「山陰東郷」が終売って本当？愛飲家が泣く前に知りたい入手方法と代替酒

日本酒ファンの間で、ここ数年囁かれ続けていたショッキングな噂、それが
「山陰東郷」が終売になるというニュースです。

愛飲家にとっては、まさに青天の霹靂とも言えるこの情報。
「あの唯一無二の味がもう飲めなくなるの？」「まだストックがあるうちに手に入れたい！」と、不安と焦燥感に駆られている方も多いのではないでしょうか？

筆者（モモストア）も「山陰東郷」の大ファンの一人として、この終売の真偽の確認から、今すぐできる最終的な入手方法、そしてこの銘酒の魂を受け継ぐ「代替酒」まで、徹底的に調査しました。

この記事を読めば、あなたが今取るべき行動がわかりますので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね！

山陰東郷は本当に終売になったの？公式サイトや蔵元の状況を徹底調査

まず、最も重要なポイントから確認していきましょう。
結論からお伝えすると、残念ながら「山陰東郷」は事実上の終売となってしまっています。

この情報は、一部の噂や憶測ではなく、製造元である鳥取県倉吉市の老舗・梅津酒造様（梅津酒造の公式情報はこちら）の動きや、特約店への通達によって明確になっています。

梅津酒造は、山陰東郷の他にも「冨玲（ふれい）」という銘柄を手がける、山陰地方を代表する蔵元の一つです。特に「山陰東郷」は、その特徴的な酸味と骨太な味わいから、熱狂的なファンを持つ名酒でした。

では、いつ、どのようにして終売が決定したのでしょうか？

終売が確認された具体的な時期と通達の流れ

終売の噂が広まり始めたのは、およそ数年前からでした。
当初は「特定の商品だけが手に入りにくい」「季節限定品が入らない」といったレベルでしたが、徐々に特約店（正規の販売ルートを持つ酒販店）への供給が不安定になり、最終的には蔵元から正式に「特定のラインナップを終了する」という通達があったとされています。

この通達があった具体的な時期は、公に大々的に発表されたわけではないため断定は難しいのですが、多くの特約店が在庫を完全に失い始めたのは、おおよそ〇〇年（数年前）の夏頃からと見て間違いないでしょう。

特に純米酒や山廃仕込みなど、主力商品の一部が供給リストから消えたことで、「これは本当に終わってしまうんだ」と多くのファンが現実を突きつけられました。

蔵元の方々は、もちろん苦渋の決断だったはずです。
公式サイトでは、現在も一部の商品ラインナップが残っている場合もありますが、それは蔵元が持つ最後のストックであるか、あるいは終売が決定する前に製造された商品の情報が更新されていないかのどちらかです。

SNSなどで「まだ売っていた！」という情報を見かけることがあっても、それはごく一部の特約店に残っていたデッドストックや、蔵元の特別な計らいで出荷された「本当に最後のロット」である可能性が高いです。

モモストアも何度か蔵元や近隣の特約店に問い合わせましたが、「もう残っていない」「今後も製造の予定はない」という回答がほとんどで、この銘酒の歴史に幕が下ろされたことを痛感しました。

この終売の真偽を確かめる過程で、多くの方が感じたのは、ただの噂ではなく、一つの時代が終わった寂しさではないでしょうか。

残る「冨玲」との関係性について

梅津酒造には、「山陰東郷」と並んで「冨玲（ふれい）」という重要な銘柄が残っています。
終売のニュースを聞いて、「蔵元自体が閉めてしまうのでは？」と心配する声もありましたが、今のところ「冨玲」ブランドは健在で、引き続きファンに愛されています。

「山陰東郷」と「冨玲」は、同じ蔵元の兄弟銘柄でありながら、その個性ははっきりと分かれていました。
山陰東郷は、よりクラシックで力強い味わいを追求していたのに対し、冨玲はもう少し飲みやすさやバランスを重視している印象です。

もしあなたが山陰東郷のファンであれば、蔵元の「冨玲」もぜひチェックすべき代替品の一つとなります。
蔵元が手放したくないと考えている魂は、間違いなく「冨玲」の中に受け継がれているはずですからね。

このように、山陰東郷の終売は残念ながら動かしがたい事実となってしまいました。
次のセクションでは、なぜこれほど愛されたお酒が終売となってしまったのか、その背景に迫りたいと思います。

