ギターピックが買える場所総まとめ!選び方と定番ブランドを徹底解説
ギターやベースの演奏に欠かせない「ピック」。
いざ買おうと思っても、「どこに売ってるの?」「コンビニや100均でも買える?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
特に楽器を始めたばかりの初心者の方だと、楽器屋さんに入るのは少し敷居が高いと感じるかもしれませんね。
この記事では、そんなあなたの疑問をすべて解決します!
定番の購入場所から、意外な穴場、さらにはあなたにピッタリのピックを見つけるための「選び方の極意」まで、モモストアが徹底的に解説します。
この記事を読めば、もうピック探しで迷うことはなくなりますよ!
・初心者必見!まずチェックすべきピックの「販売場所」定番3選
・【最重要】失敗しない!ピックの「厚さ(ゲージ)」で音がどう変わるか徹底解説
・弾き方が変わる!ピックの「形状(シェイプ)」はどれを選ぶべき?
・サウンドにこだわるなら知っておきたい!ピックの「素材」別特徴
- ギターピックはどこに売ってる?主要な販売店と意外な穴場
- 初心者必見!まずチェックすべきピックの「販売場所」定番3選
- 【最重要】失敗しない!ピックの「厚さ(ゲージ)」で音がどう変わるか徹底解説
- 弾き方が変わる!ピックの「形状(シェイプ)」はどれを選ぶべき?
- サウンドにこだわるなら知っておきたい!ピックの「素材」別特徴
- コンビニや100均、ドンキホーテでピックは買える?徹底検証
- ピック探しの救世主!Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング活用術
- 【プロ愛用】ギターピックの定番人気メーカー3選を比較
- 用途別!エレキギター、アコギ、ベースにおすすめのピックの組み合わせ
- ピックをなくさないための便利グッズ!ケースやホルダーのすすめ
- 自分だけのオリジナルピックを作る方法とメリット
- モモストアが教える!ピック選びで迷った時の最終チェックリスト
- ピックの厚さと形状をさらに細かく!応用編の知識
- プロギタリストがピックに求める「絶対条件」
- ピックの保管方法と定期的な交換で音色を保つ秘訣
- ピックの持ち方・握り方で劇的に変わる音色とピッキングテクニック
- ピックをめぐるQ&A!よくある疑問を一挙解決
- ピックの選び方で陥りやすい「3つの勘違い」と対処法
ギターピックはどこに売ってる?主要な販売店と意外な穴場

「ピックが売っている場所」と聞いて、まず頭に浮かぶのは「楽器屋さん」だと思います。もちろんそれは正解なのですが、実はピックは私たちが思っている以上に様々な場所で手に入ります。
これからギターを始める方や、急にピックが必要になったという方のために、主な購入場所とその特徴を詳しくご紹介しますね。場所によって品揃えや価格帯が大きく異なりますので、自分の状況に合わせてベストな場所を選べるように参考にしてみてください。
楽器専門店(実店舗)での購入のメリット・デメリット
ピックの購入場所として最も信頼できるのが、やはり楽器の専門店です。大手チェーン店から、地域密着型の小さな店舗まで、その種類はさまざまですが、ピックに関してはどこも豊富な品揃えを誇っています。
楽器店で買う最大のメリットは、プロの店員さんに相談できることです。初心者でどのピックを選べばいいか全く分からない場合でも、「エレキギターでロックをやりたい」「アコギでコードストロークをしたい」といった要望を伝えれば、適切な厚さや形状のピックを薦めてもらえます。また、実際に手に取って、素材の質感や滑り止め加工の有無などを確認できるのも大きな利点です。
ただし、デメリットとしては、営業時間が限られていることや、住んでいる場所によっては近くに店舗がない、という点が挙げられます。特に地方にお住まいの方や、仕事で忙しい方は、後述の通販サイトを積極的に活用することをおすすめします。
| メリット | デメリット |
| 実際に触って試せる | 店舗数が少なく、行きにくい場合がある |
| 店員に直接アドバイスをもらえる | 営業時間が決まっている |
| 品揃えが豊富で珍しいピックも見つかる | 少し敷居が高く感じる可能性がある |
ネット通販サイト(Amazon、楽天、Yahoo!ショッピング)の利便性
現代のピック探しの主役と言えるのが、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手通販サイトです。これらのサイトを利用する最大のメリットは、何と言っても自宅にいながら24時間いつでも購入できる利便性の高さです。
また、実店舗ではスペースの制約上、すべての種類を陳列することは難しいですが、通販サイトでは国内外のありとあらゆるメーカーのピックを扱っています。特に、まとめて大量に欲しい場合や、特定のメーカーの特定の色・厚さなど、マイナーな商品をピンポイントで探している場合に非常に便利です。
ただし、デメリットもあります。それは「試せない」という点です。ピックはミリ単位の厚さや、手に馴染むかどうかのグリップ感が非常に重要です。そのため、初めて買うピックを通販で選ぶ際は、口コミをよくチェックしたり、お試しセットのような商品を選ぶのが賢明です。また、すぐに届くとはいえ、手元に届くまでに時間がかかることも念頭に置いておきましょう。
意外な販売場所とピック探しの穴場スポット
楽器店や通販以外にも、ピックがひっそりと売られている「穴場スポット」がいくつかあります。急な出費を抑えたい時や、いつもと違うピックを探したい時に役立ちますよ。
一つ目は、大型リサイクルショップや中古楽器店です。これらの店舗では、新品のピックが楽器関連のアクセサリーとしてまとめて売られていることがあります。特に、新品同様のピックが楽器の付属品として安価に手に入るチャンスがあるかもしれません。
二つ目は、大型家電量販店の一角にある楽器コーナーです。最近では、カメラやパソコンの周辺機器を扱うコーナーの近くに、ギターやキーボード、そして関連アクセサリーを置いている店舗が増えています。品揃えは楽器専門店に劣りますが、主要なFenderやJim Dunlopの定番ピックなら置いている可能性が高いです。他の買い物ついでにサッと寄れるのが魅力ですね。
三つ目は、ライブハウスや音楽スタジオのレジ横です。バンドマンの皆さんにはお馴染みですが、練習中にピックを失くしたり、割ってしまったりすることはよくありますよね。そのため、多くのスタジオでは、主要なメーカーのピックを数種類、レジ横で販売しています。ここはまさに「困った時の駆け込み寺」的な存在です。
初心者必見!まずチェックすべきピックの「販売場所」定番3選
ギターを始めたばかりの「ピック難民」の皆さんが、安心してピックを手にできる定番の場所を、モモストアの視点から厳選して3つご紹介します。どこに行けばいいか迷ったら、まずはこの3つの場所をチェックすれば間違いありませんよ。
島村楽器や山野楽器など大手楽器店チェーン
ピック探しにおいて、最も安定感があり、かつ充実した体験ができるのが、全国展開している大手楽器店チェーンです。これらの店舗は、ギター本体はもちろん、弦、チューナー、そしてピックに至るまで、楽器演奏に必要なものすべてを高いレベルで揃えています。
