ジャパニーズ・スコッチ人気銘柄の終売ウイスキー一覧!代替品と現在の価格動向も解説

ジャパニーズ・スコッチ人気銘柄の終売ウイスキー一覧!代替品と現在の価格動向も解説

最近、ウイスキー好きの仲間と話すと、「あの銘柄、いつの間にか見なくなったね」「まさかこれも終売だったの?」という話題で持ちきりになります。特にジャパニーズウイスキー人気が世界的に高まって以来、日本酒や焼酎のように、気軽に買えたはずのウイスキーが次々と市場から姿を消しているんです。ウイスキー愛好家としては、寂しい気持ちになりますよね。
この記事では、皆さんが気になっている「終売(販売終了)」や「休売(一時的な販売休止)」となった主要なウイスキー銘柄を、国内・海外問わず一挙にリストアップし、さらに気になる「現在の市場価格」や「おすすめの代替品」まで、モモストアが詳しく解説していきます。
終売の理由から、今すぐチェックすべき購入ルートまで、ウイスキー選びのヒントが満載ですよ!

・そもそもウイスキーが「終売」になる理由って何?
・【ジャパニーズ】プレミアム終売銘柄トップ5と現在の市場価格
・ニッカウヰスキーで「もう飲めない」と惜しまれる終売ボトル一覧
・サントリーウイスキーの終売・休売銘柄と高騰のリアルな現状
・惜しまれつつ姿を消した「年数表記あり」の終売ウイスキー
  1. そもそもウイスキーが「終売」になる理由って何?
    1. 最も大きな要因は「原酒不足」
    2. その他の終売の理由と背景
      1. 味やコンセプトの変更
      2. ボトルデザインや容量の変更
      3. ブランドの統合や廃止
  2. 【ジャパニーズ】プレミアム終売銘柄トップ5と現在の市場価格
    1. 終売ジャパニーズウイスキー高騰ランキング
    2. 響 17年:ドラマの力で価格が爆発的に高騰
    3. 山崎 10年:ノンエイジ化の波に飲まれた若き名品
  3. ニッカウヰスキーで「もう飲めない」と惜しまれる終売ボトル一覧
    1. 特に惜しまれるニッカの終売・休売銘柄
      1. シングルモルト 余市 10年 / 12年 / 20年
      2. ピュアモルト 鶴
      3. ニッカ シングルカスク
  4. サントリーウイスキーの終売・休売銘柄と高騰のリアルな現状
    1. 三大ブランドの年数表記ボトルが高騰
    2. 「響 12年」は終売後も人気が衰えない銘柄
    3. 「山崎 10年」は終売銘柄としての地位を確立
  5. 惜しまれつつ姿を消した「年数表記あり」の終売ウイスキー
    1. 年数表記が持つ意味と希少性
    2. 日本の年数表記終売の歴史
    3. 終売した年数表記ウイスキーの代替品を探す
      1. 余市12年の代替なら?
      2. 響17年の代替なら?
  6. 【スコッチ】終売・休売となった人気銘柄とその代替品
    1. アイラモルトの終売:アードベッグやボウモア
    2. スペイサイド・ハイランドモルトの終売
  7. バーボンウイスキーから消えた銘柄と「駆け込み需要」の傾向
    1. 惜しまれたバーボンの終売銘柄
      1. アーリータイムズ イエローラベル
      2. I.W.ハーパー 12年
    2. 終売時の「駆け込み需要」と注意点
  8. 終売品の価格が定価の何倍に?高騰の裏側にある3つの要因
    1. 要因1:世界的な需要の急増と供給の絶対的な不足
    2. 要因2:投機・投資の対象化とコレクター心理
    3. 要因3:「二度と作れない」という歴史的価値
  9. 終売ボトルはどこで買える?今のうちにチェックすべき購入場所
    1. 大手通販サイト(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)
    2. リサイクルショップ、酒類専門の買取・販売店
    3. オークションサイト(ヤフオク!、メルカリ、専門オークション)
  10. 代替品として注目!終売銘柄と似た系統の「現行ウイスキー」
    1. 「響 17年」の華やかさを受け継ぐ現行品
      1. 響 ジャパニーズハーモニー
      2. シーバスリーガル 18年
    2. 「余市 12年」の力強いピート香に近い現行品
      1. ニッカ 竹鶴 ピュアモルト
      2. ラフロイグ クォーターカスク
    3. 「I.W.ハーパー 12年」のまろやかな甘さに近い現行品
      1. メーカーズマーク
      2. ウイスキー知多
  11. 終売ウイスキーを「飲む」か「売る」か?賢い選択のポイント
    1. 選択肢1:飲んで「過去の味」を記憶に残す
    2. 選択肢2:売却して「新しいウイスキー」を買う資金にする
  12. 今後「終売予備軍」になりそうなウイスキーを予想してみた
    1. 傾向1:年数表記の若年ボトル
    2. 傾向2:特定の限定品や少量生産品
    3. 傾向3:輸入ウイスキーの一部長期熟成ボトル
  13. ニッカの終売品!「竹鶴 25年」と「シングルカスク」の驚くべきプレミア価格
    1. 幻のブレンデッドモルト「竹鶴 25年」
    2. 蒸溜所の個性が詰まった「シングルカスク」
  14. サントリーの終売銘柄で再注目!「山崎 18年」の価格動向
    1. 一時的な休売で価格が高騰した「山崎 18年」
    2. 現在の市場価格は高止まり傾向
    3. 「山崎」シリーズのその他の終売ボトル
  15. 終売の波はブレンデッドにも!「ブラックニッカ」の終売事情
    1. 「ブラックニッカ 8年」の終売
    2. 代替品としての「ブラックニッカ ディープブレンド」
    3. 「キングオブキングス」など、知る人ぞ知る終売ブレンデッド
  16. サントリーの休売銘柄「白州 12年」再発売後の市場動向
    1. 再発売後の市場価格はどうなった?
    2. 白州 12年の魅力と代替品
  17. ジャパニーズウイスキー「知多」の終売ボトルと現在の立ち位置
    1. 「知多 10年」の終売
    2. 現在の「知多」の立ち位置
  18. 終売の理由が特殊な「ゴースト蒸溜所」ウイスキーの魅力
    1. ゴースト蒸溜所とは?
    2. 日本のゴースト蒸溜所ウイスキー
    3. ゴーストウイスキーの楽しみ方
  19. サントリーの終売銘柄「膳」と「角瓶」の一部終売について
    1. サントリー「膳」の終売
    2. 「角瓶」のボトルデザイン・容量変更による旧ボトルの終売
  20. 終売ウイスキーと「価格改定(値上げ)」の密接な関係
    1. 終売は「究極の値上げ」である
    2. 現行品の価格改定は終売品の価値を底上げする
    3. 値上げは「終売回避」のための防衛策
  21. スコッチウイスキー「グレンファークラス」の終売事情と魅力
    1. 「グレンファークラス 21年」の終売
    2. 終売した21年の代替品は?
  22. まとめ:終売ウイスキーは「ロマン」と「投資」の象徴

そもそもウイスキーが「終売」になる理由って何?

momo-store.jp

ウイスキーの終売って、急に発表されることが多いので、驚きますよね。「え、昨日まで普通に棚にあったのに!」なんて経験、私モモストアも何度かあります。
なぜ、あんなに人気があった銘柄が、ある日突然「もう作りません」となってしまうのでしょうか?実は、その背景にはウイスキー特有の、時間のかかる製造工程が大きく関わっているんです。

