【ニッカ鶴】幻となった最高傑作は終売で再販なし?現在の定価と高騰した市場価格を徹底解説
ジャパニーズウイスキーの中でも、その優雅な名前と美しいボトルデザインで知られるニッカウヰスキーの「鶴」。
しかし、近年ウイスキーファンからは「鶴はもう買えない」「終売になった」という声が多く聞かれます。
本当にあの「鶴」は手に入らなくなってしまったのでしょうか?
この記事では、「鶴」の終売の真実から、なぜこれほどまでに人気が高騰したのか、そして今、幻となってしまったボトルをどのように探せば手に入るのかを、モモストアが徹底的に解説していきます。
・ニッカ鶴が「幻のボトル」になった決定的な理由
・「鶴」のラインナップは?年代物とノンエイジボトルの違い
・ニッカ鶴の発売当時の「定価」はいくらだった?
・現在ニッカ鶴を「定価」で買うことはできるのか?
- ニッカウヰスキー「鶴」は終売が確定!いつ製造終了したのか?
- ニッカ鶴が「幻のボトル」になった決定的な理由
- 「鶴」のラインナップは?年代物とノンエイジボトルの違い
- ニッカ鶴の発売当時の「定価」はいくらだった?
- 現在ニッカ鶴を「定価」で買うことはできるのか?
- 【価格高騰】ニッカ鶴の現在の市場価格(Amazon・楽天・メルカリ相場)
- ニッカウヰスキー「鶴」はどんな味?テイスティングノートを徹底解説
- ニッカ鶴の代わりにおすすめのジャパニーズウイスキー銘柄3選
- ニッカウヰスキーの主力商品「竹鶴」との違いは?
- ニッカ鶴のボトルが持つ芸術的な魅力とは
- ニッカ鶴を飲むなら「この飲み方」がおすすめ!
- 終売したニッカ鶴を正規ルートで再販する可能性はある?
- ニッカ鶴は贈答品・コレクションとして価値がある?
- ニッカ鶴のようなブレンデッドウイスキーを楽しむための知識
- 「鶴」と名前がつくニッカの他のボトルにもプレミアがついている?
- ニッカウヰスキーの蒸溜所限定ボトルはなぜ終売になりやすいのか
- ニッカ鶴の終売がウイスキー市場に与えた影響
- ニッカ鶴の終売は「竹鶴政孝の夢」にどう影響したか
- ニッカ鶴の終売にまつわる「よくあるQ&A」
- 終売の「鶴」を探すならこのサイトをチェック!
ニッカウヰスキー「鶴」は終売が確定!いつ製造終了したのか?

結論からお伝えすると、ニッカウヰスキーのブレンデッドウイスキー「鶴」は、現在、事実上の「終売」状態にあります。多くのウイスキーファンがこのニュースを聞いて落胆したことと思います。
ただし、「鶴」と一口に言っても、その歴史の中でいくつかのバリエーションが存在しました。
「鶴」ブランドが辿った終売の歴史
ウイスキー「鶴」は、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏が、晩年、自身の理想とするブレンデッドウイスキーとして完成させた銘柄です。その誕生は1970年代に遡りますが、特にファンから惜しまれた終売は以下のモデルです。
- 鶴 17年: 熟成年数表記のフラッグシップモデルでした。検索情報によると、このボトルは2015年頃に製造・販売が終了しています。当時のジャパニーズウイスキーブームの過熱と、原酒不足が背景にあると言われています。
- 鶴 ノンエイジ (NV) 蒸溜所限定ボトル: 熟成年数の表記がないボトルで、主にニッカウヰスキーの余市蒸溜所や宮城峡蒸溜所の限定ショップでのみ販売されていました。こちらは17年の終売後も一時的に販売されていましたが、現在ではこちらもほとんどのモデルが製造終了し、市場から姿を消しています。
- 鶴 スリムボトル・陶器ボトル: これらはさらに古い時代のモデルで、現在では完全にコレクターズアイテムとなっています。
このように、「鶴」のブランド自体はニッカウヰスキーにとって非常に大切な存在でしたが、長期熟成原酒の希少化という、ジャパニーズウイスキー全体が抱える問題に直面し、惜しまれながらも終売という形を取らざるを得なかったのが現実です。
特に2010年代以降のウイスキー需要の爆発的な増加は、ニッカウヰスキーに限らず、サントリーなど多くの蒸溜所の長期熟成原酒を枯渇させる原因となりました。現在、蒸溜所限定のノンエイジボトルも販売されていないため、新しく「鶴」を手に取ることは、非常に困難な状況と言えるでしょう。
原酒不足はなぜ起こったのか?
終売の最大の理由である原酒不足について、もう少し深く掘り下げてみましょう。
ウイスキーは、製造してから市場に出るまでに何年も、時には何十年もの熟成期間が必要です。ニッカウヰスキーも、ブームが来る前の需要に合わせて原酒を仕込んでいましたが、まさかここまでの世界的なブームが到来することは予想できませんでした。
特に「鶴 17年」のような熟成年数表記のあるウイスキーは、その年数に満たない原酒は一切使えません。つまり、17年前に仕込まれた原酒が全てボトル詰めされ尽くしてしまうと、次のボトルが出てくるのは、さらに数年後、あるいは数十年後となってしまいます。
ニッカウヰスキーは現在、原酒の増産に力を入れていますが、その成果がボトルとして市場に出回るのはまだまだ先の話。そのため、「鶴」の再販や復活は、現時点では非常に厳しいと言わざるを得ない状況です。ファンの間では「いつかまた飲める日が来るのでは」という希望もありますが、公式からの発表がない限り、今は幻の銘柄として扱うのが現実的です。
ニッカ鶴が「幻のボトル」になった決定的な理由
ニッカ鶴が単なる終売銘柄に留まらず、なぜ「幻のボトル」として世界中のウイスキー愛好家から追い求められる存在になったのか、それにはいくつかの決定的な理由があります。それは、単に「手に入らない」という希少性だけではない、その品質とストーリーに秘密が隠されています。
理由1:創業者の「最後の夢」が詰まった銘柄
鶴は、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏が晩年に完成させたとされる、特別なブレンデッドウイスキーです。竹鶴氏は日本のウイスキーの父と呼ばれ、その人生をかけて理想のウイスキーを追求しました。
彼が亡くなるわずか3年前に完成した「鶴」は、まさに彼の集大成であり、「ブレンデッドウイスキーの最高傑作」と称されることも少なくありません。このような創業者の「最後の夢」とも言えるストーリー性が、鶴の価値を単なる酒の枠を超えて高めているのです。
ウイスキーファンにとって、それは歴史そのものを味わう体験であり、ボトルの持つ重みが違います。この背景を知ると、「鶴」への想いは一層強くなりますよね。
理由2:原酒の配合比率と味わいの「円熟感」
鶴の最大の魅力は、その重厚で上品な風味と、熟成されたグレーンウイスキーによる円熟したまろやかさの絶妙なバランスです。特に「鶴 17年」などに使われていた長期熟成原酒は、ニッカウヰスキーが誇る余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所のモルト原酒が中心となっており、以下の特徴を持っていました。
| 余市モルト | 力強いピーティーさと重厚感、潮風を感じさせるソルティな個性。 |
| 宮城峡モルト | 華やかでフルーティーな香りと軽やかさ、エレガントな樽の風味。 |
| 熟成グレーン | 全体の角を取り、口当たりを極限までまろやかにする円熟味。 |
