竹鶴17年の終売はなぜ?再販はある?高騰する価格と味わい深い代替銘柄を徹底解説
竹鶴17年――この名前を聞くと、多くのウイスキーファンはため息を漏らすかもしれません。
かつては手が届く価格で、その美しい味わいを誰もが楽しめた銘柄でしたが、今や市場から姿を消し、手に入れることが極めて難しくなってしまいました。
「どうして終売になったの?」「もう二度と飲めないの?」そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ウイスキーライターであるモモストアが、竹鶴17年が販売休止(事実上の終売)となった本当の理由を深掘りしつつ、現在の驚くべき市場価格、そして再販の可能性について詳しく解説していきます。
さらに、竹鶴17年の代わりとなる素晴らしい銘柄や、お手持ちのボトルを賢く売却する方法まで、ファン必見の情報をお届けします。どうぞ最後までご覧ください。
・「竹鶴17年」が買えない!現在の市場価格(定価との比較)を徹底調査
・終売から数年…「竹鶴17年」は今後再販される見込みはあるのか?
・幻となった「竹鶴17年」の持つ唯一無二の魅力とテイスティングノート
・竹鶴17年が終売となった今、手を出すべき「ジャパニーズウイスキー」の代替品5選
- 竹鶴17年の終売(販売休止)が発表された本当の理由
- 「竹鶴17年」が買えない!現在の市場価格(定価との比較)を徹底調査
- 終売から数年…「竹鶴17年」は今後再販される見込みはあるのか?
- 幻となった「竹鶴17年」の持つ唯一無二の魅力とテイスティングノート
- 竹鶴17年が終売となった今、手を出すべき「ジャパニーズウイスキー」の代替品5選
- モモストアおすすめ!竹鶴17年の代わりになる「スコッチウイスキー」の銘柄
- 竹鶴ブランドの未来はどうなる?現行「竹鶴ピュアモルト」との違い
- もし家に未開封の竹鶴17年があったら?賢い売却・買取方法と相場
- 竹鶴17年を奇跡的に定価で手に入れるための入手ルートと心構え
- 竹鶴17年の価格高騰はいつまで続く?ウイスキー市場の現状と未来
- 竹鶴17年の製造元、ニッカウヰスキーの歴史と竹鶴政孝の情熱
- 竹鶴17年と兄弟!余市・宮城峡の10年・12年・15年ボトルも追うべきか?
- 竹鶴17年が愛された理由!世界的なコンペティションでの受賞歴
- 竹鶴17年の終売がもたらした「ジャパニーズウイスキー投資」の現実
- 竹鶴17年を愛した人へ!モルトウイスキーの美味しい飲み方提案
- 竹鶴17年ファンなら知っておきたい!ニッカウヰスキーの隠れた逸品
- 竹鶴17年を手に入れたら!メルカリやヤフオクなどの個人売買の注意点
- Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでプレミアムウイスキーを探す際のコツ
- 終わりに:竹鶴17年を超えて広がるモルトウイスキーの旅
竹鶴17年の終売(販売休止)が発表された本当の理由

竹鶴17年が市場から姿を消した理由は、非常にシンプルかつ深刻なものです。それは、「原酒不足」に尽きます。
日本のウイスキーが世界的なブームとなったことで、需要が爆発的に増加しました。特に「竹鶴17年」のように熟成年数を明記したエイジド(熟成)ボトルは、原酒の確保が必須となります。
竹鶴17年は、その名の通り、最低でも17年以上熟成させたモルト原酒のみをブレンドして作られています。ということは、このボトルを発売するためには、少なくとも17年前に蒸溜されたモルト原酒が必要になるわけです。
ニッカウヰスキーを代表する竹鶴政孝の功績が称えられ、ジャパニーズウイスキーの品質が世界で認められ始めたのは、実はここ十数年の話です。
1990年代から2000年代初頭にかけては、現在のようなウイスキーブームは起こっておらず、当時の蒸溜所は現在の爆発的な需要を予測できていなかったのです。そのため、17年以上前の原酒の在庫が、今の需要に全く追いつかなくなってしまいました。
販売休止という言葉に込められたニッカの苦渋の決断
2019年3月末をもって、「竹鶴17年」を含む竹鶴ブランドのエイジドボトル(21年、25年なども)は販売休止となりました。メーカー側は「終売」ではなく「販売休止」という言葉を使いましたが、これは事実上の終売と捉えられています。
なぜ「休止」という表現を使ったのでしょうか?
それは、ニッカウヰスキーが未来の再販の可能性を完全に否定したくなかったという思いの表れだと考えられます。しかし、ウイスキーの製造には時間がかかります。17年物を再販するためには、今から仕込んでも17年後を待つ必要があります。
この決断の裏には、ニッカウヰスキーの「品質を守る」という強いこだわりがありました。原酒を無理に使うことで品質を落とすことを良しとせず、「竹鶴17年」の味わいを保てないなら、潔く市場から引き上げるという、創業者・竹鶴政孝の精神が貫かれた判断だったと言えるでしょう。
特に竹鶴17年は、モルトウイスキーの持つ優雅さと複雑さが最高峰のバランスで表現された銘柄であり、そのクオリティを維持することが何よりも重要だったのです。この販売休止は、世界のファンにとっては残念なニュースでしたが、ジャパニーズウイスキーの信頼性を守る上では避けて通れない道だったと、モモストアは考えています。
| 銘柄 | 熟成年数 | 販売休止時期 | 休止の背景 |
| 竹鶴17年 | 17年 | 2019年3月末 | 熟成原酒の深刻な不足 |
| 竹鶴21年 | 21年 | 2019年3月末 | 熟成原酒の深刻な不足 |
| 響17年 (サントリー) | 17年 | 2018年9月 | 同様に熟成原酒が不足 |
このように、竹鶴17年だけでなく、同時期に多くのジャパニーズウイスキーのエイジドボトルが休売・終売となりました。これほどまでに日本のウイスキーが世界に求められている証拠とも言えますね。
「竹鶴17年」が買えない!現在の市場価格(定価との比較)を徹底調査
竹鶴17年の販売休止から数年が経過し、現在の市場価格は驚くほどの高騰ぶりを見せています。もはや「お酒」というより「資産」に近い価値を持つようになっているのが現状です。
かつての定価を知っている方からすれば、今の価格は信じられないかもしれません。モモストアが調査した、定価と現在の二次流通市場における価格を比較してみましょう。
定価と現在の価格差はなんと10倍以上!