大手楽器店のピックコーナーの特徴は、その「体系的な陳列」にあります。メーカー別、形状別、厚さ別ときちんと整理されており、パッケージを手に取ってじっくり比較することができます。また、ピックが収納されている棚の近くには、多くの場合、メーカーが用意した「ピックの選び方ガイド」のようなポップが貼られており、知識がなくても自然と理解を深められるよう工夫されています。
さらに、大手楽器店では、初心者向けの「ピックお試しセット」のようなオリジナル商品を用意していることも多いです。これは、様々なメーカー、厚さ、素材のピックが数枚ずつ入っているセットで、一つ買えば自分に合うピックをすぐに見つけることができるので、特に最初の購入時には強くおすすめしたい商品です。
大手楽器店チェーンの活用法をまとめると、以下のようになります。
- 目的1: 相談したい → 店員さんに直接相談する。
- 目的2: 比較したい → 実際にピックを手に取って質感やサイズを比較する。
- 目的3: 迷っている → 初心者向けのお試しセットを探してみる。
音楽スタジオのレジ横と緊急時の対処法
前述の通り、音楽スタジオはピックの緊急調達場所として非常に優秀です。しかし、スタジオのピックコーナーは、楽器店とは少し役割が異なります。楽器店が「選ぶ場所」だとすれば、スタジオは「緊急で手に入れる場所」です。
スタジオで取り扱っているピックは、主に多くのギタリスト・ベーシストが使用する定番中の定番モデルに絞られていることが多いです。例えば、Jim DunlopのトーテックスやジャズIII、Fenderの351シェイプのMediumなど、迷ったらこれ、というような安心感のあるピックが並んでいます。奇抜な形状や特殊な素材のピックを探すのには向いていませんが、ライブ直前やスタジオ練習中に「あ!ピックがない!」となった時には、最も早く確実に手に入る場所となります。
スタジオでのピックの在庫状況は店舗によって異なるため、心配な方は予約時に電話で確認してみるのも良いでしょう。また、スタジオによっては、特定のメーカーのピックを無料で試奏させてくれるサービスを行っていることもあるので、受付で尋ねてみるのも手です。
大手通販サイトの「セット販売」を狙う
ピックに慣れていない初心者の方にとって、通販サイトは非常に便利でありながら、「どれを選べばいいか分からない」という悩みも同時に生まれます。そこで注目すべきなのが、「セット販売」されている商品です。
Amazonや楽天市場で「ギターピック セット」と検索すると、様々な厚さや素材がミックスされた数十枚入りのパックが驚くほど安価で見つかります。たとえそれらが有名ブランドのピックでなくても、最初のうちは様々なピックを試すことが何よりも重要です。自分のピッキングスタイルがまだ確立されていない段階では、薄いピックと厚いピックを交互に使ってみることで、音の違いや弾き心地の違いを体感できます。
セット販売を上手に活用すれば、自分にとっての「最適解」を低コストで見つけることができるだけでなく、ピックを大量にストックできるため、失くす心配から解放されるという精神的なメリットも得られます。ピックは消耗品なので、演奏頻度が高い方は、常に予備を複数持っておくことをモモストアは強く推奨します。
【最重要】失敗しない!ピックの「厚さ(ゲージ)」で音がどう変わるか徹底解説
ピック選びで最も重要で、そして最も音色に直結するのが「厚さ」、つまり「ゲージ」です。たったコンマ何ミリの違いが、ギターの音色、演奏のしやすさ、さらにはあなたのプレイスタイルまで変えてしまうんです。ここでは、厚さによる違いを徹底的に掘り下げていきましょう。
ピックの厚さの種類と音色の傾向
ピックの厚さは、主に「Thin(薄い)」「Medium(中間)」「Heavy(厚い)」、そして「Extra Heavy(極厚)」の4つのカテゴリーに分けられます。メーカーによって数値は多少異なりますが、一般的には以下のようになっています。
| 分類 | 厚さの目安 | 音色の傾向 | 適した奏法・ジャンル |
| Thin(シン) | 0.5mm未満 | 軽やかで明るい、シャラシャラとした音 | コードストローク(アコギ)、カッティング、初心者 |
| Medium(ミディアム) | 0.6mm〜0.8mm | バランスが良い、万能な音、程よいアタック | オールジャンル、リードギター、初心者〜中級者 |
| Heavy(ヘヴィ) | 0.9mm〜1.2mm | 芯が太く、輪郭がはっきりした音、強いアタック | 速弾き、リードギター、ロック、ヘヴィメタル、ベース |
| Extra Heavy(エクストラヘヴィ) | 1.2mm以上 | 非常に硬質でレスポンスが早い、音が潰れにくい | ジャズ、テクニカルなソロ、非常に強いピッキング |
Thin(薄い)ピックの特徴:軽やかさとニュアンス
薄いピックの最大のメリットは、その「しなり」です。弦に当たったときにピックが大きくしなるため、軽い力でも弦離れが良く、特にアコースティックギターでのコードストロークでは、非常に軽やかで広がりのあるサウンドが得られます。ジャカジャカとリズミカルに弾きたい時に最適です。
一方で、デメリットとしては、単音弾き(リードプレイ)には向かない点があります。しなりすぎるため、弦を弾く際にタイムラグが発生しやすく、速いフレーズや強いピッキングをすると音がボヤけたり、ピック自体が割れやすいという弱点もあります。初心者がまず手に取るべきピックではありますが、単音弾きの練習には向かないことを覚えておきましょう。
Heavy(厚い)ピックの特徴:芯の太さとレスポンス
厚いピックは、Thinとは対照的にほとんどしなりません。その結果、あなたの指の動きがダイレクトに弦に伝わり、非常にレスポンスが早くなります。音の立ち上がりが鋭く、輪郭がはっきりした、芯の太いサウンドが得られます。
この特性から、エレキギターでの速弾きや、音をしっかりと出して主張したいリードプレイに最適です。ベースを弾く方も、弦が太いため負けないようにHeavy以上のピックを選ぶことが多いです。デメリットとしては、しなりがない分、強いピッキングをしないと音が細くなりがちなこと、そして指の動きがそのまま音に出るため、ピッキングのミスが目立ちやすいという、上級者向けの側面もあります。
迷ったらMedium(ミディアム)を選ぶ理由
もしあなたがピック選びに悩んだら、まずは「Medium」ゲージを選んでください。厚さが0.6mmから0.8mm程度のこのピックは、Thinの軽やかさとHeavyの芯の太さの、まさに良いとこ取りをしたバランスの取れたモデルです。
程よいしなりがあるため、コードストロークでも耳に痛い高音が出すぎることはなく、また、単音弾きでも十分なアタック感とレスポンスが得られます。ギター初心者の方にとって、まずはこのMediumで様々な奏法を試してみて、そこから「もう少し芯が欲しいからHeavyにしよう」「もう少し軽やかに弾きたいからThinにしよう」と、自分のプレイスタイルに合わせて微調整していくのが、ピック探しの王道パターンです。
弾き方が変わる!ピックの「形状(シェイプ)」はどれを選ぶべき?
