介護用品はどこで買える?お店とネットでの購入・レンタル方法を徹底解説!

介護用品はどこで買える?お店とネットでの購入・レンタル方法を徹底解説!

ご家族の介護が始まったり、ご自身で準備が必要になったりした時、「介護用品って一体どこで買えるの?」と迷ってしまう方は本当に多いのではないでしょうか?
病院や施設で使うものというイメージが強くて、いざ自分で探そうと思うと、薬局なのか、ホームセンターなのか、ネット通販なのか、判断に困ってしまいますよね。

この記事では、介護用品を「購入」する場合と「レンタル」する場合、それぞれの最適な探し方を徹底的に解説します。
急ぎで必要な時、介護保険を使いたい時、専門的なアドバイスが欲しい時など、状況に合わせた購入・レンタル場所が分かりますよ!
適切なアイテムを無駄なく選ぶためのヒントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。(筆者:モモストア)

・介護用品は「購入」と「レンタル」どっちがいい?基本的な選び方
・介護用品を【店舗】で買える場所一覧!すぐに欲しい時の探し方
・ドラッグストア(薬局)で買える介護用品の種類と在庫をチェック!
・ホームセンターの介護用品コーナーは穴場!どんなアイテムが置いてある?
・介護用品専門店のメリット・デメリットと訪問するときの注意点
  1. 介護用品は「購入」と「レンタル」どっちがいい?基本的な選び方
    1. 介護用品の「購入」と「レンタル」の違いを知ろう
    2. こんな時は「レンタル」、こんな時は「購入」!判断基準をチェック
  2. 介護用品を【店舗】で買える場所一覧!すぐに欲しい時の探し方
    1. お店で買える介護用品の「種類」と「場所」
    2. 店舗で購入する際の最大のメリットと注意点
  3. ドラッグストア(薬局)で買える介護用品の種類と在庫をチェック!
    1. ドラッグストアの品揃えは「消耗品」と「簡易補助具」がメイン
    2. 在庫切れを防ぐ!大型チェーンと地域店舗の賢い使い分け
      1. 大型チェーン店(マツモトキヨシ、ウエルシア、スギ薬局など)
      2. 地域の小さな薬局・調剤薬局
  4. ホームセンターの介護用品コーナーは穴場!どんなアイテムが置いてある?
    1. ホームセンターで見つかる「住環境を整える」介護用品
    2. 介護用品とDIY用品を組み合わせる発想が使える!
  5. 介護用品専門店のメリット・デメリットと訪問するときの注意点
    1. 専門店のメリット:知識豊富な「福祉用具専門相談員」がいる
    2. 専門店のデメリットと、訪問時のチェックリスト
  6. 車いす・介護ベッドはどこでレンタル・購入するのが正解?
    1. 車いす・介護ベッドは「レンタル」が原則!その理由とは?
    2. 購入できる例外的なケースと、その注意点
  7. 【要チェック】介護保険でレンタル・購入できる品目と手続きの流れ
    1. 介護保険で「レンタル」できる13品目
    2. 介護保険で「購入」できる品目(特定福祉用具販売)
    3. 利用手続きの基本的な流れ
  8. ネット通販(Amazon/楽天/Yahoo!)で介護用品を買うメリットと注意点
    1. ネット通販の最大の魅力!豊富な選択肢と自宅配送
    2. ネット通販利用時の注意点!保険適用外とサイズ確認
      1. 介護保険は適用外が原則
      2. サイズ・機能の確認は慎重に
      3. 返品・交換ポリシーの確認
  9. 紙おむつ・消耗品はサブスクや定期購入がお得?
    1. 定期購入のメリット:買い忘れ防止と価格優遇
    2. 定期購入の注意点:利用量の変化に柔軟に対応できるか
      1. 休止・スキップ・解約のしやすさ
      2. 在庫管理の手間を減らす工夫
  10. 介護用品が急に必要になった時の緊急対応と相談窓口
    1. 緊急時も慌てない!状況別・入手方法
    2. 頼れる相談窓口:ケアマネジャーと地域包括支援センター
      1. ① 担当のケアマネジャー
      2. ② 地域包括支援センター
      3. ③ 病院や施設の相談員(ソーシャルワーカー)
  11. 介護用品を中古やフリマアプリ(メルカリなど)で買うのはアリ?
    1. 中古品購入の是非:衛生面と安全性のリスク
      1. 安全性の問題(特に車いす・ベッド)
      2. 衛生面の問題(特にポータブルトイレ・入浴用品)
    2. 中古でも購入を検討できるアイテム
  12. 介護用品の購入前に知っておきたい!助成金・補助金制度
    1. ① 介護保険による「住宅改修費」の支給
    2. ② 市区町村独自の補助金・高齢者向けの助成金
  13. 介護用品が初めての方へ無駄なく選ぶための3つのステップ
    1. ステップ1:専門家(ケアマネジャー)に「生活課題」を明確にしてもらう
    2. ステップ2:まずは「レンタル」を優先して試す
    3. ステップ3:「消耗品」はネット通販で「定期購入」を活用する
  14. ドラッグストアとホームセンターの具体的な商品と価格帯(H3)
    1. ドラッグストアの主要消耗品価格帯
    2. ホームセンターでのおすすめ購入品
  15. 介護食・栄養補助食品はどこで買う?市販品と通販専門品の違い(H3)
    1. 市販(店舗)で買える介護食
    2. ネット通販(専門サイト)の介護食
  16. 自宅の環境別!失敗しない介護用品選びのポイント(H3)
    1. 【環境別】チェックすべき用具のポイント
    2. 「メジャー片手に」福祉用具相談員と自宅で選ぶ大切さ
  17. 介護用品の処分に困ったら?不要になった時の選択肢(H3)
    1. レンタル品は「事業者に回収」してもらう
    2. 購入品(大型)は「不用品回収」か「自治体」へ
    3. 小物・消耗品は「寄付」や「リサイクル」も検討
  18. 介護リフォームの基本:手すりの取り付けと段差解消(H3)
    1. 手すりの取り付け:どこに、どんな種類を選ぶべきか
    2. 段差の解消:小さな段差ほど危険!
  19. 介護用品はネットと店舗の「いいとこ取り」で賢く揃えよう(H3)
    1. 【結論】「安全性」は店舗や専門家、「利便性」はネット通販

介護用品は「購入」と「レンタル」どっちがいい?基本的な選び方

momo-store.jp

介護用品を探し始めた時、最初にぶつかる壁が「購入するか、レンタルするか」の選択ではないでしょうか。
特に介護保険の制度が関わってくると、「どっちがお得?」「どんな違いがあるの?」と混乱しがちです。ここでは、介護用品の基本的な選び方と、購入・レンタルの判断基準について、分かりやすく解説していきますね。

