オールドセントニックは本当に終売?現在の入手方法と幻の銘柄の真相を徹底調査

オールドセントニックは本当に終売?現在の入手方法と幻の銘柄の真相を徹底調査

ウイスキーファンなら一度はその名前を聞いたことがあるであろう、伝説的なバーボン・ライウイスキー、それが「オールドセントニック」ですよね。

その独特なボトルデザインと、一口飲めば忘れられない個性的な味わいから、世界中に熱狂的なファンを持つ銘柄ですが、残念ながら「終売」という噂が絶えません。
果たしてその真相はどうなっているのでしょうか?

この記事では、筆者モモストアが、オールドセントニックの終売の真偽から、現在私たちがこの幻のウイスキーを入手するために知っておくべきすべての情報、さらにその種類や魅力まで、徹底的に深掘りして解説していきますね!

・オールドセントニックは本当に終売なの?知られざる真相を徹底解説
・なぜこんなにも人気が爆発した?幻の銘柄になった理由
・オールドセントニックの主な種類と特徴を年代別にまとめてみた
・ライウイスキーが特徴的な「エンシェントカスク」シリーズの魅力
・現在、オールドセントニックを確実に入手できる場所はどこ?
  1. オールドセントニックは本当に終売なの?知られざる真相を徹底解説
    1. 終売となった時期と、その裏にある大きな理由
    2. 終売品としての現在の立ち位置
  2. なぜこんなにも人気が爆発した?幻の銘柄になった理由
    1. 「ボトラーズ」という個性的な立ち位置の魅力
    2. ボトルを彩る「ニック爺さん」のスピリットとデザイン
  3. オールドセントニックの主な種類と特徴を年代別にまとめてみた
    1. 熟成年数で見る、バーボンの王道ラインナップ
    2. 限定シリーズで見つける、ライウイスキーの個性
  4. ライウイスキーが特徴的な「エンシェントカスク」シリーズの魅力
    1. 「エンシェント」の名に恥じない熟成の哲学
    2. ライウイスキーの既成概念を覆す味わい
  5. 現在、オールドセントニックを確実に入手できる場所はどこ?
    1. オンライン通販(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)
    2. オークションサイトやフリマアプリ(Yahoo!オークション、メルカリなど)
    3. 専門の酒販店や買取専門店
  6. バーボン好きなら絶対飲むべき!味と香りの唯一無二の個性
    1. 長熟バーボン特有の「シロップのような甘さ」
    2. ライウイスキーに見られる「野趣溢れる辛口」の魅力
  7. プレミア価格で取引されるオールドセントニックの価格相場
    1. オークションでの落札価格は数十万が当たり前
    2. なぜこれほどまでに価格が高騰するのか
      1. 純粋な供給量の枯渇
      2. ボトルの「伝説化」
      3. 世界的なバーボン・ライウイスキーブーム
  8. オールドセントニックを生み出したボトラーズブランドの歴史と哲学
    1. 独自のセンスを持つ「プレスコット・ディスティリング」
    2. ヘブン・ヒル蒸留所の原酒を独自に熟成
  9. 「ベリー・オールド・セントニック」と「オールド・セント・ニック」の違いって何?
    1. 基本は同じブランド、熟成年数の違いを示唆
    2. ボトルを識別する際のチェックポイント
      1. 熟成年数
      2. アルコール度数(カスクストレングスか否か)
      3. シリーズ名(エンシェントカスク、ロストバレルなど)
  10. 終売ウイスキーを飲むならココ!オールドセントニックが見つかるバーの探し方
    1. 「古酒」「オールドボトル」に強いバーを探す
    2. バーテンダーとの会話を楽しむのが最大のコツ
  11. オールドセントニックの魅力を最大限に引き出す美味しい飲み方
    1. 基本の飲み方:ストレートでじっくりと
    2. ライウイスキーはロックやカクテルでも映える
  12. 投資としても注目されるオールドセントニックの将来性
    1. 終売品の価値は基本的に「右肩上がり」
    2. メルカリや買取市場での動向

オールドセントニックは本当に終売なの?知られざる真相を徹底解説

momo-store.jp

「オールドセントニック(Old St. Nick)」が終売になったという情報は、残念ながら真実だと考えられています。しかし、「いつ」「なぜ」終売になったのか、その詳細は複雑で、一言で語れるものではありません。
このセクションでは、モモストアが独自に調査したその背景と、現在この銘柄が置かれている状況について、詳しく解説していきますね。

終売となった時期と、その裏にある大きな理由

オールドセントニック、あるいはその別名である「ベリー・オールド・セントニック(Very Old St. Nick)」のオリジナルボトルは、主に1990年代から2000年代初頭にかけて人気を博しました。しかし、多くのファンが気づき始めたのは、2000年代後半から2010年代初頭にかけて、市場から急速に姿を消し始めたことです。