竹鶴17年の終売が発表された時点での希望小売価格(定価)は、税抜きで10,000円でした。これは、17年という長い熟成期間を考慮しても、非常に良心的な価格設定でした。ウイスキーファンにとっては、まさに手の届く高級品だったのです。
しかし、終売が確定して以降、市場価格は急騰しました。特に海外のオークションなどでは高値で取引されており、その人気は衰えを知りません。
現在の市場価格は、ボトルの状態やラベルの種類(旧ボトルか新ボトルか)にもよりますが、おおよそ以下のようになっています。
- 終売時の希望小売価格: 10,000円(税抜)
- 現在の二次流通市場価格(販売): 100,000円~150,000円程度
- オークションでの落札価格: 120,000円~180,000円程度
この価格差を見ると、いかに竹鶴17年というウイスキーが「幻の銘柄」となってしまったかが分かりますよね。定価の10倍以上の価格で取引されていることからも、その希少性が際立っています。特に、箱付きや状態の良いボトルは、さらに高値で取引される傾向にあります。
もし現在、ご自宅に未開栓のボトルをお持ちであれば、それは非常に価値の高いものだということを認識しておいてください。詳しくは後述しますが、売却を検討する際にも、相場をしっかり把握しておくことが大切です。
価格高騰の背景にある「竹鶴」ブランドの権威
竹鶴17年が高騰しているのは、単に終売になったからだけではありません。その背景には、ニッカウヰスキーの創業者であり、「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏の名前を冠したブランドであるという権威があります。
竹鶴ブランドは、創業者の情熱と技術が詰まった、ニッカウヰスキーのフラッグシップブランドの一つです。特にエイジドボトルは、スコットランドの伝統と日本の風土が融合した独自の味わいを持っているため、世界中のウイスキー愛好家から常に高い評価を受けています。
また、竹鶴17年が特に人気を集めた理由として、数々の国際的なコンペティションで受賞を重ねてきた実績も挙げられます。
例えば、国際的な品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」では、何度も「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト」を受賞しており、その品質は折り紙付きです。このような確固たる受賞歴が、終売後も価格を下げることなく、むしろその伝説性を高めている要因となっているのです。
二次流通市場でボトルを購入する際は、偽造品の恐れもあるため、信頼できるルートから購入するようにしましょう。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングでも、信頼できる店舗が出品していることもありますが、価格は非常に高くなっています。購入前に偽物との見分け方(外部リンク)なども参考にすることをおすすめします。
終売から数年…「竹鶴17年」は今後再販される見込みはあるのか?
最も多くのファンが抱える疑問、「竹鶴17年はもう二度と再販されないのだろうか?」について、モモストアの見解を交えてお話しします。結論から申し上げますと、「極めて可能性は低い」と言わざるを得ません。
この「極めて低い」という表現は、ニッカウヰスキーの現状と、ウイスキー製造の原理原則から導き出されます。
ウイスキー再販の壁「17年という時間」
先述の通り、竹鶴17年の終売は原酒不足が原因です。ウイスキーは、一度蒸溜された後、樽の中で最低17年間寝かせる必要があります。この時間だけは、どのような技術を使っても短縮することはできません。
ニッカウヰスキーは、ブームが到来して以降、原酒の仕込み量を大幅に増やしていますが、その原酒が竹鶴17年として使えるようになるのは、早くても10年以上先の話になります。
また、ただ17年が経過すれば良いというわけではありません。竹鶴17年という銘柄の味わいを保つためには、複数の蒸溜所の17年以上の原酒を、ブレンダーが最高のバランスでブレンドする必要があります。そのためのストックを十分に確保できる状態になるには、さらに時間がかかると考えられます。
メーカーとしては、現行のノンエイジ(熟成年数表記なし)の「竹鶴ピュアモルト」の供給を安定させることが最優先であり、エイジドボトルは慎重に扱う方針であると推測されます。
サントリーとの比較から見るニッカの戦略
同時期にサントリーの「響17年」なども販売休止となりましたが、サントリーはその後「響 JAPANESE HARMONY」など、ノンエイジながら高品質なウイスキーを安定供給する体制を築いています。
ニッカウヰスキーも、同様にノンエイジの「竹鶴ピュアモルト」をリニューアルし、その品質を高めています。これは、「エイジドボトルが無くても、竹鶴の品質は維持できる」というメッセージでもあります。
ただし、絶望する必要はありません。ニッカウヰスキーは、不定期に数量限定で「余市」や「宮城峡」の特定の熟成年数ボトルを発売することがあります。これらのリリースは、竹鶴17年の代替となる高品質なモルトウイスキーとして、非常に注目されています。もし再販があるとすれば、数年に一度の「限定再リリース」という形になる可能性が最も高いでしょう。この情報を逃さないように、ニッカウヰスキーの公式サイト(外部リンク)は定期的にチェックしておくことをおすすめします。
| 再販の可能性 | 理由 |
|---|---|
| 極めて低い | 17年以上の熟成期間が必要なため、原酒確保に時間がかかる。 |
| 限定リリース | 数年に一度、数量限定での「抽選販売」といった形で復活する可能性はゼロではない。 |
| 代替品の充実 | 現行の「竹鶴ピュアモルト」や「余市」「宮城峡」のノンエイジボトルで品質を維持している。 |
幻となった「竹鶴17年」の持つ唯一無二の魅力とテイスティングノート
竹鶴17年が、なぜこれほどまでに多くのファンに愛され、終売後も高騰し続けているのでしょうか。その答えは、やはりその唯一無二の「味わい」にあります。