最も大きな要因は「原酒不足」

ウイスキーは、最低でも3年間は樽で寝かせる必要があります。特に「山崎12年」や「響17年」といった年数表記のあるボトルは、その年数以上の原酒が必要になりますよね。
しかし、近年、ジャパニーズウイスキーが世界的に大ブームになったことで、需要が爆発的に高まりました。メーカーは当然、増産体制を敷きましたが、樽詰めした原酒が飲み頃になるまでには、早くても数年、長期熟成ともなれば数十年という時間が必要です。
つまり、今の需要を満たすには、10年~20年前に仕込んだ原酒が足りない、というタイムラグが発生しているわけです。

メーカーが「終売」や「休売」という苦渋の決断をするのは、「これ以上売り続けると、将来的に長期熟成のウイスキーが出せなくなる」という事態を避けるためなんですね。人気があるからこそ、一旦立ち止まって原酒の在庫を調整し、未来のウイスキーを守るための措置なんです。私たち消費者としては寂しいですが、メーカーの「品質を守りたい」という姿勢の表れとも言えます。

その他の終売の理由と背景

もちろん、原酒不足だけが理由ではありません。終売の背景には、他にも様々な理由が考えられます。

味やコンセプトの変更

時代や消費者の嗜好に合わせて、ウイスキーの味のレシピ(ブレンド)が見直されることがあります。その際、以前のレシピで作られたボトルが終売となり、新しい名前やデザインでリニューアルされるケースです。例えば、ノンエイジ(年数表記なし)のボトルに切り替える際、旧ボトルが終売となるのはこのパターンが多いですね。

ボトルデザインや容量の変更

パッケージや容量の統一化を図るために、中身は変わらなくても旧デザインのボトルが終売になることもあります。この場合、新ボトルはすぐに市場に出回るので、そこまで価格が高騰することは少ない傾向にあります。

ブランドの統合や廃止

メーカーの経営戦略やブランド戦略の見直しにより、特定のブランド自体が廃止されたり、他のブランドに統合されたりするケースも稀にあります。例えば、蒸留所が閉鎖されてしまった場合などは、その蒸留所のウイスキーは必然的に終売となりますね。有名なところでは、スコットランドの数多くの「ゴースト蒸留所」がこれにあたります。

このように、ウイスキーの終売は、単なる「売れなくなったから」ではなく、「売れすぎたから」や「未来のために原酒を守るため」という、ポジティブな理由が多いのも特徴的です。だからこそ、終売ボトルには熱烈なファンが多く、価格が高騰しやすいんですね。

【ジャパニーズ】プレミアム終売銘柄トップ5と現在の市場価格

ウイスキーの終売といえば、やはりジャパニーズウイスキーの話題は外せません。特に、サントリーやニッカが長年販売していた「年数表記」のあるボトルが市場から姿を消した時は、本当に衝撃的でした。
ここでは、プレミア化が著しく、今や定価の何倍もの価格で取引されている、特に注目度の高いジャパニーズウイスキーの終売銘柄トップ5と、その現在の市場価格帯をご紹介します。ただし、価格は常に変動しますので、あくまで参考程度に見てくださいね。

終売ジャパニーズウイスキー高騰ランキング

順位 銘柄名 終売・休売時期(目安) 主な終売理由 現在の市場価格(目安)
1位 サントリー 響 17年 2018年 原酒不足による長期休売 20万円〜40万円以上
2位 サントリー 山崎 10年 2013年 原酒不足、ブランド戦略変更 10万円〜25万円以上
3位 ニッカ シングルモルト 余市 12年 2015年 原酒不足による終売 10万円〜20万円以上
4位 ニッカ ピュアモルト 鶴 17年 2015年 原酒不足による終売 8万円〜15万円以上
5位 キリン 富士山麓 シングルモルト 18年 2016年 原酒不足による終売 5万円〜10万円以上

※市場価格は、酒販店やオークションサイトにおける状態の良いボトルの取引価格をモモストアが独自に調査した目安です(2025年時点)。

響 17年:ドラマの力で価格が爆発的に高騰

終売ウイスキーの代表格といえば、やはり「響 17年」でしょう。終売が発表される前から人気はありましたが、あるドラマで脚光を浴びたことで、一気に火がつき、価格が高騰しました。
サントリーの創業90周年を記念して誕生したこのボトルは、熟成年数17年以上の原酒のみを厳選してブレンドした、日本のブレンデッドウイスキーの最高峰の一つです。滑らかで華やかな香りと、複雑で奥行きのある味わいは、まさに芸術品。
休売が発表されて以降、価格は定価の数十倍に跳ね上がり、現在では数十万円という信じられないような価格で取引されています。もし自宅に未開封のボトルが眠っているなら、もはや「飲むためのお酒」というより「資産」に近い価値を持っていると言えるでしょう。

山崎 10年:ノンエイジ化の波に飲まれた若き名品

シングルモルトの「山崎」も、長期熟成の原酒不足を受けて、2013年に10年表記のボトルが終売となりました。現在は「山崎(ノンエイジ)」が主流ですが、10年表記には、その年数ならではの若々しさと力強さ、フレッシュな果実味が凝縮されていました。
終売から年月が経ち、こちらも価格は高騰の一途を辿っています。特に、初期のラベルや箱付きのものはコレクターアイテムとして非常に人気が高く、中古市場でもなかなかお目にかかれない逸品です。山崎の歴史を語る上でも、非常に重要な位置づけのボトルですね。

これらの終売銘柄は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手通販サイト(新しいタブで開きます)でも見つかることがありますが、価格は非常に高くなっています。購入を検討する際は、商品の状態や販売元の信頼性をしっかりと確認することが重要です。

ニッカウヰスキーで「もう飲めない」と惜しまれる終売ボトル一覧

サントリーと並ぶ日本の二大ウイスキーメーカー、ニッカウヰスキーも例外ではありません。創業者である竹鶴政孝氏の情熱が詰まったニッカのウイスキーも、原酒不足の波を受けて多くの銘柄が終売・休売となりました。
ニッカのウイスキーは、その個性的で力強い味わいが特徴的で、特に「余市」や「宮城峡」のシングルモルトは、世界的なコンペティションでも高い評価を得ています。そんな名品たちが終売となった時、多くのファンが悲鳴を上げました。

特に惜しまれるニッカの終売・休売銘柄

シングルモルト 余市 10年 / 12年 / 20年

ニッカのフラッグシップである「余市」から、2015年に年数表記のあるボトルが一斉に終売となりました。特に10年や12年は、余市蒸溜所特有の石炭直火焚き蒸溜による、重厚なピート香と力強いコクが魅力で、まさに唯一無二の存在でした。
終売から数年が経ち、市場に残っているボトルはどれも高額です。特に「余市 20年」に至っては、現在では数百万円クラスで取引されることも珍しくなく、もはや幻のボトルと言っても過言ではありません。余市のノンエイジボトルも素晴らしいですが、年数表記ボトルの重厚感は格別でしたね。

ピュアモルト 鶴

ニッカのブレンデッドモルト(ピュアモルト)の中でも、特別な存在だったのが「鶴」です。美しいボトルデザインと、竹鶴政孝の妻リタにちなんだ名前を持つこの銘柄は、当初は余市と宮城峡のモルトを贅沢にヴァッティングしたものでした。
その後、「鶴 17年」も終売となり、さらに旧デザインの「鶴」自体も終売となっています。その優雅で繊細な味わいは、ニッカのモルト技術の粋を集めたものでした。終売が発表された際には、多くのファンが買いだめに走ったと言われています。