この終売の大きな理由の一つとして挙げられるのが、「原酒の枯渇」です。

オールドセントニックは、自社で蒸留を行うナショナルブランドではなく、「ボトラーズブランド」として知られています。ボトラーズとは、他の蒸留所(この場合、主にケンタッキー州にある有名な蒸留所、例えばヘブン・ヒル蒸留所など)から原酒を樽ごと購入し、独自の熟成やブレンドを経て瓶詰めする会社のことです。
特に、彼らが使用していたのは、当時まだ世間に注目されていなかった「良質な古樽」の原酒でした。しかし、ウイスキーブームの到来と共に、こうした優良な原酒の供給がストップしたり、価格が高騰したりした結果、安定した製品供給が困難になってしまったのです。

これは、単なるビジネス上の問題というだけでなく、ウイスキー市場の大きな転換期を示す出来事でもありました。ボトラーズとしての個性を確立していたオールドセントニックは、その個性の源であった原酒が手に入らなくなったことで、やむを得ず終売へと向かっていった、というのが実情のようです。

終売品としての現在の立ち位置

公式に終売となった現在、市場に出回っているボトルはすべて、過去に瓶詰めされた「オールドボトル」か、あるいは極めて限定的にリリースされた「プライベートストック」のようなものに限られています。

つまり、今私たちが目にすることができるオールドセントニックは、もう二度と生産されない、限られた貴重な在庫ということになります。
だからこそ、価格は高騰し、オークションでは信じられないほどの高値で取引されることが日常茶飯事となっています。特に熟成年数の長いものや、特定のカスク(樽)から瓶詰めされたものは、もはや「飲むためのウイスキー」というよりも、「資産価値のあるコレクション」としての地位を確立していると言えるでしょう。

終売という事実は悲しいですが、このウイスキーが持つ歴史と、失われたからこその価値を再認識させてくれる出来事でもありますね。もし、どこかでこのボトルを見かけたら、それは本当に幸運な出会いだと思います。

なぜこんなにも人気が爆発した?幻の銘柄になった理由

オールドセントニックがただの終売品で終わらず、「幻の銘柄」「プレミアウイスキー」としてウイスキーファンを魅了し続けるのには、単なる供給不足以上の理由があります。それは、このボトルの「物語性」と「製造へのこだわり」が深く関わっているからです。このセクションでは、その人気爆発の真の理由を掘り下げていきましょう。

「ボトラーズ」という個性的な立ち位置の魅力

バーボンやライウイスキーの世界では、特定の蒸留所が製造・販売する「オフィシャルボトル」が主流です。しかし、オールドセントニックは前述の通り、他の蒸留所の原酒を買い付けて販売する「インディペンデント・ボトラー(独立瓶詰め業者)」でした。

このボトラーズという形態が、実は最大の魅力の一つなのです。
彼らは特定の蒸留所の制約にとらわれず、自分たちが「最高だ」と感じた樽を選び、独自の判断で熟成期間や加水調整、そして瓶詰めを行う自由を持っていました。その結果、オールドセントニックは、オフィシャルボトルでは決して味わえない、野趣に富んだ、非常に個性的でパワフルな味わいを持つに至ったのです。

特に、彼らが選び抜いた原酒は、当時の市場ではまだ評価が定まっていなかった「ヘブン・ヒル蒸留所」(当時は大規模火災からの復興期)などの優良な原酒が多く、それが後に「あのボトルの原酒は素晴らしかった」と語り継がれる伝説となりました。この「独自のセンス」が、熱狂的なファンを生んだ最大の要因です。

ボトルを彩る「ニック爺さん」のスピリットとデザイン

オールドセントニックのボトルには、サンタクロースの原型とされる「聖ニコラウス」の愛称である「セント・ニック(ニック爺さん)」が描かれています。この温かみのある、少し遊び心のあるデザインも、ファンの心を掴んで離しません。

そして、製造工程においても、当時の情報によると、わずか数人の職人の手作業によって、選定から瓶詰めまでが行われていたと言われています。大手ブランドでは不可能な、一本一本に魂が込められたような「手作り感」や「職人技」が、飲む人に特別な体験を与えてくれたのです。このロマン溢れるストーリーも、終売後の希少価値をさらに高める要素となりました。

現在流通しているボトルは、まさしくその「手作業の時代」の遺産であり、単なる飲み物ではなく、作り手の情熱が凝縮されたアートピースとして、多くの人々の憧れの的となっているのです。

