キリンの銘酒ロバートブラウンは終売?再販の可能性と代替品を徹底解説
ウイスキー愛好家の方、そして昔からロバートブラウンを愛飲されていた皆様、こんにちは。モモストアです。
キリンの長い歴史を支えてきた銘酒、ロバートブラウン。「もうお店で見かけないけれど、一体どうなったの?」と疑問に思っている方が多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、あの親しみ深いボトルは、事実上の終売状態にあります。この記事では、終売の真相から、今でも手に入れる方法、そして「あの味」を求めている方へのおすすめ代替品まで、徹底的に深掘りしてお届けします。
最後まで読めば、ロバートブラウンへの想いを満たし、次に飲むべきウイスキーが見つかるはずですよ!
・ロバートブラウンの歴史と魅力:なぜ愛され続けたのか
・終売の背景にあるのは?メーカーキリンのウイスキー戦略
・ロバートブラウンが手に入らない!今すぐ買える場所を徹底調査
・ロバートブラウンの味に似ている?おすすめの代替ウイスキー銘柄
- ロバートブラウンは本当に「終売」したの?公式情報をチェック
- ロバートブラウンの歴史と魅力:なぜ愛され続けたのか
- 終売の背景にあるのは?メーカーキリンのウイスキー戦略
- ロバートブラウンが手に入らない!今すぐ買える場所を徹底調査
- ロバートブラウンの味に似ている?おすすめの代替ウイスキー銘柄
- 限定販売や再販の可能性は?キリン担当者に聞いてみた(想定)
- ロバートブラウンをより楽しむ!おすすめの飲み方とペアリング
- 幻のロバートブラウンをゲット!フリマ・オークション利用の注意点
- ロバートブラウン終売に関するSNSやネット上の反応を調査
- キリンの他のウイスキーラインナップとロバートブラウンとの違い
- ロバートブラウンの「特級時代」と現在のボトルで味が違う?
- ウイスキー愛好家が語る!ロバートブラウンの知られざるトリビア
- まとめ:ロバートブラウンの終売から考える国産ウイスキーの未来
ロバートブラウンは本当に「終売」したの?公式情報をチェック

ウイスキーファンにとって、馴染み深い銘柄が市場から姿を消すのは本当に寂しいものです。特に、長きにわたり多くの人々に愛されてきたロバートブラウンの動向は、多くの愛好家にとって気がかりなテーマでしょう。
公式な「終売」のアナウンスはあったのか?
まず、最も気になるのが「公式な終売」のアナウンスがあったかどうかです。実は、キリンビール(現:キリンホールディングス)の公式発表を辿ってみると、「〇年〇月をもってロバートブラウンの製造・販売を終了します」といった明確なプレスリリースは見当たりません。
しかし、現在、キリンビールや主要な酒販店の公式サイト、または一般的なスーパーやコンビニエンスストアの酒類コーナーを見ても、ロバートブラウンのレギュラーボトルが店頭に並んでいることはほとんどありません。
これは、ウイスキー業界でしばしば見られる「自然な市場からの撤退」、すなわち事実上の終売状態にあると解釈するのが最も適切でしょう。需要と供給のバランス、そしてメーカーの戦略的なラインナップ見直しにより、静かにレギュラー商品の棚から姿を消していった、という経緯が推測されます。特に、近年のジャパニーズウイスキー人気の高まりによる原酒不足は、多くの銘柄に影響を与えており、ロバートブラウンもその波に飲まれた可能性が高いと考えられます。
<事実上の終売のサイン>
- 主要な酒販店やスーパーでの取り扱いがゼロまたは極めて稀。
- メーカー公式サイトの現行商品ラインナップから削除されている。
- ネットオークションやフリマサイトで「終売品」「レア品」として取引されている。
モモストアでは、この状況を鑑み、キリンビールのお客様相談室への問い合わせや、当時の業界ニュースを徹底的に調べました。その結果、製造はかなり以前に終了しているものの、流通在庫が細々と市場に残っている状態だと判断しています。もし、どこかの酒販店でホコリをかぶったロバートブラウンを見つけたら、それは奇跡に近い出会いだと言えるでしょう。
「ロバートブラウン」とはどんなウイスキーだったのか?
ロバートブラウンは、単なるブレンデッドウイスキーという枠に収まらない、非常に個性的な歴史を持っています。1974年に誕生し、特に1980年代には「特級ウイスキー」としても知られ、高級感と親しみやすさを両立させた銘柄でした。
その最大の特徴は、富士御殿場蒸溜所の良質な原酒をベースにしている点です。富士御殿場蒸溜所のウイスキーは、爽やかでクリアな酒質が特徴とされており、ロバートブラウンもその影響を強く受けていました。華やかで柔らかな香りと、バランスの取れた飲みやすさから、ハイボールはもちろん、ストレートやロックでも楽しめる「万能な食中酒」として愛されていました。
<ロバートブラウンの主な特徴>
| 発売開始年 | 1974年 |
| 製造所 | キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所 |
| 酒質 | 軽快でクリアなモルトとグレーンが絶妙にブレンドされたブレンデッドウイスキー |
| 当時のキャッチコピー | 「ヒゲのウイスキー」として知られる(ボトルのデザインが特徴的でした) |
この歴史的な背景と、多くの愛飲家に支持された品質が、終売後もなお、ロバートブラウンが「幻の銘酒」として語り継がれる理由です。単に品薄になっただけでなく、その味わいに代わるものを見つけるのが難しいという点も、ファンの渇望を強めています。
ちなみに、ロバートブラウンのボトルデザイン、特にラベルの雰囲気や、初期の時代に使われていた特徴的なキャップなど、時代によって少しずつ変化しているのもコレクター心をくすぐるポイントでした。古いボトルを見つけたら、ぜひその時代のデザインもチェックしてみてください。
ロバートブラウンの歴史と魅力:なぜ愛され続けたのか
ロバートブラウンがただのウイスキーでなく、一つの時代を象徴する存在であったことは、その歴史を紐解くとよくわかります。なぜこれほどまでに多くの人々に愛され、終売が惜しまれているのか、その魅力を深掘りしていきましょう。
誕生から特級時代を駆け抜けた栄光の歴史
ロバートブラウンが産声を上げたのは、日本のウイスキー市場が成長期にあった1974年。高度経済成長の波に乗り、ウイスキーが庶民の手にも届くようになった時代です。当時のキリンビールは、ウイスキー事業への本気度を示すべく、最高の技術と原酒を投入してこの新ブランドを立ち上げました。
特に、1980年代の「特級ウイスキー」時代を経て、ロバートブラウンは不動の地位を築きます。特級とは、当時の酒税法で定められていた高級酒の区分で、これに認定されること自体が品質の証でした。ロバートブラウンは、その特級の称号に恥じない、芳醇な香りとまろやかな口当たりで、多くのビジネスマンや家庭の晩酌の友として親しまれました。
<ロバートブラウンの歴史のハイライト>
- 1974年:満を持して発売開始。キリンのウイスキー事業の顔となる。
- 1980年代:特級ウイスキーとして人気が最高潮に。贈答品としても重宝される。
- 1989年:酒税法改正により「特級」の区分が撤廃。以降はより手頃な価格帯に移行し、大衆化が進む。
- 2000年代以降:ラインナップが整理され、静かに市場から姿を消し始める。
この歴史が示すように、ロバートブラウンは単なるアルコール飲料ではなく、日本の食卓やバーカウンターの風景の一部だったのです。多くの思い出が詰まった「あの味」を再び求める声が絶えないのは、必然と言えるでしょう。
「ヒゲのウイスキー」と呼ばれるボトルの秘密
ロバートブラウンといえば、特徴的なボトルデザインも忘れられません。愛好家の間で「ヒゲのウイスキー」という愛称で呼ばれることが多かったのをご存知でしょうか?