これらの原酒が、長年の熟成を経て見事に調和することで、他のウイスキーにはない唯一無二の「品格」を生み出していました。特に、長期熟成のグレーンウイスキーをブレンドに用いることで生まれる「円熟したまろやかさ」は、ニッカ鶴の真骨頂であり、多くの舌の肥えた愛好家を唸らせた要因です。
理由3:国際的な評価とボトルの美術的価値
ニッカウヰスキーの銘柄は国際的なウイスキー品評会で数多くの賞を受賞しており、鶴も例外ではありませんでした。その高い品質は世界で認められています。
さらに、「鶴」のボトルデザインは、まさに日本の伝統美を象徴するもので、特に初期の陶器ボトルや、鶴のモチーフが施されたスリムボトルは、美術品としても価値が高いです。美しいボトルは、飲み終わった後も飾っておけるため、コレクターズアイテムとしての人気をさらに高める結果となりました。
これらの要素が複合的に絡み合い、「鶴」は単なる酒ではなく、「時代を象徴する希少な芸術品」へと昇華したのです。
「鶴」のラインナップは?年代物とノンエイジボトルの違い
「鶴」というブランド名でリリースされてきたウイスキーは、その歴史の中でいくつかの種類に分かれていました。特に終売が話題になったのは「鶴 17年」ですが、それ以外にも愛されたボトルたちが存在します。それぞれのボトルの特徴を理解することで、現在市場で探す際のヒントにもなります。
熟成年数表記ボトル(エイジ・ステートメント)
熟成年数表記ボトル、いわゆる「エイジボトル」は、ブレンドに使用されている最も若い原酒の熟成年数がボトルに記載されているものです。鶴の場合、最も有名でファンに愛されたのが以下のボトルでした。
鶴 17年
- 熟成年数: 17年以上
- 特徴: ニッカ鶴のフラッグシップモデルとして長年愛されていました。17年という熟成期間がもたらす複雑さとまろやかさが特徴で、重厚でありながらエレガントな飲み口です。
- 終売時期: 2015年頃
- 現在の状況: 製造終了から時間が経過しているため、現在市場に出回っているものは非常に少なく、価格は大幅に高騰しています。コレクター向けのアイテムと言えるでしょう。
この「鶴 17年」の終売以降、「鶴」ブランドは熟成年数表記のないモデルへとシフトしていきました。
ノンエイジ表記ボトル(ノン・ヴィンテージ)
ノンエイジボトル(NV)は、ブレンドに様々な熟成年数の原酒が使われていますが、特定の熟成年数を保証する表記がないモデルです。原酒不足が深刻化する中で、各蒸溜所が安定供給のために力を入れるようになったのがこのNVモデルです。
鶴 (ノンエイジ) 蒸溜所限定ボトル
- 熟成年数: ノンヴィンテージ
- 特徴: 熟成年数表記はありませんが、ニッカウヰスキーのブレンディング技術の粋を集めたボトルで、鶴らしいまろやかさや上品さは健在でした。主に、余市・宮城峡の蒸溜所限定で販売されていたため、地方の愛好家にとっては入手難易度が非常に高かったモデルです。
- 終売時期: 正確な時期は公表されていませんが、現在ではほとんどのモデルが入手困難になっています。
- 現在の状況: 定価は2021年時点で13,200円(税込)という情報がありましたが、現在の通販サイトではその数倍の価格で取引されることが一般的です。
この蒸溜所限定モデルの中にも、陶器ボトルやスリムボトルといった様々なバージョンが存在し、それぞれが異なるコレクターズ価値を持っています。特に陶器ボトルは、その美術的な価値も相まって、非常に高値で取引されています。もしあなたが棚の奥に古い「鶴」のボトルを見つけたら、それはとんでもないお宝かもしれませんよ。現在の価値を一度調べてみるのも面白いかもしれませんね。(ニッカ鶴 陶器ボトル 買取価格)
テーブルで比較!主な「鶴」のラインナップ
主要な「鶴」のラインナップを比較することで、あなたが探しているボトルがどの時代のものか、一目でわかるようにまとめました。
| 商品名 | 熟成年数 | 主な特徴 | 終売時期 |
| 鶴 17年 | 17年 | フラッグシップ。重厚かつエレガントな熟成モルト。 | 2015年頃 |
| 鶴 ノンエイジ (NV) | ノンヴィンテージ | 主に蒸溜所限定販売。鶴の味わいを継承。 | 現行品は終売済み |
| 鶴 陶器ボトル | 非公開/様々 | 鶴のモチーフをあしらった美術的価値の高い陶器ボトル。 | 古いモデル |
| 鶴 スリムボトル | 非公開/様々 | 旧ラベルで発売されていたスリムな形状のボトル。 | 古いモデル |
どのボトルも、ニッカウヰスキーの歴史を語る上で欠かせない、素晴らしい個性を持っていたことは間違いありません。
ニッカ鶴の発売当時の「定価」はいくらだった?
終売となり市場価格が高騰しているウイスキーについて語る際、誰もが気になるのが「当時いくらで売られていたのか」という定価の話です。
ニッカ鶴の定価は、現在のプレミア価格を知ってしまうと、驚くほど手の届きやすい価格だったことがわかります。この定価と現在の価格のギャップこそが、ウイスキーバブルの凄まじさを物語っています。
年代ごとの「定価」の推移
ニッカ鶴の発売当時の定価は、モデルや時期によって異なりますが、確認できた主な定価情報を見てみましょう。
鶴 17年(終売モデル)の定価
「鶴 17年」が販売されていた時期の定価については、正確な情報を見つけるのが難しいですが、同時期に販売されていたニッカウヰスキーの高級エイジボトル(竹鶴17年など)の定価帯から推測すると、7,000円〜15,000円程度の価格帯で販売されていた可能性が高いです。
この価格帯は、現在の一般的なシングルモルトウイスキーと比較しても、17年熟成ということを考えると、非常に良心的な設定だったと言えます。当時のウイスキー愛好家にとって、この価格で最高級のブレンデッドウイスキーが手に入ったというのは、夢のような話だったでしょう。
鶴 ノンエイジ(蒸溜所限定)の定価
比較的新しいモデルである蒸溜所限定のノンエイジボトルについては、より明確な情報が残されています。
2021年頃の情報では、希望小売価格(定価)は13,200円(税込)となっていました。これは、蒸溜所限定品という特別な位置づけと、使用されている原酒の品質を考えると、納得の価格設定です。
しかし、この価格設定であっても、購入できるのは蒸溜所を訪れた人のみ、さらに少量販売であったため、定価で手に入れること自体が困難な「難関ボトル」でした。
| モデル | 時期 | 当時の定価(参考) | 現在の市場価格(参考) |
| 鶴 17年 | 終売前 | 7,000円〜15,000円前後 | 数十万円 |
| 鶴 ノンエイジ (NV) | 終売直前 | 13,200円(税込) | 30,000円〜50,000円以上 |
定価と市場価格の「異常な」乖離
定価が1万円台前半だったボトルが、現在、市場で数万円、あるいは数十万円で取引されている状況は、まさに「異常」と言えます。
この乖離は、前述した「原酒不足による終売」という物理的な供給のストップと、「竹鶴政孝氏の最高傑作」というブランドストーリーの強化、そして世界的なジャパニーズウイスキーブームによる投機的な需要が複雑に絡み合った結果です。
終売から時間が経つほど、市場に出回るボトルは少なくなり、未開封のボトルはますます希少価値が高まります。現在このボトルを定価で手に入れるのは、ほぼ不可能に近いと言えるでしょう。定価で買える店を探すのは時間の無駄かもしれません。
現在ニッカ鶴を「定価」で買うことはできるのか?