ピックの形状、つまり「シェイプ」は、演奏中の持ちやすさや、弦に当たる角度に大きく影響します。厚さが音色を決めるなら、形状は演奏の快適さやテクニックの出しやすさを決める、と言っても過言ではありません。ここでは、代表的な3つの形状と、それらがあなたの演奏にどう影響するかを解説します。
最もポピュラーな「ティアドロップ型」(351シェイプ)
ピックと言えば、多くの人がこの形を思い浮かべるでしょう。「涙のしずく」のような形をしているため、ティアドロップ(Teardrop)型と呼ばれています。Fender社の定番モデル「351シェイプ」がこの代表格です。
【特徴】
ティアドロップ型は、先端が尖っていて、反対側(グリップ側)が丸くなっているのが特徴です。この形状は、弦に当たる面積が比較的小さいため、弦離れが良く、タイトでキレのあるサウンドを生み出しやすいです。リードギターや速弾きなど、テクニカルな演奏をしたい方に非常に人気があります。また、ピックの持ち替えや、指での持ち方を微調整しやすいのもメリットです。
初心者の方は、まずこのティアドロップ型から試してみるのが定番です。ただし、小さすぎると感じたり、コードストロークの際に指から滑り落ちやすいと感じる場合は、次に紹介するトライアングル型を試してみましょう。
安定感抜群!「トライアングル型」(おにぎり型/346シェイプ)
文字通り、ほぼ正三角形に近い形をしているため、日本では「おにぎり型」とも呼ばれ親しまれています。Fender社の「346シェイプ」が有名です。
【特徴】
トライアングル型は、ティアドロップ型よりも全体的にサイズが大きく、特にグリップする部分の面積が広いです。この広さが、抜群の安定感とホールド感を生み出します。演奏中にピックが指の中で回転したり、滑り落ちたりするのを防いでくれるため、ピックをしっかりと握りたい方や、力の強いピッキングをする方に最適です。
また、3つの角すべてを使って演奏できるため、一つのピックで3倍長持ちするという経済的なメリットもあります。アコースティックギターで力強くコードストロークをする方、またはピックを失くしやすい初心者の方に特に向いています。さらに、弦が太くピックの接地面積を確保したいベーシストにも非常に人気が高い形状です。
速弾きの定番「ジャズ型」(JAZZ IIIシェイプ)
ジャズギタリストが好んで使うことから「ジャズ型」と呼ばれていますが、現代ではロックやメタルなど、速弾きをする多くのギタリストに愛用されている形状です。Jim Dunlopの「JAZZ III」が非常に有名で、この形状の代名詞となっています。
【特徴】
ジャズ型は、ティアドロップ型よりも一回り小さく、先端がさらに鋭利に尖っているのが特徴です。この小ささと尖った先端が、弦への接点を最小限に抑えるため、非常に早いレスポンスと正確なピッキングを可能にします。速いパッセージを弾く際や、複雑なアルペジオを正確に弾き分けたい時に、その真価を発揮します。
ただし、その小ささゆえに、最初は非常に持ちにくく感じるかもしれません。また、弦に当たる部分が小さいため、コードストロークをすると音が軽くなりすぎたり、アコースティックギターの音量を出しにくいというデメリットもあります。完全に上級者向けのピックというわけではありませんが、「正確性とスピード」を追求したいと思った時に、ぜひ試してみてほしい形状です。
サウンドにこだわるなら知っておきたい!ピックの「素材」別特徴
ピックの厚さと形状を理解したところで、次は「素材」に注目してみましょう。ピックに使われる素材は多種多様で、それぞれがギターの音色や、ピックの耐久性、そして手触りにまで影響を与えます。素材の違いを知ることで、あなたはさらに自分の理想のサウンドに近づくことができるはずです。
主要なピック素材4種類と音色の比較
現在、市販されているピックの多くは、以下の4種類のプラスチック素材のどれか、またはそれらの派生素材で作られています。素材ごとの特性を比較して、音色の違いを明確に理解しましょう。
| 素材名 | 代表的な特徴 | 音色の傾向 | 手触り/グリップ |
| セルロイド | 最も古い歴史を持つ定番素材 | 温かみがあり、丸く、明るいヴィンテージトーン | 滑らか、使用とともに角が削れやすい |
| デルリン/トーテックス | Jim Dunlopが開発した人気素材 | カラッとして歯切れが良い、ミドルが強調される | マット(艶消し)な質感、滑りにくく耐久性が高い |
| ウルテム(ULTEX/PEI) | 硬質プラスチック、人の爪に近い音 | クリアでレスポンスが早い、鋭いアタック感 | 硬くツルツルしている、耐久性が非常に高い |
| ナイロン | 柔軟性があり、安価でポピュラーな素材 | マイルドで角が取れた音、アタック感が弱い | 適度な柔軟性、しなりやすく初心者にも扱いやすい |
セルロイド:ヴィンテージで温かみのあるサウンド
セルロイドは、ピック素材として最も古くから使われている伝統的な素材です。Fenderのクラシックなピックは、ほとんどがこのセルロイド製で、その音色は多くのギタリストにとっての「ピックの基準」となっています。音の特徴としては、温かみがあり、倍音が豊かで、丸みを帯びたサウンドが得られます。
特にアコースティックギターや、ブルース、ジャズなど、オーガニックなサウンドを求めるジャンルに最適です。ただし、欠点として、熱に弱く燃えやすい性質がある(実際に保管には注意が必要です)こと、また、使い込むと角が比較的早く削れてしまうため、耐久性は他の素材に劣るという点があります。しかし、その削れ方すらも「味」として愛用しているプロも多くいます。
デルリン/トーテックス:オールジャンルに対応する万能素材
「トーテックス(Tortex)」は、Jim Dunlop社が開発した独自の加工を施したデルリン素材のピックで、現代のエレキギタリストに最も人気がある素材の一つです。特徴は、表面がマット(艶消し)でザラッとしているため、手に汗をかいても滑りにくい、抜群のグリップ力にあります。
音色は、セルロイドよりも少し硬質で、カラッとしていて歯切れが良い傾向があります。ロック、ポップス、ファンクなど、ジャンルを問わず使いやすい万能さを持っています。特に、0.7mm〜1.0mm程度のミディアム〜ヘヴィゲージのものが非常に使いやすく、どのピックを選べばいいか分からなくなったら、このトーテックスのトライアングル型かスタンダード型を試してみると良いでしょう。
ウルテム(ULTEX):クリアでレスポンス重視の現代的な音
ウルテムは、航空機の部品などにも使われる非常に硬質のプラスチック素材(PEI)です。この素材で作られたピックは、人の爪に近い非常にクリアで鋭いアタック音を発することで知られています。ピックがしなることがほとんどなく、非常にレスポンスが早いため、テクニカルな演奏を支えてくれます。
音の輪郭がはっきりしているため、歪ませたエレキギターサウンドでも音が埋もれにくく、一つ一つの音を明確に出したいプロギタリストに好まれています。また、耐久性が非常に高いため、長期間同じピックを使いたい方にもおすすめです。ただし、硬質なため、コードストロークで使うと高音がキツく出すぎる場合があるので、使い分けが必要です。
コンビニや100均、ドンキホーテでピックは買える?徹底検証
急にピックが必要になった時、「近所のコンビニや100円ショップで手に入らないかな?」と考えるのは自然なことです。結論からお伝えすると、「ほぼ手に入らない」と考えておくのが無難です。しかし、なぜこれらの店舗でピックを見つけるのが難しいのか、そして緊急時に使える「代用品」があるのかどうかを検証してみましょう。
【結論】なぜ専門店以外では販売が難しいのか
ピックは、ギターやベースという特定の楽器の、さらに特定の消耗品です。そのため、日常的な生活用品をメインに扱うコンビニエンスストアやドラッグストア、ディスカウントストア(ドンキホーテなど)では、「需要の低さ」から取り扱いがないのが現状です。
コンビニエンスストアでの取り扱い
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどの大手コンビニチェーンでは、ピックの取り扱いをしていません。コンビニは、食品や日用品など、回転率の高い商品を厳選して陳列しているため、楽器関連のニッチな商品は棚に並びません。弦が切れた際の代替品として、輪ゴムやヘアゴムなどは手に入りますが、ピックそのものは期待できません。
100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥ)での取り扱い
過去には、ごく一部の大型店舗の「ホビー」コーナーや「DIY」コーナーで、ピックと酷似した素材や形のプラスチック片が販売されていたことがありますが、ギターピックとしての品質や、本来の目的で使用できるレベルのものは現在ほとんど取り扱いがありません。100円のピックは、形状や厚さが不揃いだったり、すぐに欠けてしまうなど、演奏のクオリティを著しく下げる可能性があるため、モモストアとしてはおすすめできません。ピックの価格は1枚あたり100円〜200円程度と元々安価なので、品質の良いものを正規のルートで購入することをおすすめします。