ニッカ シングルカスク

特定の樽から、加水せずにボトリングされた「シングルカスク」も、原酒不足により相次いで終売となっています。特に余市や宮城峡のシングルカスクは、その樽ごとの個性が際立っていて、コレクターズアイテムとしても非常に人気が高く、高値で取引されています。
蒸溜所のテイスティングルームでしか手に入らなかったり、抽選販売だったりすることも多かったため、終売となる以前から入手難易度が高かったボトル群です。

これらのボトルは、今から手に入れるのは非常に困難ですが、ニッカは「竹鶴」や「ブラックニッカ ディープブレンド」など、現行品(新しいタブで開きます)にも力を入れています。ニッカの哲学を受け継いだこれらのボトルで、終売品に思いを馳せるのも良いかもしれません。

サントリーウイスキーの終売・休売銘柄と高騰のリアルな現状

サントリーは、日本を代表するウイスキーメーカーとして、世界中にファンを持つ「山崎」「白州」「響」の三大ブランドを擁しています。これらのブランドの終売・休売は、市場に与える影響が非常に大きく、価格高騰の引き金となってきました。

三大ブランドの年数表記ボトルが高騰

ブランド 終売・休売ボトル 市場高騰の現状
12年、17年 特に17年が高騰。12年も希少価値が高い。
山崎 10年、15年、50年(限定) 10年はノンエイジ化で終売。50年・55年は億単位の取引も。
白州 10年、12年(休売時期あり) 12年は一時期休売で高騰。10年も終売で希少価値が上昇。
その他 知多 10年、膳など 主に原酒再配分の影響。大きな高騰はないが安定。

「響 12年」は終売後も人気が衰えない銘柄

「響 17年」ほどではないものの、2015年に終売となった「響 12年」も、多くのファンが惜しむボトルです。梅酒樽で熟成させた原酒を使用していることが特徴で、フルーティーで甘く、飲みやすい口当たりが人気でした。17年よりも若々しく、気軽に飲める響として愛されていましたが、こちらも原酒不足により終売となりました。
終売から数年が経過し、現在は数万円〜十数万円で取引されることが多く、市場価格は高止まりしています。もしバーで見かけることがあれば、ぜひ一杯だけでも楽しんでおきたい銘柄です。

「山崎 10年」は終売銘柄としての地位を確立

先にも触れましたが、「山崎 10年」は、サントリーがシングルモルトに力を入れ始めた初期の傑作と言えます。終売後は「山崎 ノンエイジ」に引き継がれましたが、10年という熟成年数がもたらすバランスの良さは、今でも評価が高いです。
高騰の背景には、ジャパニーズウイスキー全体の人気だけでなく、「年数表記ボトルへのこだわり」を持つコレクターの存在も大きいでしょう。特に、終売品には二度と手に入らないという希少性があり、それが価格に反映されているんですね。

これらのサントリーの終売銘柄を探すのは至難の業ですが、「響 ジャパニーズハーモニー」や「山崎 ノンエイジ」といった現行品も、限定品(新しいタブで開きます)などで素晴らしい味わいのものがリリースされています。終売品に固執せず、今のサントリーの味を楽しむのも、ウイスキーの醍醐味です。

惜しまれつつ姿を消した「年数表記あり」の終売ウイスキー

ウイスキーのボトルに記載されている「12年」「17年」「21年」といった年数表記は、そのウイスキーの熟成期間の最低年数を示す、品質の証でもあります。しかし、ジャパニーズウイスキーの慢性的な原酒不足により、この年数表記ボトルが次々と終売や休売に追い込まれてきました。
年数表記ボトルが終売になると、なぜこれほどまでに騒がれ、価格が高騰するのでしょうか?それは、「その年数表記が二度と手に入らないかもしれない」というコレクター心理と、「品質に対する信頼感」が関係しています。

年数表記が持つ意味と希少性

年数表記は、メーカーが「このウイスキーは、これだけの時間をかけて、安定した品質で提供できる」という約束でもありました。それが終売になるということは、「この先、品質を維持しながらその年数のボトルを提供し続けることが困難になった」というメーカーからのメッセージでもあります。
そのため、終売になった年数表記ボトルは、「品質が保証された過去の遺産」として、コレクターの間で非常に高い価値を持つようになるのです。

日本の年数表記終売の歴史

日本のウイスキー終売の歴史を振り返ると、いくつかのターニングポイントがあります。

【2010年代前半】
この頃から、ジャパニーズウイスキーの海外での評価が高まり始め、国内でもハイボールブームなどで需要が拡大。メーカーは長期熟成の原酒在庫が厳しくなり、一部の年数表記ボトル(例:山崎10年、白州10年)の終売が始まります。

【2015年頃】
ニッカウヰスキーが「余市」「宮城峡」の年数表記ボトルを一斉終売。大きなニュースとなり、市場でのプレミア化が一気に加速しました。

【2018年頃】
サントリーの「響17年」「白州12年」が休売(その後、白州12年は再発売)。これにより、「年数表記のボトルはいつか消える」という認識が市場に定着し、現行品の年数表記ボトルも「終売予備軍」として投機の対象となり始めました。

終売した年数表記ウイスキーの代替品を探す

終売した年数表記ボトルと同じ味わいを探すのは難しいですが、「系統」が似ている現行品を探すのが賢明です。

余市12年の代替なら?

余市12年の特徴は、重厚なピート(泥炭)香と潮気。これに近い現行品を探すなら、同じくニッカの「竹鶴 ピュアモルト」や、スコッチウイスキーの「アードベッグ 10年」(新しいタブで開きます)などが候補になります。特に竹鶴は、余市と宮城峡のモルトがブレンドされており、ニッカらしい骨格を感じられます。

響17年の代替なら?

響17年の華やかで複雑な味わいは、ブレンデッドの妙。これに近いのは、現行の「響 ジャパニーズハーモニー」でしょう。熟成年数にこだわらなければ、響の持つ繊細な香りと味わいを十分に楽しめます。また、もしもう少し長期熟成感を感じたいなら、スコッチの「バランタイン 17年」なども、ブレンデッドの技術が光る銘柄としておすすめです。

終売品は「過去の味」として楽しみ、現行品は「今の味」として愛でる。これがウイスキーとの健全な付き合い方かもしれません。

【スコッチ】終売・休売となった人気銘柄とその代替品

終売の話題はジャパニーズウイスキーが中心になりがちですが、世界的に見ても、スコッチウイスキーの終売や休売も頻繁に起こっています。特に、特定の熟成年数のボトルや限定シリーズは、気づかないうちに市場から姿を消していることが多いです。

アイラモルトの終売:アードベッグやボウモア

強烈な個性を持つアイラモルトからも、終売・休売のニュースが届いています。

銘柄名 タイプ 終売・休売情報 代替品のおすすめ
アードベッグ アン・オー アイラモルト 日本国内で終売(2022年頃) アードベッグ 10年、アードベッグ ウーガダール
ボウモア 18年 アイラモルト 休売(2022年頃) ボウモア 15年(ダークなシェリー感)、ラフロイグ 18年(終売のため入手困難)
ボウモア 25年 アイラモルト 休売(2022年頃) クレイグアイル 25年(終売のため入手困難)