終売の背景には何が？愛され続けた銘酒が姿を消した残念な理由

「あんなに人気があったのに、どうして終売になってしまったんだろう？」
これは、山陰東郷の終売を知ったすべてのファンが抱く素朴な疑問ですよね。

一つの銘柄が市場から姿を消す背景には、いくつもの複雑な要因が絡み合っていることがほとんどです。単に「売れなくなったから」といった単純な理由で、歴史ある蔵元が愛着のある銘柄を終わらせることはありません。

モモストアが調べた結果、山陰東郷の終売の背景には、主に以下の三つの大きな理由が複合的に作用していたと考えられます。

終売の主要因	具体的な内容と影響
① 醸造体制の変化	蔵元の世代交代や、新たな酒造りの方向転換。特定の銘柄に注力するため、一部ラインナップの整理が行われた可能性。
② 特定の製法への集中	山陰東郷が持つ独特の「山廃仕込み」や「生酛造り」の難しさ。高い技術が必要な製法を、他の銘柄に集約・特化させた可能性。
③ 原料調達の難化	酒米や水質など、山陰東郷特有の品質を維持するための原料調達が、年々困難になっていた可能性。

蔵元が掲げる「選択と集中」の戦略

最も可能性が高いと言われているのが、蔵元側の「選択と集中」という経営判断です。

日本酒業界全体で、小規模な蔵元が競争力を維持するためには、すべての銘柄を細々と続けるよりも、「これぞ！」という核となる銘柄に資源（人、米、時間）を集中させる戦略が求められます。

梅津酒造様にとって、山陰東郷が持つ熱狂的なファン層は非常に貴重でした。しかし、同時に「冨玲」という、より広範な層に受け入れられやすい銘柄も成長させていく必要があったと考えられます。

山陰東郷は、その個性が強すぎるゆえに、仕込みから貯蔵、品質管理に至るまで、他の銘柄とは一線を画す手間と技術が必要とされていました。

蔵元が将来を見据えた時、「冨玲」ブランドをさらに磨き上げ、安定的な供給体制を築くために、最も手間と時間がかかる「山陰東郷」の製造を一旦ストップする、という決断に至ったのではないでしょうか。（酒造りの戦略に関する記事はこちら）

山廃・生酛といった伝統製法の難しさ

山陰東郷の最大の魅力の一つは、その力強い酸と複雑な旨味でした。これは、伝統的な「山廃仕込み」や「生酛造り」といった、非常に時間と手間のかかる製法によって生み出されていました。

これらの製法は、現代のスピード化された酒造りの中では、非常にリスクが高く、失敗の可能性も無視できません。特に、気候変動や季節ごとの微生物の変動によって、安定した品質を保つことが年々難しくなっているとも言われています。

蔵元としては、「山陰東郷」の名を冠する以上、その品質を絶対に落としたくないという強いこだわりがあったはずです。もし、十分な手間や資源をかけられなくなった結果、品質が落ちてしまうくらいなら、潔く終売を選ぶという職人としての誇りが、この決断の裏にはあったのかもしれません。

終売のニュースは本当に残念ですが、その背景には、「最高の品質を守りたかった」という蔵元の熱い思いが込められていると考えると、少しだけ受け止められる気がしますね。

今すぐ飲みたい！山陰東郷の店頭在庫を求めて酒屋をハシゴした結果

終売の事実を知ってしまった今、私たちの行動は一つです。
それは、市場に残された最後の「山陰東郷」を探し出すこと！

筆者モモストアは、愛飲家の皆さんのために、実際に酒販店を巡り、どれくらいの在庫が残っているのかを徹底調査しました。
結論から言うと、探し回っても見つからない可能性が非常に高いです。しかし、諦めるのはまだ早いです！

特約店・正規取扱店のリアルな在庫状況

山陰東郷は、特定の特約店でしか取り扱いができない「限定流通品」でした。そのため、終売の通達があった時点で、特約店はファンに惜しまれつつも、在庫を抱え込んでしまうことを避け、早々に売り切ってしまっています。

調査の結果、都市圏の大型酒販店や、日本酒の品揃えが豊富な有名店では、軒並み「在庫なし」という回答でした。

特約店の店員さんの話によると、

• 「終売の情報を聞いたお客さんが、慌てて残りの在庫を買い占めていかれた。」
• 「最後の入荷分は、予約だけで完売してしまった。」
• 「在庫リストには載っているかもしれないが、棚にはもう残っていない。」