ディスカウントストア(ドンキホーテなど)での取り扱い
ドンキホーテは多種多様な商品を扱っていますが、ピックのような専門性の高い消耗品は、基本的には置いていません。店舗によっては、電子ピアノや初心者向けの安価なギターセットを扱っていることがありますが、その場合でもピック単体での販売は稀です。もしドンキホーテに行く機会があれば、ダメ元で「おもちゃ・ホビー」や「家電周辺機器」のコーナーをチェックしてみるのも良いかもしれませんが、緊急で必要な場合は期待薄です。
緊急時や代用品としての活用アイデア
もしどうしても今すぐピックが必要で、近くに楽器店や通販が間に合わない場合は、あくまで「一時的な代用品」として以下のものを試すことができます。
- プラスチック製のカード類:例えば、期限切れのポイントカードや、厚手のクリアファイルをピックの形に切り抜いて使う方法があります。ただし、クレジットカードやキャッシュカードなどの大切なカードは、傷ついたり折れたりする可能性があるので絶対にやめましょう。厚さは0.5mm〜1.0mm程度になるように調整してみてください。
- コイン(硬貨):ロックギタリストの中には、意図的に硬貨をピック代わりに使用し、シャープで攻撃的なサウンドを出す方もいますが、これは非常に弦を傷める行為ですので、本当に最終手段として考えてください。
- 爪(フィンガーピッキング):アコースティックギターの奏法として一般的ですが、エレキギターでも一時的に対応できます。ただし、爪を痛める可能性があるので、無理は禁物です。
繰り返しになりますが、これらはあくまで緊急時の対処法です。演奏の質を保つためにも、できるだけ早く正規のピックを手に入れるようにしましょう。
ピック探しの救世主!Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング活用術
実店舗での購入が難しい、または様々な種類をじっくり比較したいという方にとって、通販サイトはまさに「救世主」です。特にAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大モールは、ピックの品揃え、価格、配送スピードにおいて非常に優れています。ここでは、通販サイトを賢く活用するための具体的なテクニックをご紹介します。
通販サイトで購入する最大のメリットと選び方
通販サイトでピックを購入する最大のメリットは、その「品揃えの幅広さ」と「価格競争力」です。地方の小さな楽器店では見かけないような、海外のマイナーブランドのピックや、特定のアーティストのシグネチャーモデル、あるいは木製やアクリル製の特殊なピックなども簡単に見つかります。また、複数枚セットやパック売りが非常に多く、実店舗で1枚ずつ買うよりもコストパフォーマンスが良い場合がほとんどです。
【選び方のコツ】
- レビューを徹底的に読む:実物を手に取れない分、実際に購入した人のレビューが命綱です。「滑りやすい」「予想より硬かった」「音がクリアになった」など、具体的な感想を参考にしましょう。
- 「お試しセット」を探す:初めての購入なら、厚さや素材がミックスされた「バラエティパック」を狙うのが鉄則です。数種類のピックを試すことで、自分に最適な厚さや素材が自然と見えてきます。
- 送料無料ラインを意識する:ピックは単価が安いため、送料がネックになることがあります。Amazonプライム会員特典を利用したり、他の商品(弦、チューナーなど)とまとめ買いして送料無料ラインをクリアするのが賢い買い方です。
大手楽器店の通販サイトとの使い分け
Amazonなどの総合通販サイトのほかに、島村楽器オンラインストアやサウンドハウス、イケベ楽器店といった楽器専門店が運営する通販サイトも存在します。これらをどのように使い分けるのがベストでしょうか?
| サイトの種類 | 得意な購入方法 | 特徴 |
| 総合通販サイト (Amazon/楽天など) | セット購入、最安値検索、ポイント利用 | 品揃えは膨大だが、専門知識に基づく分類は少ない。配送が早い。 |
| 楽器店通販サイト (サウンドハウス/島村楽器など) | ブランド・モデル指定、専門的な情報収集 | 商品の詳細なスペック情報が豊富。専門知識に基づくレビューやランキングが多い。 |
例えば、あなたが「Jim DunlopのTortexの0.73mm、オレンジ色」と完全に決めているなら、楽器店の通販サイトで詳細な情報を確認し、そのまま購入するのが確実です。一方で、「とにかく色々なピックを試したい!」という場合は、総合通販サイトで安価なバラエティセットを探すのが効率的です。
メルカリやヤフオクなどのフリマ・オークションサイトはどうか?
メルカリやヤフオクなどのフリマ・オークションサイトでも、ピックが出品されていることがあります。特に、限定生産のアーティストモデルや、廃盤になったヴィンテージピックを探している場合には非常に魅力的な選択肢となります。
しかし、注意点もあります。ピックは消耗品であり、フリマサイトで売られているものは「使用済み」のものが含まれる可能性が高いです。また、衛生面を気にする方もいるでしょう。さらに、偽物や模倣品が出回るリスクもゼロではありません。価格が安すぎる場合は、そのピックが本当に公式メーカーの正規品であるかどうか、出品者に質問するなどして確認するようにしましょう。基本的には、新品で確実なものを求めるなら正規の通販サイトを、コレクターズアイテムを探すならフリマサイト、と使い分けるのが賢明です。
【プロ愛用】ギターピックの定番人気メーカー3選を比較
ピックは非常に多くのメーカーから販売されていますが、その中でも「これを持っておけば間違いない」という、世界中のプロギタリストに愛用されている定番メーカーがいくつかあります。ここでは、特に人気が高く、ピック選びの基準となる3つの主要メーカーを、その特徴や代表的なモデルと合わせてご紹介します。
Fender(フェンダー):伝統とヴィンテージトーンの王道
ギターの歴史そのものと言えるFenderは、ピックにおいても最もクラシックでポピュラーな存在です。特にテレキャスターやストラトキャスターといったFenderギターを愛用している方にとっては、ブランドの統一感という点でも魅力的です。
代表モデルと特徴
- 351 Shape Premium Picks:Fenderピックの代名詞とも言えるティアドロップ型。素材は主に「クラシック・セルロイド」が使われており、温かみがあり、丸く、明るいヴィンテージトーンが特徴です。Medium(ミディアム)の厚さが最も人気で、オールラウンドに使えます。
- 346 Shape Triangle Picks:通称「おにぎり型」。351よりも大きく、握りやすさと安定感があります。アコースティックギターやベースのストロークにも最適です。
- 素材へのこだわり:Fenderはセルロイド素材の品質が高く、そのサウンドはブルースやロックンロールなど、古き良き音楽のサウンドメイクに欠かせません。
Jim Dunlop(ジム・ダンロップ):革新的な素材と形状の先駆者
Jim Dunlopは、Fenderとは対照的に、ピックの素材や形状において常に革新的なアプローチを取ってきたメーカーです。特に、滑りにくさや耐久性を追求したモデルが多く、現代のテクニカルなギタリストからの支持が非常に厚いです。
代表モデルと特徴
- Tortex(トーテックス):前述の通り、滑りにくいマットな質感のデルリン系素材。0.88mm(グリーン)や0.73mm(イエロー)など、厚さによって色が異なるため、視覚的に判別しやすいのが特徴です。耐久性と適度な柔軟性を兼ね備えた現代のスタンダードピックです。
- Ultex(ウルテックス):硬質でクリアなトーンを生み出すウルテム素材。特に「Ultex Jazz III」は、その鋭利な先端と高いレスポンスで、速弾きやメタル系のギタリストに絶大な人気を誇ります。
- Gator Grip(ゲイターグリップ):ザラザラとした独特の表面加工が施されており、極限まで滑りにくさを追求したモデルです。手の汗や熱でピックが滑ってしまう方に特におすすめです。
Ibanez(アイバニーズ):高いグリップ力とデザイン性
Ibanezは、特にロックやメタル系のギターで知られるブランドですが、そのピックもまた、高い演奏性を追求して作られています。
代表モデルと特徴
- Grip Wizard Series Sand Grip:ピックの表面に砂状のザラザラとした加工(サンドグリップ)が施されており、Jim DunlopのTortexと同様に、抜群のグリップ力を提供します。激しいピッキングでもピックがずれることなく、安定した演奏が可能です。