「アードベッグ アン・オー」は、アイラモルトの中でも比較的飲みやすく、丸みのあるピート感が特徴でしたが、日本国内では終売となりました。しかし、アードベッグは「ウーガダール」や「コリーヴレッカン」といった個性的なラインナップが豊富なので、それらを試すのも良いでしょう。特に「アードベッグ 10年」はアイラモルトの入門としても定番で、アン・オーよりもピーティーですが、アードベッグの魅力が詰まっています。

また、「ボウモア 18年」の休売は、ファンにとって大きな痛手でした。ボウモアらしいスモーキーさと、シェリー樽由来の甘く複雑な香りが絶妙なバランスで、非常に人気の高い銘柄でした。休売の原因も、やはり原酒不足と見られています。

スペイサイド・ハイランドモルトの終売

華やかでフルーティーな銘柄が多いスペイサイドやハイランドのモルトからも、終売は出ています。

  • グレンファークラス 21年:終売となり、現在は17年や15年などが主要ラインナップに。グレンファークラスはシェリー樽熟成にこだわる家族経営の蒸溜所で、終売ボトルも人気が高いです。
  • グレンリベット ナデューラ オロロソ:カスクストレングス(加水なし)で瓶詰めされたシリーズの一つ。オロロソシェリー樽の風味が濃厚で人気でしたが終売に。代わりに「グレンリベット 18年」などが代替品としておすすめされます。
  • アバフェルディ 12年 / 16年 / 21年:一時終売の噂がありましたが、生産自体は継続しているものもあります。ただ、日本市場への供給が不安定になったため、価格が高騰しやすい状態が続いています。

スコッチウイスキーの終売は、ジャパニーズウイスキーのように「ブランド丸ごと消える」というよりは、「特定の熟成年数が消える」というケースが多い傾向です。気になる銘柄がある場合は、早めに確保しておくのが賢明かもしれませんね。

バーボンウイスキーから消えた銘柄と「駆け込み需要」の傾向

ジャパニーズやスコッチに比べると注目度は低いかもしれませんが、バーボンウイスキーにも終売となってしまった銘柄がいくつかあります。特に、長年親しまれてきた銘柄の終売は、バーボンファンに大きな衝撃を与えました。

惜しまれたバーボンの終売銘柄

アーリータイムズ イエローラベル

バーボンを代表する銘柄の一つだった「アーリータイムズ イエローラベル」は、2020年に日本国内での終売が発表されました。これは、ブランドを保有する会社と、日本での輸入販売を行う会社の契約変更や、原酒の供給体制の変更が主な理由と言われています。
イエローラベルは、比較的ライトで飲みやすく、ハイボールとの相性も抜群で、多くのバーボンファンに愛されていました。終売後は、代替品として「アーリータイムズ ホワイトラベル」が販売されていますが、イエローラベルの味わいを惜しむ声は今でも多いです。

I.W.ハーパー 12年

I.W.ハーパーのラインナップの中でも、特に人気が高かった「I.W.ハーパー 12年」も、2022年に終売となりました。ボトルデザインも高級感があり、12年という熟成年数がもたらすまろやかさと甘みが特徴的で、ストレートやロックでじっくりと味わうのに最適でした。
終売の理由は、やはり長期熟成の原酒の確保が難しくなったことが挙げられます。現在では、ノンエイジの「ゴールドメダル」が主力となっていますが、12年のボトルは中古市場で高値で取引されています。

終売時の「駆け込み需要」と注意点

ウイスキーの終売情報が出ると、必ず発生するのが「駆け込み需要」です。これは、「もう二度と手に入らないかもしれない」という心理から、多くの人が市場に残っているボトルを買い占めに走る現象です。
これにより、終売発表直後から数ヶ月間は、市場価格が一気に高騰し、小売店の棚からもあっという間に商品が消えてしまいます。

  • 定価以上の価格で買うべきか?:駆け込み需要のピーク時に購入すると、通常よりもかなり割高な価格で買ってしまうことになります。本当にそのウイスキーが好きで、どうしても手に入れたい場合に限り、購入を検討しましょう。
  • 代替品を試す:多くのメーカーは、終売品の代替となる現行品を提案しています。例えば、イエローラベルの代わりにホワイトラベル、ハーパー12年の代わりにゴールドメダルなどです。これらは終売品の持つテイストの一部を受け継いでいることが多いので、まずはそちらを試してみることをおすすめします。

バーボンは、ジャパニーズウイスキーほどではないにせよ、終売品は着実に増えつつあります。気になる銘柄があるなら、バーボンの情報サイト(新しいタブで開きます)などで最新情報をチェックしておくと安心です。

終売品の価格が定価の何倍に?高騰の裏側にある3つの要因

「響 17年が数十万円?」「山崎 55年が数億円?」
終売ウイスキーの価格高騰は、もはやニュースになるレベルですよね。なぜ、ただのお酒だったはずのウイスキーが、ここまで「投資商品」のような価値を持つようになったのでしょうか?その裏側には、単なる「品薄」では片付けられない、複雑な要因が絡み合っています。

要因1:世界的な需要の急増と供給の絶対的な不足

これは何度もお話ししていますが、最も大きな要因はやはり需給バランスの崩壊です。特にジャパニーズウイスキーは、2000年代以降、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)などの国際的な品評会で受賞を重ねたことで、世界中から注目を浴びるようになりました。
しかし、ウイスキーは製造に時間がかかるため、需要が増えてもすぐに供給を増やせません。その結果、「今、手に入る長期熟成のウイスキー」の価値が暴騰したわけです。終売品は、その「長期熟成のウイスキー」の代表格であり、価格高騰の最前線に立たされています。

要因2:投機・投資の対象化とコレクター心理

価格高騰の波に乗って、ウイスキーは「飲む」ものから「投資・投機」の対象へと変化しました。特に高額な終売ボトルは、富裕層や海外のバイヤーにとって、「現物資産」として魅力的に見られています。
オークションや個人間取引で高値で売買されるようになると、さらに「希少性」が増し、価格が吊り上げられるというサイクルが生まれます。また、コレクターは「ラベルが綺麗なもの」「箱が揃っているもの」など、状態の良いボトルに対して、さらに高いプレミア価格を支払う傾向があります。

要因3:「二度と作れない」という歴史的価値

終売品、特に長期熟成の年数表記ボトルは、その蒸溜所の「特定の時期」の原酒のみを使って作られたものです。例えば、「響 17年」は、1989年以前に仕込まれた原酒も含まれている可能性があります。当時の気候、樽の質、職人の技術など、すべてが詰まった「タイムカプセル」のようなものなのです。
今の時代では、その当時の環境を完全に再現することはできません。そのため、終売品には「歴史的価値」が加わり、「二度と作れないもの」として、価格が高騰する大きな理由となっています。

これらの要因が複合的に絡み合い、終売ウイスキーの価格は天井知らずで上昇してきました。最近は一部で「バブル崩壊」の兆しも見られますが、長期熟成の終売銘柄については、今後も高値で推移していくとモモストアは予想しています。

終売ボトルはどこで買える?今のうちにチェックすべき購入場所

「終売ボトルが欲しいけど、どこを探せばいいの?」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。終売品は、もうメーカーから出荷されることはないので、手に入れるためには、「市場に残っているボトル」を探すしかありません。主な購入ルートと、それぞれの注意点を見ていきましょう。

大手通販サイト(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)