「鶴」の魅力を知ってしまった方にとって、次に考えるのは「何とかして定価で手に入らないか」ということでしょう。しかし、残念ながら、現在の状況を鑑みると、ニッカ鶴を正規の販売ルートで定価購入することは、ほぼ不可能と断言できます。
なぜ定価での入手が不可能になったのか
定価購入ができない主な理由は、以下の通りです。
- メーカーが製造を完全に終了している: 終売品であるため、ニッカウヰスキー(アサヒビール)の公式オンラインストアや、契約している酒販店に新品が納品されることは二度とありません。
- 蒸溜所での販売も終了: かつては余市蒸溜所や宮城峡蒸溜所限定でノンエイジボトルが販売されていましたが、現在はこの限定販売も終了しています。そのため、蒸溜所の売店に行っても購入することはできません。
- 市場の在庫が高騰: 世の中に出回っている在庫は、酒販店や個人のストックのみです。酒販店も高騰した市場価格に合わせて販売するため、定価での販売はありえません。
つまり、今後「鶴」が手に入る可能性があるのは、二次流通市場(転売市場)、すなわちAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、そしてメルカリなどのフリマサイトなどに限られます。そして、これらの市場では、当然ながら定価を大きく上回る「プレミア価格(プレ値)」での取引となります。
プレ値でも「鶴」を入手するための賢い探し方
定価にこだわるのは諦め、現在の市場価格を受け入れて「鶴」を探す場合、いくつか賢い探し方があります。
方法1:大手通販サイトをチェックする
最も安全かつ確実に購入できる可能性があるのが、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手通販サイトです。
これらのサイトでは、専門の酒販店や並行輸入業者が在庫を販売していることが多く、偽物のリスクも比較的低いです。価格は高いですが、未開封・正規品を探す上では最も有力な候補となります。(Amazonでニッカ鶴を検索してみる)
ただし、常に在庫があるわけではないため、定期的なチェックが必要です。
方法2:フリマサイト・オークションサイトを狙う
メルカリやヤフオクなどのフリマ・オークションサイトでは、個人が出品しているボトルを見つけることができます。市場価格よりも若干安価で出品される可能性もありますが、注意が必要です。
- 注意点1: 出品者の評価を必ず確認し、信頼できる相手から購入しましょう。
- 注意点2: ボトルの状態(液面低下、ラベルの汚れなど)を写真でよく確認しましょう。
- 注意点3: 偽物や中身の入れ替えといったトラブルのリスクもゼロではないため、自己責任で判断してください。
方法3:老舗のバーを探す
ボトルを購入するのは難しいけれど、「鶴」の味を一度でいいから体験したいという方には、ウイスキーの品揃えが豊富な老舗のバーを探すことをおすすめします。
老舗のバーでは、終売になる前に仕入れた「鶴」のボトルを、グラス単位で提供していることがあります。一杯あたりの価格は高くなりますが、確実に本物の「鶴」の味を知ることができますし、バーテンダーの方から貴重な話を聞けるかもしれません。
【価格高騰】ニッカ鶴の現在の市場価格(Amazon・楽天・メルカリ相場)
ニッカ鶴が終売となってから時間が経過し、その市場価値は高まる一方です。特に長期熟成のジャパニーズウイスキーは、もはや「飲むための酒」というよりも「投資対象」や「コレクションアイテム」としての側面が強くなっています。
ここでは、現在の主要な二次流通市場における「鶴」の価格相場を解説します。価格は日々変動しますが、目安として参考にしてください。
現在の相場:モデル別価格帯
市場に出回っているニッカ鶴の主なモデルの価格相場は、以下のようになっています。
鶴 17年(終売モデル)の市場価格
鶴 17年は、現行モデルが存在しないため、最も高騰しているモデルの一つです。
新品未開封のボトルは、数十万円(数十万〜)で取引されることが珍しくありません。特に、外箱や化粧箱が完全に揃っている状態の良いボトルは、さらに高値が付きます。
これは、17年熟成という確かな品質保証と、ニッカウヰスキーの歴史的なボトルであるという付加価値が評価されているためです。現在の価格は、発売当時の定価の数十倍にも跳ね上がっています。
鶴 ノンエイジ(蒸溜所限定)の市場価格
蒸溜所限定で販売されていたノンエイジボトルも、販売終了後は高騰しています。定価が13,200円(税込)だったのに対し、現在の市場価格は30,000円〜50,000円以上が相場となっています。
特に状態の良いボトルや、珍しいデザインのボトルは、さらに高値となる傾向があります。ノンエイジとはいえ、そのブレンディング技術と品質は確かなものであり、この価格帯でも「飲んでみたい」というファンは後を絶ちません。
プラットフォーム別価格比較
購入するプラットフォームによっても、価格帯は若干異なります。手数料や信頼性も考慮して、どこで購入するのがベストか検討してみてください。
| プラットフォーム | 鶴 17年相場(数十万円〜) | 鶴 NV相場(数万円〜) | 特徴と注意点 |
| Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング | 高値安定(安心感あり) | 3万円〜5万円 | 専門業者が多く、偽物のリスクは低い。価格は市場に準拠。 |
| メルカリ/ヤフオク | 価格に幅あり(交渉の余地あり) | 2万円台後半〜 | 個人出品のため、価格は変動しやすい。状態確認と自己責任が必須。 |
Amazonや楽天市場は、業者が販売しているため、商品の状態や梱包に対する信頼性が高いのがメリットです。多少価格が高くても、確実に手に入れたい方におすすめです。(楽天市場で「鶴 ウイスキー」の価格をチェック)
一方で、メルカリやヤフオクは、タイミングが良ければ相場より安く手に入る可能性を秘めていますが、前述の通り、状態や偽物のリスクを自分で判断しなければなりません。特に、液面低下(ウイスキーの量が減っている状態)は、長期保存されているボトルにはつきものですので、写真でよく確認しましょう。