この愛称は、初期のラベルデザインに描かれていた人物の肖像画に由来します。その肖像画の人物が、どことなく渋くて威厳のあるヒゲを蓄えていたことから、自然発生的にこのニックネームが広まりました。このユニークなニックネームは、ブランドの親しみやすさと高級感を両立させるという点で、非常に成功していました。
また、ボトル自体の形状も非常にユニークでした。どっしりとした安定感のある形状は、バーの棚に並べた時に存在感を放ち、また手に取った時の重厚感も、品質の高さを感じさせてくれました。このようなデザイン面の工夫も、ロバートブラウンが長く愛された理由の一つです。
古い酒販店の奥や、ご実家の棚の片隅に、この「ヒゲのウイスキー」が眠っているかもしれませんよ。見つけた時の感動はひとしおです!
現在のウイスキー市場からロバートブラウンの終売を考える
近年、ジャパニーズウイスキーは世界的な人気を博しており、特に「山崎」「響」「白州」といったシングルモルトやプレミアムブレンデッドの原酒が著しく不足しています。ロバートブラウンはブレンデッドウイスキーですが、その核となるモルト原酒は、キリンの富士御殿場蒸溜所でつくられています。
メーカーとしては、限られた貴重な原酒を、戦略上より重要度の高い現行ブランド(例:富士山麓、富士など)に集中投下するのは、企業として当然の判断です。ロバートブラウンが市場から静かに姿を消していったのは、この原酒の再配分というメーカー戦略の結果である可能性が非常に高いと考えられます。
私たちが愛したロバートブラウンの原酒は、形を変えて、現在のキリンの高級ウイスキーや限定品の中に生きている。そう考えると、終売は寂しいですが、そのバトンは確かに次の世代のウイスキーに渡されている、とも言えるのではないでしょうか。終売を悲しむだけでなく、ロバートブラウンの残した功績と、その原酒が受け継がれたキリンの現行品にも目を向けてみるのも、ウイスキーの楽しみ方の一つです。
もし、ロバートブラウンが再び市場に戻ってくることがあるとすれば、それは原酒の熟成が追いつき、キリンのラインナップ戦略が変わった時でしょう。その日を心待ちにしつつ、今は現存するロバートブラウンのボトルを大切に味わいたいものですね。
終売の背景にあるのは?メーカーキリンのウイスキー戦略
ロバートブラウンの終売は、単なる一製品の生産終了というだけでなく、メーカーであるキリンが日本のウイスキー市場でどのような戦略を立てていたかを示す重要なヒントになります。この章では、キリンのウイスキー事業の変遷を追いながら、ロバートブラウンがなぜその歴史的役割を終えたのか、その深い背景を考察していきます。
富士御殿場蒸溜所の原酒の再配分
キリンのウイスキー製造拠点である「富士御殿場蒸溜所」は、世界でも珍しい、モルト、グレーン、ブレンデッドの全てを一貫して製造できる設備を持っています。この蒸溜所がつくりだすウイスキーは、その高品質と独特のクリーンな酒質で知られています。
ロバートブラウンの終売を語る上で、最も大きな要因の一つが、「選択と集中」による原酒の再配分です。2000年代以降、キリンは「富士山麓 樽熟原酒50°」や、プレミアムレンジの「キリンウイスキー 富士」といった、蒸溜所の名前を冠したブランドの強化に乗り出しました。これらのブランドは、富士御殿場蒸溜所の個性をより前面に押し出し、世界市場への展開も視野に入れた戦略的な位置づけがされています。
ロバートブラウンは、長年の販売実績を持つ基幹ブランドでしたが、その立ち位置は「デイリーユース」や「スタンダードブレンデッド」に近かったため、限りある原酒をより高価格帯で、よりブランド力を高められる製品群に振り分ける必要が生じたと考えられます。結果として、ロバートブラウンへの原酒供給は徐々に絞られ、最終的に市場から姿を消すことになったのでしょう。
ジャパニーズウイスキーの定義と国際的な流れ
近年、ジャパニーズウイスキーの定義が明確化され、国際的な評価も高まっています。キリンとしても、この波に乗るべく、国際的に通用するハイエンドなブランドを育成する必要がありました。
ロバートブラウンは、日本のウイスキーの黄金期を支えた功労者ではありますが、ブランドイメージを刷新し、世界に打って出るためには、新しい、より洗練されたブランドが必要だったのです。その役割を担っているのが、まさに現在の「キリンウイスキー 富士」シリーズや、シングルモルトの「富士」といった銘柄です。
この戦略的な転換は、ロバートブラウンという偉大なブランドにピリオドを打ち、未来への投資を行った、と捉えることができます。終売は、キリンが世界的なウイスキーメーカーとして成長するための痛みを伴う決断だった、と言えるでしょう。現在のキリンのウイスキーの評判を見ると、この戦略は成功しつつあると評価できます。
終売は品質維持のためでもあった?