終売ウイスキーを探す最も手軽な方法は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手通販サイトです。多くの酒販店やリサイクルショップが出品しているため、意外な掘り出し物が見つかることがあります。

  • メリット:自宅にいながら全国の在庫をチェックできる。ポイントが付く場合がある。
  • デメリット:価格が高騰していることが多い。出品者によって信頼度が異なるため、偽物に注意が必要

特に高額なボトルを購入する際は、販売元のレビューや評価を必ずチェックし、商品画像でボトルやラベルの状態を細かく確認してください。信頼できる販売店から購入するのが一番安心です。

リサイクルショップ、酒類専門の買取・販売店

実店舗を持つリサイクルショップや、お酒の買取と販売を専門に行っている店舗も有力な購入先です。これらの店舗では、プロの鑑定士が真贋をチェックしているため、偽物を掴まされるリスクが低いです。

  • メリット:真贋の信頼度が高い。現物を見て状態を確認できる。
  • デメリット:在庫が流動的で、目的のボトルがあるとは限らない。通販サイトよりも価格が高い場合がある。

近くに専門店がある場合は、定期的に足を運んで店員さんと情報交換をしてみると、思わぬ入荷情報が聞けるかもしれません。

オークションサイト(ヤフオク!、メルカリ、専門オークション)

最も高額な取引が行われるのがオークションサイトです。特に「響 30年」や「山崎 55年」といった超高額な限定終売品は、専門のオークションで取引されます。ヤフオク!やメルカリといったフリマサイトでも終売品が出品されていますが、個人間の取引となるため、最も注意が必要です。

  • メリット:超希少なボトルが見つかる可能性がある。相場より安く落札できる可能性がある。
  • デメリット偽物のリスクが最も高い。個人取引の場合、返品・交換が難しい。

オークションで購入する際は、「出品者の評価」を最重視し、不自然に安い商品や、ラベルや液面低下の状態が悪い商品は避けるのが鉄則です。特に、ラベルの印字やキャップシールが怪しいと感じたら、手を出さない方が賢明でしょう。

代替品として注目!終売銘柄と似た系統の「現行ウイスキー」

終売ボトルは価格が高騰していて手が出しにくい…でも、あの系統の味が飲みたい!
そんなウイスキーファンの方のために、終売となった人気銘柄と似たテイストを持つ、今すぐ手に入りやすい「現行ウイスキー」をモモストアが厳選してご紹介します。完璧な代替品はありませんが、近い満足感を得られるはずです。

「響 17年」の華やかさを受け継ぐ現行品

響 ジャパニーズハーモニー

やはり、響のテイストを追い求めるなら、まず試すべきは現行の「響 ジャパニーズハーモニー」です。年数表記はありませんが、響らしい華やかで繊細な香りと、幾重にも重なる複雑な味わいは健在です。様々な原酒をブレンドするサントリーの技術が光る一本で、終売品の面影を感じられるはずです。

シーバスリーガル 18年

スコッチウイスキーのブレンデッドモルトから選ぶなら、「シーバスリーガル 18年」がおすすめです。リッチでまろやかな口当たりと、熟成感のあるフルーティーさが特徴で、響に通じる「エレガントさ」があります。価格帯も、終売品に比べれば格段に安く、長期熟成のブレンデッドの魅力を堪能できます。

「余市 12年」の力強いピート香に近い現行品

ニッカ 竹鶴 ピュアモルト

余市蒸溜所のモルトと宮城峡蒸溜所のモルトをヴァッティングした「竹鶴 ピュアモルト」は、ニッカの哲学が詰まった一本です。余市ほどの強烈さはありませんが、しっかりとしたピートの香りと重厚なコクがあり、飲みごたえがあります。余市ファンならきっと納得できるクオリティです。

ラフロイグ クォーターカスク

よりピーティーな系統を求めるなら、アイラモルトの「ラフロイグ クォーターカスク」を試してみてください。通常よりも小さな樽(クォーターカスク)で追加熟成することで、樽の影響を強く受け、濃厚で甘くスモーキーな味わいに仕上がっています。余市とはまた違った力強さがありますが、ピート好きにはたまりません。

「I.W.ハーパー 12年」のまろやかな甘さに近い現行品

メーカーズマーク

「メーカーズマーク」は、一般的なバーボンよりもライ麦の代わりに冬小麦を使用しているため、口当たりが非常にまろやかで、優しい甘さが特徴です。ハーパー12年のような、角が取れたエレガントなバーボンを好む方に特におすすめできます。

ウイスキー知多

もしバーボン特有のクセが苦手なら、サントリーのグレーンウイスキー「知多」も試す価値ありです。知多は、軽やかでスムーズな飲み心地と、ほのかな甘さが特徴で、ハーパー12年が持っていた「洗練された飲みやすさ」という点で共通しています。

終売品に執着するのも良いですが、これらの現行品も、現行ウイスキーのおすすめ(新しいタブで開きます)として非常に高い評価を得ています。新しいお気に入りを見つけるチャンスかもしれませんよ!

終売ウイスキーを「飲む」か「売る」か?賢い選択のポイント

もし自宅に終売ウイスキーの未開封ボトルが眠っていたら、誰もが一度は「これ、飲んじゃう?それとも売る?」と悩むはずです。数十万円、場合によっては数百万円の価値があるとなると、気軽には飲めませんよね。
モモストアが考える、終売ウイスキーの賢い選択肢について、ポイントを解説します。

選択肢1:飲んで「過去の味」を記憶に残す

ウイスキーは本来、飲むために作られたお酒です。どんなに価値が高まっても、「最高の状態で飲む」という体験は、お金では買えません。

  • 飲むべきボトルの基準
  • 液面低下が進んでいるもの:長期保管により液面が下がっているボトルは、劣化が進みやすいです。価値が下がる前に、飲んで楽しむのが賢明です。
  • 心の底から愛している銘柄:どうしても忘れられない味、特別な思い出がある銘柄なら、価値がどうあれ、最高のタイミングで開栓して楽しむべきです。
  • 「記念日」に合わせて開ける:結婚記念日、昇進祝い、子供の誕生など、一生に一度の記念日に開けることで、そのボトルの価値を最大限に高めることができます。

ただし、飲んでしまうと、そのボトルの市場価値はゼロになります。その判断に後悔しないよう、「本当に飲みたいか?」を自問自答してみてください。

選択肢2:売却して「新しいウイスキー」を買う資金にする

現在、終売ウイスキーの買取市場は非常に活発です。もし、そのボトルに特別な思い入れがなく、「売却益で新しいお酒や趣味を楽しみたい」と考えるなら、売ってしまうのも賢い選択です。

  • 売るべきボトルの基準
  • 複数本所有している場合:最も状態の良い一本を残し、残りを売却することで、十分な資金を確保できます。
  • 今後も価格高騰が見込めない銘柄:一部の終売品は、人気が一巡して価格が安定・下降傾向にあるものもあります。最高値ではないにせよ、今売るのが得策な場合もあります。
  • 長期熟成で、まだ価格が高騰していない銘柄:今後さらにプレミア化する可能性がある銘柄なら、もう少し寝かせる選択肢もありますが、「今すぐ現金化したい」なら売却です。

売却する場合は、必ず酒類専門の買取業者に見積もりを依頼してください。フリマアプリなどは手数料が高く、トラブルのリスクもあります。プロの査定を受けるのが、最も安全で確実です。