オールドセントニックの主な種類と特徴を年代別にまとめてみた

オールドセントニック(ベリー・オールド・セントニック)のラインナップは非常に多岐にわたり、熟成年数だけでなく、使用された原酒や熟成方法によって、その味わいは千差万別です。
この多様性が、コレクター魂をくすぐり、また飲み手にとっても「どのボトルに出会えるか」という楽しみを生んでいます。ここでは、特にファンに愛され、プレミア化している主要なボトルをまとめてご紹介しますね。

熟成年数で見る、バーボンの王道ラインナップ

オールドセントニックのバーボンは、その多くが一般的なバーボンよりも長めの熟成期間を経てボトリングされているのが特徴です。長期間の熟成により、樽由来の甘みや複雑味が最大限に引き出されています。

特に有名で高値で取引されているのは、以下のボトルたちです。

銘柄 熟成年数 特徴と味わい
8年 8年 比較的入手しやすいが、オールドボトルとして十分な複雑性を持つ。キャラメルやバニラの甘さが際立つ。
12年 12年 熟成感が一気に増し、ドライフルーツや濃いメープルのような濃厚な甘みと、重厚なオーク香がバランス。
17年/18年 17年~18年 「ロストバレル」など特別な名前がつくことも多い。もはや芸術品の域。トロッとした口当たりと、熟成香が強烈な個性を放つ。
20年超え 20年~25年 カスクストレングスでボトリングされることも多く、オーク樽の要素が最大限に抽出された、驚くほどまろやかで深い味わい。幻の逸品。

特に、熟成年数が長くなるほど、価格は指数関数的に跳ね上がります。これは、長い熟成期間を経た原酒そのものが希少であることに加え、終売によってその価値がさらに増しているためです。

限定シリーズで見つける、ライウイスキーの個性

バーボンが有名ですが、オールドセントニックはライウイスキーの銘柄にも力を入れており、これらもまた熱狂的な人気を誇ります。ライウイスキーは、バーボンと比べてスパイシーでシャープな味わいが特徴です。

  • エンシェントカスク ライ(Ancient Cask Rye):
    独特の熟成方法を経て瓶詰めされたシリーズで、モモストアも特におすすめしたい逸品です。ライ麦由来のスパイシーさに加え、キャラメルやバタースコッチのような甘い香り、そしてオイリーな舌触りが感じられるのが特徴です。熟成年数も様々で、それぞれのボトルに違った個性が詰まっています。
  • サマーライ / ウィンターライ:
    季節の名前を冠した限定的なリリース。特に「サマーライ」は、日本の「サムライ」に由来しているという説もあり、そのユニークな名前と、比類ない風味豊かな個性が評価されています。

これらのライウイスキーは、バーボンとは一線を画す「ドライでパワフル」な味わいを求めている方にこそ、ぜひ挑戦していただきたいラインナップです。終売品のため、見つけたら運命だと思って確保することをおすすめしますよ。

ライウイスキーが特徴的な「エンシェントカスク」シリーズの魅力

オールドセントニックの数あるラインナップの中でも、特にマニアの間で語り草となっているのが「エンシェントカスク(Ancient Cask)」シリーズです。このセクションでは、その特別な魅力と、なぜ多くのウイスキーラバーがこのシリーズに熱狂するのかを深掘りしていきましょう。バーボン派の方も、このライウイスキーの奥深さを知れば、きっと新たな扉が開くはずです。

「エンシェント」の名に恥じない熟成の哲学

エンシェントカスクが他と一線を画すのは、その名の通り「古代の樽」を彷彿とさせるような、非常に複雑で深い熟成感にあります。このシリーズのライウイスキーは、カナダ産の高品質なライ麦を原料とした原酒を使用していることが多く、その原酒をボトラーズ独自の環境と期間で熟成させています。

通常、ライウイスキーはバーボンよりも熟成が難しいとされ、長期熟成に向かないと言われることもあります。しかし、エンシェントカスクは、熟成のピークを見極め、時にはバレルプルーフ(樽出し原酒)に近い高いアルコール度数でボトリングされます。

このアプローチの結果、若々しいライ麦のスパイシーさは影を潜め、代わりにまろやかで深い甘味、キャラメルやバタースコッチ、そしてパワフルなオークの香りが見事に融合しています。特に、長期熟成されたエンシェントカスクは、口に含むとトロリとしたオイリーな舌触りが感じられ、その質の高さに驚かされます。

ライウイスキーの既成概念を覆す味わい

多くの方がイメージするライウイスキーは、「スパイシー」「ドライ」「シャープ」といった印象が強いかもしれません。しかし、エンシェントカスクシリーズは、その既成概念を心地よく裏切ってくれます。

確かにライ麦特有のスパイス感はありますが、それはあくまで味わいのアクセント。主役は、長熟バーボンにも通じるような、濃密でリッチな甘さです。これにより、ライウイスキーを初めて飲む人でも親しみやすく、かつ熟練の愛好家も唸らせる複雑な風味を生み出しています。