介護用品の「購入」と「レンタル」の違いを知ろう

結論から言うと、介護用品の品目によって、そもそも介護保険の対象として「レンタル」しかできないもの、「購入」しかできないものが決まっています。
まずは、その大前提となる違いをしっかり理解しておくことが、無駄なく準備を進める第一歩となります。

購入とレンタルの大きな違いをまとめた表がこちらです。

項目 購入(特定福祉用具販売) レンタル(福祉用具貸与)
対象品目 肌に直接触れるもの、排泄・入浴に関連するもの(ポータブルトイレ、入浴補助用具など) 比較的単価が高く、繰り返し利用可能なもの(車いす、介護ベッド、手すりなど)
費用負担 一度に全額を支払い、後で保険給付分(9割、8割、または7割)が戻る(償還払い) 月々のレンタル料の1〜3割を支払う
メリット 慣れたものを常に使える。衛生面での心配が少ない。 初期費用が安い。身体状況の変化に合わせて機種変更しやすい。メンテナンスや修理も業者が対応。
デメリット 初期費用が高い。不要になった際の処分が大変。 利用状況によっては、トータルコストが購入より高くなることも。他人が使用したものを利用する。

特に重要なのは、排泄や入浴に関わるものは衛生上の理由から「購入」身体機能のサポートで単価が高いものは「レンタル」と分けられている点です。このルールを知っておくだけで、探す場所や手段がグッと絞り込めますよ。

こんな時は「レンタル」、こんな時は「購入」!判断基準をチェック

介護保険対象外の品目や、どちらでも可能な場合は、以下のポイントを参考に判断してみてください。

  • 身体状況が変わりやすい場合(レンタル推奨)
    例えば、リハビリ中でこれから改善が見込まれる場合や、逆に病状が進行する可能性がある場合は、その都度、機能やサイズが異なる福祉用具に交換できるレンタルが断然有利です。介護ベッドや車いすは、特にこのケースに当てはまりやすいですね。
  • 長期的な利用が見込まれる消耗品(購入推奨)
    紙おむつや口腔ケア用品、とろみ剤などの消耗品はもちろん購入です。また、ポータブルトイレや入浴用の椅子など、一度設置すれば長く使うことができ、レンタル対象外の「特定福祉用具」にあたるものは、購入で検討します。
  • 試しに使ってみたい場合(レンタルが便利)
    「この手すりは本当に使いやすいかな?」と不安な場合も、まずは短期間レンタルで試用できる場合があります。ただし、介護保険対象外のアイテムについては、レンタルサービスがあるか業者に確認が必要です。

迷ったら、まずは担当のケアマネジャーさんや、地域の地域包括支援センター(新しいウィンドウで開きます)に相談するのが最も確実で安心です。

介護用品を【店舗】で買える場所一覧!すぐに欲しい時の探し方

「明日までに絶対必要!」という消耗品や、実際に見て触って選びたいアイテムは、やっぱり店舗での購入が便利ですよね。
介護用品を販売している店舗は多岐にわたりますが、ここでは主な販売場所と、それぞれの店舗で買える代表的なアイテムをご紹介します。ご自宅の近くにあるお店を思い浮かべながらチェックしてみてください。

お店で買える介護用品の「種類」と「場所」

介護用品の品揃えは、お店の業態によって大きく異なります。例えば、ドラッグストアでは消耗品が中心、ホームセンターでは設置型のアイテムも、というイメージです。

販売場所 主な品揃え 特徴・メリット
ドラッグストア 紙おむつ、ウェットティッシュ、口腔ケア用品、とろみ剤、杖 単価の低い消耗品が中心。すぐに手に入る。ポイントが貯まる。
ホームセンター 簡易手すり、滑り止めマット、シャワーチェア、ポータブルトイレ、簡易ベッド 住宅改修用品や比較的大きな家具類も扱う。駐車場が広く立ち寄りやすい。
介護用品専門店 介護ベッド、車いす、入浴補助具など、ほぼ全て 専門知識を持つスタッフが常駐。介護保険を使ったレンタル・購入の手続きも可能。
百貨店・スーパー 介護食、衣料品、肌着、サポーター、おしゃれな杖 高品質なもの、ギフトにできるものが揃う。介護食の種類が豊富。

特に消耗品は、切らしてしまうと大変なので、お近くのドラッグストアやスーパーの在庫を把握しておくと安心です。

店舗で購入する際の最大のメリットと注意点

店舗購入の最大の魅力は、「実際に見て触って試せる」ことです。例えば、杖の高さや握り心地、車いすのサイズ感、シャワーチェアの座面の固さなどは、ネットでは判断が難しい部分です。

しかし、注意点もあります。それが「在庫状況」「専門知識」です。
一般的なドラッグストアやホームセンターでは、特定の商品(例えば、特殊な形状の車いすや高性能な介護ベッド)は置いていないことがほとんどです。また、アルバイトの店員さんだと、介護保険や具体的な使い方について詳しいアドバイスを求めるのは難しいかもしれません。

専門的なアドバイスが必要な場合は、必ず「介護用品専門店」を選ぶようにしましょう。後ほど詳しく解説しますが、専門店には福祉用具専門相談員がいるため、安心して相談ができますよ。

ドラッグストア(薬局)で買える介護用品の種類と在庫をチェック!

日常生活で最も身近な介護用品の購入場所といえば、やはりドラッグストア(薬局)です。大手チェーン店から地域の小さな薬局まで、どこでも立ち寄りやすいのが魅力ですよね。
ここでは、ドラッグストアで手に入る主なアイテムと、在庫状況を確認するときのコツをご紹介します。

ドラッグストアの品揃えは「消耗品」と「簡易補助具」がメイン

ドラッグストアの介護用品コーナーは、主に以下のカテゴリに特化しています。棚のどこに何があるかをざっくり把握しておくと、必要な時にサッと見つけられますよ。

  • 排泄関連(最も充実)
    紙おむつ(大人用・パッド)、尿取りパッド、お尻拭き、消臭剤。サイズや吸収量、メーカーの種類が豊富です。
  • 口腔ケア・衛生用品
    スポンジブラシ、口腔ケア用ジェル、とろみ剤、使い捨て手袋、消毒液。
  • 食事・栄養補助
    介護食(ムース、ゼリー食)、栄養補助飲料(プロテイン、流動食)、水やお茶にとろみを付けるための製品。
  • 移動補助(簡易なもの)
    折りたたみ式の杖、滑り止めシート、サポーター、靴下。
  • スキンケア
    おむつかぶれ用クリーム、清拭剤(体を拭くためのもの)、保湿ローション。