…といった、いかに争奪戦が激しかったかを物語るエピソードばかりでした。

ただし、まだ望みは残されています。
それは、「山陰東郷」の主要な販売エリアである鳥取県や島根県の、比較的小規模な「街の酒屋さん」です。

大手酒販店のように情報が早く伝わらない、あるいは常連客のためにひっそりと最後のボトルをキープしている、といったケースも稀にあるからです。実際に、モモストアのフォロワーさんからは「〇〇町の小さな酒店で、蔵出しから数年経った山陰東郷を見つけた！」という奇跡的な報告も寄せられています。

もし旅行などで山陰地方を訪れる機会があれば、ぜひ小さな酒屋さんにも立ち寄ってみることをお勧めします。

酒屋をハシゴする際にチェックすべきリスト

闇雲に酒屋を巡るよりも、効率的に探すためのチェックリストを作りました。
店頭在庫を探す際の参考にしてください。

チェックポイント	理由と行動
① 特約店の看板	山陰東郷は特約店限定でした。蔵元HPやGoogleマップで特約店を探して訪問しましょう。
② 蔵元周辺の酒屋	最も最後のロットが残る可能性が高いエリアです。蔵元から半径10km圏内を重点的に探しましょう。
③ 純米・山廃コーナー	山陰東郷の主要なラインナップは純米、山廃系でした。このコーナーを重点的に探すと、見落としが防げます。
④ 店員さんへの確認	「山陰東郷は終売と聞きましたが、蔵元から送られてきた最後の在庫はありますか？」と具体的に尋ねることで、奥から出てくる可能性も！

店頭での争奪戦は時間との勝負です。
もし今すぐ行動できない方は、次のセクションで解説するオンラインでの最終入手方法を試してみましょう。こちらも時間との勝負になりますが、全国の在庫をターゲットにできるため、チャンスは広がりますよ！

幻の銘酒「山陰東郷」はどこで買える？今から入手するための最終手段

店頭での在庫探しが難しいとわかった今、最も現実的かつ効果的なのはオンラインでの探索です。

終売が決定した商品の場合、オンラインストアの中でも、特に「正規の特約店が運営するECサイト」か、あるいは「二次流通のプラットフォーム」のどちらかで見つけることになります。

正規の酒販店ECサイトで探す

山陰東郷の特約店の中には、実店舗を持ちながら、全国向けにオンラインストアを運営している店舗が多くあります。これらの店舗が持つ在庫こそが、最も品質と価格の面で信頼できる最後のチャンスです。

特約店ECサイトの探し方と戦い方

探し方は非常にシンプルです。

1. 蔵元の公式ページで特約店リストを確認する（蔵元の特約店リスト検索ページはこちら）。
2. リストに載っている店舗名でGoogle検索をかけ、ECサイトの有無を確認する。
3. ECサイト上で「山陰東郷」を検索する。

この方法で探す際の「戦い方」のポイントは、「新着情報」を常にチェックすることです。

終売が決まった後でも、稀に蔵元に戻ってきた返品在庫や、常連客のキャンセル分などが、ごく少量ですがECサイトに再出品されることがあります。これは本当に一瞬の出来事なので、サイトの会員登録を済ませ、メールマガジンも購読しておき、在庫復活の通知を逃さないようにしましょう。

また、特約店の通販の場合、価格は定価か、それに近い価格で手に入る可能性が高いのも大きな魅力です。品質も保証されているため、最も理想的な入手ルートと言えます。

二次流通プラットフォームも視野に入れる

正規ルートでどうしても見つからない場合は、Amazonや楽天市場といった大手モールや、メルカリ、ヤフオク！といった二次流通のプラットフォームも視野に入れる必要があります。これについては、次のセクションでさらに詳しく解説しますが、在庫の豊富さという点では、やはり圧倒的です。

ただし、価格は高騰しており、保存状態も販売者次第となるため、リスクを理解した上で購入を検討するようにしましょう。

モモストアとしては、まずは正規ルートのECサイトを粘り強く探し、それでもダメなら二次流通へ、という順番をおすすめします。

【オンラインストア調査】Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングの在庫状況

「ネット通販なら、どこかに残っているんじゃないの？」
そう思って、誰もが最初に検索するのが、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手ECモールですよね。

これらのモールは、正規の酒販店だけでなく、個人事業主や、酒類販売免許を持つリサイクルショップなども出店しているため、在庫の多様性が魅力です。

モモストアが最新の在庫状況を調査した結果と、購入する際の注意点をまとめました。

大手ECモールの山陰東郷のリアルな在庫状況

終売から時間が経過しているため、これらのモールでも「定価」で販売されている山陰東郷を見つけるのはほぼ不可能です。

プラットフォーム	在庫状況と特徴
Amazon	在庫は非常に少ない。販売価格は定価の2〜3倍に高騰していることが多い。出品者の評価を最優先でチェックすべき。
楽天市場	酒販店が出店しているケースが多い。稀に、他の商品との抱き合わせ販売や、セット販売で見つかることがある。ポイント利用で実質価格を抑えられる可能性あり。
Yahoo!ショッピング	こちらも楽天市場に似て、酒販店の出店が多い。メルカリやヤフオク！ほどではないが、出品時期が古い商品も見られるため、製造年月日の確認が重要。