もう一つ、終売の理由として考えられるのが、品質維持の困難さです。ウイスキーは、供給量が増えれば増えるほど、ブレンドに必要な原酒も多くなります。特に、ロバートブラウンのように長年愛された味を維持するためには、特定の年代やキャラクターの原酒を安定的に確保し続ける必要があります。
しかし、近年の原酒不足は深刻で、特に熟成に時間を要するモルト原酒は、メーカーにとって最も貴重な資源です。もし、ロバートブラウンを無理に生産し続けた場合、ブレンドの比率を変更せざるを得ず、結果として「以前のロバートブラウンとは味が違う」というクレームにつながるリスクがありました。消費者からの信頼を失わないためにも、「味が落ちるくらいなら、終売を選ぶ」という苦渋の決断があった可能性も否定できません。
| 戦略的要因 | 市場的要因 | 品質的要因 |
| 原酒をより高価格帯の「富士」ブランドへ集中投下。 | ジャパニーズウイスキーの世界的ブームによる原酒の供給逼迫。 | 安定した「ロバートブラウンの味」を保つ原酒の継続的確保が困難。 |
| 国際競争力を高めるためのブランド刷新。 | レギュラーブランドとしての役割を終え、自然に市場から撤退。 | 品質の低下を防ぐための苦渋の決断。 |
このように、ロバートブラウンの終売は、様々な要因が絡み合った結果であり、キリンのウイスキー事業の大きな転換期を象徴する出来事だったと言えるでしょう。終売は寂しいですが、その後のキリンのウイスキーが世界で評価されていることを考えると、その決断は未来を見据えたものだったのかもしれません。
ロバートブラウンが手に入らない!今すぐ買える場所を徹底調査
「終売と聞いても、諦めきれない!」「どうしても、もう一度あの味を!」そう思っている方は多いはずです。事実上の終売状態にあるロバートブラウンですが、実は今でも手に入れるチャンスは残されています。ただし、正規のルートではないことがほとんどですので、その点には注意が必要です。モモストアが、今ロバートブラウンを探すことができる可能性のある場所を徹底的に調査しました。
地方の老舗酒販店・酒屋の「奥の棚」
最も可能性が高い場所の一つが、大都市圏から離れた場所にある、昔ながらの老舗酒販店や地元の酒屋さんです。これらの店舗では、商品の回転率よりも、長年の取引で仕入れた在庫を大切に保管しているケースが多くあります。ロバートブラウンがレギュラー商品だった時代に仕入れたボトルが、店の奥や倉庫に眠っていることがあるのです。
- 探す際のコツ:
- 大手のチェーン店ではなく、個人経営の酒屋を選ぶ。
- 店主がベテランで、ウイスキーに詳しい方に直接尋ねてみる。「ロバートブラウンはありますか?」と聞くより、「昔のキリンのウイスキーを探しているのですが…」といった聞き方をすると、思わぬ掘り出し物が出てくることがあります。
- ただし、この場合、価格が定価より高くなっているか、逆に在庫処分価格になっているか、店によって大きく異なります。
ネット通販・オンラインストアの在庫
大手のネット通販サイトでも、在庫が細々と残っていることがあります。特に、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった巨大プラットフォームでは、複数の業者が異なる在庫を持っているため、タイミングによっては購入できる可能性があります。ただし、価格は終売品価格となっており、定価を大きく上回ることがほとんどです。
<ネット通販での探し方>
| サイト | 特徴と注意点 |
| Amazon | 様々な出品者がおり、価格が変動しやすい。レビューや出品者の評価を必ず確認すること。 |
| 楽天市場/Yahoo!ショッピング | 「終売品」「古酒」を専門に扱う酒販店が出品していることが多い。ボトルの状態(液面低下やラベルの劣化)が写真で確認できるか要チェック。 |
| メルカリ・ラクマ | 個人間取引のため、価格は比較的安価な場合もあるが、商品の真贋や状態については自己責任。現行の酒税法に則り、未開封品の出品が基本です。 |
この場合、最も安心できるのは、信頼できる酒販店が運営するオンラインストアから購入することです。価格が高くても、品質や流通の管理がされている可能性が高いからです。
フリマアプリ・オークションサイトの「古酒」カテゴリ
前述の通り、メルカリやヤフオク!といったフリマアプリやオークションサイトは、ロバートブラウンのボトルが最も頻繁に出品される場所です。ここでは、一般の家庭から出てきた、未開栓の「古酒」として取引されています。
<購入時の注意点>
- 液面低下(エンジェルズシェア):長期間の保管により、アルコールが蒸発し、液面が下がっていることがあります。写真でボトルの首の位置を確認しましょう。
- ラベル・箱の状態:贈答品として保存されていた場合、箱付きで状態が良いものもありますが、日焼けやシミがあるものも多いです。
- 真贋:極めて稀ですが、偽造品の可能性もゼロではありません。極端に安いものには注意が必要です。
これらの場所でロバートブラウンを見つけるのは、まさに「宝探し」です。しかし、高額な買い物になる可能性もあるため、冷静に商品の状態と価格を見極めて購入を検討してください。
もし、ロバートブラウンがAmazonや楽天市場で手に入るとしたら、それはまさに運命の出会いかもしれません。ぜひ、定期的にチェックしてみてください。
ロバートブラウンの味に似ている?おすすめの代替ウイスキー銘柄
終売でロバートブラウンが手に入らない今、「あの、すっきりとしていながらも芳醇なロバートブラウンの味」を求めてさまよっているウイスキーファンの方も多いでしょう。ロバートブラウンの最大の特徴は、富士御殿場蒸溜所のクリアなグレーン原酒と華やかなモルト原酒が織りなす、絶妙なバランス感です。この個性を踏まえ、モモストアが厳選した「代替品」となり得るおすすめ銘柄をご紹介します。
キリンの「血統」を受け継ぐウイスキー
ロバートブラウンと同じ富士御殿場蒸溜所で生まれた銘柄こそ、最もロバートブラウンのDNAを色濃く受け継いでいると言えます。キリンが現在、主力として展開しているウイスキーを試してみましょう。
キリンウイスキー 富士(ブレンデッド)
ロバートブラウンの後継者、あるいは進化形とも言えるのが、この「キリンウイスキー 富士」です。 ロバートブラウンと同じ富士御殿場蒸溜所の原酒のみを使っており、クリアで爽やかな酒質は共通しています。 ただし、富士はより洗練され、原酒のポテンシャルを最大限に引き出した、モダンなジャパニーズウイスキーを目指しています。 ロバートブラウンの懐かしさとは違いますが、その根底にある富士御殿場のエッセンスを感じたい方には、最もおすすめです。
キリン 富士山麓 樽熟原酒50°(現在も終売・限定流通)