ただし、ドラッグストアでは、介護ベッドや車いすのような「大型の福祉用具」の取り扱いは基本的にありませんので、その点は注意が必要です。

在庫切れを防ぐ!大型チェーンと地域店舗の賢い使い分け

消耗品だからこそ、買い慣れたものが在庫切れだと困りますよね。
ドラッグストアの在庫状況は、店舗の大きさやチェーンの方針によって大きく異なります。

大型チェーン店(マツモトキヨシ、ウエルシア、スギ薬局など)

  • メリット:店舗面積が広いため、紙おむつのサイズ展開や種類が豊富。プライベートブランドのお得な商品がある場合も多いです。
  • デメリット:特定の専門的なアイテム(例:非常に稀なサイズのオムツや特殊なとろみ剤)は、ネット通販の方が探しやすいことがあります。

地域の小さな薬局・調剤薬局

  • メリット:薬剤師さんや登録販売者さんがいるため、薬やサプリメントとの飲み合わせなど、専門的な相談が可能な場合があります。
  • デメリット:介護用品のスペースが限られており、品揃えは最低限の消耗品に限られることが多いです。

ポイントは、日頃から使う消耗品は大型チェーン店でまとめ買いし、介護食の相談や緊急時には地域の薬局を活用する、という使い分けです。もし、希望の商品が見つからない場合は、店員さんに聞けば、取り寄せてもらえることもありますよ。

ホームセンターの介護用品コーナーは穴場!どんなアイテムが置いてある?

ホームセンターは、DIY用品や日用品が揃う場所というイメージが強いかもしれませんが、実は介護用品の購入場所としても非常に優秀な「穴場スポット」なんです!
特に、住宅改修に関連する簡易的なアイテムを探している方には、ぜひ一度足を運んでみてほしい場所です。ここでは、ホームセンターならではの品揃えと、活用術をご紹介しますね。

ホームセンターで見つかる「住環境を整える」介護用品

ホームセンター(カインズ、コーナン、DCMカーマ、コメリなど)の介護用品の強みは、その品揃えが「住宅」と密接に関わっている点です。つまり、介護保険での住宅改修まではいかなくても、自宅を安全に、快適にするためのアイテムが豊富に揃っています。

具体的にどのようなアイテムがあるか見ていきましょう。

カテゴリ 代表的なアイテム ホームセンターならではの魅力
移動補助・安全対策 簡易手すり(ネジ止め不要な突っ張り式など)、滑り止めマット(風呂場、廊下)、段差解消スロープ(簡易なもの) サイズ展開が豊富で、その場ですぐに自宅の環境に合うか測れる。
入浴・トイレ シャワーチェア、風呂用手すり(吸盤式)、ポータブルトイレ(簡易型)、便座の高さ調節台 実際に椅子に座るなどして、サイズ感や安定性を確認しやすい。
寝具・家具 簡易折りたたみベッド、マットレス(低反発など)、介護用シーツや防水シート、衣類、肌着 一般の寝具売り場と連携しており、比較的安価で実用的なものが見つかる。

特に、滑り止めマットや簡易手すりは、その場でカットや加工ができるサービスがあるホームセンターも多く、「ちょっとした不便」をすぐに解消したい時に大変役立ちます。

介護用品とDIY用品を組み合わせる発想が使える!

ホームセンターを最大限に活用するなら、介護用品コーナーだけでなく、DIY用品の売り場も見てみるのがおすすめです。

  • 「滑り止めテープ」を活用
    階段や廊下に貼る強力な滑り止めテープは、介護用品として売られているものより種類が豊富で、用途に合わせて選べます。
  • 「突っ張り棒」の可能性
    大きな突っ張り棒は、一時的な室内用手すりや、カーテンレールとして使用するなど、様々なアイデアで活用できます。
  • 「LEDセンサーライト」
    夜間の移動を安全にするセンサーライトは、ホームセンターの照明コーナーで安価かつ高性能なものが手に入ります。

ただし、DIY感覚で設置する際は、安全基準をよく確認し、体重をかけるような重要な場所には、必ず専門業者による設置が必要な介護保険対象の手すりなどを検討してくださいね。簡易的な対策はあくまで補助的なものとして捉えましょう。

介護用品専門店のメリット・デメリットと訪問するときの注意点

介護用品専門店(福祉用具販売事業所)は、介護用品を探す上で最も重要な場所であり、特に介護保険の利用を考えている方にとっては避けて通れない場所です。
ドラッグストアやホームセンターとは異なり、専門的な知識と豊富な品揃えが最大の魅力ですが、訪問する際にはいくつかの注意点があります。ここでは、専門店ならではのメリットと、賢い利用方法を解説します。

専門店のメリット:知識豊富な「福祉用具専門相談員」がいる

介護用品専門店の一番の強みは、「福祉用具専門相談員」が常駐していることです。この相談員は、厚生労働省が定める資格を持っており、介護用品に関するプロフェッショナルです。

彼らが提供してくれるサービスには、以下のようなものがあります。

  • 身体状況に合わせた選定アドバイス
    「今の歩行能力なら、このタイプの杖が良い」「自宅の段差には、このスロープの長さが必要」など、専門的な視点から、最適な福祉用具を提案してくれます。
  • 介護保険制度の手続きサポート
    介護保険を使ったレンタル(福祉用具貸与)や購入(特定福祉用具販売)の手続き、申請書類の作成など、複雑な手続きを代行・サポートしてくれます。
  • 自宅への訪問と設置・調整
    介護ベッドや車いすなどの大型機器は、自宅に訪問して、設置場所の確認、組み立て、使用方法の説明、身体に合わせた細かな調整まで行ってくれます。

つまり、専門店は単にモノを売る場所ではなく、「介護の環境をトータルでサポートしてくれる窓口」と考えるのが正しいでしょう。特に初めて介護用品を選ぶ方は、まず専門店に相談することをおすすめします。

専門店のデメリットと、訪問時のチェックリスト

専門店のデメリットとしては、「立ち寄りやすさ」と「価格の透明性」が挙げられます。

  • 立ち寄りやすさ:一般的に店舗数がドラッグストアほど多くなく、郊外にある場合もあります。また、店舗によっては予約が必要な場合もあります。
  • 価格の透明性:介護保険サービスでは、レンタル価格は業者によって異なるため、相場を知らずに決めると損をしてしまう可能性もあります。

専門店を訪問する際のチェックリストはこちらです。

訪問時の確認事項 チェックポイント
① 予約の必要性 事前に電話で「福祉用具専門相談員に相談したい」旨を伝え、予約の有無や担当者の在席を確認する。
② ケアマネジャーとの連携 担当のケアマネジャーが決まっている場合は、その方と連携を取っている業者か確認する。
③ 複数業者の比較 同じ用具でもレンタル価格が異なる場合があるため、複数の業者の見積もりやサービス内容を比較検討する。(レンタル価格の相場(新しいウィンドウで開きます)もチェック!)
④ 緊急時の対応 夜間や休日に故障やトラブルがあった場合のサポート体制(24時間対応かなど)を確認する。

これらの準備をしておくと、安心して専門家のサポートを受けることができますよ。

車いす・介護ベッドはどこでレンタル・購入するのが正解?