具体的なテイスティングの特徴は以下の通りです。

  • 香り: 焦げたカラメル、メープルシロップ、バニラ、そして奥に潜むハーブのような爽やかさ。
  • 味わい: 濃厚な甘さから始まり、胡椒やクローブのようなスパイシーさが舌を刺激し、長い余韻へと続く。
  • 質感: 加水が少ない、またはカスクストレングス(樽出し)の場合が多く、非常にオイリーで重厚な飲みごたえ。

このシリーズは、単に「終売だから価値がある」のではなく、「純粋にウイスキーとして極めて美味しい」という評価が、その高騰する価格を支えていることを忘れてはいけません。もし出会える機会があれば、ぜひストレートでじっくりと味わってみてください。

現在、オールドセントニックを確実に入手できる場所はどこ?

「終売品」と聞くと、「もう手に入らないのでは?」と諦めてしまう方も多いかもしれません。しかし、安心してください。オールドセントニックは現行品ではないものの、探せばまだ入手できるチャンスは残されています。このセクションでは、モモストアが、この幻の銘柄をゲットするための現実的な方法と、それぞれのチャネルのメリット・デメリットを徹底比較します。

オンライン通販(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)

最も手軽で、在庫を見つけやすいのがオンライン通販です。日本の大手ECサイトであるAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは、今でも並行輸入品や酒販店のデッドストックとして、オールドセントニックが販売されていることがあります。特に楽天市場では、複数の酒販店が取り扱っているため、こまめにチェックすることをおすすめします。

【メリット】

  • 自宅から手軽に探せる。
  • 在庫があれば即座に購入可能。
  • ポイント還元などのサービスを受けられる。

【デメリット】

  • 価格が高騰しており、定価での購入は不可能。
  • 在庫が不安定で、人気のボトルはすぐに売り切れる。
  • 並行輸入品が多いため、価格差が大きい場合がある。

ただし、終売品であるため、検索しても常にヒットするとは限りません。「ベリー オールド セント ニック」など、様々な表記で検索ワードを変えてみると、思いがけず在庫が見つかることがありますよ。

オークションサイトやフリマアプリ(Yahoo!オークション、メルカリなど)

コアなボトルを探している方、あるいは少しでも安く手に入れたいと考える方にとって、オークションサイトやフリマアプリは無視できないチャネルです。特にウイスキーのオークション市場では、熟成年数の長いレアなボトルが頻繁に出品されています。

【メリット】

  • 超希少な古酒やバレルプルーフなどが見つかる可能性がある。
  • 競争入札になるため、タイミング次第では相場より安く落札できる可能性がある。
  • 個人間での取引のため、価格交渉の余地がある場合も。

【デメリット】

  • 液面低下やラベルの劣化など、ボトルの状態確認が難しい(特に古酒)。
  • 偽物のリスクがゼロではないため、出品者の評価を慎重に見る必要がある。
  • 価格競争に熱くなり、予算オーバーになりがち。

フリマアプリ(メルカリなど)を利用する際は、必ず商品の状態を写真で確認し、気になる点があれば出品者に質問してから購入するようにしましょう。

専門の酒販店や買取専門店

実店舗を持つ専門の酒販店や、終売品・古酒の買取を専門とする店舗では、思わぬ掘り出し物が見つかることがあります。これらの店舗は、独自の仕入れルートを持っているため、オンラインでは見かけないボトルが並んでいる可能性があります。

【メリット】

  • 直接ボトルを見て状態を確認できる
  • 専門知識を持つ店員から、ボトルの背景やテイスティングアドバイスを受けられる。
  • 信頼性が高い。

【デメリット】

  • 店舗数が限られており、探すのに手間がかかる。
  • オンラインよりも価格設定が高めの場合がある。

まずは、近隣のウイスキー専門の酒販店に問い合わせてみるのが、確実な一歩となるでしょう。

バーボン好きなら絶対飲むべき!味と香りの唯一無二の個性

オールドセントニックが「幻」として崇められるのは、その希少性だけが理由ではありません。その最大の魅力は、やはり他に類を見ない、唯一無二の味わいと香りにあります。このウイスキーが、なぜこれほどまでに多くのバーボン・ライウイスキーファンを虜にするのか、具体的なテイスティングノートを交えて深掘りしていきましょう。

長熟バーボン特有の「シロップのような甘さ」

オールドセントニックの特に熟成年数の長いバーボンシリーズは、口に含むとまずその「甘さ」に驚かされます。

一般的なバーボンが持つバニラやキャラメルの甘さを遥かに超え、まるでメープルシロップや蜂蜜を濃縮したような、トロリとした質感の濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。この甘さは、長い年月をかけてオーク樽の中で熟成された結果、樽材の成分(リグニンなど)が溶け出し、それが複雑に変化したことで生まれます。