竹鶴17年は、ニッカウヰスキーが誇る2つのモルト蒸溜所、「余市」と「宮城峡」の原酒をバランス良くブレンドした「ピュアモルトウイスキー」(ヴァッテッドモルトとも呼ばれます)です。この2つの蒸溜所が持つ個性が、17年という長い熟成期間を経て、最高のハーモニーを生み出しています。
余市と宮城峡、二つの個性から生まれる芸術
ブレンドの核となる余市モルトは、石炭直火焚き蒸溜によって作られる、力強く、重厚で、豊かなピート(泥炭)香が特徴です。北海道という厳しい自然の中で育まれ、潮風を感じさせるような塩気や、どっしりとした麦芽の旨味を感じさせます。
一方、宮城峡モルトは、蒸気間接加熱によって作られる、エレガントで華やか、フルーティーな香りが特徴です。穏やかな気候の中で育まれ、シェリー樽由来の甘さや、軽やかな飲み口を提供します。
竹鶴17年は、この「重厚で力強い余市」と「エレガントで華やかな宮城峡」の原酒を、卓越したブレンダーの技術でブレンドしています。結果として、両者の良いところを最大限に引き出した、複雑で洗練された味わいが生まれるのです。
モモストアが綴るテイスティングノート
モモストアがテイスティングした際の印象を、詳しくご紹介します。もし、手元に竹鶴17年のミニボトルなどがあれば、ぜひこのテイスティングノートを参考に、ゆっくりと時間をかけて味わってみてください。
| 項目 | 竹鶴17年の特徴 |
|---|---|
| 香り(Nose) | 熟した洋梨やオレンジピールのような柑橘系の華やかさが最初に広がります。奥にバニラやトフィーのような甘い香り、そして微かに上品なピート香が感じられます。全体的に非常に複雑で落ち着いた印象です。 |
| 味わい(Palate) | 口に含むと、シルクのように滑らかな口当たり。力強いモルトの旨味が舌を覆いますが、すぐにシェリー樽由来の甘さとチョコレートのようなビターさが追いかけてきます。アルコール感は全く刺さらず、非常に円熟しています。 |
| フィニッシュ(Finish) | 長く、穏やか。甘さとスモーキーさのバランスが絶妙で、わずかなスパイス感が舌の奥に残ります。余韻の長さが、このウイスキーの熟成感を物語っています。 |
竹鶴17年の魅力は、その「バランスの良さ」です。どこか一つの個性が突出しすぎることなく、全ての要素が高いレベルで調和している。これこそが、世界が認めた竹鶴17年の真髄と言えるでしょう。
竹鶴17年が終売となった今、手を出すべき「ジャパニーズウイスキー」の代替品5選
竹鶴17年の価格が高騰し、気軽に手が出せなくなった今、多くのウイスキーファンが探しているのは「竹鶴17年に近い満足感を得られるボトル」ではないでしょうか。
もちろん、全く同じ味わいを持つウイスキーは存在しませんが、竹鶴17年の持つ「重厚さ」「華やかさ」「円熟味」の要素を兼ね備えた、優れたジャパニーズウイスキーは存在します。モモストアが自信を持っておすすめする代替品を5つご紹介します。
代替品選びのポイントは「モルト原酒」と「熟成年数」
竹鶴17年は「ピュアモルト(ブレンデッドモルト)」であり、グレーンウイスキーを使っていません。そのため、代替品を選ぶ際も、できるだけモルトの個性や熟成感がしっかりと感じられるものを選ぶのがポイントです。
- ニッカウヰスキー 余市 シングルモルト ノンエイジ
竹鶴17年のブレンドの核となる原酒の一つです。竹鶴17年よりもピート(スモーキーさ)が強く、力強いモルトの味わいをストレートに楽しめます。終売の竹鶴17年が持つ「重厚さ」の部分を追求したい方におすすめです。 - ニッカウヰスキー 宮城峡 シングルモルト ノンエイジ
こちらも竹鶴17年のブレンドに使われる原酒です。余市とは対照的に、フルーティーで華やかな香りと、エレガントな口当たりが特徴。竹鶴17年が持つ「華やかさ」や「飲みやすさ」を重視したい場合に最適な選択肢となります。 - サントリー 響 JAPANESE HARMONY
竹鶴17年と同じく、複数のモルトとグレーンをブレンドしたウイスキーですが、そのブレンド技術は世界最高峰。日本の四季を表現したような繊細で複雑な味わいがあり、竹鶴17年の「調和の取れた円熟味」に最も近い満足感を得られるボトルの一つです。 - サントリー 山崎 ノンエイジ
日本のシングルモルトの代表格。特にミズナラ樽由来の独特な伽羅(きゃら)香が特徴的で、竹鶴17年とはまた違った、日本の風土を感じさせる深い味わいがあります。価格が高騰していますが、まだ比較的入手しやすい状況にあります。 - イチローズモルト モルト&グレーン ワールドブレンデッド
埼玉県秩父蒸溜所の肥土伊知郎氏が手掛けるウイスキー。ジャパニーズウイスキーの枠を超えて、世界のモルト原酒もブレンドされていますが、非常に高い技術で飲みやすくも個性的な味わいに仕上がっています。新しい挑戦をしたい方におすすめです。
これらの銘柄は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった主要なオンラインストアでも購入可能です。特にノンエイジボトルは、価格も安定しており、日常的に楽しめる品質を備えていますので、ぜひ試してみてください。
モモストアおすすめ!竹鶴17年の代わりになる「スコッチウイスキー」の銘柄
竹鶴17年の終売は残念ですが、視野を世界に広げれば、竹鶴17年と同じように17年という長い熟成を経た素晴らしいスコッチウイスキーがたくさんあります。スコッチウイスキーは、ジャパニーズウイスキーのルーツでもあり、その品質は折り紙付きです。
竹鶴17年はブレンデッドモルト(余市+宮城峡)であるため、スコッチでも複数の蒸溜所の原酒を組み合わせた「ブレンデッドモルト(ヴァッテッドモルト)」や、竹鶴17年と似た風味のシングルモルトを選ぶのがおすすめです。
風味で選ぶ!代替スコッチウイスキー3選
竹鶴17年が持つ「華やかさ」「スモーキーさ」「シェリー樽感」という3つの要素に注目して、代替となるスコッチウイスキーを選びました。
- 【華やかさ重視】グレンモーレンジィ 18年
ハイランド地方のシングルモルト。非常にフルーティーでエレガントな香りが特徴的で、竹鶴17年の宮城峡原酒が持つ華やかさを彷彿とさせます。シトラス、ハチミツ、花のような香りが複雑に絡み合い、飲む人を魅了します。 - 【スモーキーさ重視】タリスカー 18年