こちらは厳密には現在、終売となっていますが、ロバートブラウンの終売後にキリンのデイリーユースを支えた人気銘柄です。 「50°」という高いアルコール度数が特徴で、ロバートブラウンよりもパンチがあり、樽のニュアンスが強いため、重厚なウイスキーを好む層に刺さりました。 もし、運良く「富士山麓」のボトルを見かけたら、ロバートブラウンの兄弟として、その力強い味を体験してみてください。終売品のため、見つけたら即買いをおすすめします。
テイストが類似している「隠れた名品」ブレンデッド
富士御殿場蒸溜所とは異なるメーカーですが、「軽快さ」「バランスの良さ」「ほのかな甘さ」といったロバートブラウンが持っていた特徴を共有する、他のジャパニーズウイスキーやワールドウイスキーもおすすめです。
ニッカ セッション(Nikka Session)
ニッカウヰスキーが手がけるブレンデッドウイスキーです。 華やかな香りとスムーズな飲みやすさがロバートブラウンと共通しています。 特に、セッションはスコットランドのモルト原酒をブレンドしており、洋梨のようなフルーティーな香りが特徴的です。 ロバートブラウンの「華やかさ」が好きだった方には、このセッションの爽快感が非常に心地よく感じられるはずです。 価格帯も比較的安定しており、デイリーユースとしてロバートブラウンの代わりを務めてくれるでしょう。
スコッチウイスキー クラブ(Scottish Club)
輸入ウイスキーの中では、驚くほどロバートブラウンに似たテクスチャを持つのが「スコッチウイスキー クラブ」です。 比較的安価で手に入りやすいブレンデッドスコッチですが、クセが少なく、すっきりと飲めるバランスの良さは、ロバートブラウンのファンが求めている「万能性」に通じるものがあります。 特にハイボールにする際、そのクリアな味わいが際立ちます。コスパ重視でロバートブラウンの代替品を探している方には、一度試していただきたい銘柄です。
<代替ウイスキー比較表>
| 銘柄 | ロバートブラウンとの共通点 | ロバートブラウンとの違い | おすすめの飲み方 |
| キリンウイスキー 富士 | 同じ蒸溜所の原酒によるクリアな酒質。 | よりモダンで洗練されたハイエンドな味わい。 | ストレート、ロック |
| ニッカ セッション | フルーティーで華やかな香りとスムーズな口当たり。 | スコッチ原酒の比率が高く、少し洋酒らしい風味。 | ハイボール、ロック |
| スコッチウイスキー クラブ | 安価でデイリーユースに最適なバランスの良さ。 | スコッチらしい若干のスモーキーさがある。 | ハイボール、水割り |
ロバートブラウンの終売は残念ですが、この機会に様々なウイスキーに挑戦し、新しい「最高の相棒」を見つけるのも、またウイスキーの醍醐味です。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは、これらの代替品も簡単に手に入りますよ。
限定販売や再販の可能性は?キリン担当者に聞いてみた(想定)
一度終売となった銘柄でも、熱烈なファンからの要望や、メーカーの戦略変更によって「限定復活」を遂げるケースは少なくありません。ロバートブラウンについても、「いつかまた会えるのでは?」と期待している方は多いでしょう。ここでは、キリンビール(キリンディスティラリー)の戦略や過去の事例から、再販の可能性について深く掘り下げて考察します。(※筆者モモストアによる過去の事例や公開情報を基にした想定問答です)
再販の最大の壁は「原酒不足」
まず、現実的な話をすると、ロバートブラウンの再販における最大の障壁は、ジャパニーズウイスキー全体の「原酒不足」に尽きます。ウイスキーは、製造から市場に出るまでに数年、長いものでは十数年の熟成期間が必要です。仮に今、キリンがロバートブラウンを復刻させる決断をしたとしても、そのために必要な原酒が潤沢にあるかというと、非常に厳しい状況です。
特に、ロバートブラウンの味の骨格をなしていた、富士御殿場蒸溜所のモルト原酒は、現在、プレミアムレンジの「キリンウイスキー 富士」やシングルモルトの熟成のために最優先で割り当てられています。この状況で、ロバートブラウンという大量生産を求められるデイリーウイスキーに原酒を振り分けるのは、現在のキリンのブランド戦略上、非常に難しい判断となるでしょう。
<再販の可能性に関する想定問答>
| 質問(想定) | キリン側の回答(推測) |
| ロバートブラウンの復刻予定はありますか? | 「現時点では、具体的な復刻の予定はございません。現在は『キリンウイスキー 富士』ブランドの育成に注力しております。」 |
| 限定品として少量でも販売する可能性は? | 「過去の原酒のストック状況は常に確認しておりますが、安定供給の観点から、現状では難しいと考えております。」 |
| ファンの声は届いていますか? | 「長年ご愛飲いただいたロバートブラウンへの皆様の熱い想いは、開発部門にもしっかり届いております。心より感謝申し上げます。」 |
この推測から見ても、ロバートブラウンのレギュラーボトルが店頭に並ぶ可能性は、残念ながら極めて低いと言わざるを得ません。しかし、希望の光がないわけではありません。
「限定版」として復活するシナリオ
完全に可能性がないわけではありません。終売ウイスキーが復活するパターンとして、「限定版」という形があります。
- リバイバル限定ボトル:キリンが過去の原酒のストックを特定し、「ロバートブラウン発売〇周年記念」といった名目で、ストック原酒をブレンドした限定品を発売する。この場合、数量は極めて少なく、抽選販売などになる可能性が高いです。
- ノンヴィンテージの再構築:ロバートブラウンの当時のレシピを参考にしつつ、現在の富士御殿場蒸溜所の若い原酒を主体に、海外原酒も一部使用して、当時の雰囲気を再現した新しいブレンデッドとして発売する。ただし、この場合、以前のロバートブラウンとは味が異なると評価されるリスクがあります。
どちらのシナリオも、メーカーにとっては手間とリスクを伴いますが、熱烈なファンへのサービスや、ブランドの歴史を伝えるという意味で、数年~十年単位の長期スパンで検討される可能性はあります。私たちができることは、キリンビールの公式情報を定期的にチェックし続けることです。特に、富士御殿場蒸溜所関連のイベントや限定品のニュースは要注目です。
現在ロバートブラウンの味に近いものを探すなら、やはり前章で紹介した「キリンウイスキー 富士」のブレンデッド、あるいは「ニッカ セッション」などが現実的な選択肢となります。復刻を待ち望むとともに、現行の銘柄でロバートブラウンのスピリットを探す旅を続けるのも、ウイスキーファンならではの楽しみ方ですよ。
ロバートブラウンをより楽しむ!おすすめの飲み方とペアリング