さらに、単に甘いだけでなく、その奥にはドライフルーツ(特にレーズンやドライチェリー)や、古い革製品、焦げたオークのような、深みのある香りが複雑に絡み合っています。この重層的な味わいが、飲み手を飽きさせず、一口ごとに新たな発見を与えてくれるのです。

【テイスティングノート:バーボン】

アロマ(香り) 濃厚な焦げたカラメル、メープル、古いオーク、バナナ、バニラエッセンス
テイスト(味わい) シロップのようなリッチな甘さ、ダークチョコレート、熟した果実、微かなスパイス
フィニッシュ(余韻) 長く、暖かく、樽のタンニンと甘さが心地よく残る

ライウイスキーに見られる「野趣溢れる辛口」の魅力

一方で、ライウイスキーの「エンシェントカスク」などは、バーボンとは異なる魅力を持っています。

ライ麦を主原料とするため、味わいはバーボンよりもドライでシャープですが、オールドセントニックのものは、その中でも野趣に富んだ、力強くも洗練された個性を放っています。ライ麦特有の胡椒やクローブのようなスパイス感に、オーク樽由来のバタースコッチやキャラメルの甘さが絶妙に加わり、非常にバランスの取れた味わいとなっています。

特に、カスクストレングス(樽出し)でボトリングされたものは、そのアルコール度数を感じさせないほどの滑らかさが特徴。度数が高いにもかかわらず、スムーズに喉を通り過ぎるオイリーな質感は、作り手の瓶詰めのタイミングへのこだわりを感じさせます。

【テイスティングノート:ライウイスキー】

アロマ(香り) スパイシーなライ麦、トーストされたオーク、シナモン、ハーブ、わずかな薬品系のニュアンス
テイスト(味わい) ドライでパワフル、クローブやペッパー、それを包み込むような深いキャラメルとモラセス(糖蜜)
フィニッシュ(余韻) 心地よい刺激と、長い時間にわたって続く甘い樽香

どちらの系統のボトルに出会ったとしても、オールドセントニックは「唯一無二の個性」を持っていることは間違いありません。この個性が、多くのファンを惹きつけ続ける最大の理由なのです。

プレミア価格で取引されるオールドセントニックの価格相場

オールドセントニックを探す上で、避けて通れないのがその「価格」です。終売品であるため、定価という概念はすでに存在せず、市場の需給バランスによって価格が決定されます。特に近年、世界的なウイスキーブームの影響もあり、その価格は驚くほどの高騰を見せています。このセクションでは、モモストアが調査した価格相場の実態と、高騰の要因について解説します。

オークションでの落札価格は数十万が当たり前

オールドセントニックの価格を知る最も現実的な方法は、オークションサイトでの落札履歴をチェックすることです。特に熟成年数の長いボトルや、特定のロット番号を持つものは、数十万円単位で取引されることが珍しくありません

例えば、過去には以下の様な価格で取引された例があります。

銘柄の例 容量 落札価格の目安(非公式) 特徴
ベリー・オールド・セントニック 8年 750ml 4万円~10万円 比較的初期のボトルで、入門編とされる。
ベリー・オールド・セントニック 12年 750ml 15万円~30万円 熟成感が増し、古酒として非常に人気が高い。
ベリー・オールド・セントニック 18年 750ml 30万円~70万円 長期熟成の希少性が高く、コレクター垂涎の的。
ベリー・オールド・セントニック 25年 750ml 70万円~100万円超 カスクストレングスなど、最高峰のボトルは桁違いの価格。

これらの価格はあくまで一例であり、ボトルの状態(液面低下、ラベルの汚れなど)、流通時期、そして出品者のスタート価格によって大きく変動します。しかし、一つ言えるのは、「安く手に入れる」ことは極めて困難であるということです。

なぜこれほどまでに価格が高騰するのか

オールドセントニックの価格が高騰する主な理由は、以下の3つの要素が複雑に絡み合っているからです。

純粋な供給量の枯渇

終売品であるため、新品が市場に出回ることはありません。市場に存在する在庫は、ボトルを開封せずに持っているファンやコレクターの手にゆだねられています。時間が経てば経つほど、飲まれて消費されるボトルが増えるため、残存する本数が減り続け、希少性が自動的に高まります

ボトルの「伝説化」

前述の通り、このウイスキーはボトラーズブランドとしての個性や、手作業での瓶詰めなど、ロマンティックなストーリーに満ちています。この「伝説化」が、単なるウイスキー以上の価値をボトルに与え、熱狂的なファンを惹きつけ、価格を押し上げています。

