはすでに「投資」に近い行為かもしれません。
特に未開封で状態が良いボトルは、今後も価値を維持・向上させる可能性が高いため、保管を検討する価値は十分にあります。
ボトルの価値を維持するための絶対条件
ウイスキーのボトルは、適切に保管しなければ、たとえ未開封でも中身が劣化したり、液面が低下したりして価値が大きく下がってしまいます。
ブラントンゴールドの価値を守るために、以下の保管方法を厳守してください。
温度・湿度管理の徹底
- 温度: 常に一定で、15度~20度程度が理想です。温度変化が激しい場所(キッチン、窓際など)は厳禁です。
- 湿度: 湿度が高すぎると、ラベルや外箱がカビたり劣化したりします。湿度が低すぎると、コルクが乾燥して収縮し、液面低下(エンジェルズシェア)を引き起こしやすくなります。50%~70%程度を維持できる場所を選びましょう。
光と振動からの保護
- 光: 直射日光はもちろん、蛍光灯の光も長期的に当たると風味が劣化したり、ラベルが褪色したりします。
必ず暗所、できれば元箱に入れた状態で保管してください。 - 振動: 頻繁にボトルを動かすと、ウイスキーとコルクが触れ合うことによる劣化や、液面の波打ちによる揮発が促進される可能性があります。静かな場所に固定して保管しましょう。
液面低下(エンジェルズシェア)への対策
長期保管の最大の敵は、コルク栓からの揮発による液面低下です。
これを防ぐためには、月に一度程度、ボトルを横にしてコルクを湿らせる(またはボトルを逆さまにする)という作業を行うことが推奨されます。
コルクが乾燥して収縮すると、液面低下が進みます。湿らせた後は、必ず元の垂直な状態に戻してください。
また、コルクとガラスの接合部をパラフィルム(コルクを密閉するための特殊なフィルム)で巻いて密封するのも非常に有効な手段です。
手間はかかりますが、これらの方法で保管することで、ブラントンゴールドのボトルを最高の状態で未来に残すことができますよ。
飲めなくなっても大丈夫!ブラントンゴールドの楽しみ方を考える
終売品となったブラントンゴールドは、その希少性から「開けられない」「飲めない」というジレンマに陥りがちです。
しかし、ウイスキーの楽しみ方は飲むことだけではありません。ブラントンゴールドのストーリーやボトルデザインを最大限に活かして、別の形で楽しみましょう。
「馬のキャップ」コンプリートの喜び
ブラントンシリーズの最大のアイコンと言えば、ボトルキャップに飾られた「騎手と馬のフィギュア」です。
このフィギュアは、馬が走り出す一連の動作を表現しており、全部で8種類あります(N、T、O、N、S、G、L、Aのアルファベットが一文字ずつ刻印されており、並べると「BLANTONS」になります)。
- コレクションの楽しみ: ブラントンゴールドのボトルを手に入れるたびに、どのキャップが付いているのかを確認するのは、まさにトレジャーハンティングのような楽しみがあります。
- ディスプレイ: 8種類のキャップを並べてディスプレイすると、その美しさとコンセプトに感動を覚えます。
飲み終わったボトルに、コンプリートしたキャップを載せて並べるのも、素晴らしいコレクションになりますよ。 - ギフトとしての価値: キャップの種類が揃っているボトルは、コレクターにとっては非常に価値が高く、ウイスキー好きの友人への特別なギフトとしても喜ばれます。
ボトルの中身を飲み干した後も、このキャップはブラントンを愛した証として、永遠に手元に残すことができます。
ブラントンゴールドの空き瓶を飾るアイデア
あのエレガントで美しいボトルデザインは、ただの空き瓶にしておくにはもったいないですよね。
ブラントンゴールドの空き瓶を、インテリアとして最大限に活かすアイデアをいくつかご紹介します。
| アイデア | 具体的な方法 | ポイント |
| ディフューザー | ボトルを洗浄し、アロマオイルとリードスティックを入れる。 | ボトルの高級感が、部屋の雰囲気を格上げします。 |
| フラワーベース | 一輪挿しや、ドライフラワーを飾る。 | 馬のキャップを外して、口の細い部分を活かすとエレガントです。 |
| LEDランプ | ボトルの中にLEDのフェアリーライトを入れる。 | ボトルに光が反射し、琥珀色のウイスキーの美しさを思い出させます。 |
| デカンタ | 別の安いウイスキーを入れて、一時的なデカンタとして使う。 | 豪華な気分で、日常のウイスキーを楽しめます。 |
大切なボトルだからこそ、飲み終わった後も形を変えて愛し続けることができます。
ブラントンゴールドのボトルは、「最高のバーボンを飲んだ証」として、あなたの生活を彩ってくれるでしょう。
バーでの「体験」に価値を見出す
前述の通り、ボトルそのものの入手が困難な今、ブラントンゴールドを楽しむ最も確実な方法は「バー」です。
バーボンに強いバーや、高級ホテル内のバーでは、グラスで提供している場合があります。
ボトルを所有する「モノの喜び」から、「体験の喜び」へと価値観をシフトしてみましょう。
バーのマスターに、その日のブラントンゴールドのテイスティングノートや、樽ごとの個性の違いを聞いてみるのも、非常に面白い体験になりますよ。
ブラントンゴールドを飲めるバーを探す
終売という事実に直面しても、ブラントンゴールドが私たちに与えてくれた感動や、そのボトルに込められたストーリーは永遠に残り続けます。その魅力を最大限に楽しんでいきましょう。
まとめ:ブラントンゴールドは終売ではないが「幻」の存在へ
ブラントンゴールドの終売に関する最新情報を、改めてまとめましょう。
- 終売の真偽: 公式に「終売」の発表はされていません。しかし、世界的な需要増と原酒不足により、日本の正規輸入ルートからの供給はほぼ途絶しており、事実上の「幻の銘柄」となっています。
- 入手難易度: 極めて困難(SSランク)。並行輸入品や二次流通市場が主な入手ルートであり、定価の3倍以上のプレミアム価格で取引されています。
- 代替銘柄: 最も近いのは、同じブラントンシリーズの「ストレート・フロム・ザ・バレル」。味わいの系統が近いのは、「ワイルドターキー レアブリード」や「イーグルレア シングルバレル」です。
- 今後の展望: 長期的にはバーボン市場全体の供給は増える見込みですが、ブラントンゴールドのような厳選されたシングルバレルは、希少性が続く可能性が高いです。
ブラントンゴールドを愛するモモストアとしては、この状況は非常に残念ですが、ウイスキーの歴史の中で、伝説的な銘柄の変遷を見届けることができるという点では、非常にエキサイティングな時代とも言えます。
無理に高値で追い求めるのではなく、その「幻の味わい」を求めてバーを巡ったり、次にブレイクするであろう素晴らしい代替銘柄を見つける旅に出るのも、また一興です。
あなたがブラントンゴールドに替わる、最高のパートナーを見つけられることを願っています!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