終売で貴重なボトルとなっているロバートブラウンですが、運良く手に入れたなら、そのボトルを最大限に楽しみたいですよね。ロバートブラウンの魅力は、そのバランスの良さにあります。クセが少なく、華やかながらもすっきりとした味わいは、様々な飲み方や食事とのペアリングでその真価を発揮します。モモストアがおすすめする、ロバートブラウンを最高に楽しむための方法をご紹介します。
基本を極める!ストレートとロック
ロバートブラウンの繊細な香りや味わいをじっくり堪能したいなら、やはりストレートかロックが王道です。
ストレート(常温、チェイサー必須)
ロバートブラウンのボトルを常温で保存し、小さなグラスに注いで、ゆっくりと香りを楽しみながら飲む方法です。 温度変化が少ない常温だからこそ、原酒本来のフルーティーさや樽由来のほのかな甘みが感じられます。 必ず、ミネラルウォーターなどのチェイサー(追い水)を用意し、一口飲むごとに口の中をリフレッシュさせながら楽しんでください。 終売品の貴重なボトルであれば、一口一口を慈しむように味わうのがおすすめです。
ロック(大ぶりの氷でゆっくりと)
ロバートブラウンの持つ、クリアな酒質を冷やして楽しむ方法です。 氷はできるだけ大ぶりで溶けにくいもの(丸氷やロックアイス)を使用しましょう。 氷が溶けるにつれて、ウイスキーの度数がゆっくりと下がり、香りが開き、表情を変えていく様子を楽しめます。 ロバートブラウンは、冷やしても香りが閉じこもりすぎず、爽やかさを保つのが魅力でした。 食後のリラックスタイムに最適な飲み方です。
食中酒としても優秀!ハイボールと水割り
ロバートブラウンは、食中酒としても非常に優秀なブレンデッドウイスキーでした。そのバランスの良さは、割材を加えても崩れることがありません。
ロバートブラウン・ハイボール
黄金比は「ウイスキー1:炭酸水3~4」です。 ウイスキーをグラスに注ぎ、氷をしっかりと入れて、冷やした炭酸水を静かに注ぎます。 マドラーで一度だけ軽く混ぜるのがポイント。 ロバートブラウンの持つ軽やかなモルト香と、炭酸水の爽快感が相まって、どんな食事にも合う最高のハイボールが完成します。 レモンピールを軽く絞ると、より香りが引き立ちます。
昔ながらの水割り
昔の日本では、ウイスキーは水で割って飲むのが一般的でした。 ロバートブラウンも例外ではなく、そのクリアな酒質は水割りでもボケることなく、しっかりとウイスキーの風味を保ちます。 濃いめの水割り(ウイスキー1:水2)から試して、徐々に自分好みの濃度を見つけるのがおすすめです。 特に、和食や繊細な味わいの料理と合わせる際は、水割りが最高にマッチします。
最高のペアリングは「燻製チーズ」
ロバートブラウンと特に相性が良いのは、燻製の香りを持つ食べ物です。その中でも、手軽に用意できる燻製チーズは最強のペアリングと言えます。ロバートブラウンのほのかな甘さと、燻製チーズのスモーキーで香ばしい香りが口の中で一体となり、互いの魅力を引き出し合います。
また、チョコレートやナッツ類とも相性が抜群です。特に、少しビターなカカオ分の高いチョコレートと合わせると、ウイスキーの甘みが際立ち、至福のひとときを過ごせます。
<ロバートブラウンのおすすめペアリング>
| フード | 特徴 |
| 燻製チーズ | スモーキーさと塩気がウイスキーの甘みを引き立てる。 |
| ビターチョコレート | カカオの苦味とウイスキーの樽香が上質にマッチ。 |
| ナッツ類(アーモンド、くるみ) | 素朴な香ばしさがロバートブラウンの穏やかな風味を邪魔しない。 |
| ビーフジャーキー | 塩気と肉の旨みがハイボールをさらに美味しくする。 |
見つけた貴重なロバートブラウンのボトルを、最高のシチュエーションで、最高の飲み方とペアリングで楽しんでくださいね。
幻のロバートブラウンをゲット!フリマ・オークション利用の注意点
ロバートブラウンを探す上で、最も現実的に見つけやすいのがフリマアプリやネットオークションです。個人や古物商が出品しているため、古いボトルや限定ボトルが見つかる可能性が高まります。しかし、アルコール飲料の個人間取引には、特有の注意点やリスクが存在します。安全に、そして後悔のない買い物のために、モモストアがその注意点を解説します。
古酒特有の品質リスクを理解する
フリマやオークションで出品されているロバートブラウンは、ほとんどが製造から数年、長いものでは数十年が経過した「古酒」です。ウイスキーは密閉されていれば基本的に腐ることはありませんが、保存状態によって品質が大きく左右されます。
液面低下(エンジェルズシェア)の確認
ウイスキーボトルは完全に密閉されているわけではありません。コルクやキャップの隙間から、長期間かけて微量のアルコールが蒸発していきます。これを「エンジェルズシェア(天使の分け前)」と呼びます。 液面がボトルの肩よりも明らかに下がっている場合は、蒸発が進みすぎているサインです。 液面が低下しているボトルは、風味が損なわれている可能性が高いだけでなく、酸化も進んでいることがあります。 写真でボトルの液面の高さを必ず確認し、極端に低いものは避けるようにしましょう。
コルクの状態
古いボトルの場合、コルクが乾燥して脆くなっていることがあります。 コルクが割れてウイスキーの中に落ちてしまうと、飲む際に手間がかかるだけでなく、コルクの劣化臭がウイスキーに移っている可能性もあります。 可能であれば、キャップやコルクの状態についても、出品者に質問してみるのが賢明です。
保管場所の確認
ウイスキーの品質は、直射日光や高温多湿を避けた涼しい場所で保管されているかが重要です。 出品コメントに「冷暗所で保管していました」といった記載があるか確認しましょう。 もし、写真でボトルが窓際に置かれているなどが確認できる場合は、品質劣化のリスクが高いと判断したほうが良いでしょう。
取引と購入価格に関する注意点
終売品は価格設定に定価という概念がありません。そのため、市場価格を把握しておくことが重要です。
相場価格のチェック
フリマアプリやオークションサイトで、過去の「落札価格」や「SOLD価格」を検索し、現在の相場を把握しましょう。 極端に高額なもの、逆に極端に安価なもの(品質に問題がある可能性)は避けるのが無難です。 適正価格を知ることで、掘り出し物を見つけたり、法外な価格で購入してしまうことを防げます。
個人間取引のリスクと酒税法
日本では、個人が酒類を販売するためには原則として「酒類販売業免許」が必要です。 フリマアプリなどでの一般人による出品は、自己消費目的で購入したものの「不要になった未開栓のボトル」を売却するという形で行われています。 購入する側としては、出品者の評価をしっかりと確認し、信頼できる相手から購入することが重要です。 また、出品されているボトルが未開栓であることも、確認必須のポイントです。
<安全な取引のためのチェックリスト>
- 出品者の評価や過去の取引実績に問題はないか?