世界的なバーボン・ライウイスキーブーム

ここ数年、特にアメリカンウイスキー、その中でもプレミアムなバーボンやライウイスキーへの注目が世界的に高まっています。このブームにより、終売となった優良な銘柄は投機的な対象ともなり、より一層価格が高騰する要因となっています。

オールドセントニックを狙う際は、「投資」と「飲酒」のどちらの目的であれ、現在の価格相場をしっかりと把握し、ご自身の予算を決めてから探し始めることが大切です。

オールドセントニックを生み出したボトラーズブランドの歴史と哲学

オールドセントニックを語る上で欠かせないのが、それが「ボトラーズブランド」として生まれたという事実です。このセクションでは、このユニークなブランドがどのようにして誕生し、どのような哲学を持って「幻の銘柄」を生み出してきたのか、その知られざる歴史と背景に迫ります。製造元を知ることで、ウイスキーの味わいがより深く理解できるようになるはずです。

独自のセンスを持つ「プレスコット・ディスティリング」

オールドセントニック(ベリー・オールド・セントニック)のブランドを立ち上げ、瓶詰めを行っていたのは、「プレスコット・ディスティリング」という会社です。彼らは、自社で蒸留設備を持たない独立したボトラーとして、バーボンやライウイスキーの世界に、斬新な風を吹き込みました。

彼らの最大の哲学は、「既存の枠にとらわれない、真に高品質なウイスキーを世に出すこと」でした。特に、1990年代のバーボン市場は、大量生産と安定供給が重視される傾向にありましたが、プレスコット・ディスティリングは、その真逆を行きました。

彼らは、他社が見向きもしなかったような「眠っている良質な古樽」を探し出し、それを独自の判断でさらに熟成させたり、カスクストレングス(樽出し)に近い状態でボトリングしたりといった、非常に実験的かつ大胆な手法を取りました。この「独自の目利き」と「妥協しない品質へのこだわり」が、オールドセントニックの圧倒的な個性を生み出す源となったのです。

ヘブン・ヒル蒸留所の原酒を独自に熟成

彼らが主に原酒を調達していたのは、ケンタッキー州にある有名な「ヘブン・ヒル蒸留所」の原酒だと広く知られています。ヘブン・ヒルは、アメリカンウイスキーの中でもトップクラスの原酒を保有していますが、ボトラーズという立場を利用し、プレスコット・ディスティリングは、ヘブン・ヒルのオフィシャルボトルとは全く異なるキャラクターを持つウイスキーを創り出しました。

これは、例えるなら、同じ画家が描いた絵でも、額縁や展示方法によって全く違う印象を与えるようなものです。同じ原酒でも、瓶詰めする人間(ボトラー)の哲学や熟成の判断によって、全く新しい「作品」へと昇華されたのです。

このボトラーとしての活動は、当時のウイスキー業界に大きな影響を与え、他のボトラーズブランドにも刺激を与えたと言われています。その功績は、終売となった今でも、ウイスキーファンによって語り継がれているのです。

オールドセントニックを飲む際は、単に「終売品」としてではなく、一人の職人や小さな会社の「品質への情熱」と「反骨精神」が詰まった一本として、その物語にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

「ベリー・オールド・セントニック」と「オールド・セント・ニック」の違いって何?

オールドセントニックを探し始めると、多くの人が混乱するのが、ボトルに記載されている名前の表記揺れです。「オールド・セント・ニック(Old St. Nick)」と「ベリー・オールド・セントニック(Very Old St. Nick)」、これらは一体何が違うのでしょうか?
このセクションでは、ウイスキーの表記に関する謎をモモストアが解き明かし、ボトル選びの際の注意点について解説します。

基本は同じブランド、熟成年数の違いを示唆

結論から言うと、この二つの名称は、基本的に同じボトラーズブランド(プレスコット・ディスティリング)によって製造・販売されていたものであり、大きな違いはありません。

ただし、名称の違いは、以下のようなニュアンスの違いや、熟成年数の長さを暗に示すために使われていたと考えられます。

  • 「オールド・セント・ニック(Old St. Nick)」:
    より一般的なラインナップや、比較的熟成年数が短めのボトルに使用されていた傾向があります。例えば、「オールド・セント・ニック 8年」などがこれにあたります。
  • 「ベリー・オールド・セントニック(Very Old St. Nick)」:
    「ベリー(Very)」という言葉が示す通り、「非常に古い」、つまり長期熟成された、よりプレミアなボトルに使用されていた傾向があります。例えば、「ベリー・オールド・セントニック 17年」や、特定のカスクストレングスボトルなどに使われることが多く、コレクターの間ではこちらの表記の方がより希少性が高いと認識されています。

しかし、これはあくまで傾向であり、厳密なルールがあったわけではありません。時代やボトルの仕様によって表記が混在していることもありますので、ボトルを選ぶ際は、名称だけでなく、必ず熟成年数やアルコール度数をチェックすることが重要です。