いずれにせよ、終売品の高額なウイスキーを購入する際は、必ず複数のサイトで相場をチェックし、冷静に判断することが重要です。
ニッカウヰスキー「鶴」はどんな味?テイスティングノートを徹底解説
高騰した市場価格を見ていると、「そこまでして飲む価値があるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、ニッカ鶴がウイスキーファンにこれほどまでに愛され、幻のボトルとされているのは、その比類なき味わいがあるからです。
実際に飲む機会が少ないからこそ、そのテイスティングノートを詳しく解説し、「鶴」の真髄をお伝えします。
香りの特徴:エレガンスと熟成の調和
ニッカ鶴の香りは、一言で表すなら「エレガント」です。グラスに注いだ瞬間から、長い熟成期間がもたらした複雑で上品なアロマが立ち昇ります。
- トップノート: まず感じるのは、華やかでフルーティーな香りです。洋梨やリンゴのような熟したフルーツ、そしてハチミツやバニラのような甘い香りが優しく広がります。これは、宮城峡モルト由来の軽やかさと、樽熟成による甘さがもたらすものです。
- ミドルノート: 続いて、時間と共にシェリー樽由来のレーズンやドライフルーツ、そして微かなスパイス(シナモン、クローブ)のニュアンスが感じられます。この複雑さが、ブレンデッドウイスキーとしての奥深さを物語っています。
- ベースノート: 終盤には、余市モルトが持つ微かなピーティーさと、ウッディな樽香が落ち着いたトーンで現れます。このスモーキーさが、全体の香りを引き締め、重厚感を加えています。
香りを嗅ぐだけで、その熟成感とブレンダーの技術の高さを実感できる、非常に完成度の高いアロマです。
味わいの特徴:シルクのような口当たりと円熟味
鶴の味わいの最大の特徴は、そのシルクのように滑らかでベルベットのような舌触りです。口に含むと、長期熟成グレーンウイスキーのブレンドがもたらす、極上のまろやかさに驚かされます。
- 口当たり: 非常にスムースで、アルコールのアタックは穏やかです。トロリとしたテクスチャーが舌全体を覆います。
- フレーバー: 甘さとコクが中心で、キャラメル、トフィー、そして微かなビターチョコレートのような風味が感じられます。余市モルトの重厚感と、宮城峡モルトの華やかさが、見事に融合し、複雑ながらもバランスの取れた味わいを構成しています。
- 余韻(フィニッシュ): 余韻は長く、エレガントに続きます。温かみのあるスパイス感と、やがて消えゆく微かなピート香が、飲み終わった後も心地よく残ります。この「切れない余韻」こそが、最高級のブレンデッドウイスキーの証です。
創業者竹鶴政孝氏が理想とした「重厚で上品な風味と円熟したまろやかさ」が、まさにこのボトルの中に凝縮されています。
もし一杯飲む機会があれば、ぜひストレートで、時間をかけてゆっくりと、その変化を楽しんでみてください。きっと、プレミア価格にも納得がいく至高の体験となるはずです。
ニッカ鶴の代わりにおすすめのジャパニーズウイスキー銘柄3選
ニッカ鶴が終売となり、簡単には手に入らなくなってしまった今、多くのウイスキーファンは「鶴に似た味わいを持つ、次に飲むべき銘柄は何か」を探しています。
鶴の核となる要素は、余市と宮城峡のモルト原酒をブレンドしている点と、長期熟成グレーン原酒による「まろやかさ」です。この特徴を念頭に、モモストアが厳選した鶴の代替としておすすめできるジャパニーズウイスキー銘柄を3つご紹介します。
代替銘柄1:ニッカウヰスキー 竹鶴ピュアモルト (現行NV)
まず、鶴と同じニッカウヰスキーが誇る代表的な銘柄であり、最も近い存在と言えるのが「竹鶴ピュアモルト」です。こちらも一時、年代物(17年、21年など)は終売となりましたが、ノンヴィンテージ(NV)が現行品として販売されています。
- 鶴との共通点: 余市と宮城峡のモルト原酒のみをブレンドした「ピュアモルト(ヴァッテッドモルト)」であり、竹鶴政孝氏の名前を冠する、ニッカウヰスキーの顔です。
- 味わいの違い: グレーン原酒を含まないため、鶴のような極限のまろやかさはありませんが、余市由来のピーティーさと宮城峡由来のフルーティーさが織りなす複雑さは健在です。
- おすすめポイント: 鶴の片鱗を感じさせつつ、力強いニッカモルトの個性を楽しめるため、日々の晩酌で鶴の系譜を味わいたい方に最適です。品薄ですが、定価での再販のチャンスはあります。
代替銘柄2:ニッカウヰスキー 宮城峡 シングルモルト (現行NV)
鶴の華やかさやエレガントな側面が特に好きだという方には、ブレンドの核となる原酒の一つである「宮城峡 シングルモルト」をおすすめします。
- 鶴との共通点: 鶴のブレンドに欠かせない、フルーティーで華やかな原酒そのものです。
- 味わいの特徴: シェリー樽や新樽のモルトが加えられており、軽快な中にも深みと厚みが感じられます。鶴の持つ「エレガントさ」や「フルーティーさ」をダイレクトに感じることができます。
- おすすめポイント: 鶴をハイボールや水割りで楽しんでいた方にとって、その華やかな香りが失われにくい宮城峡は、非常に満足度の高い代替品となります。
代替銘柄3:キリン 富士 (FUJI)
ニッカウヰスキー以外で、鶴の持つ「円熟したブレンデッドウイスキー」の要素を探すなら、キリンディスティラリーの「富士(FUJI)」が有力な候補になります。富士御殿場蒸溜所で造られるこの銘柄は、世界的な評価も高いブレンデッドウイスキーです。
- 鶴との共通点: 熟成されたグレーンウイスキーがブレンドの核となっており、鶴と同様に非常に滑らかでまろやかな口当たりを実現しています。
- 味わいの特徴: 富士山麓の伏流水で仕込まれた原酒は、クリーンでクリアな味わいが特徴。ストレートでもロックでも、その滑らかさと繊細な風味が際立ちます。
- おすすめポイント: 鶴のような上品な口当たりのブレンデッドウイスキーを求めている方には、ぜひ試していただきたい銘柄です。
これらの代替銘柄を飲みながら、「鶴」の再販を気長に待つのが、今のウイスキーファンの賢い選択かもしれませんね。(ニッカウヰスキー現行品ラインナップ)
ニッカウヰスキーの主力商品「竹鶴」との違いは?