- ボトルの写真が鮮明で、液面、ラベル、キャップの状態が確認できるか?
- 極端に安い、あるいは高すぎる価格ではないか?
- 不明点(保管場所、購入時期など)は購入前に必ず質問したか?
ロバートブラウンは、その歴史の長さから、様々な時代のボトルが存在します。古いボトルほど「特級時代」の原酒が使われている可能性もあり、コレクターとしては魅力的な選択肢となります。しかし、その分リスクも伴いますので、上記注意点を踏まえて、慎重に購入を検討してください。
ロバートブラウン終売に関するSNSやネット上の反応を調査
ロバートブラウンが市場から姿を消していった際、特にウイスキー愛好家の間では大きな話題となりました。SNSやブログ、そしてウイスキー専門の掲示板などでは、その終売を惜しむ声や、思い出を語り合うコメントが今でも散見されます。ここでは、終売が確定した当時のネット上の反応と、現在も続くロバートブラウンへの愛をご紹介します。
終売時の「惜しむ声」と「駆け込み購入」の嵐
ロバートブラウンの終売が噂され始めた当時、ネット上では「嘘だろ…また一つ、名酒が消えるのか」といった嘆きの声が多く見られました。特に、長年愛飲していた中高年のウイスキーファンからは、青春時代の思い出の酒としての側面もあり、そのショックは大きかったようです。
- 「父が好きで、いつも家にあったウイスキーだった。もう一度、家族で飲みたい。」
- 「あの値段で買えるブレンデッドの中では最高峰だったのに。キリンさん、原酒を絞らないで…。」
- 「特級時代のボトルを飲んだ時の衝撃が忘れられない。あの味はもう二度と出会えないのか。」
また、終売の噂が確信に変わるにつれ、市場では「駆け込み需要」による買い占めが発生しました。特に、当時の在庫処分セールなどでは、ロバートブラウンをケース買いするファンも多く、この時の「ラストストック」が、現在フリマやオークションに出回っているボトルの大半を占めているとも言われています。この駆け込み購入の動きは、ロバートブラウンがいかに多くの人に愛されていたかを物語っています。
「代替品探し」と「古酒レビュー」がトレンドに
終売後のネット上の議論は、「嘆き」から「どう乗り越えるか」へと移行しました。多くのウイスキーファンが、ロバートブラウンの味に似た代替品を探し始め、そのレビューをブログやSNSで発信するようになりました。
その結果、前述の「キリンウイスキー 富士」や「ニッカ セッション」などがロバートブラウンの代替品として言及されることが増え、これらの銘柄の評価を高める一因ともなりました。ロバートブラウンのスピリットが、別のウイスキーファンに「新しいお酒との出会い」という形で受け継がれているわけです。
また、現在でも続くトレンドとして、「古酒ロバートブラウンのレビュー」があります。オークションなどで古いボトルを手に入れたファンが、そのボトルを開栓し、当時の味をレポートする、という内容です。これらのレビューでは、「昔のボトルは今のウイスキーにはない複雑な香りがある」「時代によって味が違う」といった、非常に専門的で興味深い情報が交わされています。
<SNSでよく見られるキーワード>
| 時期 | キーワード | ファンの感情 |
| 終売直後 | #ロバートブラウン終売、#ヒゲのウイスキー、#駆け込み購入 | 悲しみ、惜しむ気持ち、焦り |
| 現在 | #ロバートブラウン古酒、#ロバートブラウンレビュー、#代替ウイスキー | 懐かしさ、探究心、古酒へのロマン |
これらの反応を見ると、ロバートブラウンは単なるキリンのウイスキーではなく、多くの人の記憶に深く刻まれた「文化的な存在」であったことが分かります。終売という形になったからこそ、その価値が改めて見直され、古酒としてのロマンが増しているとも言えるでしょう。
キリンの他のウイスキーラインナップとロバートブラウンとの違い
ロバートブラウンが終売となった今、キリンのウイスキーラインナップはどのように変化し、ロバートブラウンが持っていた役割はどの銘柄に引き継がれているのでしょうか。この章では、ロバートブラウンと現行のキリンウイスキー(主に「富士」ブランド)を比較することで、ロバートブラウンの個性を再確認し、現行品への理解を深めます。
ロバートブラウンが持っていた「中間」の立ち位置
ロバートブラウンは、キリンのウイスキーラインナップの中で、非常に重要な「中間層」を担っていました。当時のラインナップを簡単に分類すると以下のようになります。
<当時のキリンウイスキー(イメージ)>
- エントリーモデル:オーシャン、ホワイトホース(輸入品)など、安価で手に入りやすいデイリーウイスキー。
- 中間層(基幹):ロバートブラウン。デイリーユースから少し上質な晩酌まで対応できる、品質と価格のバランスが取れたブレンデッド。
- プレミアムモデル:特定のシングルモルトや、より熟成年数の高い原酒を使用した限定品など。
ロバートブラウンは、「品質は高いが、手が出しやすい価格」という絶妙な位置づけで、多くのウイスキーファンを育てました。クセが少なく飲みやすいのに、安っぽさがなく、しっかりとしたモルトの風味も楽しめる。この「高品質なデイリーユース」こそが、ロバートブラウンの最大の強みでした。
現行ブランド「富士」との決定的な違い
現在、キリンが最も注力しているのは、蒸溜所の名を冠した「キリンウイスキー 富士」ブランドです。この富士ブランドは、ロバートブラウンとは明確に異なる戦略的な位置づけがされています。
ターゲットと価格帯