結局のところ、「飲む」か「売るか」は、そのウイスキーが自分にとって「思い出」か「資産」か、という判断にかかっています。どちらの選択も間違いではありませんよ。

今後「終売予備軍」になりそうなウイスキーを予想してみた

これまでの終売ウイスキーの動向を見ると、「次に消えるのはどれだ?」と予想したくなりますよね。もちろん、これはモモストアの個人的な予想であり、公式情報ではありませんが、終売になりやすい銘柄の傾向から、いくつかの「終売予備軍」を大胆に予想してみたいと思います。

傾向1:年数表記の若年ボトル

長期熟成原酒の確保が難しくなり、真っ先に休止・終売となったのが「12年」「17年」などのボトルでした。この傾向は今後も続く可能性が高いです。

  • 予想銘柄:現行の山崎 12年、白州 12年
  • 理由:両銘柄とも一時休売・品薄となり、再発売されましたが、世界的な需要は衰えていません。メーカーはノンエイジ(NA)を主力にしたい意向があるため、再度供給が厳しくなれば、休売の可能性は捨てきれません。特に、価格改定後も人気が衰えない現状を見ると、再度の在庫調整が入るかもしれません。

傾向2:特定の限定品や少量生産品

通常ラインナップではなく、特定の販路や時期にしか出ない限定品は、原酒の再配分やブランド戦略の変更によって、突然姿を消すことがあります。

  • 予想銘柄:一部のクラフト蒸溜所の年数表記ボトル
  • 理由:近年、国内で急増しているクラフト蒸溜所の中には、年数表記を始めたところもありますが、原酒の在庫量は大手メーカーに比べて圧倒的に少ないです。急激に人気が出た場合、年数表記ボトルは終売や限定販売に切り替わる可能性が高いです。

傾向3:輸入ウイスキーの一部長期熟成ボトル

ジャパニーズウイスキーが高騰する中、スコッチやバーボンに目を向ける消費者が増えています。この需要拡大により、輸入ウイスキーの一部も終売になる可能性があります。

  • 予想銘柄:グレンモーレンジ 18年、タリスカー 18年など
  • 理由:これらのボトルは、価格と品質のバランスが良く非常に人気がありますが、熟成年数の長い原酒はスコットランドでも希少になりつつあります。特に、マッカランやボウモアなど、すでに休売が出ているブランドは要注意です。

あくまで予想ですが、終売のニュースはいつも突然やってきます。「気になるウイスキーは、いつか買えなくなるかもしれない」という意識をもって、日頃からアンテナを張っておくことが、ウイスキーファンにとっては重要かもしれませんね。この記事で紹介した銘柄以外にも、今後のウイスキー市場の動向(新しいタブで開きます)をチェックしてみてください。

ニッカの終売品!「竹鶴 25年」と「シングルカスク」の驚くべきプレミア価格

ニッカウヰスキーの終売銘柄の中でも、特に突出した価格で取引されているのが、長期熟成のプレミアムボトルです。これらのボトルは、もはや飲むためというより、美術品や資産としての価値を認められています。

幻のブレンデッドモルト「竹鶴 25年」

ニッカの創業者、竹鶴政孝氏の名前を冠したピュアモルト(ブレンデッドモルト)ウイスキーの最高峰が「竹鶴 25年」です。余市と宮城峡で25年以上熟成された原酒のみを厳選して作られたこのボトルは、重厚な香りと、非常に滑らかで長い余韻が特徴です。
2020年に終売となって以降、その価格は爆発的に高騰しました。定価でも高額でしたが、現在では数百万円クラスで取引されることも珍しくなく、国内のオークションでもトップクラスの落札価格を記録しています。

  • 味わいの特徴:シェリー樽由来の濃厚な甘さと、微かに感じるピート香、そして25年という歳月を感じさせる複雑な熟成香。
  • 高騰の理由:ニッカのブランド力に加え、25年という長期熟成原酒の絶対的な不足。そして、終売品であるという希少性。

このレベルのウイスキーは、開栓するのにも勇気がいりますが、もし手に入れることができたら、ぜひその荘厳な香りを体験していただきたいですね。

蒸溜所の個性が詰まった「シングルカスク」

ニッカでは、かつて「シングルカスク」というシリーズで、特定の樽からボトリングしたウイスキーを販売していました。これは、樽ごとに味わいが異なり、二度と同じ味は作れないという究極の限定品です。
特に、余市や宮城峡の蒸溜所でしか購入できなかったシングルカスクボトルは、終売後、驚くほどのプレミア価格で取引されています。例えば、「余市 シングルカスク 20年」などは、非常に高額で、ボトルのラベルに手書きで記された情報(樽番号や瓶詰め日など)が、コレクター心をくすぐります。

シングルカスクは、その蒸溜所の個性を最もダイレクトに感じられるウイスキーです。終売してしまいましたが、もしオールドボトルとして見つけたら、それは非常に幸運な出会いだと言えるでしょう。

サントリーの終売銘柄で再注目!「山崎 18年」の価格動向

サントリーのシングルモルト「山崎」の年数表記ボトルの中でも、特に人気の高い「山崎 18年」は、終売や休売の情報が出るたびに市場が大きく動く銘柄です。ここでは、その価格動向と、注目すべきポイントを見ていきましょう。

一時的な休売で価格が高騰した「山崎 18年」

山崎 18年は、長期熟成原酒の不足により、何度か休売の噂が出たり、実際に供給が不安定になったりしています。特に2020年頃には、休売の懸念から価格が急騰し、定価の数倍で取引されるのが当たり前になってしまいました。
山崎 18年は、シェリー樽で熟成された原酒がキーモルトとなっており、熟した果実のような香りと、深いコク、長い余韻が特徴です。サントリーのウイスキー造りの技術が凝縮された、まさに傑作と呼べる一本です。

現在の市場価格は高止まり傾向

現在(2025年時点)も、山崎 18年の市場価格は高止まりしています。定価は何度か改定されていますが、市場では定価の2倍〜3倍で取引されることが多く、なかなか気軽に手が出せる価格ではありません。
これは、終売となった「響 17年」などの代替需要や、海外からの需要の高さが続いているためです。また、山崎 18年以上の長期熟成ボトル(25年、55年など)が非常に希少なため、18年がその一つ手前のプレミアムボトルとして、高い価値を維持していると言えます。

「山崎」シリーズのその他の終売ボトル

山崎シリーズでは、他にも以下のような終売ボトルがあります。

銘柄名 終売時期 特徴
山崎 15年 不明(かなり古い) 幻のボトル。長期熟成原酒が使われた貴重な一本。
山崎 50年 / 55年 限定発売 超長期熟成の限定品。55年は億単位で落札されており、飲むというよりはもはや歴史的遺産。
山崎 シェリーカスク 限定発売 その年のシェリーカスク原酒を厳選した限定品。終売後は非常に高騰。

特に限定品の「山崎 シェリーカスク」は、その年のボトルごとに味わいが異なり、コレクターの間で非常に人気が高いです。終売となってしまったのは残念ですが、その当時の山崎の味を知る上で、非常に貴重なボトルです。

山崎 18年は、まだ現行品として販売されていますが、販売店(新しいタブで開きます)で見かける機会は非常に少ないです。見つけたら即購入を検討しても良いかもしれませんね。

終売の波はブレンデッドにも!「ブラックニッカ」の終売事情

終売の話題といえば、シングルモルトや高級なブレンデッドウイスキーが中心になりがちですが、実は、手頃な価格帯のブレンデッドウイスキーにも終売の波は来ています。 特にニッカの主力ブランドである「ブラックニッカ」シリーズにも、惜しまれつつ姿を消した銘柄があります。