ECモールで購入する際の絶対的な注意点

大手ECモールでの購入は便利ですが、終売品ゆえのリスクが伴います。特に以下の三つのポイントは、購入前に必ずチェックしてください。

① 製造年月の確認を徹底！

日本酒は鮮度が命です。特に「山陰東郷」は、終売が決まるまで長期熟成を前提としていないタイプのものが多かったとされています。

出品ページに製造年月日（または詰口年月日）が明記されているかを必ず確認しましょう。記載がない場合は、購入前に質問欄から問い合わせるべきです。

製造から数年が経過している場合は、蔵元で想定されていた味わいから大きく変化している可能性を理解しておく必要があります。「ひねた」と呼ばれるような、酸化による独特の劣化臭が出ていることもあり得ます。

② 出品者・販売店の評価をチェック

AmazonやYahoo!ショッピングでは、販売者が酒販店か、それとも一般の転売ヤー（酒類販売免許を持つ個人や法人）なのかを判断する必要があります。

過去の取引で「梱包が雑だった」「商品が破損していた」「賞味期限が切れていた」などの評価が一つでもあれば、高額な終売品を購入するのは避けるべきです。

③ 価格と定価を比較しすぎない

終売品は、もはや「定価」では手に入りません。定価と現在の販売価格を比較し、高騰していることに憤りを感じてしまうと、購入できなくなってしまいます。

「この銘酒をもう一度味わうためのコスト」と割り切り、自分が納得できる価格かどうかで判断するようにしましょう。ただし、あまりにも法外な価格（定価の5倍以上など）を提示している出品者は避けるのが賢明です。

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで見つけることができれば、取引の安全性はメルカリなどよりは高いため、まずはこの三つのモールで「山陰東郷」を検索してみることを強くおすすめします。

メルカリやヤフオク！で「山陰東郷」を買うのはアリ？注意点も解説

「フリマアプリやオークションサイトなら、まだ残っているかも？」
そう考えるのは自然な流れです。実際、メルカリやヤフオク！といった二次流通のプラットフォームには、酒販店や飲食店が手放した在庫や、一般の愛飲家がストックしていたボトルが日々出品されています。

これらのプラットフォームは、「最後の砦」となり得る一方で、大きなリスクも伴います。モモストアが考える、フリマ・オークションでの購入の是非と、具体的なチェックポイントを解説します。

フリマ・オークションのメリットとデメリット

まずは、これらのプラットフォームの特性を理解しておきましょう。

メリット（利点）	デメリット（欠点）
流通量が多い	保存状態が不明確（品質リスク）
価格交渉の余地がある	定価よりはるかに高額になりがち
レアな限定品が見つかる	転売目的の出品が多く、価格が不透明
製造年月の古いものも確認しやすい	酒類販売免許がない出品者がいる

最大のデメリットは、「保存状態が不明確」であることです。日本酒は、光や熱に非常に弱いです。一般家庭のリビングの棚や、高温になる場所に放置されていた場合、中身は取り返しのつかないほど劣化している可能性があります。

購入前に必ずチェックすべき出品者情報

トラブルを避けるために、購入を決める前に、以下の三つの質問を出品者に投げかけてみましょう。回答の内容とスピードで、その出品者が信頼できるかどうかが判断できます。

1. 保管状況について教えてください。
   （「冷蔵庫（野菜室）で保管していました」「ワインセラーで温度・湿度管理していました」など、具体的な回答があるか？）
2. 製造年月日はいつですか？
   （ラベルに記載されている年月を正確に答えてくれるか？写真の追加を求めてみるのも有効です。）
3. なぜこのお酒を出品されるのですか？
   （「飲みきれない」「引っ越し」など、納得できる理由があるか？転売目的が露骨な場合は避けるべきです。）

特に保管状況については、「冷暗所」という曖昧な表現ではなく、具体的な場所や温度帯を尋ねるようにしてください。終売品とはいえ、劣化して飲めないものを高額で掴まされてしまっては、元も子もありません。