スカイ島のシングルモルトで、アイランズモルトらしい力強いペッパーのようなスパイス感と、潮の香りを伴う穏やかなピート(スモーク)が特徴。竹鶴17年の余市原酒の重厚さや個性を、よりワイルドに楽しみたい方におすすめです。 - 【バランス重視】バランタイン 17年
スコッチウイスキーを代表するブレンデッドウイスキー。グレーンウイスキーも含まれますが、17年という熟成期間がもたらす完璧な調和と、長く続くフィニッシュは、竹鶴17年にも通じるものがあります。価格も竹鶴17年の二次流通価格に比べると非常にリーズナブルです。
特にバランタイン17年は、竹鶴政孝氏もスコットランド留学時代に学んだ伝統的なブレンド技術の結晶であり、日本のブレンデッドウイスキーにも大きな影響を与えた銘柄です。竹鶴17年の「ブレンデッドモルトとしての完成度」という点では、バランタイン17年が最も近いと言えるかもしれません。
また、スコッチウイスキーの中には、日本ではあまり知られていないけれど、非常に高品質で安価なボトルが埋もれていることもあります。スコッチウイスキーの熟成年数入りボトル(外部リンク)を広く探してみるのも、楽しいウイスキー探しの旅になりますよ。
竹鶴ブランドの未来はどうなる?現行「竹鶴ピュアモルト」との違い
竹鶴17年が終売となった後も、「竹鶴」ブランド自体は、現行の「竹鶴ピュアモルト」として生き続けています。ニッカウヰスキーは、このノンエイジボトル(熟成年数表記なし)に、竹鶴ブランドの未来を託しています。
終売した竹鶴17年と、現在販売されている竹鶴ピュアモルトは、名前こそ似ていますが、その中身や目指す味わいには大きな違いがあります。この違いを理解することが、現行ボトルを楽しむための鍵となります。
エイジド(17年)とノンエイジの違い
最も大きな違いは、やはり「熟成期間」です。竹鶴17年は、最低17年の熟成を経た原酒のみを使用しているため、以下のような特徴がありました。
- 円熟味と複雑性: 長い年月を経て、アルコールの刺激が完全に消え、円熟したまろやかさがある。
- 香りの深さ: 樽から抽出されたバニラやスパイスの香りが非常に複雑で深みがある。
- 飲み口の滑らかさ: 口当たりがシルクのように滑らかで、フィニッシュが非常に長い。
一方、現行の「竹鶴ピュアモルト」は、様々な熟成年数の原酒をブレンドすることで、以下の特徴を打ち出しています。
- フレッシュさ: 若い原酒が持つフレッシュで力強いモルトの風味が前面に出ている。
- 個性の強調: 余市と宮城峡の個性がより際立ち、メリハリのある味わいになっている。
- コストパフォーマンス: エイジドボトルに比べて圧倒的に安価で、デイリーユースしやすい。
ニッカウヰスキーは、現行の竹鶴ピュアモルトを「新・竹鶴」としてリニューアルする際、よりフルーティーさと華やかさ(宮城峡の要素)を強調し、より飲みやすく、日本の食文化にも合うような味わいに進化させました。これは、竹鶴17年が持つ「完璧なバランス」とはまた違う、「現代の竹鶴」としての魅力を追求した結果と言えるでしょう。
もし竹鶴17年の味わいを覚えているなら、現行の竹鶴ピュアモルトを飲んでみて、「ああ、宮城峡の華やかさが強くなったな」「余市のピートが少し穏やかになったな」といった違いを感じてみるのも面白いかもしれません。
もし家に未開封の竹鶴17年があったら?賢い売却・買取方法と相場
もし、ご自宅に未開封の竹鶴17年が眠っている方がいらっしゃったら、それは非常に価値のある「資産」です。今後、さらに価格が高騰する可能性もありますが、資金が必要な場合や、本当にこのウイスキーを必要としているコレクターに譲りたいと考えるなら、賢く売却する方法を知っておくことが大切です。
モモストアがおすすめする、高値で買い取ってもらうためのポイントと、現在の相場についてお話しします。
高額買取の鍵を握る3つのポイント
買取業者に査定を依頼する際、価格を左右する重要なポイントは以下の3つです。
- 未開封であること: 当たり前ですが、未開封であることは必須条件です。液面低下(ウイスキーが蒸発して量が減っていること)が少ないほど高値になります。
- 付属品(箱、冊子)の有無: ボトル本体だけでなく、化粧箱や付属のリーフレットなどが揃っていると、コレクターズアイテムとしての価値が高まり、買取価格も大幅にアップします。
- ボトルの状態(ラベル、液漏れ): ラベルにシミや剥がれがないか、キャップシールが綺麗か、液漏れの形跡がないかなど、細部にわたってチェックされます。直射日光を避け、涼しく暗い場所で保管されていたボトルは高評価です。
特に竹鶴17年の場合、旧ボトルと新ボトルがあり、デザインや容量が若干異なります。コレクターはどちらのボトルも高く評価しますが、付属品の状態が良ければ、さらにプラス査定となることが多いです。
現在の買取相場と最適な売却先
現在の市場価格(販売価格)が10万円〜15万円であることを考えると、買取業者が提示する相場は、その7割〜8割程度が目安となります。
| ボトルの状態 | 現在の一般的な買取相場(目安) |
|---|---|
| 完品(箱・冊子あり、状態良) | 70,000円~100,000円 |
| ボトルのみ(状態良) | 60,000円~80,000円 |
| 液面低下・ラベル難あり | 50,000円~70,000円 |
※この価格はあくまで目安であり、市場の変動によって常に変わります。
最適な売却先としては、以下のような専門業者やサービスがあります。
- ウイスキー専門買取業者: ウイスキーの知識が豊富で、適正価格を提示してくれることが多いです。複数の専門業者に査定を依頼(外部リンク)し、比較するのが最も賢い方法です。
- ヤフオク・メルカリ: 個人間の売買になるため、手間はかかりますが、業者を通さない分、最高値で売れる可能性があります。ただし、発送時の破損リスクや、購入者とのトラブル対応などの注意が必要です。
売却する際は、必ず複数の業者で比較査定を行い、納得のいく価格で手放すようにしてくださいね。
竹鶴17年を奇跡的に定価で手に入れるための入手ルートと心構え
「高騰しているのは知っているけれど、どうしても定価で飲んでみたい!」そう願うウイスキーファンの方もいるでしょう。終売した銘柄を定価で手に入れるのは、宝くじに当たるようなものですが、可能性はゼロではありません。わずかながら存在する「定価入手のルート」と、必要な心構えをお伝えします。