ボトルを識別する際のチェックポイント

終売品であるオールドセントニックのボトルは、同じ銘柄名であっても、瓶詰めされた時期やロットによって味わいが微妙に異なることがあります。そのため、購入前に以下の点を必ず確認するようにしましょう。

熟成年数

「8年」「12年」「17年」など、熟成年数が明確に記載されているか確認しましょう。これが、味わいの傾向を判断する最も重要な要素になります。

アルコール度数(カスクストレングスか否か)

一般的な加水されたウイスキーは40%台ですが、カスクストレングス(樽出し)のボトルは50%〜60%近い度数になります。カスクストレングスは、原酒の持つポテンシャルを最大限に引き出した、非常にパワフルな味わいが楽しめます。

シリーズ名(エンシェントカスク、ロストバレルなど)

「エンシェントカスク」や「ウィンターライ」など、特別なシリーズ名が付いている場合は、そのボトルが持つ独自の熟成方法や原酒の特徴を示しています。これにより、ライウイスキーかバーボンか、あるいは特別なフィニッシュが施されているかなどを判断できます。

名称の違いに惑わされず、ボトルに書かれた具体的な情報を読み解くことが、最良の一本に出会うための鍵となります。

終売ウイスキーを飲むならココ!オールドセントニックが見つかるバーの探し方

「プレミア価格のボトルを、いきなり数十万円出して買うのはハードルが高い…」そう感じるのは当然のことです。そんな時こそ、ウイスキーバーの出番です!
ウイスキーバーでは、終売となった幻のボトルを、1杯(ワンショット)単位で提供していることがあります。このセクションでは、オールドセントニックをバーで楽しむための、賢いお店の探し方と楽しみ方をご紹介しますね。

「古酒」「オールドボトル」に強いバーを探す

オールドセントニックのような終売品をストックしているバーは、通常のバーとは少し異なります。以下のキーワードを参考に、バーを探してみましょう。

  • 古酒(オールドボトル)専門:
    古い時代のボトルを専門的に扱っているバーは、オールドセントニックだけでなく、同じ時代の貴重なバーボンやスコッチを多数揃えている可能性が高いです。
  • 「ボトラーズ」「インディペンデント」に強い:
    オールドセントニックはボトラーズブランドです。ボトラーズの面白さや奥深さを理解しているバーであれば、この銘柄を大切にストックしていることが多いでしょう。
  • バーボン・アメリカンウイスキーに特化:
    スコッチウイスキー専門のバーよりも、バーボンやライウイスキーに力を入れているお店の方が、この銘柄を扱っている可能性が高いです。

事前にバーの公式サイトや、グルメサイトのメニュー、あるいはSNSの投稿などをチェックして、「オールドセントニック」の名前があるか確認してみるのが確実です。

バーテンダーとの会話を楽しむのが最大のコツ

バーテンダーは、その店の「ウイスキーの図書館」のような存在です。もしメニューにオールドセントニックの名前が見当たらなくても、諦めずに尋ねてみてください。

「オールドセントニックのような、昔のボトラーズバーボンに興味があるのですが、何かおすすめはありますか?」

このように尋ねることで、バーテンダーはその客が何を求めているのかを理解し、メニューには載せていない「裏メニュー」のオールドボトルを出してくれるかもしれません。バーテンダーとの会話を通じて、そのボトルの歴史や、なぜそのボトルをストックしているのかというストーリーを聞くのも、ウイスキーの楽しみの一つです。

ワンショットの価格は、ボトルの希少性によって異なりますが、オールドセントニックのようなプレミアボトルであれば、数千円から、高いものでは一万円を超えることもあります。しかし、ボトル一本の価格を考えれば、「味見ができる」という点においては非常にリーズナブルだと言えるでしょう。

購入前に一度味わってみたい、あるいは純粋に幻の味を体験したいという方は、ぜひ「古酒に強いウイスキーバー」を探してみてくださいね。

オールドセントニックの魅力を最大限に引き出す美味しい飲み方

せっかく幻のオールドセントニックを入手したり、バーで巡り合ったりしたなら、その魅力を最大限に引き出して味わいたいですよね。このウイスキーは個性が強いため、飲むボトルの種類や状態によって、おすすめの飲み方が変わってきます。ここでは、モモストア流の、オールドセントニックを美味しく楽しむための飲み方とテクニックをご紹介します。

基本の飲み方:ストレートでじっくりと

オールドセントニックのような長期熟成のプレミアムウイスキーは、その複雑な香りや味わいを崩すことなく、ストレートで飲むのが最も推奨される方法です。

特に熟成年数の長い「ベリー・オールド・セントニック 17年」や「25年」などのボトルは、加水や冷却によってせっかくの繊細なアロマが閉じ込められてしまう可能性があります。常温で、時間をかけてゆっくりとグラスの中でウイスキーの温度が変化していく様子を楽しみながら味わってみてください。