介護用品の中でも、特に高額で、利用者の生活の質(QOL)に大きく関わるのが車いすと介護ベッドです。
これらは介護保険の「福祉用具貸与(レンタル)」の中心的な品目であり、選び方を間違えると、かえって身体に負担をかけてしまうことにもなりかねません。ここでは、この2大アイテムの最適な入手方法について詳しく見ていきましょう。

車いす・介護ベッドは「レンタル」が原則!その理由とは?

結論として、介護保険を利用して車いすや介護ベッドを入手する場合は、「レンタル」が原則です(特定の場合を除き、購入は保険対象外)。

その最大の理由は、身体状況の変化への対応のしやすさにあります。
利用者の病状やリハビリの進捗によって、必要な機能やサイズはどんどん変わります。例えば、最初が必要なかった背上げ機能が後から必要になったり、自走式から介助式の車いすに変更が必要になったりするケースは少なくありません。レンタルであれば、月々の費用を支払うだけで、適切な機種に交換することが可能です。

  • 購入のデメリット:
    数十万円の初期費用がかかる上、合わなくなっても簡単に買い替えたり、処分したりできません。
  • レンタルのメリット:
    初期費用が抑えられ、身体状況の変化に応じてケアマネジャーと相談の上、いつでも適切なものに交換してもらえる。メンテナンスも業者が行ってくれる。

「じゃあ、どこでレンタルするの?」という問いの答えは、「介護用品専門店(福祉用具貸与事業所)」です。前述した福祉用具専門相談員が、利用者の身体状況を把握した上で、最適な機種を選定し、自宅に搬入・設置・調整まで行ってくれます。

購入できる例外的なケースと、その注意点

基本的にレンタルですが、以下の車いすやベッド関連用品は、介護保険で「購入」が認められています。

  1. 特定福祉用具販売の対象となる車いす付属品:
    クッション、姿勢保持装置など、身体に直接触れて利用者の体圧分散や姿勢維持に関わるもの。
  2. 移動用リフトのつり具:
    利用者の身体に直接触れる、リフト用のハンガーやシートなど。
  3. 特殊寝台付属品:
    マットレスやサイドレールなど、ベッドの機能の一部として使用されるもの。

これらを購入する際は、必ず都道府県の指定を受けている「特定福祉用具販売事業者」から購入し、申請手続きを行う必要があります。指定を受けていない店舗で購入した場合は、介護保険の払い戻しが受けられませんので、注意してください。

また、介護保険外であれば、もちろんAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで購入することも可能です。特に、移動をサポートする簡易的な「介助用」車いすや、一時的に利用する「折りたたみ式ベッド」などは、ネット通販の方が豊富な種類から選べる場合もありますよ。

【要チェック】介護保険でレンタル・購入できる品目と手続きの流れ

介護用品の費用負担を軽減するために欠かせないのが、介護保険の活用です。しかし、介護保険で「何がレンタルできて、何が購入できるのか」が非常にわかりにくいため、ここでは対象品目をスッキリ整理し、手続きの基本的な流れを解説します。この知識があるだけで、費用計画が立てやすくなりますよ。

介護保険で「レンタル」できる13品目

介護保険法で定められている「福祉用具貸与」の対象品目(レンタルのみ)は、以下の13種類です。これらは、全てレンタルで賄うことが原則です。

品目 具体例 利用の条件(原則)
① 車いす 自走用、介助用など 要介護度2以上
② 車いす付属品 クッション、電動補助装置など 要介護度2以上
③ 介護ベッド 背上げ・高さ調節機能付きの特殊寝台 要介護度2以上
④ 介護ベッド付属品 サイドレール、マットレスなど 要介護度2以上
⑤ 床ずれ防止用具 エアマットレス、ウォーターパッドなど 要介護度2以上
⑥ 体位変換器 体位変換を補助するクッションなど 要介護度2以上
⑦ 手すり 取り付け工事不要の据え置き型 要介護度1以上
⑧ スロープ 段差解消のための持ち運び可能なもの 要介護度1以上
⑨ 歩行器 四脚歩行器、シルバーカーなど 要介護度1以上
⑩ 歩行補助杖 T字杖、多点杖、ロフストランドクラッチなど 要介護度1以上
⑪ 認知症老人徘徊感知機器 センサー付きマット、カメラなど 要介護度2以上
⑫ 移動用リフト つり上げ式、段差解消機など 要介護度2以上
⑬ 自動排泄処理装置 排泄物を自動的に吸引・処理するもの 要介護度4以上

注意したいのは、品目ごとに「要介護度」の条件が設定されている点です。例えば、介護ベッド(③)は原則として要介護度2以上でないと、保険を使ってレンタルすることはできません。(ただし、医師の意見書などがあれば例外的にレンタル可能な場合もありますので、ケアマネジャーに相談しましょう。)

介護保険で「購入」できる品目(特定福祉用具販売)

一方、購入のみが保険給付の対象となる「特定福祉用具」は以下の通りです。これらは、年間10万円(自己負担1~3割)が上限と定められています。

  • 腰掛便座:
    ポータブルトイレ、便座の高さ調整ブロックなど。
  • 入浴補助用具:
    入浴用いす(シャワーチェア)、浴槽内すのこ、浴槽内いす、入浴台、浴槽用手すり、洗い場用車いすなど。
  • 簡易浴槽:
    空気式や折りたたみ式など、工事を伴わない簡易な浴槽。
  • 移動用リフトのつり具部分:
    利用者の身体を吊り上げるベルトやシート。
  • 排泄予測支援機器:
    排泄のタイミングを予測する機器(令和6年度から追加)。