① 百貨店・酒販店の「抽選販売」を狙う
ごく稀に、大手百貨店や特定の酒販店が、過去に仕入れた在庫品や、メーカーからの限定供給品を、定価に近い価格で「抽選販売」にかけることがあります。
これは、メーカーや販売店の「本当にウイスキーを愛する人に飲んでほしい」という思いから行われるものです。この抽選販売を逃さないためには、日頃からお近くの百貨店の酒類コーナーや、信頼できる酒販店のメルマガ、SNSをチェックしておくことが重要です。
特に、抽選の応募条件として「そのお店の会員であること」や「過去に購入実績があること」を求められる場合もあるため、日頃から関係を築いておくことも一つの手です。
② 飲食店で「一杯」だけ味わう
ボトルを定価で手に入れるのは難しくても、「一杯だけ、定価に近い価格で味わう」ことは可能です。
老舗のバーや、ウイスキーに力を入れているホテルなどでは、終売前にストックしていた竹鶴17年を、良心的な価格で提供している場合があります。一杯あたりの価格は、もちろん定価よりは高くなりますが、二次流通のボトル価格と比べればはるかに安価です。
お店のマスターに「竹鶴17年を終売前にストックしていましたか?」と尋ねてみるのも良いでしょう。その場で飲む竹鶴17年は、格別の味わいになるはずです。
定価入手のための「心構え」
終売品を追いかけるのは、非常に根気が必要です。「いつか手に入るだろう」という楽観的な気持ちよりも、「手に入ったらラッキー」という心構えで、気長に情報を待つことが大切です。また、定価に固執せず、現行の「竹鶴ピュアモルト」や、先にご紹介した代替品を楽しむことで、ウイスキーライフを充実させる方が賢明かもしれません。
竹鶴17年の価格高騰はいつまで続く?ウイスキー市場の現状と未来
竹鶴17年をはじめとするジャパニーズウイスキーのエイジドボトルは、現在も高値安定傾向にあります。では、この価格高騰はいつまで続くのでしょうか?ウイスキー市場の現状を分析し、モモストアが考える未来について解説します。
価格高騰の背景にある「3つの要因」
ウイスキーの価格高騰は、単なるブームではなく、構造的な要因によって支えられています。
- 構造的要因(原酒不足): 終売の根本原因であり、解消に時間がかかる。特に17年以上の長期熟成原酒は希少性が増す一方です。
- 投資的要因(資産価値): ウイスキーが「飲むもの」から「投資の対象」へと変化し、投機的な資金が流入しています。これにより、オークション価格がさらに高騰しています。
- 国際的要因(日本文化の評価): 日本のウイスキーは、その繊細な技術と高品質から、世界的な評価が非常に高いです。特にアジア圏の富裕層からの需要が高く、価格を押し上げています。
これらの要因は、今後数年で急激に解消される見込みはありません。特に原酒不足は、今後10年〜15年は続くと予想されています。そのため、竹鶴17年の価格は、短期的に大きく下がることは考えにくいとモモストアは見ています。
未来の価格はどうなる?
しかし、価格には頭打ちの時期が来る可能性もあります。ウイスキー市場は、「エイジドボトルの高騰」と「ノンエイジボトルの品質向上」という二極化が進んでいます。
今後、ニッカウヰスキーやサントリーが、ノンエイジながらも熟成感を感じさせる素晴らしいボトルを次々とリリースすれば、一部の投機的な需要は、そちらの市場へ流れていくかもしれません。また、スコッチウイスキーや世界各国のウイスキーの品質も向上しており、代替品が増えれば、竹鶴17年への過度な一極集中は緩和される可能性があります。
結論として、竹鶴17年の価格は、「しばらくは高値安定。ただし、天井知らずの高騰は緩やかになる」というのが、モモストアの予測です。真のファンは、価格に振り回されることなく、現行のボトルや代替品を楽しみ、ウイスキー文化全体を応援していくことが大切ではないでしょうか。
竹鶴17年の製造元、ニッカウヰスキーの歴史と竹鶴政孝の情熱
竹鶴17年を語る上で、その製造元であるニッカウヰスキー、そして創業者である竹鶴政孝(たけつるまさたか)氏の存在は欠かせません。竹鶴17年というボトルには、彼が日本に本物のウイスキー作りを持ち込もうとした、並々ならぬ情熱が込められています。
竹鶴政孝氏の人生と、ニッカウヰスキーの歴史を振り返ることで、竹鶴17年の持つ重みを再認識してみましょう。
スコットランドでの修行とウイスキーへの夢
竹鶴政孝氏は、もともと摂津酒造(現在のサントリーの前身企業の一つ)の社員として、1918年に本場スコットランドへ留学しました。彼の使命は、日本での本格的なウイスキー製造技術を習得することでした。
彼はグラスゴー大学で有機化学を学びながら、スコットランドのキャンベルタウンにあるスプリングバンク蒸溜所や、ローランド地方のロングモーン蒸溜所などで実地研修を受けました。特に、モルトの乾燥から蒸溜、熟成に至るまでのウイスキー製造の全工程を細部にわたって学び、その秘訣を「竹鶴ノート」に詳細に書き残したことが知られています。
「本物」にこだわり続けた竹鶴氏は、帰国後、サントリーウイスキーの創設に携わりますが、その後、自らの理想とするウイスキーを作るため、独立を決意します。
北海道・余市へのこだわりとニッカの誕生
1934年、竹鶴氏は自身の理想のウイスキー造りに最適な土地として、北海道の余市(よいち)を選び、大日本果汁株式会社(後のニッカウヰスキー)を設立します。
余市を選んだ理由は、スコットランドと似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源、そしてピート(泥炭)が採れることでした。この地で、彼はスコットランドの伝統的な「石炭直火焚き蒸溜」という手法を導入し、力強く個性的なモルトウイスキーの製造を始めました。
その後、竹鶴氏は1969年に宮城県の山あい、豊かな自然に恵まれた地に第二の蒸溜所として宮城峡蒸溜所を設立します。この二つの蒸溜所で作られる原酒をブレンドすることで、竹鶴17年のような、複雑で奥深い味わいのピュアモルトウイスキーが生まれたのです。
竹鶴17年という名前は、まさに「竹鶴政孝の情熱と、二つの個性的な蒸溜所の融合」の象徴と言えるでしょう。終売は残念ですが、彼の築いた技術は、現行のボトルにもしっかりと受け継がれています。
竹鶴17年と兄弟!余市・宮城峡の10年・12年・15年ボトルも追うべきか?