ニッカウヰスキーには「鶴」の他に、創業者竹鶴政孝の名を冠した「竹鶴」という主力商品があります。どちらも同じ創業者に由来し、高級路線のウイスキーであるため、混同されることも多いですが、この二つの銘柄は明確に異なる特徴を持っています。
決定的な違いは「グレーンウイスキー」の有無
「鶴」と「竹鶴」の最も決定的な違いは、ブレンドに使用されている原酒の種類です。
ニッカ 鶴 (TSURU)
- 分類: ブレンデッドウイスキー
- 原酒構成: 余市モルト + 宮城峡モルト + 熟成グレーンウイスキー
- 特徴: グレーンウイスキーが入ることで、モルトの個性を活かしつつ、全体が非常にまろやかで円熟した味わいに仕上がります。竹鶴氏が追求した「ブレンデッドウイスキーの理想形」です。
ニッカ 竹鶴 (TAKETSURU)
- 分類: ピュアモルトウイスキー(ヴァッテッドモルト)
- 原酒構成: 余市モルト + 宮城峡モルト
- 特徴: グレーンウイスキーを一切使用せず、モルト原酒のみをブレンドして造られています。そのため、モルト由来の芳醇さや、ピーティーさ、フルーティーさといった個性が強く際立ちます。
つまり、「鶴」は、より「滑らかさ」「まろやかさ」「調和」を追求したエレガントなブレンデッドウイスキーであり、「竹鶴」は、「モルトの個性」「力強さ」「複雑さ」を追求したピュアモルトウイスキーなのです。
味わいのキャラクター比較
テイスティングにおいて、この違いは明確に現れます。
| 鶴 (TSURU) | 竹鶴ピュアモルト (TAKETSURU) | |
| 口当たり | シルクのように滑らかで円熟。 | モルトらしい骨格があり、やや力強い。 |
| 香り | 華やかで上品、ハチミツやバニラが優勢。 | 芳醇で複雑、ピートとフルーツが拮抗。 |
| 目的 | 最高級の「ブレンデッド」を極める。 | モルトの個性を融合させる。 |
竹鶴氏自身は、モルトウイスキー(竹鶴)だけでなく、グレーンウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキー(鶴)にも強いこだわりを持っていました。彼にとって、「鶴」はブレンダーとしての芸術の結晶であり、「竹鶴」はスコッチの伝統を継承しつつ、日本の風土で育んだモルトの個性を表現するものであったと言えるでしょう。
どちらもニッカウヰスキーの最高峰に位置する銘柄ですが、目指したウイスキーのタイプが根本的に異なっているのです。
ニッカ鶴のボトルが持つ芸術的な魅力とは
ニッカ鶴が単なる高級ウイスキーに留まらず、なぜコレクターズアイテムとして愛され続けているのか。それは、その美しいボトルデザインにも大きな理由があります。竹鶴政孝氏の理想が詰まった中身だけでなく、外見にも日本の伝統美とエレガンスが凝縮されているのです。
日本的なモチーフ「鶴」の優雅さ
「鶴」という名前が示す通り、ボトルには日本の象徴的な鳥である「鶴」のモチーフが用いられています。鶴は長寿や夫婦円満の象徴とされ、日本では非常に縁起の良い鳥として尊ばれてきました。
特に古い時代のボトルや陶器ボトルには、鶴が舞い飛ぶ姿や、松竹梅などの伝統的な装飾が施されており、ボトルそのものが一つの美術工芸品のような趣を持っています。
棚に飾っておくだけで、その空間を格調高く演出してくれるデザインは、ウイスキーという洋酒でありながら、見事に日本文化のエッセンスを取り入れた成功例と言えるでしょう。
ボトルデザインの変遷とコレクター価値
「鶴」は、時代の流れとともにボトルデザインを何度か変更しています。この変遷が、コレクター心をくすぐる要因の一つとなっています。
- 初期の陶器ボトル: 最も希少性が高いとされるのが、鶴のレリーフが施された純白の陶器ボトルです。非常に重厚感があり、現在の市場では数十万円で取引されることもあります。竹鶴氏のこだわりが最も詰まっているとされるボトルです。
- スリムボトル(旧ラベル): 比較的古い時代に流通していた、細身でエレガントな形状のガラスボトルです。現在のウイスキーボトルにはない、独特のクラシカルな雰囲気を持ち、オールドボトルファンに人気が高いです。
- 蒸溜所限定NVボトル: 終売直前まで販売されていたのが、このシンプルなデザインのガラスボトルです。透明なガラスに「鶴」の文字が美しく映え、モダンな印象を与えますが、それでも他のニッカ銘柄とは一線を画す、洗練された佇まいを持っています。
これらのボトルは、中身のウイスキーが空になっても、捨てられずに大切に保管されることが多いです。それは、ボトルそのものがニッカウヰスキーの歴史を伝える貴重な遺産だからでしょう。特に、状態の良い初期のボトルを見つけることができたら、それは運命的な出会いかもしれません。(ニッカ鶴 ボトルデザインの歴史)
ニッカ鶴を飲むなら「この飲み方」がおすすめ!
もし運良くニッカ鶴のボトルを入手したり、ウイスキーバーで一杯だけ飲むチャンスに恵まれたりしたら、その至高の味わいを最大限に引き出す飲み方を知っておくべきです。
鶴は繊細かつ重厚なブレンデッドウイスキーですから、最もおすすめしたいのは、やはりその香りと複雑さをじっくりと味わえる飲み方です。
王道にして最上:ストレート
鶴の真髄を味わうための飲み方は、やはりストレートです。チェイサー(水)を用意し、小さなグラスに少量ずつ注いで、時間をかけて楽しんでください。
- 温度: 常温(20℃前後)が最適です。冷やしすぎると、せっかくの複雑なアロマが閉じてしまいます。
- グラス: テイスティンググラス(チューリップ型)や、小さめのロックグラスを使うと、香りが立ちやすくなります。
- 楽しみ方: 一口飲む前に、グラスを軽く回し、立ち上る香りをじっくりと嗅いでください。フルーツ、ハチミツ、微かなスモーキーさ。時間とともに香りが変化していく様子を楽しめます。口に含んだら、すぐに飲み込まず、舌の上で転がし、シルクのような滑らかさを堪能してください。
終売となったボトルは、もう二度と市場には出ないかもしれません。ですから、ストレートで飲むことは、そのウイスキーの歴史と技術に対する最大の敬意を表することにも繋がります。
変化を楽しむ:トワイスアップ
ストレートは少し度数が強すぎる、あるいは、より香りを立たせたいという方にはトワイスアップがおすすめです。
- 作り方: ウイスキーと常温の水を、1:1で割る飲み方です。
- 特徴: 水を加えることで、アルコールの刺激が和らぎ、ウイスキーが持つ繊細な香りの成分が開きやすくなります。特に鶴のような複雑なアロマを持つボトルは、トワイスアップにすることで、隠れていた香りが花開くことがあります。
- 注意点: 氷は使わないようにしましょう。氷で冷やしてしまうと、せっかく開いた香りがまた閉じてしまいます。
ロックやハイボールは避けるべき?