これらを購入する場合は、必ず「特定福祉用具販売事業者」の指定を受けている業者から購入し、一度全額を支払い、後で市町村に申請して保険給付分(最大9割)を払い戻してもらう「償還払い」が一般的です。

利用手続きの基本的な流れ

介護保険を使ってレンタル・購入する際の手続きは、以下の流れで進めるのが一般的です。

  1. 要介護認定の申請・決定
  2. ケアプランの作成:
    担当のケアマネジャーが作成します。
  3. 福祉用具専門相談員への相談:
    ケアプランに基づき、どの福祉用具が必要かを専門員と相談します。
  4. (レンタル)契約・利用開始:
    業者とレンタル契約を結び、利用を開始します。
  5. (購入)購入・償還払い申請:
    指定業者から購入後、市町村に申請書類を提出し、払い戻しを受けます。

すべてケアマネジャーさんが間に入って進めてくれますので、まずは遠慮なく相談しましょう。

ネット通販(Amazon/楽天/Yahoo!)で介護用品を買うメリットと注意点

近年、介護用品の購入場所として急速に利用者が増えているのが、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったネット通販です。
「かさばるから運ぶのが大変」「近所の店に品揃えがない」といった悩みを解決してくれるネット通販ですが、利用する上で知っておきたいメリットと注意点があります。ここでは、ネット通販の活用術を解説します。

ネット通販の最大の魅力!豊富な選択肢と自宅配送

ネット通販で介護用品を購入するメリットは、何と言ってもその利便性と品揃えの多さです。

  • 圧倒的な品揃え:
    店舗では在庫を抱えられないような、ニッチなメーカーの特殊なサイズや機能を持つアイテムも簡単に見つけられます。特に、おしゃれな杖や海外の介護用品なども豊富です。
  • 自宅まで配送:
    紙おむつなどの重くかさばる消耗品を、自宅の玄関先まで運んでもらえるのは、介護者にとって大きなメリットです。
  • 価格比較の容易さ:
    複数のECサイトやショップを瞬時に比較し、最安値を見つけ出すことが可能です。ポイント還元率なども比較できます。
  • 口コミ・レビューの確認:
    実際に利用した人の評価や意見を参考に、商品の使い勝手を事前に確認できます。

特に紙おむつやパッドなどの消耗品は、ネット通販の定期購入サービス(後述)を利用すると、買い忘れの心配もなく、割引価格で購入できる場合もありますよ。

ネット通販利用時の注意点!保険適用外とサイズ確認

ネット通販は便利ですが、介護用品に関しては以下の3つの注意点が特に重要です。

介護保険は適用外が原則

ほとんどのネット通販(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)の出店者は、介護保険の指定事業者ではないため、保険給付の対象となるレンタルや購入はできません。
あくまで「自費での購入」が前提となります。介護保険の利用を考えている場合は、必ず指定を受けた専門業者を利用してください。

サイズ・機能の確認は慎重に

車いすやシャワーチェアなど、身体に合わないと危険な用具は、絶対に試用せずにネットで購入するのは避けましょう。ネットの画像や説明文だけでは、以下の判断が非常に難しいです。

  • 利用者の身長・体重に合ったサイズか?
  • 自宅の廊下やドアの幅を通るか?
  • 座面の固さや角度は身体に負担をかけないか?

これらのアイテムは、福祉用具専門相談員に選定してもらい、レンタルするのが最も安全で確実な方法です。

返品・交換ポリシーの確認

万が一、届いた商品がイメージと違った場合のために、返品や交換、特に大型商品の配送・組み立て・設置サービスがあるかどうかも、購入前に確認しておきましょう。(Amazonの介護用品返品ポリシー(新しいウィンドウで開きます)などの情報も事前に確認しておきましょう。)

紙おむつ・消耗品はサブスクや定期購入がお得?

介護に欠かせない紙おむつやパッド、ウェットティッシュなどの消耗品は、常にストックしておきたいものですが、その都度お店に買いに行くのはかなりの労力です。そこで活用したいのが、最近増えている「サブスクリプション(定額制)」や「定期購入」サービスです。ここでは、消耗品の賢い買い方と、利用のポイントを解説します。

定期購入のメリット:買い忘れ防止と価格優遇

消耗品の定期購入サービス(サブスクリプション)は、主にAmazonや大手ドラッグストアのネットショップ、メーカー直販サイトなどで提供されています。その最大のメリットは、以下の2点です。

  • 買い忘れの心配がない:
    決まったサイクル(例:毎月1回)で自動的に商品が届くため、「在庫が残りわずか!」という焦りがなくなります。
  • 価格の優遇:
    1回あたりの購入単価が通常購入よりも割引されることが多いです。例えば、Amazonの「定期おトク便」では、最大で15%オフになるケースもあります。
  • 自宅への送料無料:
    大型のかさばる商品でも、多くの場合、送料が無料になります。

特に、使用頻度が高い大人用オムツやパッドは、定期購入を利用することで、毎月の支出を抑えつつ、買い物の手間から解放されるため、介護者の負担軽減に直結します

定期購入の注意点:利用量の変化に柔軟に対応できるか

定期購入を始める前に、必ず以下の注意点を確認しておきましょう。

休止・スキップ・解約のしやすさ

介護を受けている方の状態は日々変わるものです。「今月は使用量が少なかったから、来月はスキップしたい」「急に状態が変わって、サイズや種類を変更したい」といったニーズに、サービスが柔軟に対応できるかを確認してください。
手続きが煩雑だったり、解約に違約金が発生したりするサービスは避けましょう。

在庫管理の手間を減らす工夫

定期的に届くのは便利ですが、自宅にストックが溜まりすぎると、今度は「在庫の置き場所」が問題になります。自宅の収納スペースを考慮し、「3ヶ月に1回」「2ヶ月に1回」など、配送頻度を調整できるサービスを選ぶと、管理が楽になります。

また、トイレットペーパーや洗剤などの一般消耗品とまとめて配送してくれるサービスを利用すると、さらに手間が省けて便利ですよ。

介護用品が急に必要になった時の緊急対応と相談窓口

介護は予期せぬトラブルがつきものです。「夜中におむつが切れた!」「急に体調が悪化して、ベッドサイドにポータブルトイレが必要になった!」など、介護用品が緊急で必要になる場面は少なくありません。
ここでは、緊急時の対応策と、頼れる相談窓口について解説します。