「ブラックニッカ 8年」の終売

ブラックニッカシリーズの中で、かつて「年数表記」をしていた「ブラックニッカ 8年」は、2015年に終売となりました。これは、ニッカが原酒不足の対応として、年数表記ボトルを整理した際の一環です。
8年という熟成年数がもたらすしっかりとしたコクと、バランスの取れた味わいは、当時のブレンデッドウイスキーとしては非常に優秀で、ハイボールにもロックにも最適でした。終売となってしまったことは、多くのファンにとって残念なニュースでした。

代替品としての「ブラックニッカ ディープブレンド」

「ブラックニッカ 8年」の終売後、その後継として発売されたのが、現行品の「ブラックニッカ ディープブレンド」です。これは、濃厚な甘さと、樽の深い香りが特徴的で、「リッチな味わいのブラックニッカ」というコンセプトで開発されました。
ディープブレンドは、8年とはまた違った個性を持ちますが、終売品の「重厚な味わい」を求めるニーズに応える形で、現在では非常に人気の高い銘柄となっています。

「キングオブキングス」など、知る人ぞ知る終売ブレンデッド

ニッカ以外にも、かつて販売されていたブレンデッドウイスキーの中には、終売となったものが多くあります。

銘柄名 メーカー 終売時期 特徴
キングオブキングス ニッカウヰスキー 不明(かなり古い) その名の通りニッカの高級ブレンデッド。豪華なボトルデザインも魅力。
オーシャンウイスキー 三楽オーシャン(現・メルシャン) ブランド整理 かつて親しまれた国産ウイスキー。多くの銘柄が終売となっている。
ホワイトホース 12年 ディアジオ 不明(限定販売化など) 手頃な価格で長期熟成を楽しめたスコッチ。現在は終売で高騰。

これらのボトルは、今の若いウイスキーファンには馴染みがないかもしれませんが、オールドボトルとして見かけると、思わぬ名品に出会えることがあります。終売品の歴史を知ることも、ウイスキーの奥深さを知る上で非常に大切ですよ。

サントリーの休売銘柄「白州 12年」再発売後の市場動向

サントリーのシングルモルト「白州 12年」は、2018年に原酒不足のため休売が発表された際、市場で大きな混乱を招きました。しかし、その後、原酒の状況が改善したとして、2021年春に数量限定で再発売されました。この再発売は、ウイスキー市場にとって非常に明るいニュースでした。

再発売後の市場価格はどうなった?

休売が発表された直後、「白州 12年」の市場価格は高騰し、定価の5倍〜10倍で取引されていました。しかし、再発売が始まったことで、市場に一定量のボトルが供給されるようになり、価格は一時的に落ち着きを取り戻しました

  • 休売直後:価格が暴騰し、店頭から姿を消す。
  • 再発売後:価格は落ち着き、定価の2倍〜3倍程度に。ただし、抽選販売や限定販売が多く、入手難易度は高いまま。

現在(2025年時点)も、山崎 12年と同様に、白州 12年も抽選販売や、店頭での限定販売が中心で、依然として定価で買うのは難しい状況が続いています。しかし、休売時のような異常な暴騰は沈静化しており、市場は「健全化の兆し」を見せています。

白州 12年の魅力と代替品

白州 12年は、サントリーの白州蒸溜所で生まれたシングルモルトで、「森の若葉のような爽やかな香り」と「軽快でキレの良い味わい」が特徴です。特に、日本のウイスキーの中でも珍しい、「さっぱりとして飲みやすい」タイプです。

もし白州 12年の爽やかさに近い味わいを求めるなら、以下の銘柄が代替品としておすすめです。

代替品 タイプ 特徴
白州 ノンエイジ シングルモルト 白州 12年の爽やかさを継承。よりフレッシュで軽快な味わい。
グレンキンチー 12年 ローランドモルト スコッチのローランドらしい軽やかで繊細な味わい。白州と系統が似ている。
アラン 10年 アイランドモルト フルーティーでクリーンな味わい。ピート香が控えめで、爽快感がある。

白州 12年の再発売は、終売・休売ボトルが「二度と手に入らない」わけではない、という希望を与えてくれました。今後、他の休売銘柄も、原酒の熟成が進むのを待って再発売される可能性がありますね。その日を待ちながら、現行品を愛でるのも楽しいですよ。

ジャパニーズウイスキー「知多」の終売ボトルと現在の立ち位置

サントリーのウイスキー「知多」は、愛知県の知多蒸溜所で生まれた、軽やかでスムーズな味わいが特徴のグレーンウイスキーです。ブレンデッドウイスキーの原酒として使われることが多いグレーンウイスキーを、シングルグレーンとして発売したことで話題になりました。
この「知多」にも、実は終売となった銘柄があるんです。

「知多 10年」の終売

知多のボトルが登場した際、少数ながら「知多 10年」という年数表記のボトルも存在していました。これは、長期熟成のグレーン原酒のみを使用したもので、知多ならではの軽やかさに、10年という熟成感が加わった、非常にまろやかな味わいでした。
しかし、長期熟成のグレーン原酒の確保が難しくなったこと、そして、ブランド戦略の変更により、10年表記のボトルは終売となりました。現在、知多は「知多(ノンエイジ)」が主力となっています。

現在の「知多」の立ち位置

「知多(ノンエイジ)」は、その軽快さとクセのなさから、ハイボールに最適なウイスキーとして、非常に人気があります。また、高級ブレンデッドウイスキー「響」の原酒の一部としても使われており、サントリーのウイスキー造りにおいて、非常に重要な役割を担っています。
終売した10年ボトルほどの熟成感はありませんが、現行の知多も、日本の風土が生んだグレーンウイスキーの美しさを感じられる一本です。

グレーンウイスキーは、モルトウイスキーと比べて価格が高騰しにくい傾向がありますが、知多の長期熟成ボトルは非常に希少価値が高いです。もし、古いボトルを見かけることがあれば、それは貴重な出会いだと思ってください。

終売の理由が特殊な「ゴースト蒸溜所」ウイスキーの魅力

ウイスキーの終売の理由には「原酒不足」が多いですが、中には「蒸溜所自体が閉鎖されてしまった」という、特殊な理由を持つ終売ウイスキーがあります。これらは「ゴースト蒸溜所(Ghost Distillery)」のウイスキーと呼ばれ、ウイスキーファンにとっては特に魅力的な存在です。

ゴースト蒸溜所とは?