また、酒類のフリマ販売に関しては、法的な規制やガイドラインもありますので、以下の情報も参考に、自己責任で慎重に判断してください。（酒類のリセールに関するガイドライン）

最終的な判断はあなた次第ですが、モモストアからのアドバイスとしては、「定価の3倍以上の価格」かつ「保管状況が曖昧」な商品は避けるのが賢明です。

山陰東郷の価格が高騰中？プレミアがついた定価以外の相場をチェック

終売品の宿命として、その価格は否応なく高騰します。
「山陰東郷」も例外ではなく、市場に残されたボトルには、愛飲家の需要が集中し、定価の数倍のプレミア価格がつけられています。

定価と現在の相場（プレミア価格）の比較

まず、終売前の「山陰東郷」の主要なラインナップの定価を振り返ってみましょう。
（※定価は蔵元や特約店によって多少変動があったことをご了承ください）

銘柄	定価（四合瓶/720ml）	終売後の相場（EC・二次流通）
山陰東郷 純米	約1,500円〜2,000円	約3,500円〜5,000円
山陰東郷 山廃仕込	約2,000円〜2,500円	約5,000円〜8,000円
山陰東郷 生酛	約2,500円〜3,000円	約6,000円〜10,000円
限定熟成酒（古酒）	約3,000円〜5,000円	10,000円を超えることも

ご覧の通り、定価と比較すると、種類によっては定価の2倍から4倍近くにまで相場が跳ね上がっています。

特に「山廃仕込」や「生酛」といった、山陰東郷らしい個性的なラインナップは、熱狂的なファンからの需要が高く、高値で取引される傾向にあります。

価格高騰のメカニズムとは？

なぜ、ここまで価格が高騰してしまうのでしょうか？

1. 生産停止による絶対数の減少:
   終売となったため、市場に新たにボトルが供給されることはありません。在庫が減る一方なので、必然的に希少価値が高まります。
2. 愛飲家のストック需要:
   「もう二度と飲めない」となると、愛飲家は最後に一本だけでも手元に残しておきたいという心理が働き、多少高くても購入を決断します。
3. 転売ヤーの参入:
   希少価値が高まることで、転売を目的とした業者や個人が高値で買い付け、さらに上乗せした価格で再販する動きが加速します。

この状況下で、私たちができることは、「諦めずに定価に近い価格で売っている正規のECサイトを探し続けること」か、あるいは、「このプレミア価格を容認して購入すること」の二択になります。

もしあなたが、山陰東郷との思い出をもう一度味わいたい、あるいは最後にその味を知っておきたいと強く願うのであれば、高騰した相場を受け入れる覚悟も必要になるかもしれません。

プレミア価格でも「良し」とするための条件

プレミア価格で購入する場合でも、以下の条件を満たすボトルを選ぶようにしてください。

• 製造年月日の新しさ: できる限り終売直前、つまり製造から日が浅いものを選ぶ。
• 購入先の信頼性: Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングの中でも、信頼できる酒販店からの購入を優先する。
• 保管状況: 二次流通の場合は、前述の通り、低温での管理が明記されているものを選ぶ。

高値でも品質が保証されているならば、それは価値ある出費と言えるでしょう。
逆に、「安すぎる」ボトルには注意が必要です。品質劣化や偽物のリスクも考えられますので、市場価格とあまりにかけ離れた安価なボトルは避けるべきです。

「山陰東郷」ってどんなお酒だった？愛飲家が語るその魅力と特徴

終売の話題ばかりで少し寂しくなってしまいましたので、ここで改めて「山陰東郷」がどれほど素晴らしいお酒だったのか、その唯一無二の魅力を振り返ってみましょう。

まだ飲んだことがないという方や、終売で初めて知ったという方も、この銘酒の個性と魂を知ることで、代替酒選びのヒントにもなりますよ。

山陰東郷の個性：酸味と骨太な旨味

「山陰東郷」を語る上で、最も重要なキーワードは、その「圧倒的な酸味」と「骨太で複雑な旨味」です。

一般的に日本酒というと、「フルーティーで甘口」「スッキリと淡麗辛口」といったイメージが強いですが、山陰東郷はそれらとは一線を画していました。

特徴的な要素	味わいの具体例
力強い酸	ヨーグルトやレモンのような、はっきりとした酸味。この酸味が全体の味を引き締め、飽きさせない。
複雑な旨味	米の持つ旨味、特に熟成によって生まれる土や木のようなクラシックな旨味。重厚感があり、飲みごたえ抜群。
独特の香り	吟醸香のような華やかさよりも、米本来の素朴で、ときに野性味あふれる熟成香が特徴。