緊急時も慌てない!状況別・入手方法

緊急で必要な介護用品が、消耗品なのか、福祉用具なのかによって、取るべき対応が変わってきます。

必要なもの 緊急時の入手方法 対応可能時間帯
紙おむつ・パッド コンビニ、24時間営業のドラッグストア、夜間も開いているスーパー 24時間(ただし品揃えは少ない)
簡易的な杖・手すり 一部の24時間営業ホームセンター、大型ドラッグストア 店舗の営業時間内
介護ベッド・車いす 契約している福祉用具専門相談員(緊急対応サービス) 24時間対応の業者なら可能

特に、介護ベッドや車いすなどの大型の福祉用具は、契約している福祉用具貸与事業所が緊急時(夜間・休日)の対応を行っているかを事前に確認しておくことが非常に重要です。
優良な事業所であれば、夜間でも電話がつながり、翌日には対応に来てくれる体制を整えています。

頼れる相談窓口:ケアマネジャーと地域包括支援センター

「どんな用具が必要なのか、そもそもわからない」という緊急事態の場合、頼るべきは以下の相談窓口です。

① 担当のケアマネジャー

最も頼りになる窓口です。利用者の状況を一番よく把握しており、必要な福祉用具の種類をすぐに判断し、提携している福祉用具事業者に手配を依頼してくれます。緊急時の連絡先や対応時間を確認しておきましょう。

② 地域包括支援センター

介護保険サービスを利用していない方、または要介護認定を受けていない方でも相談できる窓口です。介護予防や生活の相談に乗ってくれるほか、福祉用具の紹介や、介護保険の申請手続きについても教えてくれます。お住まいの地域名と合わせて検索窓口(新しいウィンドウで開きます)から探せます。

③ 病院や施設の相談員(ソーシャルワーカー)

入院中や入所中の場合は、その施設の相談員(医療ソーシャルワーカーや生活相談員)が、退院後の生活を見据えた介護用品の準備についてサポートしてくれます。

何かあったときに「どこに電話すればいいか」を紙に書いて貼っておくだけで、精神的な安心感が大きく違いますよ。

介護用品を中古やフリマアプリ(メルカリなど)で買うのはアリ?

介護用品、特に介護ベッドや車いすは高額なので、「少しでも安く抑えたい」と、中古品やフリマアプリ(メルカリ、ヤフオクなど)での購入を検討される方もいるでしょう。
費用面での魅力は大きいですが、介護用品を中古で購入することには、専門的な視点から見て大きなリスクも伴います。ここでは、中古品購入の是非と、注意すべき点について解説します。

中古品購入の是非:衛生面と安全性のリスク

結論から言うと、介護保険の対象となる福祉用具は、中古品の購入は基本的に避けるべきです。その理由は「安全と衛生」の2点に集約されます。

安全性の問題(特に車いす・ベッド)

車いすや介護ベッドは、利用者の体重や負荷がかかる重要な福祉用具です。中古品は、見えない部分で劣化や破損が進んでいる可能性があります。例えば、ブレーキの効きが悪くなっていたり、ベッドの昇降機能に不具合が生じたりすると、重大な事故につながりかねません。
レンタル業者から借りる場合は、専門的なメンテナンスと消毒が行われているため安全ですが、個人売買ではその保証がありません。

衛生面の問題(特にポータブルトイレ・入浴用品)

肌に触れるもの、排泄や入浴に関わるものは、衛生上の理由から介護保険の給付対象が「購入のみ」とされているほどです。
ポータブルトイレやシャワーチェアなど、衛生面が気になるアイテムを中古で購入するのは、感染症のリスクなどを考えると推奨できません

中古でも購入を検討できるアイテム

ただし、中古でも比較的安全に、費用を抑えて購入できるアイテムもあります。

  • 簡易な歩行補助杖:
    比較的安価で構造が単純な杖であれば、状態をよく確認し、グリップや先端のゴム部分を交換すれば使用できる場合があります。
  • 新品同様の消耗品:
    未開封でパッケージに破損がない紙おむつやパッドなど、使用期限内であることが確認できれば、フリマアプリで安く手に入る場合があります。
  • 衣料品・肌着:
    新品である必要性が低く、高温での洗濯や消毒が可能な衣料品は、中古でも問題ない場合が多いです。

中古品を購入する場合は、「介護保険の対象外」であることを理解し、安全面で一切の妥協をしないこと、そして「返品・交換はできない」リスクを考慮した上で判断してくださいね。(中古介護用品の安全基準(新しいウィンドウで開きます)についても確認しておくと良いでしょう。)

介護用品の購入前に知っておきたい!助成金・補助金制度

介護用品、特に住宅改修を伴うものや高額な福祉用具は、費用が大きくかさむ可能性があります。少しでも費用負担を軽くするために、介護保険以外にも活用できる「助成金」や「補助金」の制度があることをご存知でしょうか。
ここでは、特に利用しやすい2つの制度について、その概要を解説します。

① 介護保険による「住宅改修費」の支給

これは、介護用品の購入とは少し異なりますが、自宅の環境を整える上で非常に重要な制度です。要介護認定を受けた方が、自宅で生活しやすくするために行う小規模な改修(手すりの取り付け、段差の解消など)について、費用の最大9割が払い戻される制度です。

【対象となる改修工事の例】

  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消(スロープの設置、式台の設置など)
  • 床材の変更(滑り止め目的)
  • 扉の交換(開き戸から引き戸への変更など)
  • 洋式便器への交換

支給限度額は原則20万円で、そのうちの1~3割が自己負担となります。つまり、最大18万円が戻ってくる可能性があります。この制度を利用するには、必ず着工前に市町村への申請が必要となりますので、まずはケアマネジャーに相談しましょう。

② 市区町村独自の補助金・高齢者向けの助成金

介護保険とは別に、お住まいの市区町村が独自に設けている補助金制度がある場合があります。これは、地域によって制度の内容が大きく異なりますが、高額な用具の購入や、介護保険では対象とならないサービス・用具に対して助成が行われることがあります。

  • 対象となることが多い例:
    紙おむつ代の助成、見守りシステム導入費用の一部助成、特定疾病に関する用具の購入補助など。
  • 探し方:
    「(お住まいの市区町村名) 介護用品 補助金」「(お住まいの市区町村名) 高齢者 助成制度」などで検索するか、地域包括支援センターに問い合わせるのが確実です。

これらの制度は申請期間が設けられていることが多いので、介護が必要になった際は、早めに情報収集を始めることが大切です。(介護用品の補助金制度一覧(新しいウィンドウで開きます)も参考にしてください。)

介護用品が初めての方へ無駄なく選ぶための3つのステップ

介護用品は種類が多すぎて、「何から手をつけていいか分からない!」という状態に陥りがちです。最後に、モモストアから、介護用品を無駄なく、そして安全に選ぶためのシンプルな3つのステップをご紹介しますね。このステップを踏むことで、必要なものだけを確実に手配できるようになります。