ゴースト蒸溜所とは、すでに閉鎖されて、稼働していない蒸溜所のことです。例えば、スコッチウイスキーでは、かつてアイラ島にあった「ポートエレン」や、スペイサイドの「ブローラ」などが有名です。
これらの蒸溜所でかつて造られたウイスキーは、もちろん二度と造られることはありません。そのため、市場に残っているボトルは時間と共に減る一方であり、その希少性から価格が高騰し続けています

日本のゴースト蒸溜所ウイスキー

日本にも、過去に閉鎖された蒸溜所があります。有名なところでは、

  • 軽井沢蒸溜所(メルシャン):2000年に閉鎖。そこで造られた「軽井沢」ブランドのウイスキーは、世界的なオークションで非常に高額で取引されています。その価格は、数十万円〜数百万円に達することもあります。
  • 羽生蒸溜所(東亜酒造):2000年に閉鎖。ここで造られたモルト原酒を、肥土伊知郎氏が引き取り、「イチローズモルト カードシリーズ」としてリリースしました。このシリーズは、現在、世界で最も高額で取引されるウイスキーの一つとなっています。

これらのウイスキーは、その蒸溜所の「過去の味」を今に伝える、非常に貴重な遺産です。終売の理由が「原酒不足」ではなく「蒸溜所の閉鎖」であるため、その希少性は群を抜いています。

ゴーストウイスキーの楽しみ方

ゴーストウイスキーは高額で手が出しにくいですが、ゴースト蒸溜所の原酒をブレンドした現行品も存在します。例えば、ジョニーウォーカーの一部銘柄には、閉鎖された蒸溜所の原酒が使われているものもあります。
もし高額なボトルを所有することができたら、それは歴史を所有することと同じです。ウイスキーのロマンを感じさせてくれるのが、このゴーストウイスキーの魅力ですね。

サントリーの終売銘柄「膳」と「角瓶」の一部終売について

サントリーは、高級ウイスキーだけでなく、デイリーウイスキー(日常的に飲むウイスキー)にも終売のニュースがありました。ここでは、比較的安価なウイスキーの終売事情を見ていきましょう。

サントリー「膳」の終売

かつてサントリーが販売していたブレンデッドウイスキー「膳(ぜん)」は、その名の通り、食事に合うように設計されたウイスキーでした。軽やかで飲みやすく、和食にも合わせやすい優しい味わいが特徴でした。
しかし、ブランド戦略の変更や、原酒の再配分などの理由により、膳は終売となりました。現在は、同じく食事に合うウイスキーとして、「知多」などがその役割を担っていると言えます。

「角瓶」のボトルデザイン・容量変更による旧ボトルの終売

国民的なウイスキーである「サントリー角瓶」は、ボトルが終売になることはありませんが、容量やデザインが変更されることがあります。この際、旧デザインのボトルは、事実上の「終売品」となります。
例えば、容量が変更された場合、旧容量のボトルは市場から姿を消します。中身は変わっていませんが、コレクターの中には「旧容量ボトル」をコレクションする人もいます。
角瓶のように広く流通しているウイスキーの終売品は、大きな価格高騰は見られませんが、時代と共に変化するウイスキーの歴史を感じさせてくれる貴重な存在です。

デイリーウイスキーの終売は、高級ボトルほどの騒ぎにはなりませんが、長年愛飲していたファンにとっては、非常に寂しいニュースです。メーカーは、常に最高の品質を提供するために、原酒の配分を調整しています。その結果が、終売や容量変更という形で現れるのですね。

終売ウイスキーと「価格改定(値上げ)」の密接な関係

終売と並行して、ウイスキー業界で近年大きな話題となっているのが「価格改定(値上げ)」です。終売と値上げは、一見すると別の事象に見えますが、実はウイスキーの価値と希少性を巡る密接な関係があります。

終売は「究極の値上げ」である

終売とは、メーカーが「この価格では採算が合わない、あるいは品質が維持できない」と判断し、生産を停止することです。つまり、市場に残ったボトルは、「定価ではもう買えない」という究極の値上げが行われた状態とも言えます。
メーカーの公式な値上げが行われると、「もうこれ以上値上がりする前に買っておこう」という心理が働き、駆け込み需要が発生します。しかし、終売となると、駆け込み需要を超えて、「もう二度と手に入らない」という心理が、価格を高騰させます。

現行品の価格改定は終売品の価値を底上げする

例えば、「山崎 ノンエイジ」が値上げされたとします。すると、その上位互換である「山崎 12年」や、終売品の「山崎 10年」の相対的な価値も上がります。
「ノンエイジがこれだけするなら、10年熟成の終売品はもっと高い価値があるはずだ」という論理が働き、終売品の市場価格がさらに底上げされる傾向にあります。

値上げは「終売回避」のための防衛策

メーカーが値上げを行う背景には、原材料費や輸送費の高騰もありますが、「原酒不足による終売を回避したい」という意図も含まれています。
価格を上げることで、市場での需要を一部抑え、また、利益率を向上させて原酒の確保・増産体制に投資する。これにより、人気銘柄の安定供給を目指しているわけです。つまり、値上げは、私たち消費者が「好きなウイスキーを飲み続けるため」に必要な、メーカーの努力の証とも言えるのです。

終売と値上げは、ウイスキー市場の「変化」を象徴する出来事です。この変化を正しく理解することで、私たちは今後のウイスキー選びや購入戦略を立てることができます。

スコッチウイスキー「グレンファークラス」の終売事情と魅力

スコッチウイスキーの中でも、家族経営を貫き、「シェリー樽熟成」に並々ならぬこだわりを持つのが「グレンファークラス」蒸溜所です。このグレンファークラスからも、近年、終売となった銘柄があります。

「グレンファークラス 21年」の終売

グレンファークラスは、10年、15年、21年、25年といった幅広いラインナップが人気でしたが、2022年頃に「グレンファークラス 21年」が終売となりました。これは、長期熟成の原酒の確保が難しくなったことが大きな理由とされています。
21年という熟成年数がもたらす、濃厚なシェリーの風味と、深い熟成感は、グレンファークラスの真骨頂でした。終売が発表された際には、多くのシェリー樽ファンが嘆きました。

終売した21年の代替品は?

21年の終売後、代替品として注目を集めたのが、同じくグレンファークラスの「17年」「25年」です。

  • グレンファークラス 17年:21年よりも若々しさはあるものの、シェリー樽のキャラクターは健在で、バランスの取れた味わいが魅力です。
  • グレンファークラス 25年:より長期熟成の原酒を使用しており、複雑で奥深い味わいです。価格は上がりますが、21年以上の熟成感を求めるならこちらがおすすめです。

また、グレンファークラスはカスクストレングス(加水なし)のシリーズも人気があります。これは、樽出しのアルコール度数でボトリングされており、非常に濃厚で力強い味わいが楽しめます。終売品とは違った、グレンファークラスの個性を体験できます。

グレンファークラスは、他のスコッチに比べて、比較的安価で長期熟成ボトルが手に入りやすいのが魅力でしたが、今回の21年終売のニュースは、スコッチウイスキーの長期熟成原酒も希少になりつつあることを示唆しています。気になる熟成年数のボトルがあるなら、早めにチェックしておきましょう。

まとめ:終売ウイスキーは「ロマン」と「投資」の象徴

いかがでしたでしょうか。この記事では、「ウイスキー終売一覧」というテーマで、ジャパニーズウイスキーからスコッチ、バーボンに至るまで、惜しまれつつ市場から姿を消した数々の銘柄をご紹介してきました。

終売ウイスキーは、そのすべてが「原酒不足」や「蒸溜所の閉鎖」といった、ウイスキーの歴史とロマンを背景に持つものばかりです。そして、その希少性から、価格が高騰し、今や「飲むお酒」という枠を超えて、「投資対象」や「過去の遺産」としての価値も持つようになりました。

終売品を探すのは楽しいですが、無理をして高額なボトルを購入する必要はありません。終売品が教えてくれるのは、「現行品もいつか買えなくなるかもしれない」という事実です。今、手に入る美味しいウイスキーを大切に味わうことが、最も賢明なウイスキーとの付き合い方かもしれませんね。

あなたのお気に入りのウイスキーが、これからもずっと手に入りますように。モモストアは、今後もウイスキーの最新情報をお届けしていきますので、お楽しみに!

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