- Paul Gilbert Model:Ibanez契約アーティストのシグネチャーモデルも豊富です。特にテクニカルな演奏で知られるギタリストのモデルは、その演奏を支えるために、形状や厚さが非常に細かく設計されています。
- デザイン性:ラメ入りや、鮮やかなカラーバリエーションが多く、見た目にもこだわりたいギタリストに人気です。
用途別!エレキギター、アコギ、ベースにおすすめのピックの組み合わせ
ピックは、どの楽器を弾くか、そしてどのようなジャンルの曲を弾くかによって、最適な組み合わせが異なります。ここでは、代表的な3つの楽器と、それぞれの代表的なジャンルに合わせたピックの「厚さ」「形状」「素材」の推奨組み合わせをモモストアが提案します。
エレキギター編:ジャンルに合わせた音色と操作性
エレキギターは、エフェクターやアンプによって音色が大きく変わりますが、ピックの選択は「音の輪郭」と「アタックの強さ」を決定づける重要な要素です。
| ジャンル | 推奨厚さ | 推奨形状 | 推奨素材 | 選定理由 |
| ロック/メタル(リードプレイ) | Heavy〜Extra Heavy (1.0mm以上) | ティアドロップ、ジャズ型 | ウルテム、デルリン/Tortex | レスポンスの速さと、強いアタックで歪んだ音でも芯を残すため。 |
| ポップス/フュージョン(バッキング) | Medium (0.7mm〜0.9mm) | ティアドロップ、トライアングル | セルロイド、デルリン/Tortex | ストロークと単音弾きのバランスが良いため。 |
| ファンク/カッティング | Thin〜Medium (0.5mm〜0.7mm) | ティアドロップ | ナイロン、セルロイド | 薄めのピックの軽やかなしなりを利用し、キレのあるサウンドを出すため。 |
ワンポイントアドバイス:エレキギターで強い歪みをかける場合、薄いピックを使うと「ペチペチ」とした不快なノイズが乗りやすくなります。ノイズを減らし、クリアなサウンドを追求するなら、最低でもMedium以上の厚さを選ぶようにしましょう。Jim DunlopのUltex Jazz IIIは、速弾きを快適に行うための究極の選択肢の一つです。
アコースティックギター編:豊かな響きと耐久性
アコギは、ピックが弦に触れる音がそのまま音色に直結します。そのため、ピックの素材や厚さの選択が、エレキギター以上に重要になってきます。
| 奏法 | 推奨厚さ | 推奨形状 | 推奨素材 | 選定理由 |
| コードストローク(弾き語り) | Thin〜Medium (0.5mm〜0.7mm) | トライアングル型 | セルロイド、ナイロン | ピックのしなりを活かし、広がりと豊かな響きを出すため。トライアングル型は握りやすい。 |
| 単音弾き/アルペジオ | Medium〜Heavy (0.7mm〜1.0mm) | ティアドロップ | ウルテム、デルリン/Tortex | 正確なピッキングと音の輪郭をはっきりさせるため。 |
| フィンガーピッキング(指弾き) | 指 or サムピック | サムピック | セルロイド、プラスチック | 親指に装着するサムピックを使うことで、指弾きに豊かな音量を加える。 |
ワンポイントアドバイス:アコギのピックは、トライアングル型のMediumゲージが非常に万能で、初心者におすすめです。Fenderのセルロイド製のトライアングルは、多くの人が満足できる温かいサウンドを提供してくれます。また、ストローク専用と単音弾き専用で、厚さの違うピックを2種類用意するのも非常に効果的です。
ベース編:弦に負けないパワーとアタック感
ベースの弦はギターよりも太く、テンション(張力)が強いため、ピックもギターとは異なる選び方が必要になります。薄すぎるピックを使うと、弦に負けてしまって音がスカスカになりがちです。
| ジャンル | 推奨厚さ | 推奨形状 | 推奨素材 | 選定理由 |
| ロック/パンク | Heavy〜Extra Heavy (1.0mm以上) | トライアングル型、ティアドロップ | デルリン/Tortex、Ultex | 太い弦に負けないパワーと、明確なアタック感を出すため。 |
| オールジャンル | Heavy (1.0mm〜1.5mm) | トライアングル型 | デルリン/Tortex | 高い安定性と、強いピッキングにも耐える耐久性があるため。 |
ベースをピック弾きする場合、トライアングル型のHeavyゲージが最もベーシックで使いやすいとされています。また、ジム・ダンロップの「ナイロン・ピック」のHeavyゲージも、しなりは少ないものの、硬質で耐久性が高いため、ベーシストに根強い人気があります。ベースでピックを使うのは、指弾きとはまた違った硬質でエッジの効いたサウンドが得られるので、ぜひ色々試してみてください。
ピックをなくさないための便利グッズ!ケースやホルダーのすすめ
ピックは消耗品であると同時に、「よくなくすもの」の代表格でもあります。ライブ中にステージから落とす、練習後にケースに入れ忘れる、ポケットに入れたまま洗濯してしまう…ギタリストなら誰でも経験することですよね。ピックをなくすストレスから解放されるために、ここではピックの収納と携帯に役立つ便利グッズをご紹介します。
携帯に便利なピックケースの種類と選び方
ピックケースは、自宅での収納用から、キーホルダーとして常に持ち歩けるタイプまで、様々な種類があります。用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
キーホルダー型・ミニケース
最も便利で、誰にでもおすすめできるのがこのタイプです。小さなプラスチックや金属製のケースに、ピックを数枚入れてキーホルダーのようにギターケースやバッグに取り付けておけます。これさえあれば、「いざ弾こうと思ったらない!」という事態を避けられます。特にJim Dunlopのピックケースは、耐久性も高くデザインもシンプルで人気が高いです。常に「マイ・フェイバリット・ピック」を3枚ほど入れておくと安心です。
大容量の缶・箱型ケース
自宅で大量のピックを保管したり、種類ごとに分けて整理したりするのに最適なのが、この大容量ケースです。素材や厚さ、メーカー別にピックを分類して収納しておけば、次に新しいピックを選ぶ時や、特定の音色を試したい時にすぐに取り出せます。市販の専用ケースもありますが、可愛い缶や、仕切り付きの小物入れなどを代用するのもおすすめです。ピックを湿気やホコリから守るためにも、蓋がしっかりと閉まるものを選びましょう。
楽器ケース内蔵型
高級なギターケースやギグバッグの中には、ピック専用の小さなポケットやポーチが内蔵されているものがあります。これらはギター本体とピックを一緒に持ち運べるため非常に便利ですが、ピックを入れたままケースを乱暴に扱うと、ピックが飛び出したり、ギター本体を傷つける原因にもなりかねません。しっかりとファスナーやマジックテープで固定できることを確認しましょう。
演奏中に役立つ「ピックホルダー」活用術
ライブやスタジオ練習中に、曲の途中でピックを持ち替えたい、またはフィンガーピッキングに移行したいという時に活躍するのがピックホルダーです。ピックをギターのヘッドやマイクスタンドなどに固定しておくことで、必要な時にサッと取り出すことができます。
- マイクスタンド取り付け型:ボーカルも兼ねるギタリストに人気です。マイクスタンドのポールに簡単に取り付けられ、演奏中でも視線を大きく動かすことなくピックを取り出せます。
- ヘッドストック取り付け型:ギターのヘッド部分に挟み込むように取り付けるタイプです。非常にコンパクトで、アコースティックギターなど、他の場所に設置しにくい楽器に適しています。
- 両面テープ固定型:ピックガードやギター本体の好きな位置に貼り付けて固定するタイプです。手元から動かしにくい分、確実にピックをホールドできるというメリットがあります。
ピックホルダーは、ピックを「なくさない」ためだけでなく、「よりスムーズに演奏を続ける」ためのプロ仕様の便利グッズです。特に、ライブパフォーマンスを意識するようになったら、導入を検討してみてください。ホルダーに収納するピックは、本番で使うメインピックとは別に、予備のピックを数枚入れておくのが基本です。
自分だけのオリジナルピックを作る方法とメリット
「自分だけのピックが欲しい」「バンドのロゴを入れたピックを作りたい」と考えたことはありませんか?実は、ピックは個人でも比較的簡単にオリジナルデザインで制作することが可能です。ここでは、オリジナルピックを作る方法と、それがもたらすメリットについて解説します。
オリジナルピック制作の主な方法
オリジナルピックの制作を請け負っている業者はいくつかありますが、主な制作方法は以下の2つです。
業者へのデザインデータ入稿(主流)
現在最も一般的で品質が高いのが、ピック制作を専門とする業者にデザインデータを入稿する方法です。あなたが作成したバンドロゴやイラスト、名前などを、既製品のピック(Jim DunlopやFenderなどのピックを使うことが多い)にインクジェット印刷やレーザー刻印で施してもらいます。