もちろん、ウイスキーは個人の自由な飲み方で楽しむのが一番ですが、高騰した「鶴」を飲む際は、ロックやハイボールはあまり推奨できません。
| ロック | 氷で冷やしすぎるため、繊細なアロマや円熟したまろやかさが感じにくくなります。 |
| ハイボール | 炭酸と割ることで、ウイスキー本来の複雑な風味が大きく損なわれてしまいます。 |
これらは「鶴」の個性を打ち消してしまう飲み方です。もしロックやハイボールで楽しみたいのであれば、前述した代替銘柄や、他の現行ニッカウヰスキー(ブラックニッカなど)を試すことを強くおすすめします。せっかく手に入れた幻のボトルですから、ストレートやトワイスアップでじっくりと、その芸術を堪能しましょう。
終売したニッカ鶴を正規ルートで再販する可能性はある?
ウイスキーファンの間では、「鶴」や「竹鶴 17年」などの終売銘柄が、いつか再販されるのではないかという期待が常にあります。では、ニッカ鶴が正規の販売ルートで復活する可能性は本当にあるのでしょうか?
結論から言うと、現時点では「非常に難しい」というのが現実的な見方です。その理由を、ウイスキー製造の仕組みから解説します。
再販を阻む最大の壁:「熟成期間」
ウイスキーの再販を阻む最大の壁は、終売の理由となった「長期熟成原酒の不足」です。特に「鶴 17年」のようなエイジボトルを再販するためには、17年以上前に仕込まれた、十分な量の高品質な原酒が必要となります。
ニッカウヰスキーは、ブームを受けて蒸溜設備の増強や生産体制の強化を続けていますが、その増産された原酒が17年熟成の「鶴」として世に出るまでには、最低でもあと10年以上の歳月が必要です。さらに、熟成中に品質のチェックもありますから、実際にはもっと長い時間がかかるでしょう。
そのため、近いうちに「鶴 17年」が復活することは、現実的には考えられません。
ノンエイジボトルの再販の可能性
熟成年数表記のない「鶴 ノンエイジ」であれば、理論上は比較的短い熟成期間の原酒も使えるため、再販の可能性はゼロではありません。
しかし、ニッカ鶴はニッカウヰスキーの最高峰ブランドの一つであり、その品質を落としてまで安易に再販することは、ブランドイメージの低下に繋がりかねません。メーカー側も、鶴の品質を維持するためには、ある程度熟成した原酒を確保する必要があるでしょう。
もし再販されるとすれば、それはニッカウヰスキーが「鶴の品質を維持できるだけの長期熟成原酒のストック」が十分に確保できたと判断した時でしょう。その日まで、私たちは気長に待つしかありません。
メーカーが取り組む「原酒育成」の努力
ニッカウヰスキーは、現行品である「竹鶴 NV」や「余市 NV」「宮城峡 NV」の供給を優先しつつ、将来のエイジボトル復活に向けて着々と原酒の育成を進めています。(ニッカウヰスキー公式サイト)
増産体制が整えば、数年後には「鶴」に匹敵する、あるいはそれを超える新たなブレンデッドウイスキーが誕生するかもしれません。ファンの期待に応えるため、メーカーは並々ならぬ努力を続けていることは間違いありません。
私たちが今できることは、現行のニッカウヰスキー製品を楽しみながら、将来の「鶴」復活のニュースを心待ちにすることでしょう。終売は残念ですが、それがウイスキーの魅力の一つでもあります。市場に姿を現す日を、楽しみに待ちましょう。
ニッカ鶴は贈答品・コレクションとして価値がある?
終売となり、市場価格が高騰しているニッカ鶴のボトルは、「飲む」以外に、「贈る」あるいは「コレクションする」という目的においても非常に高い価値を持っています。特に、ウイスキー好きの知人や、大切な人への贈り物、あるいは自身の資産としての価値を考える方も多いでしょう。
贈答品としての「鶴」の価値
ニッカ鶴を贈答品として選ぶのは、最高のセンスと心遣いを示す行為と言えるでしょう。その理由は以下の通りです。
- 希少性: 既に製造されていない「幻のボトル」であるため、手に入りにくいものを贈るという行為自体が、相手への敬意や特別な思いを伝えることができます。
- ブランド力: ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏の最高傑作というストーリー性があり、ウイスキーに詳しくない人にもその価値を理解してもらいやすいです。
- デザイン: 鶴をモチーフにした優雅なボトルは、贈答品としての見栄えが非常に良く、飾っておける美術品のような価値があります。
特に「鶴 17年」のように熟成年数表記があり、化粧箱が揃っているボトルは、誕生日や還暦祝いなどの特別な記念日の贈り物として最適です。ただし、市場価格が非常に高いため、贈る際は予算に十分注意が必要です。
コレクション・投資対象としての魅力
近年、ジャパニーズウイスキーは、その希少性と世界的な需要の高まりから、美術品や宝飾品と同じように投資対象として扱われることが増えています。ニッカ鶴は、その中でも特に有望なコレクションアイテムの一つです。
- 価値の安定性: 一度終売となった長期熟成ウイスキーは、市場の在庫が減る一方であるため、価値が下がるリスクが低く、長期的に安定した価値上昇が期待できます。
- 歴史的意義: 竹鶴氏の晩年の作品という歴史的意義があり、ウイスキー史における重要性が失われることはありません。
- 陶器ボトルの独自性: 特に古い陶器ボトルは、その美術的価値から、ウイスキーの中身がなくても高値で取引されるほどです。
もちろん、投資にはリスクが伴いますので、購入の際は慎重な判断が必要ですが、「鶴」はウイスキー愛好家だけでなく、資産形成に興味がある方にとっても魅力的な存在と言えるでしょう。コレクションとして楽しむのであれば、液面低下を防ぐために、冷暗所で立てて保管するように心がけてくださいね。
ニッカ鶴のようなブレンデッドウイスキーを楽しむための知識
ニッカ鶴はブレンデッドウイスキーの最高峰の一つですが、この「ブレンデッド」というカテゴリーには、奥深い魅力が詰まっています。
モルトウイスキー(大麦麦芽)とグレーンウイスキー(トウモロコシなどの穀物)を混ぜ合わせるブレンデッドは、各蒸溜所の個性を調和させるブレンダーの技術が光るジャンルです。鶴の魅力を理解するために、ブレンデッドウイスキーの基本的な知識を深めてみましょう。
ブレンデッドウイスキーの役割
モルトウイスキーは個性が強く、ピーティーさやフルーティーさなど、尖った味わいを持つことが多いです。これに対し、グレーンウイスキーは比較的穏やかで、軽やかでスムースな口当たりをもたらします。
ブレンダーは、この二つの原酒を、まるでオーケストラの指揮者のようにブレンドします。目的は、それぞれの長所を活かしつつ、短所を補い合い、「個性が調和した、より飲みやすく、複雑なウイスキー」を生み出すことです。
ニッカ鶴の場合、長期熟成のグレーンウイスキーをブレンドに用いることで、モルトの重厚さを包み込み、あの極上の円熟味を実現しています。ブレンデッドは、モルトとグレーンのバランスこそが命なのです。
ブレンデッドウイスキーの楽しみ方
鶴のような高級ブレンデッドウイスキーは、その調和された味わいを活かして、様々なシーンで楽しめます。
- 食後酒として: 鶴の持つ華やかな香りと、長い余韻は、食後のリラックスタイムに最適です。特にチョコレートやドライフルーツなどのデザートとの相性が抜群です。
- 特別な席で: 贈答品としても価値のある鶴は、大切な人との記念日や、昇進祝いなど、人生の節目を祝う場面にふさわしいお酒です。
- テイスティング: 他のブレンデッドウイスキー(例えば、竹鶴を除く他のニッカのブレンデッド)と飲み比べることで、鶴がどれだけ卓越したブレンディング技術によって作られているかを体感できます。(ジャパニーズ ブレンデッド ウイスキーの比較)
鶴の終売は寂しいですが、これを機にブレンデッドウイスキーというジャンルに興味を持ち、ニッカウヰスキーが現在販売している他のブレンデッドにも目を向けてみるのはいかがでしょうか。きっと、新たな発見があるはずです。
「鶴」と名前がつくニッカの他のボトルにもプレミアがついている?