ステップ1:専門家(ケアマネジャー)に「生活課題」を明確にしてもらう

いきなり商品カタログを見るのはNGです。まずは、専門家と一緒に「今、何に困っているか」を明確にしましょう。「歩行が不安定」ではなく「寝室からトイレまでの移動中に転倒の危険がある」といった、具体的な生活上の課題を明確にすることが重要です。

この課題が明確になれば、自動的に必要な用具の種類が絞られます。
例えば、「トイレまでの移動中の転倒」であれば、「ポータブルトイレ」なのか「寝室への手すり設置」なのか、複数の選択肢が浮かび上がってきます。

ステップ2:まずは「レンタル」を優先して試す

先ほども解説した通り、介護用品は利用者の身体状況によって「合う・合わない」が非常に大きいです。特に高額な車いすや介護ベッドは、絶対にレンタルを優先し、約1〜2週間、実際に使ってみてから判断しましょう

レンタル品であれば、もし利用者の身体に合わなかったり、自宅の環境に馴染まなかったりした場合でも、費用負担を最小限に抑えて、すぐに別の機種に交換できます。福祉用具専門相談員に立ち会ってもらい、使い方をしっかりレクチャーしてもらうことも大切です。

ステップ3:「消耗品」はネット通販で「定期購入」を活用する

試行錯誤が必要な福祉用具(レンタル品)の選定が終わったら、次に着手するのが「消耗品の確保」です。
紙おむつやパッド、介護食などは、利用する種類やサイズが決まったら、店舗に足を運ぶ手間とコストを節約できるネット通販の定期購入に切り替えることをおすすめします。

この3ステップで、あなたはもう介護用品選びのプロです。焦らず、必要なものから一つずつ揃えて、安心で快適な介護生活を送ってくださいね!

ドラッグストアとホームセンターの具体的な商品と価格帯(H3)

もう少し具体的に、「お店で買う」というイメージを持っていただくために、ドラッグストアとホームセンターでよく見かける具体的な介護用品と、おおよその価格帯について掘り下げてみましょう。緊急で必要になった時、「だいたいこれくらいの予算が必要だな」と知っておくと安心です。

ドラッグストアの主要消耗品価格帯

ドラッグストアでは、メーカーや枚数によって価格が大きく変動しますが、主流の商品の目安は以下の通りです。

商品名 目安価格帯(税込み) 選び方のポイント
大人用テープタイプおむつ(M/Lサイズ・20〜30枚入) 2,000円~3,500円 寝たきりの方向け。サイズ選びが重要。
尿取りパッド(夜用・30枚前後) 1,500円~2,500円 吸収量(〇回分)をチェック。
口腔ケア用スポンジブラシ(50本入り) 1,500円~2,000円 やわらかさや軸の太さを好みで選ぶ。
とろみ剤(大容量・400g前後) 2,500円~3,500円 「少量でとろみがつく」など、使いやすさを比較。

ドラッグストアの魅力は、ポイントサービスやセールです。特売日を狙ったり、ポイントアップデーにまとめ買いをすることで、ランニングコストを抑えることができますよ。

ホームセンターでのおすすめ購入品

ホームセンターは、設置が簡単な簡易用品が充実しています。

商品名 目安価格帯(税込み) 活用例
吸盤式浴槽内手すり 3,000円~7,000円 工事不要で、浴槽内への出入りを補助。
シャワーチェア(背もたれ付き) 6,000円~12,000円 座面の高さ調節機能があるかを確認。
簡易段差解消スロープ(1枚) 2,000円~5,000円 玄関や部屋の小さな段差に。
ポータブルトイレ(プラスチック製) 10,000円~25,000円 寝室での排泄に。消臭機能付きも人気。

ホームセンターで購入する際は、必ず自宅の設置場所の寸法(風呂場の幅、段差の高さなど)を測ってから行くようにしましょう。特にスロープは、長さが足りないと危険ですので、慎重に選んでくださいね。

介護食・栄養補助食品はどこで買う?市販品と通販専門品の違い(H3)

介護用品の中でも、毎日の生活に直結し、QOL(生活の質)を大きく左右するのが「介護食」や「栄養補助食品」です。誤嚥を防ぐための工夫がされた介護食は、どこで、どう選ぶのが良いのでしょうか。

市販(店舗)で買える介護食

ドラッグストアやスーパー、コンビニでも、最近は介護食の取り扱いが増えています。これらは主に「ユニバーサルデザインフード(UDF)」という規格に沿って作られており、「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」という4つの区分で、硬さや粘度が表示されています。

  • 主な販売場所:
    ドラッグストア(種類豊富)、総合スーパー(イオンなど)、コンビニ(少量パック)。
  • メリット:
    すぐに手に入る、実物を見て確認できる。特にコンビニでは、急な外出時や緊急時に少量だけ購入したい場合に便利です。

特に、大手メーカーのレトルトパウチや、栄養補助ゼリーなどは、どこのお店でも見つけやすく、手軽に試すことができます。

ネット通販(専門サイト)の介護食

市販品では満足できない、あるいはもっと専門的な介護食が必要な場合は、ネット通販の専門サイトがおすすめです。

  • メリット:
    治療食(腎臓病食、糖尿病食など)や嚥下(えんげ)困難者向けの高度なメニューが豊富に揃います。専門の栄養士が監修したセット商品や、特定の栄養素を強化した補助食品など、よりパーソナライズされた選択が可能です。
  • 注意点:
    冷凍で届くものも多く、送料や賞味期限を考慮してまとめ買いが必要になります。

介護食を選ぶ際は、必ず担当の医師や栄養士、言語聴覚士のアドバイスを受け、食べられる硬さやとろみの度合いをしっかり把握しておくことが重要です。安全な食生活のために、ここは妥協しないでくださいね。(ユニバーサルデザインフードについて(新しいウィンドウで開きます)詳しく知りたい方はこちら)

自宅の環境別!失敗しない介護用品選びのポイント(H3)

介護用品を選ぶ際、利用者の身体状況だけでなく、「自宅の環境」を考慮することが、失敗しないための鍵となります。どんなに高機能な用具でも、自宅のサイズに合わなければ、かえって危険を生むことになりかねません。