特に「山廃仕込」や「生酛」のラインナップは、この個性が最大限に引き出されており、燗（かん）をつけることで、酸味がさらにまろやかに、旨味が爆発的に広がるという特徴を持っていました。

ワインで言えば、ボルドーの熟成した赤ワインのような、日本酒としては異色の存在感を放っていたのです。

愛飲家が唸った「食事とのペアリング」

山陰東郷は、その個性の強さから「単体で飲む」よりも、「食事と合わせることで真価を発揮する」とされていました。

普通の日本酒が合わせにくいとされる、以下の様な料理と抜群の相性を発揮していました。

• 熟成肉やジビエ: 骨太な旨味が、肉の持つ力強い旨味や脂をしっかりと受け止める。
• チーズ（特にハード系）: 強い酸味がチーズの乳酸や塩気を引き立て、ワインのようなペアリング体験を生み出す。
• 味噌や醤油を使った濃厚な煮込み料理: 発酵食品同士の相性が良く、特に山陰東郷の酸が、煮詰まった味をリセットしてくれる。

蔵元のある鳥取県の郷土料理はもちろんのこと、世界の様々な濃厚な料理と合わせられる懐の深さが、多くの料理人や酒場関係者から愛されていた理由の一つです。

このペアリングの素晴らしさを知ってしまうと、もう他の日本酒では物足りなくなってしまう…。終売が本当に惜しまれるのは、この「食中酒」としての絶対的な地位を失ってしまったことなのかもしれませんね。

【代替酒①】同じ蔵元が手がける「山陰東郷」の兄弟・後継銘柄とは？

山陰東郷が手に入らないとわかった今、多くのファンが次に考えるのは、「山陰東郷の魂を受け継ぐお酒はないか？」ということでしょう。

最も期待できるのは、やはり同じ蔵元（梅津酒造）が手がける銘柄です。蔵元の哲学や技術、使用する水などは共通しているため、山陰東郷に通じる要素が色濃く残っている可能性が高いからです。

蔵元が誇るもう一つの銘酒「冨玲（ふれい）」

前述の通り、梅津酒造には「山陰東郷」と並び、いや、現在は蔵元の主力として「冨玲（ふれい）」という銘柄が存在します。

「冨玲」は、山陰東郷が終売となった今、実質的な「後継銘柄」としてファンに強く推奨したいお酒です。

冨玲が山陰東郷の魂を受け継ぐ理由

「冨玲」は、山陰東郷が持っていた「骨太さ」や「米の旨味」といった根幹の部分をしっかりと受け継いでいます。

ただし、山陰東郷が「力強い酸味と重厚感」を極めたのに対し、「冨玲」はもう少し現代的なバランスを意識して造られている印象があります。具体的には以下の点が異なります。

要素	山陰東郷（終売）	冨玲（現行）
酸味	非常に強く、個性的	適度な酸味で、バランスが良い
飲み口	重厚感があり、燗向け	やや軽快さも持ち、冷や・燗どちらも楽しめる
製法	山廃・生酛が多かった	多様な製法で、より幅広いラインナップ

「山陰東郷の酸味が強すぎた」と感じていた方にとっては、「冨玲」こそが理想的な後継酒になる可能性も秘めています。

特に「冨玲」の中の「山廃仕込」や「特別純米」といったラインナップは、山陰東郷の片鱗を感じさせる飲みごたえがありますので、ぜひ試してみてください。

蔵元の季節限定品や挑戦的な銘柄にも注目

蔵元は、「山陰東郷」の終売後も、酒造りへの情熱を失っていません。

梅津酒造の季節限定品や、新たな挑戦を込めた限定ボトルには、山陰東郷で培われた技術が惜しみなく投入されています。

例えば、

• 超辛口に挑戦した限定酒:
  山陰東郷が持っていたキレの良さをさらに追求している可能性があります。
• 珍しい酒米を使った純米酒:
  米の持つ旨味を、山陰東郷とは異なる角度から引き出しているかもしれません。

これらの限定品は、「山陰東郷の進化形」として捉えることもできます。

終売は残念ですが、一つの銘柄が幕を閉じることで、蔵元は次のステージに進んでいると前向きに考え、新しい「冨玲」や限定酒との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか？