ニッカウヰスキーには「鶴」という名前を持つボトルがいくつか存在しましたが、これらにもプレミア価格がついているのかどうかは、非常に気になるところです。
結論から言うと、「鶴」の冠を持つボトルは、その希少性とブランドイメージの高さから、ほとんど全てが市場で定価を上回るプレミア価格で取引されています。特に、古い時代に発売されたオールドボトルは、その傾向が顕著です。
「鶴」ブランドの周辺銘柄の動向
「鶴」のブランドには、熟成年数や発売時期、販売場所によって様々なバリエーションが存在しました。以下に、その中でも特に注目されているボトルと市場の動向を解説します。
ニッカ鶴 17年 ミニチュアボトル
通常のフルボトルだけでなく、50mlのミニチュアボトルも存在しました。これらのミニチュアボトルは、主に蒸溜所の限定ショップでのみ販売されていたため、市場に出回ることが非常に少なく、フルボトルに匹敵する、あるいはそれ以上の希少性を持つ場合があります。
コレクターの間では、このミニチュアボトルも高値で取引されており、「鶴」のミニチュアを集める専門のコレクターも存在するほどです。小さなボトルであっても、その中身とデザインはフルボトルと同じ品質と優雅さを持っています。
ニッカ鶴 (旧ラベル) スリムボトル
前述の通り、古い時代に発売されていたスリムな形状のガラスボトルも、現在では高値で取引されています。特に液面低下が少なく、ラベルの状態が良いものは、高い評価を受けます。
オールドボトルは、現行品とは異なる時代の原酒が使われているため、味わいが異なるとされ、その「時の味わい」を求めて、多くのファンが争奪戦を繰り広げています。
ニッカ鶴の陶器ボトルシリーズ
そして、最も美術的価値が高いのが陶器ボトルです。鶴のモチーフが美しく表現されたこれらのボトルは、中身が空であっても、そのボトルデザインだけでも高い価値があります。中身が入っているボトルであれば、その価値はさらに跳ね上がります。
これらのボトルは、単に「鶴」という名前がついているだけでなく、竹鶴政孝氏の理想が込められたウイスキーという背景と、日本の伝統的な美意識を融合させたパッケージデザインが、そのプレミア価値を支えているのです。
もしご自宅の棚の奥に、これらのボトルが眠っていたら、一度専門の買い取り業者に査定を依頼してみる価値は十分にあるでしょう。
ニッカウヰスキーの蒸溜所限定ボトルはなぜ終売になりやすいのか
ニッカ鶴のノンエイジボトルは、かつてニッカウヰスキーの蒸溜所(余市・宮城峡)でのみ限定販売されていました。しかし、この蒸溜所限定ボトルも、ほとんどが終売という運命を辿っています。なぜ、これらの限定品は終売になりやすいのでしょうか?
これは、ウイスキーメーカーの戦略と、市場の需要のバランスが大きく関わっています。
限定品の「使命」と「宿命」
蒸溜所限定ボトルは、その蒸溜所を訪れたファンへの「お土産」や、「その場所でしか手に入らない特別な体験」を提供するために企画されます。しかし、その製造には、通常のラインナップとは異なる特別な原酒が使われることが多く、製造量も非常に限られています。
- 原酒の特性: 鶴 NV の場合、鶴というブランドの品質を維持するために、通常のNVボトルよりもさらに厳選された良質な原酒が使われていたと推測されます。
- 供給量の限定: 限定品であるため、最初から製造量(ボトリング量)が少なく設定されています。
- 需要の急増: ジャパニーズウイスキーブームにより、蒸溜所を訪れる観光客が激増し、限定品の需要も爆発的に増加しました。
需要が急増する一方で、供給量が限られているため、メーカーは「在庫を確保し、ブランドの信頼を守る」ために、泣く泣く終売という決断を下さざるを得なかったのです。特に鶴のような最高級ブランドの限定品は、その品質維持が最優先事項であり、原酒が足りなくなれば、すぐに販売停止となる宿命を背負っていたと言えます。
再販されない理由
蒸溜所限定ボトルが一度終売になると、再販が難しい理由も、やはり原酒不足に尽きます。
現在、ニッカウヰスキーが持つ貴重な長期熟成原酒は、主力商品である「竹鶴 NV」や「余市 NV」「宮城峡 NV」といった現行品の安定供給のために優先的に使われています。限定品のために貴重な原酒を割く余裕は、現時点ではほとんどないと言えるでしょう。
再販を期待する気持ちは分かりますが、蒸溜所限定ボトルは「一期一会」の出会いを楽しむものと割り切って、もし見かけたら迷わず手に入れるくらいの覚悟が必要な時代なのです。(ニッカウヰスキー 限定品 終売の背景)
ニッカ鶴の終売がウイスキー市場に与えた影響
ニッカ鶴の終売は、単に一つの銘柄が市場から消えたというだけでなく、その後のジャパニーズウイスキー市場全体に大きな影響を与えました。特に、「高級ブレンデッドウイスキー」というジャンルの価値を再認識させるきっかけとなったのです。
ブレンデッドウイスキーの地位向上
ウイスキーの世界では、個性が際立つ「シングルモルト」が最高峰と見なされる傾向がありましたが、「鶴」は、ブレンデッドウイスキーの可能性と芸術性を証明しました。
創業者が最後に手がけたブレンデッドウイスキーが、これほどの高値で取引されるようになったことで、消費者の間で「熟練したブレンダーが手掛けた高級ブレンデッドは、シングルモルトに勝るとも劣らない価値がある」という認識が広まりました。これにより、他の高級ブレンデッドウイスキー(サントリーの響など)の市場価値も連動して高まることになりました。
プレミア価格の「常態化」
鶴をはじめとする高級エイジボトルの終売は、日本のウイスキー市場における「プレミア価格の常態化」を招きました。
終売品は定価の数十倍という価格で取引されるようになり、一般の消費者は「定価で買う」ことを諦め、「市場価格で購入する」という新たな消費行動が生まれました。これは、ウイスキーが「飲むもの」から「希少な資源、投資の対象」へと変化したことを意味しています。
この流れは、現行品にも波及し、現在でも「竹鶴 NV」をはじめとする人気銘柄は品薄状態が続いています。