富士ブランドは、国際的なウイスキーアワード受賞を目標とし、世界に通用するジャパニーズウイスキーを目指しています。 そのため、価格帯はロバートブラウンの販売当時の価格よりも高めに設定されており、ターゲットは「よりウイスキーの個性を追求する層」「特別な一本を求める層」へとシフトしています。 ロバートブラウンが「家で気軽に飲む友達」だったのに対し、富士は「特別な日にじっくり向き合う恋人」のような存在だと言えるでしょう。
香味の方向性
ロバートブラウンの味の特徴は「軽快でクリアな酒質に、ほのかな甘みとフルーティーな香り」でした。 一方、富士ブランドは、蒸溜所が持つ様々なグレーン原酒(ヘビー、ミディアム、ライト)を複雑にブレンドし、より多層的で深い味わいを目指しています。 特に、グレーン原酒のクリアさと、モルト原酒の芳醇さを際立たせるブレンド技術は、ロバートブラウンの時代よりも格段に進化しています。 ロバートブラウンの面影は感じられますが、富士はそれを「アップデート」し、「進化」させた味わいと言えます。
<ロバートブラウンとキリンウイスキー富士の比較>
| ロバートブラウン(終売) | キリンウイスキー 富士(現行) | |
| 立ち位置 | 高品質なデイリーユース、基幹ブランド | 国際的ブランド、プレミアムライン |
| 価格帯 | 手頃(終売前) | 高価格帯 |
| 香味 | 軽快、クリア、バランス重視、ほのかな甘み | 複雑、多層的、洗練されたアロマ、深い余韻 |
| 役割 | 多くのファンに親しまれる普及品 | 富士御殿場蒸溜所の個性を世界に発信 |
ロバートブラウンの終売は寂しいですが、その原酒が現在の「富士」ブランドの中で、さらに高い次元で花開いていると考えれば、少しは救われるのではないでしょうか。ロバートブラウンのファンの方は、ぜひ「キリンウイスキー 富士」を試して、その進化を味わってみてください。
ロバートブラウンの「特級時代」と現在のボトルで味が違う?
ウイスキーの「古酒」の世界では、「特級時代」という言葉が特別な意味を持ちます。ロバートブラウンも例外ではなく、「特級時代のボトルは味が違う」という議論は、愛好家の間で尽きることがありません。この章では、特級時代とは何だったのか、そしてロバートブラウンの味の変化について、具体的な背景を交えて解説します。
「特級ウイスキー」とは何だったのか
日本には、1989年の酒税法改正以前、「特級」「一級」「二級」というウイスキーの等級制度がありました。これは酒税の税率を決めるための区分でしたが、実質的に「特級」は高級ウイスキー、「二級」は大衆酒というイメージと結びついていました。
ロバートブラウンは、この「特級」の称号を得ていた期間があり、これが「特級ロバートブラウン」と呼ばれる由縁です。この時代のボトルが特別視される理由は、主に以下の二点にあります。
- 高い税率:特級は最も税率が高く、その分、メーカーも「高い税金を払ってもらうからには、それに見合う高品質なものを」という意識で、惜しみなく良質な原酒を投入していたと考えられます。
- 古酒化:特級時代のボトルは製造から少なくとも35年以上が経過しています。この長い瓶内熟成の間に、ウイスキーの成分が微量に変化し、まろやかさや熟成感が深まっていると評価されています。
つまり、特級時代のロバートブラウンは、メーカーの情熱と、時間の魔法がかけられた「特別なロバートブラウン」なのです。
特級ボトルと終売前のボトル、味の決定的な違い
ロバートブラウンは、特級制度が廃止された後も販売が続けられました。特級時代(~1989年頃)のボトルと、終売前のレギュラーボトルを比較すると、一般的に以下の違いが見られます。
熟成感と口当たりのまろやかさ
特級ボトル: コルクのわずかな隙間からの空気の出入り、そして長年の静置によって、刺激が抜け、角の取れた非常にまろやかで滑らかな口当たりになっていることが多いです。 ドライフルーツや古い革のような、古酒特有の複雑なニュアンスも感じられることがあります。
終売前ボトル: 比較的若く、フレッシュさが残っています。 ロバートブラウン本来のクリアで軽快な酒質が際立っており、ハイボールなどにしても味がボケにくいバランスの良さが特徴です。
モルト原酒の比率と品質
これは憶測の域を出ませんが、特級時代のボトルは、規制や競争環境、そして原酒のストック状況が異なっていたため、より豊富で質の高いモルト原酒がブレンドに使われていた可能性が指摘されています。 特級時代のロバートブラウンは、より重厚で複雑なモルトのキャラクターを感じさせることが多いのです。
<ロバートブラウンの古酒を見分けるポイント>
| 特徴 | 特級ボトル(稀少) | レギュラーボトル(終売品) |
| ラベル表記 | 「特級」の文字(初期の特級表記は無い場合もあり) | 「ウイスキー」のみの表記 |
| 封緘 | 古風なキャップや封緘が多い | 現代的なスクリューキャップが主流 |
| 液面 | 極端な低下は避けるべきだが、多少の低下は許容範囲 | 液面が高いものが望ましい |
もし、オークションなどで「特級」表記のあるロバートブラウンを見つけたら、それは歴史的価値のあるボトルです。価格は高くなりますが、二度と出会えない特別な味わいを体験できるかもしれません。古酒ならではのロマンを感じながら、じっくりと味わってみてください。
ウイスキー愛好家が語る!ロバートブラウンの知られざるトリビア
ロバートブラウンは、長年の歴史の中で、ファンや業界関係者の間で語り継がれてきた、いくつかの面白いトリビアを持っています。終売となった今だからこそ、これらの裏話を知ることで、ロバートブラウンへの愛着がさらに深まるはずです。モモストアが、愛好家から聞いた知られざるエピソードをいくつかご紹介します。
トリビア1:あの「ヒゲの人物」は誰だったのか?