竹鶴17年が終売となった今、同じニッカウヰスキーのシングルモルトである「余市」と「宮城峡」のエイジドボトル(10年、12年、15年、20年など)の動向も気になるところです。これらのボトルも、竹鶴17年と同様に販売休止(終売)となっています。今後、これらのボトルを追いかけるべきでしょうか?
兄弟ボトルも既に「幻」の仲間入り
結論から申し上げますと、余市や宮城峡のエイジドボトルも、竹鶴17年と同様、すでに市場から姿を消しており、二次流通価格は高騰しています。
これらのボトルは、竹鶴17年が「余市と宮城峡のブレンド」であるのに対し、それぞれの蒸溜所が持つ個性をストレートに楽しめる「シングルモルト」として、非常に高い人気を誇っていました。
- 余市10年・15年: 力強いピートと潮の香りが特徴。特に15年は円熟味が増し、竹鶴17年の力強い部分を色濃く持つ。
- 宮城峡12年・15年: 華やかでフルーティー、エレガントなシェリー樽の香りが特徴。竹鶴17年の華やかな部分を色濃く持つ。
これらのボトルも、原酒不足により2010年代中盤から後半にかけて次々と販売休止となりました。現在の二次流通価格は、熟成年数が上がるほど、竹鶴17年に匹敵するか、あるいはそれを超える高値で取引されています。
例えば、余市15年の完品ボトルなどは、竹鶴17年と並んで数十万円単位で取引されることも珍しくありません。
追いかけるべきは「限定リリース」
通常のエイジドボトルを追いかけるのは、資金的にも労力的にも大変です。モモストアが推奨するのは、ニッカウヰスキーが不定期にリリースする「限定ボトル」に注目することです。
例えば、「シングルモルト余市 LIMITED EDITION」や「シングルモルト宮城峡 LIMITED EDITION」といったボトルは、特定の熟成年数の原酒や、特定の樽で熟成された原酒をキーモルトとして使用しており、終売したエイジドボトルに近い満足感を得られることがあります。
これらの限定ボトルは、定価でも非常に高価ですが、二次流通価格が高騰する前に手に入れられれば、竹鶴17年の「兄弟」の片鱗を味わうことができるでしょう。
限定リリースの情報をいち早くキャッチするには、大手酒販店やニッカウヰスキーの情報(外部リンク)を定期的に確認してください。
竹鶴17年が愛された理由!世界的なコンペティションでの受賞歴
竹鶴17年が世界中のウイスキーファンから熱狂的に支持されたのは、日本のウイスキーの伝統を体現しつつ、その品質が国際的な舞台で何度も証明されたからです。竹鶴17年の輝かしい受賞歴を知ることで、このボトルの偉大さを再確認しましょう。
WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で頂点に
竹鶴17年が最も大きな功績を残したのは、「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」という、イギリスの専門誌が主催する世界的なウイスキーの品評会です。
竹鶴17年は、このWWAにおいて、「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー(World’s Best Blended Malt Whisky)」のタイトルを何度も獲得しています。このカテゴリーは、複数の蒸溜所のモルト原酒のみをブレンドしたウイスキーの頂点を決めるものです。
特に、竹鶴17年が受賞を重ねた2010年代は、ジャパニーズウイスキーが世界に認められ始めた重要な時期でした。竹鶴17年の受賞は、「日本のブレンダーの技術は、本場スコットランドにも引けを取らない」ということを証明した決定的な出来事であり、その後のジャパニーズウイスキーブームの火付け役の一つとなりました。
| 品評会名 | 受賞年 | 受賞タイトル |
|---|---|---|
| WWA | 複数回受賞 | ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー |
| ISC | 複数回受賞 | 金賞、トロフィー |
| SWSC | 複数回受賞 | 最優秀金賞(ダブルゴールド) |
※WWA: World Whiskies Awards、ISC: International Spirits Challenge、SWSC: San Francisco World Spirits Competition
受賞が証明する「完璧な調和」
竹鶴17年がこれほどまでに評価された理由は、先述の通り余市と宮城峡の原酒の「完璧な調和」にあります。国際的な審査員たちは、このボトルの持つ複雑性、円熟味、そして日本らしい繊細なバランスを高く評価しました。
これらの受賞歴は、単なる過去の栄光ではなく、終売となった今もなお、竹鶴17年の「品質保証書」として機能しています。この受賞の事実こそが、高騰する価格を正当化する一つの根拠となっているのです。
もし竹鶴17年を飲む機会があれば、単なる高価なウイスキーとしてではなく、世界を制した日本のウイスキー技術の結晶として、その歴史と重みを感じながら味わってほしいとモモストアは願っています。
竹鶴17年の終売がもたらした「ジャパニーズウイスキー投資」の現実
竹鶴17年の終売とそれに伴う価格高騰は、「ウイスキーを飲む」という行為だけでなく、「ウイスキーに投資する」という新たな側面を生み出しました。現在、ジャパニーズウイスキーは、株式や不動産に並ぶ「資産」として見なされることも少なくありません。しかし、その投資の現実には、光と影があります。
ウイスキー投資のメリットとリスク