今後の市場予測
ニッカウヰスキーは、増産を続けていますが、その成果が高級エイジボトルとして結実するには、前述の通りまだ長い時間がかかります。そのため、「鶴」の市場価格がすぐに下落することは考えにくいでしょう。
むしろ、世界的なジャパニーズウイスキーの需要がさらに高まれば、今後も緩やかに価値が上昇していく可能性が高いと予測されます。
鶴の終売は、日本のウイスキーの黄金期の一つの終わりを告げるとともに、新たな価値観と市場の幕開けを象徴する出来事だったと言えるでしょう。
ニッカ鶴の終売は「竹鶴政孝の夢」にどう影響したか
ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏は「日本の風土に合った本物のウイスキーを造る」という夢を掲げ、その生涯をウイスキー造りに捧げました。彼が最後に完成させたのが「鶴」というブレンデッドウイスキーでした。この「鶴」の終売は、彼の夢や遺産にどのような影響を与えたのでしょうか。
「ブレンデッドの理想」の継承
竹鶴氏は、モルトウイスキー(竹鶴)だけでなく、スコッチの伝統を重んじ、ブレンデッドウイスキーの重要性も深く認識していました。彼が鶴に託したのは、モルトとグレーンが完璧に調和した「ブレンデッドの理想」です。
鶴が終売となったことは、物理的には残念ですが、その「ブレンディング技術の粋」は、ニッカウヰスキーの現行品にしっかりと継承されています。例えば、「ザ・ニッカ」や「ブラックニッカ」などのブレンデッドウイスキーにも、鶴で培われた最高峰の技術と哲学が活かされています。
つまり、「鶴」の終売は、竹鶴氏の夢が終わりを迎えたのではなく、その夢が「希少なレガシー」として後世に語り継がれるとともに、現行の様々な銘柄に分散して息づいている、と解釈するのが正しいでしょう。
「幻」となったことで高まったブランド価値
終売となり「幻のボトル」となったことは、皮肉にも「鶴」というブランドの価値を、かつてないほど高める結果となりました。誰もが簡単に飲めなくなったことで、その味は伝説化し、竹鶴政孝氏の偉大さを象徴する存在となりました。
もし「鶴」が今も定価で店頭に並んでいたとしたら、これほどの注目を集めることはなかったかもしれません。終売という決定は、ニッカウヰスキーのブランド力を長期的に高め、創業者竹鶴政孝の功績をより広く、深く人々に伝えるという、予期せぬ形で彼の夢を支える結果となったのです。彼のウイスキー造りの情熱は、今もニッカウヰスキーのすべてのボトルに脈々と受け継がれています。
ニッカ鶴の終売にまつわる「よくあるQ&A」
ニッカ鶴の終売については、多くのファンが様々な疑問を持っています。ここでは、特に検索ユーザーから寄せられがちな「よくある質問」について、モモストアが回答します。
Q1: ニッカ鶴はもう二度と再販されないのですか?
A: 現状、正規の再販は非常に難しいと言えます。
最大の理由は、終売の原因となった長期熟成原酒の不足が解消されていないためです。特に「鶴 17年」のようなエイジボトルが復活するには、最低でも10年以上の準備期間が必要だと考えられます。ノンエイジボトルに関しても、品質維持のため、安易な再販は行われないでしょう。再販を待つよりも、他の現行のニッカウヰスキーを楽しむことをお勧めします。
Q2: 「鶴」の偽物が出回っている可能性はありますか?
A: 希少な高額終売品であるため、偽物のリスクはゼロではありません。
特にオークションサイトやフリマサイトなど、個人間での取引では注意が必要です。高額なボトルを購入する際は、ボトルのキャップの状態、ラベルの印刷、液面(ウイスキーの量)などを写真で細かく確認しましょう。信頼できる大手通販サイトの専門業者から購入するのが、最もリスクが低い方法です。
Q3: 鶴に似た、あまり高騰していないおすすめのニッカウイスキーはありますか?
A: 現行品の「ザ・ニッカ」がおすすめです。
「ザ・ニッカ」は、ニッカウヰスキーのブレンデッドウイスキーの技術の粋を集めた銘柄であり、鶴と同じようにモルトとグレーンが調和したまろやかな味わいが特徴です。鶴ほどの長期熟成感はないかもしれませんが、そのエレガンスなブレンディングは「鶴」の系譜を感じさせてくれます。定価で手に入るチャンスも増えてきています。
Q4: ニッカ鶴の陶器ボトルは、中身がなくても価値がありますか?
A: はい、非常に高い価値があります。
特に古い時代の陶器ボトルは、その美術工芸品としての価値が非常に高いため、中身が空であってもコレクターズアイテムとして高値で取引されることがあります。もし空の陶器ボトルをお持ちであれば、一度買取業者に査定を依頼してみることをおすすめします。
終売の「鶴」を探すならこのサイトをチェック!
ニッカ鶴は終売となってしまいましたが、その魅力は衰えることを知りません。最後に、現在「鶴」を探す上で、モモストアが推奨するチェックすべきサイトをまとめます。
大手ECサイトの活用
最も品揃えが豊富で、ボトルの状態に関する情報が比較的信頼できるのが、大手ECサイトです。ただし、価格は市場価格(プレ値)となります。
- Amazon:国内外の並行輸入業者が多く出店しており、様々なバリエーションの鶴が見つかる可能性があります。
- 楽天市場:国内の老舗酒販店が多く出店しており、稀に良質なオールドボトルが出品されることがあります。
- Yahoo!ショッピング:楽天市場と同様に、信頼できる酒販店の出店が多く、価格比較にも便利です。
フリマ・オークションサイトの活用
安く手に入る可能性がある反面、リスクも伴うのがフリマ・オークションサイトです。
- メルカリ/ヤフオク: 個人間の取引がメインとなります。購入前に必ず出品者の評価と、ボトルの状態(写真)を細かくチェックしましょう。価格交渉の余地がある場合もあります。
終売品の購入は、相場をしっかり理解し、冷静に判断することが重要です。ニッカ鶴との運命的な出会いがあることを願っています!