- メリット:仕上がりのクオリティが高く、耐久性も高い。様々な素材や形状のピックを選べる。
- デメリット:ロット数が決まっている(最低10枚〜30枚からなど)、コストが割高になる場合がある。
- 活用例:バンドのライブ物販、結婚式のプチギフト、記念品としてのプレゼント。
自作キット・自宅での簡易制作
自分でピックの材料となるシートを購入し、型抜きパンチ(ピックパンチ)で打ち抜く方法もあります。これは、すぐに大量のピックが欲しい場合や、廃材や特殊な素材(例えば木材、貝殻など)をピックにしたい場合に有効です。
- メリット:非常に安価、完全にオリジナルの素材や形状を試せる。
- デメリット:打ち抜いた後のエッジ(角)の処理が必要で、手間がかかる。品質は業者に劣る。
オリジナルピックがもたらす3つの大きなメリット
オリジナルピックは単なる飾りではなく、演奏活動において様々なメリットをもたらします。
メリット1:ライブでの最高の「販促品」になる
アマチュアやインディーズバンドにとって、オリジナルピックは最高の販促品であり、ファンとの繋がりを深めるアイテムです。ライブ中に観客席に投げ入れたり、物販で販売したりすることで、バンドのロゴや名前を広く知ってもらうことができます。また、ファンにとっては、アーティストから直接受け取った「宝物」となり、特別な記念品になります。
メリット2:モチベーションと所有欲の向上
自分の名前や好きなデザインが入ったピックを使うと、演奏へのモチベーションが格段に向上します。プロのミュージシャンと同じように、自分のシグネチャーモデルを使っているような気分になれますし、「このピックは大事に使おう」という意識が働くため、ピックをなくしにくくなるという地味ながら大きなメリットもあります。
メリット3:プレゼントや記念品としての価値
音楽仲間や、これから楽器を始める友人へのプレゼントとして、オリジナルピックは非常に喜ばれます。「○○さんの名前入りピック」や「祝・ギター購入記念」といったメッセージを刻印すれば、世界に一つだけの特別なギフトになります。特に、ピックは手頃な価格で作れるため、ちょっとしたサプライズプレゼントとしても最適です。
モモストアが教える!ピック選びで迷った時の最終チェックリスト
これまでピックの販売場所から、厚さ、形状、素材に至るまで詳しく解説してきましたが、情報が多すぎて結局どれを選べばいいか分からなくなった方もいるかもしれません。安心してください!ここでは、モモストアが「これだけ押さえておけば大丈夫」という最終チェックリストをまとめました。この手順でピックを選べば、失敗する可能性は限りなくゼロに近づきますよ。
ステップ1:最初の「厚さ」を決める
まず、ピック選びの基準となる「厚さ」から決めましょう。音色と演奏性に最も影響を与える要素だからです。
【チェックポイント】
- あなたがギター初心者である: → Medium(0.7mm〜0.8mm程度)を選びましょう。コードも単音もバランス良く練習できます。
- あなたがアコギでコードストロークがメイン: → Thin(0.5mm〜0.6mm程度)を試しましょう。軽やかなサウンドが得られます。
- あなたがエレキで速弾きやリードギターがメイン: → Heavy(1.0mm以上)を試しましょう。芯の太い音とレスポンスが得られます。
ステップ2:定番の「形状」を選ぶ
次に、演奏中の快適さを決める形状を選びます。基本的には、以下の2択から選ぶのがおすすめです。
【チェックポイント】
- 安定感、握りやすさ重視、ベースも弾く: → トライアングル型(おにぎり型)を選びましょう。グリップ面積が広く、力が入りやすいです。
- スピード、キレ、テクニカルな演奏重視: → ティアドロップ型を選びましょう。先端が鋭利で、弦離れが良いです。
ステップ3:一度に複数の「素材」を試す
厚さと形状の目星がついたら、次は同じ厚さ・形状で「素材」の違うものを数種類試してみましょう。素材が違うだけで、驚くほど音色や感触が変わります。
【推奨する「お試し」セット】
- 温かみのある音を試したい: → Fenderのセルロイド(351シェイプ)
- 滑りにくさと耐久性を試したい: → Jim DunlopのTortex
- クリアで硬質な音を試したい: → Jim DunlopのUltex
これら3種類のピックを、例えば「Mediumゲージのティアドロップ型」で揃えて弾き比べてみてください。最も手に馴染み、理想に近い音が出るピックが、あなたにとっての「運命のピック」です。
ステップ4:ピックは「消耗品」と割り切る
最終的な心得として、ピックは高価なものではありませんし、完璧な一本を見つけるために時間をかけすぎる必要はありません。なぜなら、ピックは使っているうちに角が丸くなり、削れていく消耗品だからです。
新しいピックを使うと、音がクリアになり、アタックが鋭くなります。しかし、使い古したピックには、独特の丸みのある音や、手に馴染んだグリップ感というメリットもあります。一つのピックに固執せず、常に新しいものを試す好奇心と、失くしてもまた買えばいい、という気楽さを持つことが、ピック選びを楽しむための秘訣です。このチェックリストを参考に、あなたにとって最高のピックを見つけて、快適なギターライフを送ってくださいね!
ピックの厚さと形状をさらに細かく!応用編の知識
ステップ3までの基本的な選び方をマスターしたら、次はさらに音色や演奏性を追求するための応用的な知識を深めていきましょう。ピックの世界は奥が深く、定番のピック以外にも、プロが愛用する特殊な形状や、音響特性に優れた珍しい素材が存在します。
「Thin」と「Medium」の間を埋める細かなゲージ設定
ピックの厚さの分類はThin、Medium、Heavyが一般的ですが、実際にはメーカーによって0.01mm単位で細かいゲージが設定されています。例えば、Jim DunlopのTortexシリーズには、0.50mm、0.60mm、0.73mm、0.88mmなど、非常に細かく厚さが分かれています。
【応用知識:ゲージの微調整の重要性】
Medium(0.7mm)が少し柔らかいと感じるが、Heavy(1.0mm)だと硬すぎると感じた場合、0.88mmや0.96mmを試すことで、あなたのピッキングの強さに最適な「中間」のピックを見つけることができます。特にピッキングのタッチが繊細なジャズやフュージョンのギタリストは、このわずかな厚さの違いで音色のニュアンスを大きく変えるため、細かなゲージの違いにこだわります。厚さが0.8mmから0.9mmの間は、コードストロークと単音弾きの両方を高いレベルでこなしたいギタリストにとっての「スイートスポット」となることが多いですよ。
「異形ピック」の世界:変形シェイプがもたらす効果
ティアドロップ、トライアングル、ジャズ型の3大シェイプ以外にも、特定の演奏効果を狙った「異形ピック」が存在します。
涙型より大きい「スタンダード型」
ティアドロップとトライアングルの中間のような、より円形に近いスタンダードな形状のピックです。これはFenderの351シェイプよりも若干大きく、握りやすさと安定性を保ちつつ、ティアドロップのような鋭利な先端を持っているのが特徴です。手が大きい方や、より大きなピックで安心感を得たい方に適しています。
指のカーブに合わせた「グリップ加工ピック」
IbanezのGrip WizardやJim DunlopのMax-Gripなど、ピックの表面に網目状の加工を施したり、ピック中央に穴を開けたりして滑り止め効果を高めたピックです。ライブで手の汗が気になる方や、激しいパフォーマンスをする方に最適です。ピックが滑って演奏が途切れるストレスを解消してくれます。
特殊な素材のピック:木製、金属製、アクリル製
音色に強い個性を求めるなら、プラスチック以外の特殊素材のピックも魅力的です。
| 素材 | 音色の傾向 | 特徴 |
| 木製(エボニー、メイプルなど) | ウォームでオーガニック、アタックがキュッキュッと鳴る | 木の温もりを感じるグリップ感。厚さがあるものが多く、ピッキングの際に引っかかる感触がある。 |
| 金属製(ブラス、ステンレスなど) | 非常に硬質で攻撃的、倍音が強調される、鋭いアタック音 | 弦の消耗が非常に早いため、使用には注意が必要。 |
| アクリル製 | クリアで明るく、硬質なトーン | 透明なものや、中に装飾が施されたものが多い。厚みのあるものが多く、シャープな音を出すのに適している。 |
これらの特殊素材のピックは、実店舗で見つけるのが難しい場合が多いので、ネット通販で探すのが最も確実です。ただし、値段が一般的なピックよりも高価になることが多いため、まずはセット購入などでお試ししてみるのが良いでしょう。
プロギタリストがピックに求める「絶対条件」
世界的なプロギタリストたちは、なぜ特定のメーカーの特定のピックを長年使い続けるのでしょうか?彼らがピックに求めているのは、単なる「弾きやすさ」だけではありません。ここでは、プロの視点から見たピックの「絶対条件」と、その選び方の考え方を深掘りしていきます。