竹鶴17年を例に取ると、投資のメリットは明白です。定価10,000円のボトルが、数年後には10万円以上に化けたという実績があります。特にエイジドボトルや限定品は、再生産が不可能であるという希少性から、価値が下がりづらいとされています。
一方で、リスクも存在します。
- 偽造品リスク: 高騰するボトルには、必ず偽造品がつきものです。特に、オークションや個人売買で高額なボトルを購入する際は、真贋を見極める知識が必須となります。
- 保管リスク: ウイスキーは、温度や湿度、光の影響で品質が変化します。投資目的で購入しても、保管状態が悪ければ価値が下がってしまいます。
- 市場変動リスク: 今はジャパニーズウイスキーがブームですが、数年後には別の国のウイスキーや、別のお酒にブームが移る可能性もゼロではありません。
竹鶴17年のように、国際的な評価とブランド力を兼ね備えたボトルは比較的安定していますが、すべての終売品が高騰するわけではないということを理解しておく必要があります。
投機的な動きの功罪
竹鶴17年の価格高騰は、ウイスキーに注目を集めるという点で「功」もありましたが、一方で「罪」ももたらしました。最も大きな罪は、「本当に飲みたい人が飲めなくなった」という点です。定価で手に入れたボトルをすぐに転売する目的で購入する人が増え、市場からボトルが吸い上げられてしまいました。
モモストアとしては、ウイスキーはあくまで「飲むもの」として楽しんでほしいと願っていますが、現実として投資対象となっている以上、「飲まずに保管する」という選択肢も、一つの賢い消費行動であることは認めざるを得ません。
もし投資として竹鶴17年を保有している場合は、専門の保管サービスや、信頼できるオークションハウスを利用するなどして、価値を最大限に保つ努力をすることをおすすめします。
竹鶴17年を愛した人へ!モルトウイスキーの美味しい飲み方提案
竹鶴17年をもし手に入れたとして、その素晴らしい味わいを最大限に引き出すためには、どのような飲み方が最適なのでしょうか。また、代替品として手に入れた高品質なモルトウイスキーも、飲み方一つで印象が大きく変わります。モモストアが、熟成モルトを美味しく飲むための提案をさせていただきます。
おすすめの飲み方ベスト3
- ストレート:
竹鶴17年のような円熟したエイジドボトルは、やはりストレートで飲むのが最もおすすめです。加水や冷却をしないことで、ウイスキー本来の複雑な香り、滑らかな口当たり、長いフィニッシュをダイレクトに感じることができます。飲む際は、チェイサー(水)を用意し、一口飲むごとに水を挟むことで、口の中をリフレッシュさせ、次のテイスティングに備えるのがプロのやり方です。
- トワイスアップ(Twise Up):
ウイスキーと常温の水を1:1で割る飲み方です。アルコール度数が下がり、香りが開いてより豊かになるのが特徴です。特に、竹鶴17年が持つ華やかな宮城峡の原酒の香りを引き出したい場合に最適な飲み方です。グラスを手に当てて温めながら飲むと、さらに香りが立ちやすくなります。 - ロック:
大きく丸い氷を一つだけ使い、ゆっくりと時間をかけて飲む飲み方です。冷やされることで、ウイスキーの味が引き締まり、キリッとした印象になります。氷が溶けていく過程で、味わいが少しずつ変化していくのも楽しみの一つです。ただし、エイジドボトルは冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、常温に戻りきる前に飲み終えるのがおすすめです。
合わせる「おつまみ」は?
竹鶴17年や、それに近い複雑なモルトウイスキーには、あまり味が強すぎるおつまみはおすすめできません。ウイスキーの繊細な味わいを邪魔しないものを選びましょう。
- ナッツ類: 特にアーモンドやクルミなど、素焼きで塩味の少ないものが最適です。ウイスキーの樽香と相乗効果を生みます。
- ダークチョコレート: カカオ含有量70%以上のビターなチョコレートが、ウイスキーの甘さと苦みを引き立てます。
- ドライフルーツ: イチジクやレーズンなど、シェリー樽熟成由来の甘い香りをより強調してくれます。
竹鶴17年を飲む際は、ぜひこれらの飲み方やおつまみを試して、最高のひとときを過ごしてくださいね。
竹鶴17年ファンなら知っておきたい!ニッカウヰスキーの隠れた逸品
竹鶴17年の終売は、ニッカウヰスキーのファンにとっては大きな損失ですが、ニッカウヰスキーには、竹鶴17年とはまた違った魅力を持つ隠れた名作や、手の届く価格で楽しめる素晴らしいボトルがたくさんあります。終売ボトルに固執せず、ニッカウヰスキーの奥深さを探求してみましょう。
竹鶴17年とは全く違う個性の「ニッカ フロム・ザ・バレル」
竹鶴17年ファンにぜひ試していただきたいのが、「ニッカ フロム・ザ・バレル」です。これは、竹鶴17年が持つエレガントさとは対照的に、非常に力強く、個性的な味わいが特徴のブレンデッドウイスキーです。
その名の通り、「樽出し(バレル)」に近い状態で瓶詰めされており、アルコール度数は51.4%と高めです。しかし、その高い度数の中に、凝縮されたモルトとグレーンの旨味が詰まっています。
ボトルデザインも非常にユニークで、四角いボトルは世界中のバーで愛されています。竹鶴17年が「日本の伝統的な美」だとすれば、フロム・ザ・バレルは「日本のウイスキーの力強さ」を体現していると言えるでしょう。価格も比較的安定しており、Amazonや楽天市場でも購入可能です。
知る人ぞ知る「ザ・ニッカ」シリーズ
もう一つ、竹鶴17年のファンにおすすめなのが、ニッカウヰスキーのブレンデッドウイスキーの最高峰として位置づけられている「ザ・ニッカ」シリーズです。