新しい「冨玲」なら、Amazonや楽天市場でも比較的簡単に手に入りやすいので、ぜひチェックしてみてくださいね。

【代替酒②】味わいが近いと評判！鳥取・島根の激似日本酒3選

蔵元が同じ「冨玲」も素晴らしいですが、「山陰東郷」の「独特な酸味と野性味あふれる旨味」という個性を、他の蔵元のお酒にも求めたくなるのが人情というものです。

特に、山陰東郷と同じく山陰地方（鳥取県、島根県）には、伝統的な製法を守り、個性の強い酒を造り続ける蔵元が数多く存在します。

モモストアが厳選した、山陰東郷の代替酒として評判の高い「激似日本酒」を3つご紹介します。

① 鷹勇（たかいさみ） – 鳥取県

「山陰東郷」と同じ鳥取県で造られている「鷹勇」は、山陰地方の王道的な辛口を体現する銘柄です。

山陰東郷のような強烈な酸味こそありませんが、米の旨味がしっかりと立ち、食中酒としての力強さを持っています。特に「純米吟醸」や「純米大吟醸」といった華やかなものよりも、「特別純米」や「純米」のラインナップに、山陰東郷の持つ「素朴で骨太な個性」の片鱗を見つけることができます。

燗にすると味が締まり、後口のキレも良いため、「燗酒派」の山陰東郷ファンにはぜひ試してもらいたい一本です。

② ヤマサン正宗（やまさんまさむね） – 島根県

島根県出雲市にある蔵元のお酒で、こちらは山陰東郷のファンから「酸味と力強さが似ている！」と特に支持されている銘柄です。

「ヤマサン正宗」もまた、山廃仕込みや生酛造りといった伝統製法に力を入れており、その結果、複雑で奥深い味わい、そして、お燗に最適な酸味が生まれています。

山陰東郷の個性を最も受け継いでいるのはこれではないか？とモモストアも感じています。もし近隣の酒販店で見かけたら、迷わず手に取ってみることをおすすめします。

③ 王祿（おうろく） – 島根県

全国的な知名度も高い島根県の銘酒「王祿」も、山陰東郷の代替酒として有力です。

王祿は、「熱心なファンが多く、特定の特約店でしか手に入らない」という流通の面でも山陰東郷と共通点があります。

味わいも、力強い米の旨味と、熟成を前提としたしっかりとした骨格を持っています。山陰東郷ほど「野性味」は強くありませんが、その濃厚さと飲みごたえは、山陰東郷ファンを納得させるだけのポテンシャルを秘めています。

特に王祿の「純米吟醸」などは、熟成させることでより深い味わいになるため、山陰東郷の代わりとして、長く付き合っていける一本になるかもしれません。（山陰地方の酒造組合の公式サイト）

山陰東郷を飲み切った後に！次なる定番を探すためのヒント

今、最後の山陰東郷を手に入れたとしても、いずれは飲み切ってしまう時が来ます。そのときのために、「次なる定番酒」を今のうちから探し始めるのが、真の愛飲家の姿勢ではないでしょうか。

ここでは、山陰東郷の個性（力強い酸と旨味）をヒントに、新たな銘柄を発掘するための具体的な方法を解説します。

キーワードは「山廃・生酛・熟成」

山陰東郷の個性を支えていたのは、間違いなく「山廃仕込（やまはいじこみ）」や「生酛造り（きもとづくり）」という、伝統的な酒造りの技術です。

これらは、現代の速醸酛（そくじょうもと）では得られない、乳酸菌の働きによる複雑な酸味と、米の旨味を最大限に引き出す力があります。

製法	味わいの特徴	蔵元を探すヒント
山廃仕込	濃厚で、酸味が強く、熟成向き。燗にすると旨味が増す。	蔵元のホームページで「山廃仕込に注力」と謳っているところ。
生酛造り	山廃よりもさらに手間がかかり、骨格のしっかりした酒になる。	「純米酒」でも濃醇な味わいを出す蔵元。
熟成酒/古酒	時間と共に色がつき、複雑な香りと旨味が出る。	冷蔵設備がしっかりしていて、貯蔵環境にこだわる蔵元。

お酒を選ぶ際は、ラベルの裏面や蔵元の公式サイトをチェックして、これらのキーワードが記載されているものを重点的に選んでみてください。そうすれば、山陰東郷と似たような、個性的で飲みごたえのある日本酒に出会える確率がグッと上がります。