究極の「再現性」と「均一性」
プロにとって最も重要なのは、「いつ、どこで弾いても、常に同じ音と感触が得られること」です。これが「再現性」です。ライブやレコーディングは一発勝負の世界であり、ピックの厚さがわずかに違ったり、素材の配合がロットによって異なったりするだけで、演奏に影響が出てしまいます。
そのため、プロは品質管理が徹底された大手メーカーの定番モデルを選ぶ傾向があります。例えば、Jim DunlopのTortexやUltexは、素材の均一性が高く、長年愛用しても「品質が変わらない」という信頼性があります。シグネチャーモデルを出す際も、既存のピックをベースに、素材や厚さをミリ単位で調整し、そのスペックを厳密に管理することで、常に最高のパフォーマンスを引き出せるようにしています。
ピッキングニュアンスを殺さない「レスポンス」
プロの演奏は、単に音符を弾くだけでなく、ピッキングの強弱(ダイナミクス)で感情を表現します。ピックは、このニュアンスを正確に弦に伝えるための「媒介」でなければなりません。
- 薄すぎるピック:しなりすぎて、強いピッキングをしても音量の上限が抑えられてしまい、ニュアンスが潰れてしまう。
- 厚すぎるピック:ニュアンスは伝わるが、コントロールが難しく、少しのミスも許されない。
多くのプロギタリストがMedium〜Heavy(0.8mm〜1.2mm)の範囲で、硬質な素材(ウルテムなど)を選ぶのは、指の力の強弱を、ピックが遅延なく、そしてロスなく弦に伝えるためです。特に速弾きをするプレイヤーは、アタックの遅れが命取りになるため、レスポンスに優れたジャズ型の厚いピックを好みます。
長時間の使用に耐える「耐久性」と「グリップ力」
ライブツアーでは、数時間にわたるステージを連日こなす必要があります。ピックが演奏中に折れたり、滑って落としたりするのは、プロとして避けたい事態です。
- 耐久性:セルロイドは音色は良いものの、耐久性でウルテムやデルリンに劣ります。特に弦を激しくヒットするロック系のプロは、ウルテムやポリアセタールなど、耐摩耗性の高い素材を選ぶことが多いです。
- グリップ力:ライブ会場は熱気と照明で非常に暑く、手の汗でピックは簡単に滑ります。そのため、ジム・ダンロップのTortexやGator Gripのような、表面にザラザラとした加工が施されたピックがプロに選ばれるのは必然です。このグリップ力は、演奏中の安心感に直結します。
このように、プロのピック選びは「音色」はもちろんのこと、「失敗しないためのツール選び」という側面が非常に強いのです。あなたがピック選びで迷ったら、一度プロが何を求めているのかという視点から、ピックを観察してみることをおすすめします。
ピックの保管方法と定期的な交換で音色を保つ秘訣
ピックはただ「使うもの」ではありません。保管方法一つで寿命が変わりますし、定期的に交換することで、あなたのギターの音色を常にベストな状態に保つことができます。ピックを大切に扱い、常に良い音で演奏を続けるための知識をモモストアが伝授しますね。
ピックが劣化する主な原因
ピックは使っているうちに少しずつ劣化していきます。主な原因は以下の3つです。
- 摩耗(削れ):最も一般的な劣化です。弦を弾くたびにピックの先端や角が削れて丸くなります。丸くなったピックは、アタック感が弱くなり、音がこもりがちになります。
- 熱と湿気:特にセルロイド素材のピックは熱に弱く、変形する可能性があります。また、多湿な場所に保管すると、素材によってはピックが反ったり、変質したりすることがあります。
- 油分と汚れ:手の汗や皮脂が付着することで、ピックの表面が滑りやすくなったり、素材によっては劣化が早まったりします。特にグリップ加工のないツルツルしたピックは、汚れが付くとより滑りやすくなります。
ピックの見た目が少しでも丸くなってきたら、それは交換のサインです。新しいピックと弾き比べてみて、音の違いを感じたらすぐに交換することをおすすめします。プロは数曲弾いただけでピックを交換することも珍しくありません。
ベストなピックの保管方法
ピックを長持ちさせ、最高の状態で保管するためには、以下の点に注意しましょう。
温度・湿度を避けた保管
ピックは、ギター本体と同様に、直射日光や高温多湿を避けた場所に保管してください。特に夏場の車内や、暖房器具の近くに放置するのは厳禁です。できれば、ギターケースの中の小物入れや、密閉できるピックケースに入れておくのが理想的です。
種類別に分類して整理整頓
先ほどご紹介したように、大容量の缶や箱型のケースを用意し、ピックを種類ごとに分けて保管しましょう。例えば、「練習用(削れてもOK)」「本番用(新品に近い)」「素材別」「厚さ別」といった形で分類すると、必要なピックを瞬時に見つけることができます。
クリーニングも有効
特に汗をかいた後や長時間使用した後は、ピックの表面を乾いた布や、アルコールを含まないウェットティッシュなどで軽く拭いておくと、表面の油分が取れてグリップ力が回復します。これにより、ピックの寿命を延ばすことができるだけでなく、演奏中のストレスも軽減されます。
定期的な「ピックローテーション」のすすめ
ピックは消耗品ですが、だからといって使い切るまで交換しないのはもったいないです。モモストアがおすすめしたいのは、「ピックローテーション」です。
例えば、お気に入りのピックを3枚購入し、それらをローテーションしながら使うのです。1枚をメインで使うのではなく、3枚を均等に使うことで、ピックの摩耗を緩やかにし、常に状態の良いピックで演奏できる機会が増えます。さらに、3枚とも摩耗してきたと感じたら、その3枚をすべて「練習用」として引退させ、新たに3枚を「本番用」として投入する、というサイクルを作ります。このローテーションを行うことで、音色の劣化を防ぎ、いつでも最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることができますよ。
ピックの持ち方・握り方で劇的に変わる音色とピッキングテクニック
「どのピックを使うか」も大切ですが、「どうピックを持つか」は、それ以上に音色と演奏の快適さに影響を与えます。プロギタリストと同じピックを使っても、同じ音が出ないのは、この「ピックの握り方」が異なるからです。ここでは、ピックの持ち方の基本と、音色を変えるための応用テクニックをご紹介します。
ピックの持ち方の基本「サム・アンド・インデックス」
ピックの持ち方で最もポピュラーなのが、親指(サム)と人差し指(インデックス)でピックを挟む「サム・アンド・インデックス・グリップ」です。
【正しい持ち方の手順】
- 人差し指を曲げる:人差し指の第一関節を軽く曲げます。
- 親指を乗せる:曲げた人差し指の上に、親指の腹を乗せるようにピックを挟みます。
- ピックの露出を調整:ピックの先端が、指から3〜5ミリ程度出るように調整します。これが最も基本的な握り方です。
この持ち方で重要なのは、力を入れすぎないことです。ピックを強く握りすぎると、手首が固まり、スムーズなストロークや単音弾きができなくなります。ピックが落ちない程度の軽い力で挟むように心がけましょう。これにより、手首の柔軟性が保たれ、ピッキングに「しなやかさ」が生まれます。
音色をコントロールする応用テクニック
ピックの持ち方や角度を少し変えるだけで、音色は劇的に変化します。これは、ピックが弦に当たる「面」や「角度」が変わるためです。
角度を変える「スラントピッキング」
ピックの先端を弦に対して垂直(90度)に当てるのが基本ですが、ピックを少し斜め(スラント)にして弾くことで、音色をソフトにしたり、アタックを強調したりできます。
- ダウンピッキングのスラント(内側):弦に当たる角を少なくし、スムーズな弦離れを狙います。速弾きやメロディラインを弾く際に、引っかかりを減らしたい場合に有効です。
- アップピッキングのスラント(外側):これも同様にスムーズさを重視する持ち方ですが、ダウンとアップで角度を変えることで、ピッキングの抵抗を均一にする「エコノミーピッキング」にも応用されます。
ピックの露出量を変える
指からピックを出す量を少なくすると、弦に当たる面積が減り、よりタイトでコントロールされた音になります。プロギタリストの多くは、ピックを指からほとんど出さないくらい短く持つ傾向があります。逆に、ピックを長く出すと、しなりを最大限に活かせ、アコギのコードストロークで豊かな音量を出すことができます。あなたの演奏の目的に合わせて、この露出量を微調整してみてください。
ピックをめぐるQ&A!よくある疑問を一挙解決
ピックに関して、これまで解説しきれなかった、ギタリストやベーシストの皆さんからよく寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめてみました。あなたの抱える「ちょっとした疑問」も、ここでスッキリ解決できるかもしれませんよ。
Q1: ギターとベースでピックは兼用できますか?