【環境別】チェックすべき用具のポイント

自宅の環境 チェックポイント 具体的な用具
狭い廊下や部屋 小回りの利くサイズか。折りたたみ可能か。 スリム幅の車いす、回転座面付きのシャワーチェア
和室が多い 立ち上がりやすい高さか。床を傷つけない素材か。 座面の低いポータブルトイレ、和室用手すり
段差が多い スロープの長さは適切か。段差の高さとスロープの比率を確認。 アルミ製折りたたみスロープ、踏み台
風呂場が狭い 奥行き、横幅が浴槽に収まるか。 コンパクトサイズのシャワーチェア、浴槽内手すり

「メジャー片手に」福祉用具相談員と自宅で選ぶ大切さ

特に車いすや介護ベッドのレンタル・購入の際は、福祉用具専門相談員に自宅に来てもらい、一緒に選定を行うのが理想的です。
廊下の幅、ドアの開口部の幅、曲がり角のスペースなど、実際にメジャーで計測しながら選ぶことで、「入らない」「曲がれない」といったトラブルを未然に防ぐことができます。

「このベッドを置くと、引き出しが開かなくなる」「車いすが通ると、壁に傷がつく」といった、専門家でなければ気づきにくい点も指摘してもらえますよ。ぜひ、遠慮せずに自宅訪問での選定をお願いしてみてください。

介護用品の処分に困ったら?不要になった時の選択肢(H3)

介護用品を購入したものの、利用者の状態が変化して不要になったり、レンタル期間が終わったりした場合、その後の処分方法に困るケースは少なくありません。
特に大型の介護用品は、一般のゴミとして出すのが難しいため、事前に処分方法を知っておくと安心です。

レンタル品は「事業者に回収」してもらう

介護保険を使ってレンタルしていた車いすや介護ベッドなどは、レンタル期間が終了すれば、契約していた福祉用具貸与事業者が引き取りに来てくれます。この際の回収費用は、通常、レンタル料金に含まれているため、追加で費用が発生することはほとんどありません。

念のため、契約時に「返却時の流れと費用」について確認しておくと良いでしょう。

購入品(大型)は「不用品回収」か「自治体」へ

自費で購入した介護用品、特にポータブルトイレやシャワーチェア、簡易ベッドなどは、一般のゴミでは出せない「粗大ごみ」となることが多いです。

  • 自治体の粗大ごみ:
    最も安価な方法です。事前に自治体に連絡し、収集日や手数料を確認し、指定のシールを貼って出す必要があります。収集まで時間がかかる場合があります。
  • 不用品回収業者:
    すぐに引き取ってほしい場合や、運び出しが難しい場合に便利です。ただし、費用が高額になる場合があるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

福祉用具販売業者の中には、購入した商品に限り、有料で引き取りサービスを提供しているところもありますので、購入したお店に問い合わせてみるのも一つの手です。

小物・消耗品は「寄付」や「リサイクル」も検討

まだ使える杖や歩行器、未開封のオムツなどは、以下のような形で再利用が可能です。

  • 地域の社会福祉協議会:
    介護用品の寄付を受け付けている場合があります。
  • フリマアプリ・リサイクルショップ:
    需要がある商品であれば、売却できる可能性もあります。(ただし、衛生用品は難しいため、衛生面に問題のないものに限定しましょう。)

介護リフォームの基本:手すりの取り付けと段差解消(H3)

介護用品の購入と並行して検討すべきなのが、自宅をより安全にするための「介護リフォーム」(住宅改修)です。特に、転倒予防のために必須となる「手すりの取り付け」と「段差の解消」について、その基本と介護保険の活用方法を解説します。

手すりの取り付け:どこに、どんな種類を選ぶべきか

手すりは、移動や立ち上がり、バランスを保つ上で最も重要な介護リフォームの一つです。

  • 取り付ける場所:
    主に玄関(上がりかまち)、廊下、階段、トイレ、浴室など、動作が切り替わる場所や、滑りやすい場所に設置します。
  • 手すりの種類:
    握りやすい太さ(直径30mm〜40mmが目安)であること。力を入れやすいよう、壁から適切な距離(4cm〜5cm)を確保すること。階段では連続した手すりにすることなどがポイントです。

手すり一つとっても、縦型、横型、L字型など様々な形状があり、設置する場所によって最適なものが異なります。必ずケアマネジャーや福祉住環境コーディネーターに相談し、利用者の身長や動作に合わせた高さ・位置を決定してください。

段差の解消:小さな段差ほど危険!

家の中にある小さな段差(敷居、玄関の上がりかまちなど)は、つまずきの原因となり、大怪我につながる危険性があります。介護保険の住宅改修では、これらの段差を解消する工事が対象となります。

  • 方法1:スロープの設置
    持ち運び可能なスロープは介護保険のレンタル・購入対象ですが、固定して設置するスロープは住宅改修費の対象です。
  • 方法2:床材の変更
    滑りやすい床材から、滑りにくい床材へ変更する工事も対象です。
  • 方法3:かさ上げ
    上がりかまちなど、段差が大きすぎる場所では、踏み台を設置したり、床の高さを上げたりする工事も検討されます。

これらのリフォーム費用は、介護保険の住宅改修費(上限20万円)の対象となります。繰り返しになりますが、工事の前に申請を行わなければ保険給付は受けられませんので、くれぐれもご注意くださいね。

介護用品はネットと店舗の「いいとこ取り」で賢く揃えよう(H3)

これまでに、介護用品をどこで買えるか、レンタルと購入の違い、保険制度の活用法など、様々な情報をお伝えしてきました。最後に、これらの情報を統合して、最も効率的で賢い介護用品の揃え方をご紹介します。

【結論】「安全性」は店舗や専門家、「利便性」はネット通販

介護用品を揃える上で最も重要なのは「安全性」です。安全に関わるものと、日常の利便性に関わるものとで、購入場所をハッキリと分けるのが「賢い揃え方」です。

  1. 安全性と保険が絡むものは「専門家ルート」
    車いす、介護ベッド、手すり、住宅改修など、利用者の身体と直結し、介護保険が絡むものは、必ずケアマネジャーと福祉用具専門相談員を介して、専門の事業所からレンタル・購入しましょう。
  2. 簡易的なもの・試したいものは「店舗ルート」
    杖、シャワーチェア、ポータブルトイレなど、実際に見て触って試したいものや、緊急で必要な簡易用品は、ホームセンターやドラッグストアなどの店舗で購入します。
  3. 消耗品・日用品は「ネット通販ルート」
    紙おむつ、パッド、介護食、肌着など、重くてかさばり、定期的に必要なものは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで定期購入サービスを利用するのが最も合理的です。

この「いいとこ取り」戦略で、介護者の手間は最小限に、そして介護を受ける方の安全と快適性は最大限に高めることができます。焦らず、段階的に準備を進めてくださいね!

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