  • テイスティンググラス推奨:
    香りを集めるためのチューリップ型や、グラスゴー型のようなテイスティンググラスを使うことで、複雑なアロマを逃さず楽しめます。
  • 「加水の一滴」を試す:
    もしアルコール度数が高いカスクストレングスのボトルであれば、途中でごく少量の水を加える「トワイスアップ」を試してみるのも良いでしょう。数滴の水が、ウイスキーの香りを開き、新たなフレーバーを引き出してくれることがあります。

ライウイスキーはロックやカクテルでも映える

一方で、「エンシェントカスク」などのライウイスキーシリーズは、そのスパイシーでパワフルな個性を活かし、ロックやカクテルでも非常に映えます。バーボンよりもシャープな味わいは、冷却することでより爽快感が増し、甘さが引き締まるためです。

【ロック】
大きな丸氷を使い、ゆっくりと溶けていくのを待ちながら飲む「オン・ザ・ロック」は、ライウイスキー特有のキレ味と、樽由来の甘さの両方を楽しめる贅沢な飲み方です。氷が溶けていくことで、ウイスキーが徐々に開いていく過程も楽しめます。

【カクテル:マンハッタン】
ライウイスキーで作るカクテルとして有名なのが「マンハッタン」です。オールドセントニックのエンシェントカスクで作るマンハッタンは、一般的なライウイスキーで作るものとは一線を画す、奥深く、エレガントな味わいになります。もしボトルを購入できたなら、ぜひ自宅で試していただきたいカクテルです。

ボトルの種類 おすすめの飲み方 理由
長期熟成バーボン(17年、25年など) ストレート、またはごく少量の加水 繊細な香りとトロリとした熟成感を最大限に楽しむため
ライウイスキー(エンシェントカスクなど) ストレート、ロック、マンハッタン パワフルな個性が冷却やカクテルベースとしても活きるため
若めのバーボン(8年など) ロック、またはチェイサー(水)を片手にストレート 甘さが際立ち、より飲みやすいバランスとなる

飲む時のシチュエーションや気分に合わせて、最適な飲み方を選んでみてくださいね。

投資としても注目されるオールドセントニックの将来性

終売品となったオールドセントニックは、単なる「飲み物」としてだけでなく、「投資対象」としても非常に高い注目を集めています。ウイスキー投資は近年、アートやワインと並ぶオルタナティブ投資として地位を確立しつつありますが、オールドセントニックは、まさにその代表格と言えるでしょう。このセクションでは、その投資としての将来性について、モモストアが分析します。

終売品の価値は基本的に「右肩上がり」

投資の基本は、需要と供給のバランスです。オールドセントニックの場合、「供給」はすでにゼロ、あるいは極めて限定的です。一方で、ウイスキーブームの加熱に伴い、「需要」は世界的に高まる一方です。この状況が続く限り、ボトル一本あたりの価格は長期的に見て「右肩上がり」で推移していく可能性が高いと言えます。

特に、以下の条件を満たすボトルは、今後さらに価値が上昇する可能性を秘めています。

  • 熟成年数が長いボトル:
    「17年」「25年」など、長期熟成ボトルは元々の生産数が少ないため、その希少価値は計り知れません。
  • カスクストレングス(高アルコール度数):
    加水されていない原酒に近いボトルは、ウイスキー本来のポテンシャルを秘めていると評価され、特に高値で取引されます。
  • 保存状態が良いボトル:
    液面低下が少なく、ラベルやキャップの状態が良好なボトルは、コレクション価値が高まります。

現在の価格が高すぎるからといって手を出しにくいかもしれませんが、逆に言えば、今が最も安い価格帯である可能性も否定できません。もちろん、投資にはリスクが伴いますので、慎重な判断が必要です。

メルカリや買取市場での動向

個人間の取引が行われるメルカリや、専門のウイスキー買取市場でも、オールドセントニックは常に高額査定の対象となっています。

特に買取店では、専門の鑑定士がボトルの状態や希少性を適切に評価してくれるため、適正な価格で売却したい場合に非常に有効です。もしご自宅に未開封のオールドセントニックが眠っているようでしたら、一度査定に出してみることをおすすめします。

ただし、注意点として、投資目的で購入する場合は「飲む」という誘惑に打ち勝つ必要があります。ラベルを開けてしまうと、その瞬間に資産価値は大きく損なわれてしまいますからね。ボトルを眺めて楽しみ、いつか価値が上がった時に売却するか、あるいは人生の特別な日に開栓するか、その決断をするのもまた、このウイスキーの醍醐味の一つと言えるでしょう。

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