特に「ザ・ニッカ 12年」(現在は終売)や、現行のノンエイジボトルは、ニッカウヰスキーが誇る原酒を惜しみなく使った、非常にバランスの取れたブレンデッドウイスキーです。竹鶴17年がモルトのみのブレンドであるのに対し、「ザ・ニッカ」はグレーンウイスキーもブレンドされており、より滑らかで複雑な口当たりを実現しています。
現行の「ザ・ニッカ」も、竹鶴17年のテイストに通じる優雅さと熟成感を感じられる一本です。少し高級なブレンデッドウイスキーをお探しなら、ぜひ試してみてください。
竹鶴17年を手に入れたら!メルカリやヤフオクなどの個人売買の注意点
竹鶴17年を定価で手に入れることができず、二次流通市場、特にメルカリやヤフオクなどの個人売買サービスでの購入を検討する方もいるかもしれません。高値で購入するからこそ、トラブルを避けるために細心の注意が必要です。
個人売買で高額ボトルを購入する際のチェックリスト
個人売買で竹鶴17年の高額ボトルを購入する際は、以下の点を必ずチェックしましょう。
- 出品者の評価:
取引実績が多く、良い評価が99%以上であることを確認しましょう。評価が少ない、または悪い評価が目立つ出品者からの購入は避けるべきです。 - ボトルの詳細画像:
ボトル全体だけでなく、キャップシール、液面(ウイスキーの減り具合)、ラベルのシミや破れなど、細部の画像が鮮明に複数枚掲載されているかを確認します。特に液面が肩口よりも下がっているものは、高騰品としては価値が下がる可能性があります。 - 偽造品の可能性:
竹鶴17年は偽造品が多く出回っています。特に注意すべきは、中身を詰め替えた「中身替えボトル」です。キャップシールの破損がないか、ラベルの印刷が粗悪ではないかを、ネットで公開されている正規品と比較して確認しましょう。 - 付属品(箱)の有無と状態:
箱付きのボトルを購入する場合、箱の写真も鮮明に確認し、破損や汚れがないかをチェックします。箱とボトルがセットで保管されていた証拠となるような、箱の裏側の製造番号などがあれば、さらに安心です。
もし少しでも不安を感じる点があれば、高額な買い物ですので、無理に購入するのはやめましょう。個人売買は、ノークレーム・ノーリターンが原則となるため、全て自己責任となります。信頼できる専門の酒販店や、Amazon、楽天市場の信頼できるストア(多少高くても)から購入する方が、安全性が高いと言えます。
また、個人でのお酒の販売には免許が必要です。メルカリやヤフオクでの個人売買の法律(外部リンク)も確認しておきましょう。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでプレミアムウイスキーを探す際のコツ
竹鶴17年のように終売・高騰しているプレミアムウイスキーは、前述した通り、二次流通市場が主な購入ルートとなります。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手オンラインショッピングサイトでも、これらのボトルは購入可能ですが、賢く、安全に、そして少しでも安く手に入れるためのコツがあります。
① 信頼できる「ストア」を見極める
大手ECサイトの最大のメリットは、出店しているストアの信頼性が高いことです。しかし、中には新規参入のストアや、価格設定が不透明なストアもあります。
- ストアのレビュー: 評価の件数とパーセンテージを必ず確認しましょう。特に酒類の高額品を扱っている実績があるかを確認します。
- 特定商取引法に基づく表記: 会社名、住所、電話番号が明確に記載されているかを確認します。
- 商品の写真と説明: 実物の写真(特に裏面やキャップ部分)が掲載されているか、「並行輸入品」や「終売品」といった情報が正確に記載されているかを確認します。
価格が他のストアと比べて異常に安い場合は、偽造品やトラブルの可能性があるため、購入を控えるべきです。
② 在庫切れ・再入荷通知を徹底活用する
プレミアムウイスキーは、ごく稀に在庫が復活したり、スポットで安価に入荷したりすることがあります。このようなチャンスを逃さないためには、各ECサイトの機能を最大限に活用しましょう。
- 「お気に入り」登録: 欲しい商品を片っ端からお気に入りリストやウォッチリストに登録しておきます。
- 「再入荷通知」設定: 多くのサイトには、在庫切れの商品が再入荷した際にメールで通知してくれる機能があります。この機能を必ず利用しましょう。
- 「価格トラッカー」ツールの利用: 一部のブラウザ拡張機能には、ECサイトの価格変動を追跡してくれるものがあります。これを活用すれば、一時的に価格が下がったタイミングを逃さずに済みます。
これらのコツを駆使して、竹鶴17年や他のプレミアムウイスキーを探してみてください。根気が必要ですが、探す過程もウイスキー趣味の醍醐味の一つです。
終わりに:竹鶴17年を超えて広がるモルトウイスキーの旅
この記事では、竹鶴17年が終売となった理由から、現在の高騰価格、そしてその代わりとなる素晴らしい銘柄について、モモストアが詳しく解説させていただきました。
竹鶴17年の販売休止は、一人のウイスキーファンとしては非常に残念な出来事でしたが、そのおかげで、私たちは現行の「竹鶴ピュアモルト」や、ニッカウヰスキーの原点である「余市」「宮城峡」のノンエイジボトル、さらには世界中の高品質なスコッチウイスキーに目を向けるきっかけを得ました。
ウイスキーの楽しみは、一本のボトルに留まりません。
ぜひ、竹鶴17年の伝説を胸に刻みつつ、今、手に取れる素晴らしいボトルたちで、さらに深く豊かなモルトウイスキーの旅を続けていただきたいと思います。
あなたが、次に出会う一本が、竹鶴17年に負けない素晴らしい感動を与えてくれることを願っています!