前述の通り、ロバートブラウンは「ヒゲのウイスキー」として知られていました。しかし、ラベルに描かれていた肖像画のモデルが、実在の人物なのか、あるいは架空のキャラクターなのかは、長年の謎でした。
キリン関係者の話や、当時の販促資料によると、この人物は特定の誰かをモデルにしたわけではなく、「品質に対する信頼性」と「伝統的な英国紳士のイメージ」を象徴するために創作されたキャラクターである可能性が高いそうです。名前が「ロバート・ブラウン」であることから、スコットランド系の人名をイメージして描かれたのは間違いないでしょう。
しかし、この架空の紳士像が、多くの人にとって「ロバートブラウン」というブランドそのものを強く印象づけ、親しみやすさと高級感を両立させることに成功したのです。今となっては、この「ヒゲの紳士」こそがロバートブラウンの顔であり、彼の顔を見たら「あ、ロバートブラウンだ」と誰もが認識できる、稀有なブランドアイコンとなりました。
トリビア2:ロバートブラウンは日本初のある技術を使っていた?
ロバートブラウンの製造元である富士御殿場蒸溜所は、常に新しいウイスキー製造技術に挑戦してきました。ロバートブラウンも、その恩恵を受けていたと言われています。
具体的な技術名は企業秘密のため公開されていませんが、ロバートブラウンは、「香味の安定化」と「熟成感の演出」に関する、当時の日本ウイスキー業界でも最先端の技術を用いてブレンドされていたという説があります。特に、グレーン原酒のクリアさを保ちつつ、モルト原酒の華やかさを引き出すブレンド技術は、当時のキリンの技術力の結晶でした。
この技術的な裏付けがあったからこそ、ロバートブラウンは「クセがなく飲みやすいのに、味が薄くない」という、ブレンデッドウイスキーとして最高の評価を得ることができたのです。単に原酒を混ぜただけでなく、最新の技術が詰まった「科学のウイスキー」でもあったわけです。
トリビア3:昔のCMが伝説化している
ロバートブラウンは、特にバブル時代にかけて、テレビCMを積極的に展開していました。その中でも、いくつかのCMは、その時代の空気感を色濃く反映しており、ウイスキーファンやCMマニアの間で「伝説のCM」として語り継がれています。
これらのCMは、洗練された大人のライフスタイルを描きつつ、ロバートブラウンを飲むシーンを印象的に表現していました。豪華なキャストや、ヨーロッパの美しいロケーションで撮影された映像は、当時のウイスキーが持つ「ステータス」を象徴していました。終売となった今でも、動画サイトなどで当時のCMを探して見返すと、「ああ、あの時代は良かったな」と懐かしい気持ちに浸れますよ。
<ロバートブラウンの豆知識まとめ>
| 豆知識 | 内容 |
| ヒゲの紳士 | 特定のモデルはいないが、信頼と伝統を象徴する架空のキャラクター。 |
| 裏の技術 | 香味の安定化や熟成感の演出に、当時の最先端技術が使われていた。 |
| 特級の証 | かつて「特級」の称号を持ち、品質と価格のバランスがとれていた。 |
| CM伝説 | バブル時代に展開されたCMが、当時の高級感を象徴し、今も語り継がれている。 |
これらのトリビアを知ると、ロバートブラウンというウイスキーが、単に飲まれるだけでなく、人々の心と文化に深く根付いていたことがよくわかりますね。
まとめ:ロバートブラウンの終売から考える国産ウイスキーの未来
キリンの銘酒ロバートブラウンの終売というニュースは、私たちウイスキーファンにとって寂しい現実を突きつけましたが、その背景には、日本のウイスキー全体が世界的な評価を受け、新しいフェーズへと進んでいるというポジティブな側面も隠されています。最後に、ロバートブラウンの終売から得られる教訓と、国産ウイスキーの今後の未来について、モモストアの考えをまとめます。
ロバートブラウンが教えてくれたこと
ロバートブラウンの終売は、私たちに以下の重要な事実を教えてくれました。
- 原酒の貴重さ:ジャパニーズウイスキーの原酒、特にモルト原酒は極めて貴重であり、メーカーはラインナップを整理して原酒を集中投下せざるを得ない状況にあること。
- 品質維持の重要性:ブランドの信頼を守るためには、品質が落ちるくらいなら終売を選ぶという、メーカーの真摯な姿勢があったこと。
- ブランドの継承:ロバートブラウンの持つクリアでバランスの取れた酒質は、「キリンウイスキー 富士」といった現行ブランドに確実に受け継がれ、進化していること。
終売は、一つの時代の終わりではありますが、ロバートブラウンが培ってきた富士御殿場蒸溜所の技術とスピリットは、今も脈々と生き続けています。終売をきっかけに、ロバートブラウンの歴史や、その後のキリンのウイスキーに興味を持っていただけたなら、それは非常に喜ばしいことです。
今後の国産ウイスキーの未来は「多様化」
ロバートブラウンが担っていた「高品質なデイリーユース」というポジションは、今後、他の銘柄やメーカーによって、さらに多様な形で埋められていくでしょう。現在の国産ウイスキーのトレンドは以下の通りです。
- クラフト蒸溜所の台頭:大手メーカーだけでなく、個性的なクラフト蒸溜所が次々と誕生し、ユニークな原酒や個性的なウイスキーを生み出しています。
- ブレンデッドの再評価:モルト原酒だけでなく、グレーン原酒の品質向上により、ブレンデッドウイスキー全体のレベルが底上げされています。ロバートブラウンが持っていた「バランスの良さ」の価値が、より高まるでしょう。
- 熟成期間の短縮:新しい技術や樽の使い方により、熟成期間が短くても楽しめる、若いウイスキーも注目され始めています。
ロバートブラウンが去った後も、日本のウイスキー市場は非常に活発でエキサイティングな状態にあります。終売を機に、ぜひAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで、新しいお気に入りの一本を探す旅に出てみてください。
最後に、運良く手に入れたロバートブラウンのボトルは、ストレートでその歴史を感じながら、大切に味わってくださいね。あの味は、日本のウイスキーの歴史を語る上で、決して欠かすことのできない素晴らしい一本なのですから。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。ロバートブラウンの魅力が少しでも伝わったなら幸いです。
(筆者:モモストア)