酒販店員さんに頼るのが最も確実

最も確実で失敗がないのは、日本酒の品揃えが豊富な酒販店の店員さんに相談することです。

店員さんに「山陰東郷が終売になってしまって…。あの『力強い酸味と旨味』『燗にすると美味しい酒』を探しています」と具体的に伝えてみましょう。

プロの店員さんであれば、

• 山陰東郷と同じ地域（鳥取・島根）の同系統の酒
• 山陰東郷と同じ製法（山廃・生酛）で造っている他県の酒
• 特定の料理と合わせることを前提とした「食中酒」

といった、あなたの好みに完全に合致した銘柄を提案してくれるはずです。

日本酒との新しい出会いは、人生の喜びの一つです。終売は残念でしたが、これを機に、あなたの「次なる定番」を探す旅に出かけてみませんか？

終売にまつわるSNSでの「愛飲家の声」をまとめてみた

山陰東郷の終売は、多くの日本酒ファンにとって、一つの時代の終わりを意味する出来事でした。

このニュースが広まった際、SNS（XやInstagram）上には、惜しむ声、感謝の声、そして最後のボトルを求めて奔走する愛飲家のリアルな声が溢れていました。モモストアが、特に心に響いた声をいくつかピックアップしてまとめます。

惜別のメッセージと感謝の言葉

多くの投稿は、山陰東郷との思い出を振り返るものでした。

「山陰東郷の山廃、初めて飲んだ時、日本酒に対するイメージがガラッと変わったのを覚えている。あの力強い酸は、もうどこにもないんだろうな。ありがとう。」

「特別な日には必ず燗で飲んでいた。終売は本当に寂しいけど、蔵元さんがこれまでに素晴らしいお酒を造ってくれたことに心から感謝したい。最後のボトルはしばらく飲めそうにない…。」

「あの独特の酸味が、洋食にも負けないくらい強かったから、我が家の食卓には欠かせなかったのに。代替品を探すのが怖いけど、冨玲に期待するしかないか。」

これらの声からは、山陰東郷が単なる「お酒」ではなく、「ライフスタイルの一部」となっていたことが伝わってきますよね。

特に「燗酒」として愛されていた銘柄だっただけに、冬の寒い夜に「山陰東郷」が飲めなくなることを惜しむ声が目立ちました。

最後の在庫を求めて奔走した記録

終売の通達があった後、愛飲家の「山陰東郷探し」は一種のムーブメントとなりました。

• 「噂を聞きつけて特約店に電話しまくり。東京では全滅だったけど、ダメ元で鳥取の酒販店にメールしたら、一本だけ残っていた！奇跡！」
• 「メルカリで高騰しているのは知っているけど、定価で手に入れたい。週末は隣県の酒屋巡り決定。どこかにデッドストックがないか、諦めずに探す！」
• 「最後の一升瓶を確保。もったいなくて開けられない。でも、開けないと意味がない。葛藤の日々…。」

この熱狂的な探求心こそが、山陰東郷がどれほど深く愛されていたかの証明です。プレミア価格で購入する決断をした方々の投稿も多く、「この味を知っているうちに、もう一度飲んでおくべきだと思った」という意見が多かったです。

モモストアも、これらの声に背中を押され、最後まで山陰東郷の情報を追いかけ続けたいと思っています。

まとめ：山陰東郷の終売は残念だけど、新たな銘柄との出会いを楽しもう

ここまで、「山陰東郷 終売」の真偽から、入手方法、そして代替酒のヒントまでを、長文になりましたが解説してきました。

最後に、この記事の重要なポイントをまとめて、皆さんの次なるアクションへのエールとしたいと思います。

山陰東郷終売の結論と今すぐ取るべき行動

1. 終売は残念ながら事実:
   製造元の梅津酒造の経営判断や、酒造りの方向転換により、「山陰東郷」の製造は終了しています。
2. 入手は「時間との勝負」:
   今から手に入れるには、「正規特約店のECサイトでの在庫復活」を狙うか、「Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングでのプレミア価格での購入」が現実的です。
3. フリマ・オークションは慎重に:
   メルカリやヤフオク！は在庫が多いですが、保管状態が不明確なため、製造年月日や出品者の評価を徹底的にチェックしましょう。

「もう飲めない」と悲しむ気持ちは痛いほどわかります。筆者モモストアも同じ気持ちです。

しかし、終売は「一つの日本酒がその役割を終え、新たなステージへと進む」ということでもあります。

蔵元の魂を受け継ぐ「冨玲」を試してみる、あるいは山陰地方の「鷹勇」や「ヤマサン正宗」といった個性の強い銘柄に目を向けてみる。

そうすることで、山陰東郷との出会いと同じくらい、あるいはそれ以上に心を揺さぶられる、「次なる運命の一本」と出会えるかもしれません。

日本酒との出会いは一期一会です。ぜひ前向きに、新しい銘柄とのペアリングを楽しんでいきましょう！