A: 可能です。しかし、選ぶピックはベース用に合わせることを推奨します。
ピックは、ギター用、ベース用として明確に分けられているわけではありません。しかし、ベースの弦はギターよりも圧倒的に太く、テンションも強いため、ベースを弾く際にギター用のThinやMediumのピックを使うと、ピックが負けてしまい、音がボヤけたり、すぐにピックが割れてしまったりします。
兼用したい場合は、Heavyゲージ(1.0mm以上)のトライアングル型を選ぶのがベストです。この組み合わせであれば、ベースでも十分なアタック感とパワーが出せますし、エレキギターを弾く際も、芯の太いリードトーンを得ることができます。
Q2: プロのギタリストはピックを失くさないようにどうしているの?
A: プロは失くすことを前提に、徹底した管理と予備を用意しています。
プロでもピックは失くします。しかし、演奏中に困らないように、以下のような対策を徹底しています。
- 予備の徹底:マイクスタンドやギター本体(ヘッドやピックガード)にピックホルダーを取り付け、常に数枚の予備をセットしています。
- ステージ上でのストック:足元に置かれたエフェクターボードの隅や、アンプの天板など、手の届きやすい場所にピックを何十枚も並べておくことが多いです。
- 照明の影響:ライブ会場の暗闇でも見つけやすいように、蛍光色や明るい色のピックを選ぶプロもいます。
プロの現場では、ピックを落とすのは「事故」ではなく「日常」です。それをいかに瞬時にカバーできるか、という準備が徹底されているのです。
Q3: 弦が切れやすいと感じたらピックのせいですか?
A: ピックが原因である可能性は十分にあります。
特に以下のピックを使用している場合、弦への負担が大きくなります。
- 金属製ピック:非常に硬いため、弦が早く削られ、切れやすくなります。
- 極端に摩耗したピック:先端が鋭利に削れたり、逆にギザギザになったりした状態で弾き続けると、弦の特定の一点に負荷が集中し、弦が切れやすくなります。
弦が頻繁に切れると感じたら、まずはピックの状態を確認し、新しい、エッジが滑らかなピックに交換してみてください。それでも切れる場合は、ブリッジやサドルの調整、または演奏方法(ピッキングの角度など)を見直す必要があります。
Q4: ピックの色は音色に関係しますか?
A: 基本的には関係ありません。ただし、メーカーによっては特定の素材と色が紐づいています。
ピックの音色は、厚さ、形状、素材の3要素で決まります。色は基本的にデザイン上の違いであり、音色に影響はありません。
ただし、Jim DunlopのTortexシリーズのように、厚さによって色分けがされているピックもあります(例:0.73mmは黄色、0.88mmは緑)。この場合は、「この色だからこの音」ではなく、「この色がこの厚さを示している」という認識になります。色が音を出すわけではありませんが、視覚的に厚さを判別しやすくするという大きな役割を果たしています。
ピックの選び方で陥りやすい「3つの勘違い」と対処法
ピック選びは、時に迷路に入り込んだような状態になることがあります。特に楽器を始めたばかりの人が陥りやすい「勘違い」と、そこから抜け出すためのモモストアからのアドバイスをご紹介します。この勘違いを避けるだけで、あなたにとっての「最高のピック」に早くたどり着けますよ。
勘違い1: 「プロと同じピックを使えば同じ音が出る」
これは最もよくある勘違いの一つです。憧れのギタリストが特定のピックを使っているのを見て、すぐにそれを購入する人は多いでしょう。しかし、結論から言うと、同じピックを使っても、同じ音は出ません。
【対処法:ピックは「腕の延長」と考える】
プロのギタリストがそのピックを選んでいるのは、彼のピッキングの強さ、スピード、そして求めている音の輪郭に「そのピックが最適にフィットしているから」です。ピックは、あくまであなたの「腕の延長」であり、その性能を最大限に引き出すには、あなたのピッキングスタイルが確立されている必要があります。まずは、自分が気持ちよく、ミスなく弾けるピック(Mediumのトライアングル型など)で基礎を練習し、その後で「このプロの音に近づきたいから、少し硬いUltexに変えてみよう」というように、段階的に憧れのピックに挑戦するのが正しいアプローチです。
勘違い2: 「薄いピックは初心者向け、厚いピックは上級者向け」
ピックの厚さを、単純な「レベル分け」だと捉えてしまうのも大きな間違いです。確かに、薄いピックはミスが目立ちにくく、厚いピックはコントロールが難しいという側面はありますが、それはあくまで「特性」の違いであり、「優劣」ではありません。
【対処法:奏法とジャンルで判断する】
ピックの厚さは、「初心者/上級者」ではなく、「何を弾きたいか」で決めるべきです。
- Thin(薄い):カントリーやフォークソングの軽やかなコードストローク(上級者も使用)。
- Heavy(厚い):ジャズの複雑なコードの単音弾きや、超絶技巧の速弾き(これも上級者も使用)。
薄いピックでなければ出せない音色、厚いピックでなければ出せない音色というものが存在します。自分の演奏したい音楽の音色を追求するために、全ての厚さのピックを試す価値がある、と考えてください。
勘違い3: 「ピックは安くて小さな消耗品だから何でもいい」
ピックは安価で、つい軽視されがちです。しかし、ギターの弦と並んで、音色に最も直接的に影響を与えるパーツです。どんなに高価なギターやアンプを使っても、ピックの選択を間違えると、その機材の良さが半減してしまうこともあります。
【対処法:ピックに「投資」する意識を持つ】
「たかがピック、されどピック」です。ピックにこだわりを持つことは、自分の音色にこだわりを持つことと同義です。初めてピックを買うときは、100円〜200円で買える定番ピックを3種類(例:セルロイド、Tortex、Ultex)と、3つの厚さ(Thin、Medium、Heavy)で、合計9枚ほど購入して弾き比べてみてください。
この初期投資によって、あなたはピックが音にもたらす影響を深く理解できますし、何よりも自分の演奏が劇的に快適になるはずです。ピック選びを、自分のギタリストとしての成長への大切なステップだと捉えてくださいね。

